脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)の 診断と治療について

脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)の
診断と治療について
鹿児島市立病院脳神経外科
平原 一穂
脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)とは
脳脊髄液がなんらかの原因で漏出して減少すると,頭蓋内の組織が過度に牽引
されて起立性頭痛をはじめ,さまざまな症状が出現する.
脳脊髄液
総 量:140∼150ml
大脳
脳室内: 20∼25ml
くも膜下腔:115~120ml
1日の産生量: 500ml
小脳
脳幹
さまざまな症状
項部硬直,耳鳴り,聴力低下,光過敏
悪心,頸部痛,めまい,視機能障害,
倦怠・疲労感など
硬膜・くも膜
脊髄
髄液
硬膜・くも膜
の損傷
髄液漏
脳脊髄液が漏出する原因
1)髄液漏(頭蓋底骨折,手術後)
2)腰椎穿刺後
3)結合織疾患
4)外傷(むち打ち症を含む)
5)くも膜嚢胞, 脊髄髄膜憩室
6)原因不明(特発性)
これまでに多くの診断基準が発表されており,その診断に混乱をきたしている.
これは,髄液の漏出を確実に診断するための画像診断法がなく,現在でも
種々の画像診断が用いられているためである.
画像診断の種類
1) RI 脳槽シンチグラフィー
2) CT ミエログラフィー
3) 頭部MRI(単純,造影),
4) 脊髄 MRI (T2強調画像脂肪抑制,造影T1強調脂肪抑制)
5) MRI ミエログラフィー
6) ガドリニウム増強MR脳槽造影
脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)の主な診断基準
1) 1991年
Mokri
低髄液圧症候群の3徴候
2) 1997年
Mokri
Mokri の4基準
3) 2004年
国際頭痛分類 第2版(ICHD-II)
4) 2007年
脳脊髄液減少症研究会 ガイドライン2007
5) 2007年
日本脳神経外傷学会
外傷に伴う低髄液圧症候群の診断基準
6) 2008年
Schievink 新診断基準
などの診断基準があり、混乱の原因になっている.
7) 2011年 厚生労働省研究班(中間報告)
① 脳脊髄漏出症の画像診断基準
② 低髄液圧症の診断基準
名称と診断基準の変遷について ーその1ー
・ 以前から腰椎穿刺後に穿刺した針穴から髄液が漏出し,脳脊髄液圧が低下して
起立性の頭痛が発生することが知られていた.
腰椎穿刺後頭痛(post-lumbar puncture headache)
・ 1938年 Schaltenbrandが 起立性頭痛に伴い項部硬直、吐気、嘔吐、耳鳴り、
めまいなどを訴えるにもかかわらず、髄液漏出が認められない例を報告.
原因不明のspontaneous aliquorrhea(無髄液症)と命名した.
・1958年 Shenkinらが原因不明な同様の病態をlow cerebral spinal fluid pressure
(低脳脊髄液圧)として報告
・1960年 Bell, low CSF pressure syndrome(低髄液圧症候群)
その後さまざまな名称を用いて報告されてきたが,日本では
・1983年 Murrosらの spontaneous intracanial hypotension
(SIH, 特発性低髄液圧症候群,自発性頭蓋内圧低下症)という名称が広く
使用されるようになった.
名称と診断基準の変遷について ーその2ー
・ 1991年 Mokri, 低髄液圧症候群の診断に,造影MRI検査での硬膜の増強効果が
有用であると報告.
低髄液圧症候群の3徴候
①起立性頭痛
②ガドリニウム造影剤による硬膜の増強効果±脳の下垂±硬膜下水腫
③低脊髄圧
その後この3徴候のうち,1項目が認められない例が報告されるようになり,
・ 1999年 Mokri-4基準
A. 古典型:典型的な臨床症状(起立性頭痛),低髄液圧,典型的な画像所見
(造影MRIでびまん性の硬膜増強)のすべてが揃う.
B. 正常圧型:典型的な臨床症状と典型的な画像所見だが,髄液圧は常に
正常範囲内.
C. 正常髄膜型:典型的な臨床症状と低髄液圧だが,造影MRIで増強効果を
認めない.
