家庭におけるエネルギーの高度利用 - 日本ガス協会

1.天然ガスの普及拡大と高度利用
スライド1
家庭におけるエネルギーの高度利用
高効率給湯器とコージェネレーションシステム ∼高効率の給湯から発電まで∼
機器
分類
給湯器
方式
バーナー燃焼
ガスエンジン
燃料電池
名称
エコジョーズ
エコウィル
エネファーム
家庭用コージェネレーションシステム
PEFC
SOFC
商品
概観
効率
環境性
再生可能エネ
との協調
普及段階
給湯効率: 95%
省エネ率: 13%
省CO2率: 13%
発電効率:26.3%(LHV)
排熱回収効率:65.7%(LHV)
省エネ率: 28%
省CO2率: 39%
太陽光発電
太陽熱 『SOLAMO』
実用化初期
研究段階
発電効率: 40%(LHV)
排熱回収効率:50%(LHV)
省エネ率: 35%
省CO2率: 48%
将来技術
発電効率: 46.5%(LHV)
排熱回収効率:43.5 %(LHV)
省エネ率:39%
省CO2率:52%
『W発電』
1.天然ガスの普及拡大と高度利用
スライド2
家庭におけるエネルギーの高度利用
エコジョーズ(高効率ガス風呂給湯器) ∼高効率給湯器の追求∼
従来給湯器
(効率80%)
エコジョーズ
(効率95%)
2次熱交換器で
水蒸気の
凝縮熱を回収
ドレン処理技術開発で
集合住宅へも普及
小型化、低コスト化により
燃料電池の
バックアップボイラー
としても利用
エコジョーズ
内蔵PEFC
SOLAMO
+
「エコジョーズ化宣言2013」
2013年3月までに戸建住宅および新築マンションに
新たに設置されるガス給湯器をエコジョーズ化していく
普及段階
実用化初期
研究段階
将来技術
太陽熱集熱器
エコジョーズ+貯湯槽
1.天然ガスの普及拡大と高度利用
スライド3
家庭におけるエネルギーの高度利用
エコウィル(家庭用ガスエンジンコージェネレーションシステム) ∼発電もできる給湯器∼
学習制御運転で省エネ性UP
発電しながらエンジンの熱を回収
99
累積設置
台数(
千台)
2004
エコウィルの累積設置台数
エコウィル
ガスエンジン発電ユニット
W発電(再生可能エネルギーとの融合)
エコウィル
排熱利用給湯暖房貯湯ユニット
普及段階
実用化初期
研究段階
将来技術
2010 年度
+
太陽光発電
1.天然ガスの普及拡大と高度利用
スライド4
家庭におけるエネルギーの高度利用
エネファーム (PEFC、SOFC)
燃料電池 ∼ガスを「燃やす」からの転換。発電効率の向上を目指して∼
エネファーム(PEFC、SOFC)
燃料電池の構成
①燃料改質装置
②セルスタック
③インバーター
④熱回収装置
⑤貯湯タンク
⑥バックアップ熱源機
40
46.5% (LHV)
90
90.0% (LHV)
2012年4月商品化
2 での反応
電気化学反応で直接電気を作り出すから
エンジンよりさらに高効率
普及段階
実用化初期
研究段階
将来技術
エネファームとしてPEFCは既に商品化、さらに発電効率
の高いSOFCを2012年度4月に商品化
スライド5
1.天然ガスの普及拡大と高度利用
業務用・産業用におけるエネルギーの高度利用
業務用・産業用コージェネレーションシステム
■コージェネレーションのメリット
■コージェネレーションの種類と発電効率
<天然ガスコージェネレーション>
一次エネルギー
〔天然ガス〕
電気 40
100
排熱利用 40
20
発電所
送電線
利用困難な排熱
需要地
トランス
<従来システム>
一次エネルギー
〔石炭・石油・
天然ガスなど〕
電気 40
100
排熱利用用途
送電ロス等
-4
-56
(発電効率等はH15年度の実績値より算定)
出典: METIホームページ(天然ガスの燃料転換・高度利用に関するWG(第2回)JGA配布資料)
■用途別普及状況(スチームタービン除く)
(2010年3月末現在)
日本ガス協会での技術開発の取り組み
 高効率小型天然ガスエンジンコージェネ技術開発
(2003∼2005年度)
 超高効率天然ガスエンジン・コンバインドシステム
技術開発事業(2005∼2007年度)
ガス業界の2030年に向けた導入目標
(民生業務用)
(産業用)
コージェネレーション 3,000万kW
家庭用燃料電池
500万台
⇒ 電力需給安定への効果を期待
