脳梗塞患者に対する 自己骨髄幹細胞を用いた 再生医療の現状と今後の

脳梗塞患者に
脳梗塞患者に対する
自己骨髄幹細胞を
自己骨髄幹細胞を用いた
再生医療の
再生医療の現状と
現状と今後の
今後の展望
先端医療振興財団
田口明彦
神戸医療産業都市セミナー 2013.09.05
細胞治療のコンセプト
脳梗塞後の内因性神経再生の活用
×
○
骨髄単核球細胞移植
Taguchi et al. J Clin Invest. 2004
前臨床試験
A. 基礎研究
Taguchi et al. EJN,2007、
EJN,2007、StemCells2010、
StemCells2010、JES2010
脳梗塞動物モデル:著効
霊長類モデル:安全、(有効)
B.脳梗塞患者における観察研究
末梢血中の骨髄由来幹細胞の増加と機能予後の改善
脳梗塞後の神経幹細胞誘導
Taguchi et al. Circulation 2004
C.他の虚血性疾患での臨床試験
Buerger病:有効
Nakayama,Taguchi et al. EJN 2010
Taguchi et al. Eur. J. Vasc. Endovasc. Surg. 2003
回復の
回復の見込みが
見込みが薄
みが薄い心原性脳梗塞患者
臨床試験の
臨床試験の概要
主な適格規準:
適格規準:
・発症
発症7
発症7日目の
日目のNIHSSが
NIHSSが10点以上
10点以上
・来院時
来院時に
来院時に比し、発症7
発症7日目の
日目のNIHSS改善度
NIHSS改善度が
改善度が5点以下
・発症後
発症後10
発症後10日以内
10日以内に
日以内に骨髄単核球細胞投与可能
インフォームドコンセント
登録・漸増法
症例数:
症例数:12
(低用量群:
低用量群:6 高用量群:
高用量群:6)
試験の
試験の相
第1/2a相
1/2a相、用量漸増法
Primary Endpoint
① 安全性 (vs historical control)
脳梗塞7
脳梗塞7日後と
日後と比し投与1
投与1ヵ月後における
月後における
NIHSS悪化症例
NIHSS悪化症例の
悪化症例の頻度
② 有効性(
有効性(vs historical control)
投与1
投与1ヵ月後の
月後のNIHSSの
NIHSSの改善度
骨髄液採取
低用量群
高用量群
25mL
50mL
骨髄単核球分離
骨髄(
骨髄(単核球)
単核球)細胞の
細胞の静脈内投与
(2009年ヒト幹指針承認:ClinicalTrials.gov Identifier: NCT01028794 )
エントリー症例
エントリー症例の
症例の概要
予定していた
予定していた12
していた12症例
12症例の
症例のエントリー/
エントリー/追跡は
追跡は終了
・男性11
男性11人
11人、女性1
女性1人
・年齢
:67.4歳
67.4歳
・入院時NIHSS
:16.6点
入院時NIHSS
16.6点
・発症7
発症7日後NIHSS
日後NIHSS :16.3点
16.3点
6カ月後自力歩行可能症例:
月後自力歩行可能症例:9症例
安全性評価
①症例5
症例5
転院後の
転院後の誤嚥性肺炎、
誤嚥性肺炎、敗血症性ショック
敗血症性ショック
因果関係は
因果関係は否定的
②症例7
症例7
脳梗塞の
脳梗塞の再発
細胞治療前に
細胞治療前に1度
細胞治療前後にも
細胞治療前後にも再度
にも再度の
再度の再発
因果関係は
因果関係は不明
⇒厚労省にも
厚労省にも報告
にも報告
先端医療センター
先端医療センターの
センターの症例では
症例では有害事象
では有害事象なし
有害事象なし
今回の
今回の臨床試験のまとめ
臨床試験のまとめ
①予定していた
予定していた12
していた12症例
12症例の
症例の終了
(最終評価日2013
最終評価日2013年
11日)
2013年6月11日
②安全性に
安全性に関しては問題
しては問題なし
問題なし
③次の臨床試験につながる
臨床試験につながるデータ
につながるデータが
データが得られた
脳梗塞患者に
脳梗塞患者に対する
次の臨床試験
・Phase2b
・先進医療B
先進医療B
・対象疾患:
対象疾患:中等度以上の
中等度以上の脳卒中
・アテローム血栓性脳梗塞
アテローム血栓性脳梗塞に
血栓性脳梗塞に対する安全性
する安全性/
安全性/有効性
+脳出血に
脳出血に対する安全性
する安全性/
安全性/有効性
・Phase3で
Phase3で使用可能な
使用可能なサロゲートマーカーの
サロゲートマーカーの同定
・参加機関:
参加機関:先端医療センター
先端医療センター、
センター、国循、
国循、九大、
九大、日本医大
現在の
現在の課題1
課題1:エントリー時
エントリー時における患者予後
における患者予後の
患者予後の予測
同じような脳梗塞
じような脳梗塞だけど
脳梗塞だけど…
だけど…..