D. 無頭痛型:低髄液圧と典型的画像所見だが,頭痛がない.
が報告された.
本疾患の病態の本質は,脳脊髄液CSFの漏出による脳脊髄液減少と考え,
CSF hypovolemia (脳脊髄液減少症)という名称を提唱.
名称と診断基準の変遷について ーその3ー
脳脊髄液減少症から脳脊髄液漏出症へ
脳脊髄液減少症という名称が普及しつつあるが,実際に脳脊髄液量を臨床的
に測定する方法がなく,またこの疾患の本態が脳脊髄液の漏出によるものである
ため,最近では脳脊髄液漏出症と呼ばれることも多くなってきた.
海外では,spontaneous cerebrospinal fluid leaks(特発性脳脊髄液漏出症)
という名称で呼称されている(2004年 Mokriら).
まとめ 1
名称の変遷
・無髄液症
・低髄液圧症候群
・脳脊髄液減少症
・脳脊髄液漏出症
名称と診断基準の変遷について ーその4ー
・ 2004年
A.
B.
C.
D.
国際頭痛分類 第2版(ICHD-II)
国際頭痛学会
特発性低髄液圧性頭痛の診断基準
頭部全体および・または鈍い頭痛で座位または立位をとると15分以内に
増悪し、以下のうち少なくとも1項目を有し、かつDを満たす
1. 項部硬直
2. 耳鳴
3. 聴力低下
4. 光過敏
5. 悪心
少なくとも以下の1項目を満たす
1. 低随液圧の証拠をMRIで認める(硬膜の増強など)
2. 髄液漏出の証拠を通常の脊髄造影、CT脊髄造影、または脳槽
造影で認める
3. 座位髄液初圧は60mmH2O未満
硬膜穿刺その他髄液漏の原因となる既往がない
硬膜外血液パッチ後、72時間以内に頭痛が消失する
問題点; A項目の15分以内に増悪する.
D項目の硬膜外血液パッチ後,72時間以内に頭痛が消失する
名称と診断基準の変遷について ーその5ー
・ 2007年 脳脊髄液減少症研究会 ガイドライン2007
I 脳脊髄液減少症の定義
脳脊髄液腔から脳脊髄液が持続的ないし断続的に漏出することによって脳脊髄液が減少し,頭痛,
頸部痛,めまい,耳鳴り,視機能障害,倦怠などさまざまな症状を呈する疾患である.
II 主症状
頭痛,頸部痛,めまい,耳鳴り,視機能障害,倦怠・易疲労感が主な症状である.これらの症状は座位,
起座位により3時間以内に悪化することが多い.また,主要症状以外に多彩な随伴症状のある例が文献
上報告されている.
III 画像診断
1.RI脳槽・脊髄液腔シンチグラム 下記の1項目異常を認めれば,髄液漏出と診断する.
(1) 早期膀胱内RI集積
(2) 脳脊髄液漏出像
(3) RIクリアランスの亢進
2.頭部MRI : 参考所見とする.びまん性硬膜肥厚は決して頻度の高い所見ではないため,
この所見を欠いても脳脊髄液減少症を否定できない.
3.MRミエログラフィ : 機種および撮影法の違いによる差が著しいため,参考所見とする.
IV その他の診断法
1.腰椎穿刺での髄液圧: 一定の傾向がなく,正常圧であっても脳脊髄液減少症を否定
できない.
2.硬膜外生理食塩水注入試験
脳脊髄液減少症研究会 ガイドライン2007の問題点
・ 起立性頭痛や体位による症状の変化が必須ではない.
・ RI脳槽・脊髄腔シンチグラムでの間接所見を,髄液漏出と診断する.
・ RI脳槽シンチは偽陽性所見の問題がある.
・ 頭部MRI,脊髄MRミエログラフィーは参考所見である.
・ 髄液圧が正常であることが多い.