1.天然ガスの普及拡大と高度利用
スライド6
(3) 業務用・産業用コージェネレーションシステム
市場拡大に向けた機器開発・普及
∼熱と電気の需要バランスに適したコージェネの開発・普及∼
電源コージェネ
(中・大型ガスエンジン・ガスタービン)
ガスエンジン
マイクロガスタービン
(MGT)
SOFC-MGT
複合発電システム
(∼300kW級)
(200kW級∼)
出典:TT&S㈱ホームページ
出典:三菱重工業㈱ホームページ
ジェネライト
業務用SOFC
(5∼35kW)
(数kW級)
出典:ヤンマー㈱ホームページ
出典:東邦ガス㈱ホームページ
普及段階
実用化初期
研究段階
将来技術
1.天然ガスの普及拡大と高度利用
スライド7
業務用・産業用におけるエネルギーの高度利用
業務用・産業用分野における天然ガスへの燃料転換と、高効率バーナーや酸素富化
燃焼など高度利用による省エネ・省CO2のポテンシャルは非常に大きい
■用途別のバーナーのラインナップ
■高効率バーナーの特長
高い加熱能力
⇒ ラインのスピードを向上
加熱方法のバリエーションが豊富
⇒ 輻射・対流を組み合わせた最適な
加熱方法を実現
出典:大阪ガスホームページ
■リジェネラジアントチューブバーナー
■ツインリジェネバーナー
85%の熱効率が得られるリジェネ
バーナシステムを採用した、直接加熱
方式のバーナー。
リジェネバーナシステムを採用した、間接加熱
方式(輻射熱で対象を加熱する方式)のバーナ。
■ケミカルループ燃焼
燃料反応器では、天然ガスが金属酸化物を還元。
排ガスは高温となり加熱に利用。また、排ガス中の
CO2濃度は高く、分離回収が容易。
蒸気
水
燃料反応器
(天然ガスで還元)
空気反応器
(空気で酸化)
M : 金属
MO : 金属酸化物
バーナー外観
システムイメージ
出典:大阪ガスホームページ
普及段階
実用化初期
研究段階
バーナー外観
システムイメージ
出典:東邦ガスホームページ
将来技術
空気
燃料
(天然ガス)
出典:東京ガス
1.天然ガスの普及拡大と高度利用
スライド8
ガス空調
GHP ∼省エネ・省CO2・利便性向上に向けた技術開発∼
ハイパワーエクセル ∼発電機能付GHP ∼
GHP エグゼア ∼超高効率GHP∼
■一次エネ換算APFで2.05を達成
■高効率で発電した電力の利用で、
従来GHP に比べ約19%の省エネ
さらに省エネ性、省CO2性が向上
H23年4月より
販売開始
出典:大阪ガスホームページ/エグゼアプレスリリース記事
リニューアル機
Wマルチ
複数室外機の組み合わせ
で適正な負荷分担
ロングライフ・省エネ
普及段階
実用化初期
出典:大阪ガスホームページ/ハイパワーエクセル設置イメージ
研究段階
GHPリニューアル時の既
設冷媒配管を再利用
工期短縮と低コスト化
将来技術
冷暖フリーマルチ
1台の室外機で冷房・暖
房の同時取り出しが可能
 室外機の設置スペースの
減少
1.天然ガスの普及拡大と高度利用
スライド9
ガス空調
吸収式 ∼省エネ・省CO2に向けた技術開発∼
三重効用ガス吸収冷温水機 ∼吸収式の中で
世界最高の冷房変換効率∼
■定格時の冷房COP1.6を達成。
出典:川重冷熱工業㈱ホームページ
■コージェネ排熱の優先利用により省
エネ・省CO2
冷房負荷の約40%ま
では排熱のみの運転
定格時のガス削減率
は約25%
実用化初期
研究段階
■年間を通じた運転で、高い省エネルギー性
を達成
出典:パナソニック㈱ホームページ
ジェネリンク ∼排熱投入型吸収冷温水機∼
普及段階
高期間効率機
∼吸収式の部分負荷効率を大幅に向上∼
将来技術
ソーラークーリングシステム
∼再生可能エネルギーとの融合∼
■太陽熱を優先的に利用し、都市ガスで補完
国内初の
三重効用
での実証
東京ガス湘南ビルでの導入 東邦ガス津営業所での実証
1.天然ガスの普及拡大と高度利用
厨房における安全・安心
家庭用:SIセンサーコンロ
焦げ付き消火機能
スライド10
鍋なし検知機能
発売(平成20年4月)から2年9ヶ月で
累積出荷台数が1000万台を突破
消し忘れ消火機能
(コンロ・グリル部)
センサー(温度検知など)
調理油(天ぷら油)過熱防止装置
センサー(立ち消え)
立ち消え安全装置
写真提供:大阪ガス
すずちゅう
業務用:涼しい厨房機器「涼厨® 」
「涼厨」は、大阪ガス㈱の登録商標です。
