BOPビジネスのフロンティア 開発途上国市場の潜在的可能性 と官民連携 2011年2月 日本貿易振興機構(ジェトロ)海外調査部 主任調査研究員 稲 葉 公 彦 最初に:BOPビジネスとジェトロ <2009年7月に取り組み開始> 経済産業省受託事業:平成21年度社会 課題解決型の官民連携プログラム支援 事業(社会課題解決型ビジネスに関する 普及・啓発セミナー等事業) 三本柱:先行事例調査、潜在ニーズ調 査、普及・啓発事業 <2010年度の取り組み> 2010年3月9日 国際シンポジウム「BOPビジネスのフロンティア」 ジェトロ自主事業:BOPビジネス促進調査 プログラム 五本柱:先行事 例調査、潜在 ニーズ調査、セ ミナー・シンポジ ウム開催、ウエ ブでの情報発 信、相談対応 機能 2010年7月14日 シンポジウム「BOPビジネスに向け 2010年10月13日 BOPビジネス支援センター設立記念 シンポジウムの田嶋要経済産業大臣政務官開催挨拶 た企業戦略と官民連携」でのユヌス・グラミン銀行総 2 裁の基調講演 世界経済の中で重要性増す新興国 経済規模上位7カ国変遷の見通し(ゴールドマンサックス) 1980年 2007年 2030年 2050年 GDP 順位 国 名 所得 国 名 所得 国 名 所得 国 名 順位 順位 順位 1 米国 12 米国 9 中国 49 中国 2 日本 19 日本 22 米国 12 米国 3 ドイツ 17 ドイツ 16 インド 63 インド 4 フランス 9 中国 56 日本 29 ブラジル 5 英国 18 英国 6 イタリア 21 フランス 7 カナダ 15 イタリア 16 平均 平均 所得 順位 45 15 61 46 10 ブラジル 47 ロシア 28 17 ロシア 20 ドイツ 21 平均 35 インドネシア 22 メキシコ 37 平均 60 44 43 (出所) The Expanding Middle: The Exploding World Middle Class and Falling Global Inequality, Global Economics Paper No: 170, Goldman Sachs 現状認識(世界の人口推移) 1950年 順位 国名 2010年 総人口 1 中 2 イ ド 371,857 イ 3 ア メ リ カ合 衆 国 4 ロ 1,417,045 157,813 ア メ リ カ 合 衆 国 317,641 ア メ リ カ 合 衆 国 403,932 102,702 イ ン ド ネ シ ア 232,517 パ ン 335,195 5 日 本 82,824 ブ ル 195,423 ナ イ ジ ェ リ ア 289,083 6 イ ン ド ネ シ ア 77,152 パ ン 184,753 イ ン ド ネ シ ア 288,110 7 ド ツ 68,376 バ ン グ ラ デ シ ュ 164,425 バ ン グ ラ デ シ ュ 222,495 8 ブ ラ ジ ル 53,975 ナ イ ジ ェ リ ア 158,259 ブ ル 218,512 9 イ ギ リ ス 50,616 ロ 140,367 エ ア 173,811 10 イ タ リ ア 46,367 日 126,995 コ ン ゴ 民 主 共 和 国 147,512 連 邦 イ 11 バ ン グ ラ デ シ ュ 43,595 メ 12 フ ス 41,832 フ ラ ン ラ キ シ ジ ス ア タ 連 1,354,146 イ ド 1,214,464 中 総人口 国 ン 国 国名 1,613,800 シ ア 544,951 中 総人口 ド ン 国 国名 (単位:1,000人) 2050年 邦 本 キ ィ シ リ ス ラ チ コ 110,645 フ ィ ン 93,617 エ ジ ム 89,029 メ キ ア 84,976 ロ ト 84,474 ベ タ ジ オ リ ピ ピ ン 146,156 プ ト 129,533 シ コ 128,964 邦 116,097 ム 111,666 ア 109,450 本 101,659 キ ス タ ン 41,177 ベ 14 ウ ク ラ イ ナ 37,298 エ 15 ナ イ ジ ェ リ ア 36,680 エ 16 ス ペ イ ン 28,009 ド イ ツ 82,057 タ 17 メ キ シ コ 27,741 ト ル コ 75,705 日 18 ベ ト ナ ム 27,367 イ ラ ン 