Mokri の3徴候すべてを満たさなくても脳脊髄液減少症と診断される
可能性がある。
名称と診断基準の変遷について ーその5ー
・ 2007年 外傷に伴う低髄液圧症候群の診断基準
日本脳神経外傷学会
I 低髄液圧症候群の診断基準
前提基準 1.起立性頭痛(頭部全体および・または鈍い頭痛で,座位または立位
をとると15分以内に増悪する頭痛)
2.体位による症状の変化(項部硬直,耳鳴,聴力低下,光過敏,悪心)
大基準
1.造影MRIでびまん性の硬膜肥厚増強
2.腰椎穿刺にて低髄液圧(60mmH2O以下の証明)
3.髄液漏出を示す画像所見
前提基準1項目+大基準1項目で低髄液圧症候群と診断する.
II 「外傷に伴う」と診断するための条件
外傷後30日以内に発症し,外傷以外の原因が否定的(医原性は除く)
問題点
起立性頭痛が15分以内に増悪する
名称と診断基準の変遷について ーその6ー
・ 2008年
Schievinkらの新診断基準
基準A: 脊髄髄液漏の証明(すなわち、硬膜外髄液の存在)
基準B: (基準Aがみられない場合)
低随液圧の頭部MRI所見、すなわち、硬膜下液体貯留、硬膜増強、または脳の
下垂の存在)と下記のうち1項目の存在
1)低髄液圧(60mmH2O以下)
2)脊髄髄膜憩室
3)硬膜外血液パッチ後の症状の緩解
基準C: (基準AとBがみられない場合)
下記の全項目の存在または起立性頭痛に加えて2項目以上の存在
1)低髄液圧(60mmH2O以下)
2)脊髄髄膜憩室
3)硬膜外血液パッチ後の症状の緩解
問題点
基準B,Cにおける“硬膜外血液パッチ後の症状の緩解”
診断のためにEBP治療が必要
脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)の診断における問題点
(1)症状
① 起立性頭痛
② その他の随伴症状
必須症状とするかどうか
項部硬直,耳鳴,聴力低下,光過敏,悪心,
頸部痛,めまい,視機能障害,倦怠・易疲労感
など
(2)画像診断
① RI脳槽シンチグラフィ
偽陽性所見の問題
② 頭部MRI
特徴的所見に一定の評価基準がない
③ 脊髄MRI
特徴的所見に一定の評価基準がない
④ MR ミエログラフィ
硬膜外水信号の鑑別
⑤ CT ミエログラフィ
高分解能であるが、侵襲的である
⑥ ガドリニウム増強MR脳槽造影
高分解能であるが,髄腔内投与未承認
脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)の問題点
脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)は原因不明の特発性が多いと言われて
いたが, 2000年代初頭に軽微な頭頸部外傷(むち打ち症)を原因として頻繁
に発生すると報告され,にわかに注目されるようになった.
この報告を積極的に主張するグループが脳脊髄液減少症研究会を発足させ,
2007年にこの研究会から『脳脊髄液減少症ガイドライン 2007』が発表された.
この結果,「むち打ち症」の患者の多くが脳脊髄液減少症であるかのごとく誤解
され, 交通事故の後遺障害として法廷で争われるなど社会問題化した.
一方,日本脳神経外傷学会が,頭部外傷に伴う低髄液圧症候群作業部会を
発足させ,2007年に『外傷に伴う低髄液圧症候群の診断基準』を発表した.
このグループの診断基準は前者と比較すると,厳格であり,むち打ち症が原因
となることは,前者のグループが主張するほど多くないとの見解であった.
まとめ 2
「頭部外傷後の脳脊髄液減少症」および「むち打ち症と診断されている患者
の中にいるとされる脳脊髄液減少症」に対して,
1) 積極的に診断・治療している医師のグループ
2) それらの患者および病態の存在はそれほど多くないとする医師のグループ
3) 頭部外傷やむち打ち症にこだわらず,特発性も含めて脳脊髄液減少症の
診断・治療を積極的に行っている医師のグループ
が存在し,この原因として複数の診断基準があることが指摘されている.
それぞれのグループが独自の診断基準を使っていることが問題
となった.このため統一診断基準の作成が望まれた.
2007年に「厚生労働省 脳脊髄液減少症の診断・治療法の確立に関する研究」
・ これまでに発表された診断基準は、特に臨床症状と診断のための画像診断
に解釈の相違がみられた.そこで,過去の文献を検討し,脳脊髄液減少症の
臨床概念を検証し,診断のための画像所見の検討を行った.