低輻射、集中排気、簡単清掃でヤケドもなく快適な厨房を実現
従来機器
出典:東邦ガスホームページ
普及段階
実用化初期
研究段階
将来技術
出典:東京ガスホームページ
回転釜
涼厨
1.天然ガスの普及拡大と高度利用
スライド11
天然ガス自動車
天然ガス自動車の環境性
天然ガス自動車の普及拡大に向けた取り組み
■高速走行時(平均車速 約70km/h)の
2トントラックのCO2排出量の比較
■車両および充填設備のコストダウンの推進、利便性・性能の向上
2つの燃料どちらでも走行可能
(天然ガス/ガソリン)
%
100
100%
天然ガススタンドを
簡素化して一体化
▲18.8%
90
80
81.2%
ディーゼル車
天然ガス自動車
出典:「天然ガス自動車燃費調査報告書」(都市ガス振興センター)
車種別の普及状況
(2011年3月末現在)
バイフューエル車
(三菱 ミニキャブ)
パッケージ型急速充てん設備(250㎥/h型)
出典:2010年度版天然ガス自動車の普及に向けて(JGA)
フォークリフト等
バス
1,713
乗用車 1,506
1,510
塵芥車
3,607
小型貨物(バン)
5,210
トラック
17,966
軽自動車
8,917
出典:天然ガス自動車の普及に向けて2011年版(JGA)
■運送業界をはじめとする
■天然ガススタンド等燃料
各業界への導入促進
供給インフラの一層の整備
出典:2010年度版天然ガス自動車の普及に向けて(JGA)
普及段階
実用化初期
研究段階
将来技術
2.再生可能エネルギーの導入
スライド12
太陽光発電とガス機器
太陽光発電とガス機器 ∼再生可能エネルギーも有効利用∼
W発電で売電量が増加し、コストメリットも増加
W発電
太陽光発電のみの売電
太陽光発電
電力需要
売電量
エネファーム
or
エコウィル
普及段階
実用化初期
W発電での売電
+
太陽光発電
電力需要
太陽光発電
売電量
エネファーム発電
研究段階
将来技術
2.再生可能エネルギーの導入
スライド13
太陽熱とガス機器
太陽熱とガス機器 ∼太陽光発電と比べ約4倍のエネルギー変換効率となる太陽熱を利用∼
SOLAMO(太陽熱利用ガス温水機)
太陽熱温水器を高効率ガス給湯器
(エコジョーズ)がバックアップ
ソーラークーリング(太陽熱利用ガス空調機)
太陽熱を優先的に利用しながら不足分は
都市ガスでバックアップ
貯湯槽
集熱器
給湯
ソーラー対応型
吸収冷温水機
【省スペース化タイプ】
大阪ガスの試算値
太陽熱集熱器(真空ガラス管形)
集合住宅用
エコジョーズ
&貯湯槽一体型 ベランダ設置太陽集熱器
普及段階
実用化初期
研究段階
将来技術
冷房利用に必要な80℃程度
の温水を供給
集熱効率は最大で約50%
2.再生可能エネルギーの導入
スライド14
バイオガスの利用
バイオガス ∼カーボンニュートラルのガス体エネルギーの活用∼
【下水処理場】
【ビール工場】
【食品工場】
・ 発電等オンサイトでの利用技術
(都市ガスとの混焼等)
・ 成分調整して都市ガス導管へ注入も可能
(2サイトで実証試験中※)
※都市ガス振興センター/バイオガス都市ガス導管注入実証事業
ガス化
高効率
メタン発酵技術
貯蔵
精製
シロキサン
除去技術
利用
発電
農業トリジェネ
都市ガス
導管へ注入
水素改質
吸着式貯蔵技術
(神戸市東灘区、
東京都大田区)
環境省地球温暖対策
技術開発事業
普及段階
実用化初期
研究段階
将来技術
スライド15
3.スマートエネルギーネットワーク
<現在の都市圏におけるエネルギー利用上の課題>
① 再生可能・未利用エネルギーの普及拡大
再生可能エネルギーは出力変動が大きいた
め、導入量に限界がある。
② エネルギーセキュリティー
電力不足時は一斉に節電が求められ、災害等
による停電時は重要施設(信号、電灯など)へ
電力を供給できない。
③ 省エネ・低炭素エネルギーマネジメント
熱エネルギー(天然ガスコージェネレーションシ
ステム(CGS)排熱、太陽熱など)の有効利用に
限界がある。
<コンセプト>
エネルギー最適融通
(熱利用時のCO2排出量低減)
普及段階
実用化初期
研究段階
将来技術
熱の有効利用度向上
熱利用時のCO2排出量低減
スライド16
3.スマートエネルギーネットワーク
実現への取組み(実証試験)
● 情報通信技術によるCGS群遠隔制御
(大阪ガス㈱ 近畿エリアの需要家7件、太陽光発電5サイトで実証中)
広域に分散設置されたCGS群の遠隔制御による次の効果を検証中
【制御面】
①エネルギー最適融通ロジック
②再生可能エネルギーと協調制御ロジック(変動抑制ロジック)
③調整力提供ロジック
【通信面】
・CGS遠隔制御技術
【CGS本体】
①既得メリットを侵食しない運用方法の開発
②応答性、部分負荷運転効率の向上
● 熱融通ネットワークによる熱の高度利用
(東京ガス㈱ 千住スマートエネルギー実証例)
熱需要密度の高いエリアで周辺の熱需要を統合する熱融通ネット
ワークを構成し、コージェネレーション(CGS)、太陽熱集熱器、
太陽光発電(PV)を組み合わせて、建物間で熱と電気を融通する
システムの効果を検証中
・ 熱源統合制御:再生可能エネルギー、未利用エネルギー、CGS廃熱を
先的に活用し、冷暖房や給湯の省エネ性を最大限に高めるための制御
技術の実証
・ 双方向熱融通制御:近隣建物との間で太陽熱とCGS廃熱を双方向に熱
融通することで、熱を余すことなく活用する制御技術の実証
・ PV出力変動補完制御:気象条件により変動する太陽光発電の出力を
CGSやターボ冷凍機により調整・制御し、系統電力を安定化させる実
証
建物間の熱融通により
地域全体でのエネルギー
利用効率を最大化
普及段階
実用化初期
研究段階
将来技術
再生可能エネルギーと
コージェネレーションの
組み合わせで省エネ性と
エネルギーセキュリティ向上
4.水素エネルギー社会の構築
スライド17
ガス業界として2030年ビジョン推進の中で、足元では、需要先で天然ガス改質水素を利用する定置用燃料電池と水素ステーションの導入に向け、
技術開発等に取り組む。長期的には大幅なCO2削減が求められれば、CO2フリー水素の供給による貢献を重要なオプションとなる。
CO2フリー水素の供給により大幅なCO2削減に貢献(2050年頃)
・各臨海部の水素NWは、パイプラインなどにより連結され、より大きな水素NWへと発展
・水素NWは、都市部へも延伸し、さらに業務用分野から家庭用分野へと供給範囲が拡大
・再生可能エネルギー由来の余剰電力は、水素に変換・貯蔵され、電力系統の安定にも貢献
・天然ガスエリアにおいても、スマートエネルギーNWの拡大発展の中で、高度に高効率化された機器やシステムの普及により、 低炭素化への貢献が継続
4.水素エネルギー社会の構築
スライド18
水素製造
HYSERVE ∼超コンパクト水素製造装置∼
■改質装置、およびPSA装置をパッケージ化
水素分離型リフォーマ
■改質反応と同時に水素を分離精製することにより、
シンプル・小型・高効率な水素製造装置を達成
し、設置時の現場工事を軽減
触媒
水素分離管 (Pd合金膜)
水蒸気
H2
加熱
CO2
水素
CH4
H2
H2
H2O
都市ガス
CH4
CO
CO2分離
コンパクト設計
水素の製造効率80%超
大幅なコストダウン
90%のCO2濃縮に
よる容易なCO2回収
ワンタッチ自動運転
40Nm3/h級水素分離型リフォーマ試験機
水素製造能力:100Nm3/h
普及段階
実用化初期
研究段階
将来技術
4.水素エネルギー社会の構築
スライド19
水素ステーション
地域水素供給インフラ技術・社会実証
(2011∼2015年度)
千住水素ステーション
水素製造・輸送・貯蔵システム等技術開発
(2008∼2012年度)
愛知県東海市
大阪市此花区
東京都荒川区
製造能力
充填圧力
4.5kg/h(50Nm³/h)
35MPa/70MPa
■プレクール機能付き70MPa充填設備
■三菱化工機(株)が新たに開発した小
型・高効率な水素製造装置を採用
東邦ガス技研水素ステーション
大阪水素ステーション
製造能力
充填圧力
2.7kg/h(30Nm³/h)
35MPa
■中央区から大阪ガス酉島事業所に
水素ステーションを移設
■大阪ガスが開発したコンパクト
な水素発生装置(HYSERVE)を採用
製造能力
充填圧力
3.6kg/h(40Nm3/h)
35MPa/70MPa
■プレクール機能付き70MPa充填
設備。
■繰り返し充填による耐久性検証や
圧縮機による直充填試験等を実施
出典:HySUT、東京ガス、大阪ガス、東邦ガスの各ホームページ
普及段階
実用化初期
研究段階
将来技術