6か月後
患者A
患者A
患者B
患者B
患者C
患者C
MRIトラクトグラフィー
MRIトラクトグラフィーによる
トラクトグラフィーによる錐体路
による錐体路の
錐体路の解剖学的障害の
解剖学的障害の定量化
現在の
現在の課題1
課題1:エントリー時
エントリー時における患者予後
における患者予後の
患者予後の予測
経頭蓋磁気刺激による
経頭蓋磁気刺激による錐体路
による錐体路の
錐体路の
電気生理的障害の
電気生理的障害の定量化
麻痺なし
重度の障害
慢性期神経機能=
慢性期神経機能=治療効果+
治療効果+解剖学的/
解剖学的/電気生理的損傷
脳梗塞予後予測アルゴリズム
脳梗塞予後予測アルゴリズムの
アルゴリズムの作成
国立循環器病研究センター
国立循環器病研究センター/
センター/神戸中央市民病院/
神戸中央市民病院/京都大学
現在の
現在の課題2
課題2:再生医療の
再生医療の普及
安全で
安全で簡単な
簡単な骨髄造血系幹細胞分離デバイス
骨髄造血系幹細胞分離デバイス
再生医療の
再生医療のイノベーションを
イノベーションを!
国立循環器病研究センター
国立循環器病研究センター/
センター/㈱カネカ
現在の
現在の課題3
課題3:治療メカニズム
治療メカニズムの
メカニズムの全体像は
全体像は?
脳梗塞巣/
脳梗塞巣/周囲部での
周囲部での血管再生
での血管再生
健常側の
健常側の微小血管の
微小血管の活性化
全身の
全身の微小血管の
微小血管の活性化
PETによる
PETによる脳循環代謝測定
による脳循環代謝測定
対側の
対側の脳循環代謝の
脳循環代謝の変化
CBF
CMRO2
細胞治療
1ヶ月後
患側 健常側
19.3
29.1
患側 健常側
2.8
2.2
(ml/100g/min)
(ml/100g/min)
(ml/100g/min)
(ml/100g/min)
6ヶ月後
26.8
36.1
(ml/100g/min)
(ml/100g/min)
2.7
3.3
(ml/100g/min)
(ml/100g/min)
現在の
現在の課題3
課題3:治療メカニズム
治療メカニズムの
メカニズムの全体像は
全体像は?
脳梗塞巣/
脳梗塞巣/周囲部での
周囲部での血管再生
での血管再生
健常側の
健常側の微小血管の
微小血管の活性化
全身の
全身の微小血管の
微小血管の活性化
造血幹細胞移植の
造血幹細胞移植の全身への
全身への影響
への影響
Taguchi et al. JCBFM 2011
老齢ラット
老齢ラットでの
ラットでの造血幹細胞移植
での造血幹細胞移植
血液疾患での
血液疾患での造血幹細胞移植
での造血幹細胞移植
将来の
将来の展望
造血系幹細胞
+間葉系幹細胞
老化に対する先制医療
Taguchi et al. JCBFM 2011
血液疾患での
血液疾患での造血幹細胞移植
での造血幹細胞移植
老齢ラット
老齢ラットでの
ラットでの造血幹細胞移植
での造血幹細胞移植
先端医療
振興財団
脳血管障害の
脳血管障害の治療法開発
超急性期:
超急性期:血管内治療 (坂井)
坂井)
急性期:
急性期:細胞治療 (田口)
田口)
認知症:
認知症:シロスタゾール (猪原)
猪原)
脳の時代 : 脳を知る、脳を守る、脳を創る
次の時代 :
脳を治す
共同研究を
共同研究を是非お
是非お願いします