75,078 ト ル コ 97,389 19 ポ ー ド 24,824 タ イ 68,139 イ ラ ン 96,975 ト 21,514 コ ン ゴ 民 主 共 和 国 67,827 ウ ダ 91,271 20 エ ジ ン プ チ ナ キ 13 パ ラ ト ピ ン オ ジ ピ プ シ ア ト ン ガ 連 ナ ザ ニ ン 出所: 国立社会保障・ 人口問題研究所 (2010) 現状認識(世界の人口推移) 6,000,000 5,000,000 4,000,000 アフリカ アジア ヨーロッパ 3,000,000 ラテンアメリカ 北部アメリカ オセアニア 日本 2,000,000 1,000,000 国立社会保障・ 人口問題研究所 (2010)発表資料を 加工 0 1950年 1975年 2000年 2010年 2025年 2050年 BOP層はネクスト・ボリュームゾーン アジア新興国における所得階層別人口の推移と見通し 40.0 (億人) 35.0 2020年には3人中 2人が中間層以上 2009年は70% がBOP層 2.3 1.2 0.6 30.0 0.2 25.0 2.2 9.1% 8.8 30.4% 14.5 48.3% 20.0 66.0% 20.0 35,000ドル以上 15.0 5,000~35,000ドル 25.0 21.5 10.0 5,000ドル未満 16.8 11.5 5.0 0.0 2000年 2009年 2015年 2020年 備考1:世帯可処分所得の家計人口。 備考2:2000年と2009年が実績値。2015年と2020年が予測値。 出 所:通商白書2010をもとにジェトロで編集。元データはEuromonitor International 2010。 BOPビジネスとは? 開発途上国における年間所得が3,000 ドル以下(購買力平価ベース)の低所得 【世界の所得ピラミッド】 者層がBOP(Base of the Economic Pyramid)層と位置づけられる。 BOP層をターゲットとして、 TOP 1.75億人 彼等が欲する製品・サービ 年間所得20,000ドル(※) スを購入可能な価格帯で MOP 提供するビジネス。 14億人 年間所得3,000 12.5兆ドル ドル(※) BOP層は約40億人、世界 (※)2002年PPP 人口の約72%を占める。ア フリカ、アジア、東欧、中南 BOP 米地域に集中。市場規模 約40億人 (世界人口の約72%) は5兆ドル。 市場規模5兆ドル BOP層をネクスト・ボリュー (日本の実質国内総生産に相当) ム ゾーンとして捉える見方 もある。 出展:「The Next 4 Billion」(2007), (World Resource Institute, International Finance Corporation) 、「ソーシャ ルイノベーションの経営戦略」(野村総合研究所)をもとに経済産業省が作成した資料にジェトロが加筆。 BOPペナルティとは何か • 貧困層は、貧困であるが故に、先進国企業から「市場」と見なさ れていないので、流通網・サービス網から外れている。 →流通・サービス網の枠外故の高価格設定、クレジットの欠如 →製品・サービスへのアクセスの問題 →期限切れの製品や粗悪品の流入可能性 <BOPペナルティの例:インド・ムンバイのケース> ダラビ (貧困者層居住地区) ウォーデン・ロード (富裕層居住地区) 貧困による割増 利子(年利) 600~1000% 12~18% 53.0倍 水道水(1㎥) $1.12 $0.03 37.0倍 $0.04~0.05 $0.025 1.8倍 下痢止め薬 $20.00 $2.00 10.0倍 コメ(1kg) $0.28 $0.24 1.2倍 項 目 電話(1分間) (出所) 「ネクスト・マーケット」 C.K.