・ 疾患の本態は脊髄液の漏出と漏出に伴い、脊髄圧が低下していることが多い
ため、脳脊髄液減少症という病名の代わりに、脳脊髄液漏出症と表現した。
・ 立場の異なる関連8学会が参画し,
1) 誰が見ても納得できる診療基準の作成
2) 新たな診断基準による本症の原因疾患別患者割合の把握
3) むち打ち症患者の中で, 本症の占める頻度の把握
を目標とした.
・ 2011年10月 厚生労働省研究班
脳脊髄液漏出症の画像診断判定基準・画像診断基準を公表した(中間報告)
7) 2011年 厚生労働省研究班
① 脳脊髄漏出症の画像診断基準
② 低髄液圧症の診断基準
起立性の頭痛患者
臨床症候の評価
統 合
画像診断
・ 頭部, 脊椎の単純/造影MRI
・ RI 脳槽シンチ(髄液圧測定)
画像上の総合判断
髄液漏なし(他疾患)
髄液漏あり
治療
脳脊髄液減少症診療ガイドライン作成
研究の概要
脳脊髄漏出症の画像診断基準
厚労省研究班
診断のために用いる画像は
・ 脊髄MRI/MRミエログラフィー
・ RI 脳槽シンチグラフィー
・ CT ミエログラフィー
の3検査を用い、それぞれの画像判定基準を作成し
それらの所見を組み合わせて、脳脊髄液漏出の
1) 『確定』所見
2) 『確実』所見
3) 『強疑』所見
4) 『疑』所見
とした.
『確定』所見
CTミエログラフィー:
くも膜下腔と連続する硬膜外造影剤漏出所見
『確実』所見
CTミエログラフィー:
穿刺部位と連続しない硬膜外造影剤漏出所見
脊髄MRI/MRミエログラフィー:
くも膜下腔と連続し造影されない硬膜外水信号病変
脳槽シンチグラフィー:
片側限局性RI異常集積+脳脊髄液循環不全
『強疑』所見
脊髄MRI/MRミエログラフィー:
① 造影されない硬膜外水信号病変
② くも膜下腔と連続する硬膜外水信号病変
脳槽シンチグラフィー:
① 片側限局性RI異常集積
② 非対称性RI異常集積or頸~胸部における対称性の集積 +脳脊髄液循環不全
『疑』所見
脊髄MRI/MRミエログラフィー:
硬膜外水信号病変
脳槽シンチグラフィー:
① 非対称性RI異常集積
② 頸~胸部における対称性の集積
脳脊髄液漏出症の画像診断
・ 脳脊髄液漏出の『確定』所見があれば、脳脊髄液漏出症『確定』とする.
・ 脳脊髄液漏出の『確実』所見があれば、脳脊髄液漏出症『確実』とする.
・ 脳槽シンチグラフィーと脊髄MRI/MRミエログラフィーにおいて、同じ部位に
『強疑』所見と『強疑』所見、あるいは『強疑』所見と『疑』所見の組合わせ
が得られた場合、脳脊髄液漏出症『確実』とする.
・ 脳槽シンチグラフィーと脊髄MRI/MRミエログラフィーにおいて、同じ部位に
『疑』所見と『疑』所見、あるいは一方の検査のみ『強疑』、『疑』所見が得
られた場合、脳脊髄液漏出症『疑』とする.
低髄液圧症の診断基準
・起立性頭痛を前提に、びまん性の硬膜造影所見と60 mm H2O以下の髄液圧
(仰 臥位・側臥位)があれば、低髄液圧症『確定』とする.