プラハラード著 BOPビジネスの本質:ペナルティの解消 • BOPペナルティの解消に向けたコンセプト: トリプルA →Affordability(購入可能な価格設定) →Access(提供者の生活圏内での存在) →Availability(常時提供、十分な在庫) • BOPペナルティを解消し、眠っている潜在的 ニーズを購買行動に結びつける ⇒BOPビジネスの本質 • BOPペナルティ解消に向けたさまざまな工夫 =BOPビジネス・イノベーション BOPビジネス参入のメリット:早期参入の重要性 • BOPビジネスはビジネス その目的はあくまでも収益(持続可能性) <付随するメリット> • イノベーションの促進(新たなビジネスモデ ルの創出、新製品開発) • 長期的収益源の確保(将来市場)とブランド 力の確立(新規顧客開発) • CSRへの取り組みの前進(社会的評価の獲 得、新たな人材の引きつけ) 日本企業による取り組み 日本ポリグル株式会社 バングラデシュにおける浄水剤の普及 ヤマハ発動機株式会社 船外機、農業用揚水ポンプ・点滴灌漑システム、クリー ンウォータープロジェクト 三洋電機株式会社 太陽光発電とLEDランタンで無電化地域に光を ヤクルト 「BOPビジネスの源流は日本企業にあり」(北海学園 大学・菅原秀幸教授、1963年にヤクルト・レディ開始) 味の素株式会社 3つのA:Affordable、Available、Applicable 三現主義:「現地密着」し、「現物」を「現金」で直接販売 日本企業によるBOPビジネス実践事例 ~株式会社雪国まいたけ~ <バングラデシュでの事業計画> 目的:もやし種子調達先の多様化、ビタミン、ミ ネラルなどに富むもやしの現地での普及 事業:もやし種子栽培、種子選別、日本への輸 出と現地でのアフォーダブルな価格での販 売。10月13日にグラミン銀行とJVを設立。 バングラデシュで実施予定のもやし種子 栽培(写真は中国) バングラデシュでの定着が期待される もやし種子の選別作業 <開発輸入企画実証事業> 開発途上国からの輸入ビジネスを考える日本企業 から事業企画を募集し、採択された案件について ジェトロが支援。支援内容は、出張費用、商品開 発・改良関連費用、サンプル輸入費用などの経費 を500万円を上限として負担。平成22年度は株式 会社雪国まいたけ案件など8件を採択。 BOPビジネスに関するジェトロ調査 <先行事例調査> 欧米グローバル企業のBOPビジ ネス戦略、国際機関・援助機関 などのBOPビジネス支援施策、 BOPビジネスを推進するNGOな どを調査 <潜在ニーズ調査> 開発途上国の特定分野に焦点 を当てて、生活実態を踏まえて 潜在ニーズを明らかにするとと もに、潜在ニーズを踏まえた製 品・サービスの仕様、ビジネスモ デルを提案 調査対象企業(予定): ダノン、ノキア、ノバリティス、DSM、 オスラム、エシロール、ニュートリセット 調査対象援助機関(予定): 英国、デンマーク、オーストラリア 調査対象NGO(予定): SNV(オランダ)、RTIインターナショナ ル、 IDE、(米国)、BORDA(ドイツ)など <潜在ニーズ調査対象国・分野> 分野 アジア アフリカ 保健・医療 バングラデシュ タンザニア 衛生・栄養 インドネシア ナイジェリア、 エチオピア 教育・職業訓練 インド、ベトナム、 インドネシア 農漁業資機材 インド タンザニア、ケニア エネルギー バングラデシュ ケニア、 ナイジェリア 住宅 フィリピン (注)濃紺字が平成21年度実施分。赤字が平成22年度調査対象国・分野。平 成21年度実施のアジア3カ国については、経済産業省委託事業として実施。 潜在ニーズ調査の設計 日本企業 ④商品仕様・ビジネスモデル提案 ③潜在ニーズの析出 ②BOPペナルティーの発見 BOP層 ①BOP層の生活実態調査 潜在ニーズ調査:インドの教育・職業訓練分野 生活実態調査と潜在ニーズから導かれる商品 <生活実態調査> <商品提案> • 女性の政府通達識字率は60%程 度、履歴書作成率は53.4% • 仕事に就くためのスキルとして中 学履修が必要と考えられている • よりよい転職のためには学歴、 技能が必要と考えられている • 35.5%が通学に必要な服に問題 を感じている • 小学校までのアクセスは比較的 良いが、施設に多くの問題があ る • 文房具は支給されることになって いるが、質量ともに問題が多い • PCは2万円前後が購入可能価格 帯。関心のない人も多い • 文房具(鉛筆、消しゴム、 鉛筆削り、ノート、定規) • 通学服・制服 • 学校用机・椅子 • 学校用トイレ • ITサービス用パソコン、 通信インフラ • IT利用の沿革教育用機 器 商品提案(インド) 通学服・制服 量産を可能にするパターン化 (色、デザインなどの共有)の例 遠隔教育機器 【http://laptop.org/en/laptop/hardware/index.shtml】 【http://www.engadget.com/2006/03/29/intel-proposes-community-pc-for-rural-india/】 潜在ニーズ調査:インドネシアの衛生・栄養分野 生活実態調査と潜在ニーズから導かれる商品 <生活実態調査> <商品提案> • 貧困層も水を買っている • 飲料水の煮沸習慣は浸透してい る • トイレは普及。