・起立性頭痛を前提に、びまん性の硬膜造影所見と60 mm H2O以下の髄液圧
(仰 臥位・側臥位)のいずれか1つあれば低髄液圧症『確実』とする。
・複数の『参考』所見があった場合には、低髄液圧症『疑』とする。
*脳MRIにおけるびまん性硬膜造影所見のみを『強疑』所見とする。
*発症直後にはびまん性硬膜造影所見(硬膜肥厚)が認められない場合がある
ため、数週間の期間を置いて複数回検査することが推奨される。
*硬膜外静脈叢の拡張、小脳扁桃の下垂、脳幹の扁平化、下垂体前葉の腫大
(上 に凸)等については、正常所見との境界を明確に規定することができないた
め 低髄液圧症の『参考』所見とする。
厚生労働省診断基準による脳脊髄液漏出症確実例の臨床所見
座位または立位により発生、あるいは増悪する頭痛を主訴とする患者を対象とし、
診断基準を満たした100例の検討
脳脊髄液漏出症 確実例 16例、
疑い
17例
1)病脳期間;1日∼8ヶ月(中央値15.5日)
2)発症時期;16例すべてが明確
3)原因; 外傷5例(交通事故2例、交通事故以外の頭頸部外傷2例、転倒1例)
腰椎穿刺1例、重労働1例、特発性9例
4)頭痛の性質;安静臥床で軽快する頭痛;100%
5)体位変換による頭痛の変化;
座位・立位によって悪化するまでの時間;0∼30分(中央値2分)
6)頭痛以外の随伴症状;嘔気、嘔吐、項部硬直、上背部痛、倦怠・易疲労感、
めまい、歩行困難、目のかすみ、耳鳴り
ただし、髄液漏なしの例84例との有意差なし。
7)漏出部位;頸椎:5例、頸胸椎:6例、胸椎:3例、腰椎2例、
8)軽快/治癒に至るまでの治療内容
安静臥床+補液:5例、安静臥床®EBP:5例、EBP:4例、
安静®EBP®手術1例
9)低髄液圧症との関連;16例中13例が低髄液圧症確実
脳脊髄液減少症の疾患概念
特に我が国で(外傷との関係で)問
題視されているもの!
髄液漏
・脳槽シンチ
・MRミエロ
・CTミエロ
低髄液圧症
・頭部MRI(硬膜肥厚)
・髄液圧測定
多くの海外の論文で扱われているもの/頭痛学会・
脳神経外傷学会で論議されているもの!
厚生労働省 研究班
脳脊髄液減少症の治療
1)保存的治療が原則
安静臥床 + 補液
2)硬膜外自家血注入療法(EBP, epidural blood patch)
ブラッドパッチ
3)その他
・ 手術療法
・ 第XIII因子の静注
・ フィブリン硬膜外注入
・ 硬膜外生理食塩水注入療法
・ アートセレブ髄注療法
脳脊髄液漏出症
厚生労働省研究班による基準
の今後の課題と問題点
2011年の報告は中間解析であり,
1)周辺病態の検討
・脳脊髄液漏出の“疑い例17例”の検討
・確実例16例,疑い例17例以外の67例の検討
起立性頭痛の原因
いわゆる脳脊髄液減少症であるのか
2)画像診断の検討
・CT ミエログラフィーの検討(髄液漏出部位の確定)
・RI脳槽シンチグラフィーの撮影条件の統一化と RI クリアランスの検討
・腰部の対称性RI集積や早期膀胱造影のみの例の検討
3)今回の基準の検証作業
起立性頭痛の鑑別診断
・特発性脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)
・腰椎穿刺後頭痛
・髄液漏(外傷性,術後)
・起立性調節障害
・体位性頻脈症候群(POTS)
・一次性頭痛(片頭痛,緊張型頭痛)
・慢性疲労症候群
・うつ病
・睡眠時無呼吸症候群
脳脊髄液減少症の疾患概念
特に我が国で(外傷との関係で)問
題視されているもの!
髄液漏
・脳槽シンチ
・MRミエロ
・CTミエロ
低髄液圧症
・頭部MRI(硬膜肥厚)
・髄液圧測定
むち打ち症
厚生労働省 研究班より改変
脳脊髄液減少症(低髄液圧症候群)を疑った時
起立性頭痛
あり
なし
漏出疑い
低髄液圧症候群
経過観察
硬膜外生食注入試験
脳脊髄液漏出症
保存的治療
改善なし
漏出部位の検索
CT ミエログラフィー
改善/治癒
硬膜外自家血注入療法など