排泄後の手洗い 習慣が未浸透 • 洗濯作業は大変だが、洗濯機 ニーズは低い • マラリアは深刻視されていないが ネズミ被害が甚大 • ゴミ処理分野に改善余地が大き い • 栄養分野では補助食品分野の 競争が激しい • 日用品(洗剤、衛生用品)のサプ ライチェーンは精緻化(メーカー →グロシール→ワルン)している • 手押し揚水ポンプ • 水消毒薬 • トイレ設置用容器入り液体 石鹸 • 蚊よけ石鹸 • 洗濯機(女性労働軽減のメ リットキャンペーンとともに) • 包括的ネズミ駆除サービス • 複合微量栄養剤 • 鉄強化米/鉄強化即席麺 • ビタミンA強化油 商品提案(インドネシア) 手押しポンプ 国内の圧倒的なシェア(O EM)も含む)を誇り、日本 中に浸透した手押しポン プといえば、東邦工業株 式会社の共柄(ともえ)ポ ンプです。同社は、現在使 われているデザイン(LTB 型=自在口共柄型ポン プ)のオリジナルメーカー であり、トップメーカーで す。 【東邦工業】 液体石鹸容器 http://allabout.co.jp/house/toilet/closeup/CU20080514A/ 【アルボース】 【アルボース】 【つり手水】 潜在ニーズ調査:バングラデシュの保健・医療分野 生活実態調査と潜在ニーズから導かれる商品 <生活実態調査> <商品提案> • 飲料水は許容範囲だが改 善要求は高い • 手洗い知識は普及してお り、74%が石鹸利用 • おなかが張る(Gastic)が日 常的な疾病 • 常備薬を持つ家庭が多く、 擦り傷、切り傷は医薬品で 対処 • 医療施設へのアクセスは良 いがサービスの改善要求は 高い • 感染症対策については援 助機関の成果が顕著 • 家庭常備用整腸剤、疲 労回復薬 • 乳酸菌飲料 • 栄養添加ふりかけ • 防虫用品(蚊取り線香、 ハエ取り紙) • 防虫剤練り込み蚊帳 • 浄水器・水浄化剤 • 牛乳配達 • 医療用廃棄物焼却装置 商品提案(バングラデシュ) 体にやさしい薬(整腸、疲労回復等) 【ビオフェルミン製薬】 【コーワ製薬】 【ロート製薬】 栄養補助食品 【ヤクルト】 【三島食品】 BOPビジネス促進に向けた経済産業省等の取組 BOPビジネスの概念の普及と意識の醸成 BOPビジネス政策研究会 ① BOPビジネスフォーラム 研究会(座長:(社)日本貿易会 ② 普及啓発セミナー WG(座長:駿河台大学大学院 ③ 国際シンポジウム等 ④ 情報発信 勝俣会長) 水尾教授) 論 点 ① BOPビジネスの位置付け・可能性 ② 我が国企業の参入が期待できる分野 BOP層のニーズ 及びBOPビジネスの実態調査 ① 潜在ニーズ調査 ・ アジア、アフリカ諸国における市場調査 ② 事例調査 ・ 国内外の企業、NGO/NPO、支援機関 等の取組・事例 ③ 普及拡大に向けた関係者の役割、 支援策の方向性 具体的なビジネスモデル形成支援 (現地F/S調査) ・ 10企業・団体からの提案について 現地調査を実施。 BOPビジネスに関する現地F/S採択案件(平成21年度) 企業・団体名 テーマ 対象国 味の素株式会社 アミノ酸を活用した蛋白栄養等改善食品の事業化 ガーナ 特定非営利活動法人ガイア・イ ニシアティブ、三洋電機株式会 社 小規模・独立型の発電・充電ステーションの普及 事業 インド 住友化学株式会社 熱帯感染症撲滅を目指した民間ビジネスの確立 ケニア ソニー株式会社 小型分散型発電・蓄電システムの実用化 インド テルモ株式会社 アフリカにおける血液パック供給等の血液事業に 関わるビジネスの事業性確認 タンザニア 豊田通商株式会社、特定非営 利活動法人プラネットファイナン スジャパン アフリカにおけるマイクロファイナンスを使ったバイ オディーゼル事業 ケニア、ウガンダ ニプロ株式会社 効率的な結核治療を目指した結核診断キットの事 業化 タイ 株式会社日立製作所 太陽光発電設備による社会課題解決型ビジネス インドネシア ヤマハ発動機株式会社 途上国村落向け小規模浄水供給システム事業化 インドネシア 株式会社湯川鋳造所、日本ポリ グル株式会社、ポリグルテクノ ジャパン株式会社 BOP層への水質浄化剤の普及および簡易型浄水 設備の設置 バングラデシュ 出所:『BOPビジネスのフロンティア』経済産業省貿易経済協力局通商金融・経済協力課編 現在および今後の取組について ① BOPビジネス支援センターの設立 【関係省庁、支援機関、民間企業、NGOが一体となったプラットフォームの設置、運営】 ● ポータルサイトによる一元的情報提供機能 ● マッチング(関係者間の情報交換・連携促進)支援機能 ● 相談窓口機能 ② 官民連携による具体的ビジネスの形成支援 【我が国の優れた技術・サービスを活用した様々な課題の解決を支援】 ● 実証事業の実施(貿易投資円滑化支援事業) ● 研究開発支援(NEDOなど) ● 公的金融(NEXI、JBIC、JICA)の活用 ③ 各種調査・普及啓発事業の実施 等 【上記事業を支える基盤】 ● 各種調査事業 ・ 先行事例・潜在ニーズ ・ 人材育成・ファイナンス関連 ● 普及啓発活動(国際シンポジウム、プラットフォーム設立シンポジウム(22年10月13日)、普及セミナー他) BOPビジネス支援施策(経済産業省) 貿易投資円滑化支援事業(実証事業) ■概要:貿易投資活性化に資する経済制度・システム等の構築を図るためには、民間セク ター主体の取組が不可欠との認識に基づき、開発途上国事情に精通し、貿易投資の経 験・ノウハウを有する民間企業等による提案公募により、先導的な実証事業を実施。 ■実施者(提案者):日本法人である民間企業、公益法人等およびそれらの共同体 ■対象分野:貿易投資活性化に資する分野、BOP層の社会的課題の解決等に資する分野 ■対象地域:開発途上国 ■内容:日本企業等によって実証が可能な技術・ノウハウを先導的にモデルとして設置・導 入し、その有効性や実用性を当該国で証明するとともに、当該国の関係する制度・シス テムの運用実態の問題点や改善策について検証。 ■事業規模:平成22年度採択案件については1件当たり1,500万円~4,500万円 ■実施主体:平成22年度は財団法人海外技術者研修協会(AOTS)と株式会社テクノリサー チ研究所(TRI)が経済産業省から受託して実施中(平成21年度まではジェトロが実施) <平成22年度採択案件:6件中3件がBOPビジネス関連> ①BOP層を対象とした簡易浄水器による水供給市場の可能性に関する実証実験(日本ポリグル) ②バングラデシュにおける社会基盤確立に向けたマイクロクレジットの電子化に関わる実証実験 (ニューメディア開発協会、九州大学、シャープ) ③インドネシアBOP無電化村落における太陽光発電システムを組合せた浄水装置の実用化実証実験 (日立ハイテクノロジーズ、日立総合計画研究所) BOPビジネス支援センター:具体的サービス内容 ① ポータルサイトによる一元的情報 提供 支援施策・制度 政府関係機関によるBOPビジネス に関連する支援施策・制度 支援センター 関係組織 支援センターに協力いただいている 組織名・連絡先 マッチング支援 多様な関係者間のパートナーシップ 形成に関する情報 イベント情報 政府関係機関の関連イベント情報 国別情報 /報告書等 国別情報や関連調査報告書(潜在 ニーズ、先行事例、F/S調査等) 運営協議会 運営協議会関連の資料や実施概要 メールマガジン 会員向けメールマガジン ② マッチング(関係者間の情 報交換・連携促進)支援 ・会員間の情報交換や企業と現地 NGOや支援機関等のパートナー との連携促進の支援 ③ 相談窓口 ・お問い合わせに対する支援セン ター、ジェトロ、JICA等の連携に よる対応 ポータルサイトのイメージ http://www.bop.go.jp 会員登録制。ここか ら登録してください。 登録料無料。 ~チャンスは世界に! 日本企業等のBOPビジ ネス参入を総合的にサ ポートします~ BOPビジネス支援施策(国際協力機構:JICA) BOPビジネスとの連携促進のためのF/S支援制度 ■名称:協力準備調査(BOPビジネス連携促進) ■目的:開発途上国の貧困層が抱える開発課題の解決に取り組 もうとする日本企業等との連携により、ビジネスの持続性と公益 性を高め、もって開発途上国の貧困削減をはじめとする国連ミ レニアム開発目標(MDGs)や経済社会開発への貢献を促進す ることを目的とする。 ■調査対象:①対象国はJICA在外事務所所在国(当面)、②事業 分野はMDGsをはじめとする開発課題の改善に資する事業、 JICA事業との連携により更なる開発効果が望める事業、③調査 実施者(提案者)はBOPビジネス実施主体、④事業フェーズはビ ジネスプラン策定まで ■調査範囲:投資環境・ビジネス環境、事業計画、事業計画、事 業課により改善されるべき開発課題の状況、BOPビジネスと連 携して行うべきJICA事業の内容にかかる提案 ■調査の規模:支援金額の上限は1件当たり5,000万円、調査期 間は最大3年間程度、年に2回公募を実施 JICA協力準備調査(BOPビジネス連携促進)採択案件 (2010年12月28日付) 国名 インドネシア 提案法人 エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ㈱ インドネシア 住友金属工業㈱ カンボジア ARUN合同会社 ベトナム ㈱アースノート バングラデシュ ㈱天水研究所 バングラデシュ ㈱PEARカーボンオフセット・イニシアティブ インド 四国化成工業㈱ インド インド 伊藤忠商事㈱ コクヨS&T㈱ スリランカ ケニア 豊田通商㈱ 三洋電機㈱ ケニア 住友化学㈱ タンザニア タンザニア ルワンダ モザンビーク ガーナ ガーナ ガーナ セネガル 日本ジャトロファ㈱ 日永インターナショナル㈱ ㈱オーガニック・ソリューションズ・ジャパン 日本資源エネルギー開発㈱ ㈱ソニーコンピュータサイエンス研究所 味の素㈱ 特定非営利活動法人 道普請人 ヤマハ発動機㈱ 出所:JICAウェブサイトよりジェトロ作成 テーマ ハイブリッド型教育ビジネス 荒廃地・低生産性農地を対象とした製鋼スラグ土壌 改良剤販売ビジネス 社会的投資によるBOPビジネスの成長促進 バイオエタノール生産事業 雨水タンクソーシャルビジネス 農村でのエネルギー・マイクロユーティリティー展開 CDM事業 安全な飲料水の供給と現地サプライチェーンの確立 による貧困削減ビジネスの事業化 貧困削減のための水質浄化プロジェクト BOP層の収益創出に貢献するステーショナリー製品 の事業化 未給水地域における水供給事業 ソーラーランタンBOPビジネス 長期残効性防虫ネット製品の貧困層向けビジネスモ デル構築 ジャトロファBOPビジネス 家庭・小規模事業向け簡易固形燃料製造事業化 農業・公衆衛生対象の微生物資材ビジネス 燃料転換BOPビジネス 無電化地域のオフグリッド電化 離乳期栄養強化食品事業化 日本発「土のう」による農村道路整備ビジネス 西アフリカにおける浄水装置を用いた村落給水事業 UNDPの官民連携イニシアティブ GSB(Growing Sustainable Business) • 国連開発計画(UNDP)が2004年に開始 • 15カ国以上でプログラムを実施。協同企業は75 社以上 • 支援内容は、専任アドバイザー(ブローカー)によ る仲介・調整、パートナーシップ構築、市場調査 や事前調査、能力開発活動に対する支援など。 これらプロジェクト形成に向けた費用の一部を UNDPが負担 • 事例:ヤマハ発動機のインドネシアにおける安全 な水の供給、三洋電機のケニアにおける村落へ の持続可能な電化計画 UNDPの官民連携イニシアティブ GSB(Growing Sustainable Business) <特徴> ①随時、日本国内で相談が 可能。早期着手の可能性。 ②国連ネットワークとの連携 を通じたBOP層へのアプ ローチおよびパートナー シップの構築 ③現地における専任アドバ イザーの存在 ④調査プラットフォームと技術 協力プラットフォーム 進出する企業 現地調査・ データベース 国連 ネットワーク 専任アドバイザー (Broker) 能力育成・ 技術支援 UNブランドでBOPビジネスとして の位置づけを確立! MDGsとの整合性を確保! ビジネス サポート 現地政府、企業、市民社会など 本件照会先: UNDP東京事務所 Tel.03-5467-4751 担当者:本田賀子氏 URL:www.undp.or.jp BOPビジネス情報の照会はジェトロまで グローバル・ソーシャル・ビジネス・サミット(ドイツ) 水ビジネスと亜鉛鉄板の屋根(ナイジェリア) 味の素の営業スタッフ(インド) 電子マネーM-PESAのエージェント(ケニア) 店舗に陳列される味の素 (インド) 重度栄養失調児治療食プラ ンピーナッツ(ニジェール)
© Copyright 2024 ExpyDoc