日・米・欧次期排出ガス規制に対応 コマツの最新エンジンテクノロジー

日・米・欧次期排出ガス規制に対応
コマツの最新エンジンテクノロジー
現在日・米・欧にて適用されている排出ガス規制においても、NOx(窒素酸化物)、PM(粒子状物質)の排出量に厳しい規制が
かけられていますが、2011年から段階的に施行される次期排出ガス規制は、2014年以降に控える最終段階においてNOx、
PMの排出量を現行の約10分の1にまで抑えるというもので、規制クリアのためには高い技術を必要とされます。
【日・米・欧の次期排出ガス規制に対応した新型エンジン】
NOxを低減するためには燃焼温度を下げる必要があります
が、一般的に燃焼温度を下げることはPMの増加と燃費の悪
化につながります。エンジン開発にはNOxとPMを同時に減
らし、かつ燃料消費量の低減を実現することが求められます。
また、過酷な環境で使用される建設機械用エンジンは、常に
最高出力・最大トルクで使用され続けても性能を発揮すること
が要求されます。
コマツは、中型油圧ショベルPC120などに搭載されている
排気量3.3リットルクラスから大型ダンプトラック用の排気量
46リットルクラスまで、建設機械用エンジンとして研究開発
から製造までを一貫して実施してきました※。また、エンジン、
油圧機器、制御システム、本体主ユニットの自社開発・自社
生産という強みを活かし、エンジンと車体をトータルパッケー
ジとして設計するなど、これまでもさまざまな条件下で最大限
の性能を発揮できるエンジンを導入してきました。コマツが長
年積み重ねてきた独自のエンジン技術に、最新の技術を加え、
環境負荷を低減するだけでなく経済性も両立します。
※ 写真はCGにより作成したものです。
※ 一部カミンズ社との協業製品含む。
Variable Geometry Turbo System
建設機械用可変ターボシステム
Diesel Particulate Filter
定評ある技術に、
新たに2つの新技術を開発
建設機械用排出ガス後処理システム
Heavy Duty HPCR System
コマツの最新
エンジンテクノロジー
建設機械用コモンレール式最適燃料噴射システム
Heavy Duty Cooled EGR System
建設機械用冷却排出ガス再循環システム
New Combustion System
最適燃焼システム
Electronic Control System
電子制御システム
Variable Geometry Turbo System
建設機械用可変ターボシステム
独自の油圧技術によって空気の流量を可変させ、負荷
の状況に応じて空気を最適に供給するターボチャージャ
を新たに開発。高効率の燃焼を実現し、排出ガスを浄
化と経済性の両立を実現します
Diesel Particulate Filter
建設機械用排出ガス後処理システム
PMを極限まで捕捉するため自社にて開発・生産した排
出ガス後処理装置を新たに搭載。フィルタ内に堆積した
PMを特殊な触媒と燃料噴射の組合せにより燃焼させ
て除去し、排出ガスを浄化します。
Heavy Duty HPCR System
(HPCR=High Pressure Common Rail fuel injection)
建設機械用コモンレール式最適燃料噴射システム
高圧化した燃料をコンピュータ制御で最適に噴射し、完
全燃焼に近づけPMを低減するシステムです。現エンジ
ンにも採用している技術ですが、今回さらに燃料を高圧
化し噴射制御することで、エンジン回転の全領域でPM
を低減するとともに燃料消費量も低減します。
Heavy Duty Cooled EGR System
(EGR=Exhaust Gas Recirculation)
建設機械用冷却排出ガス再循環システム
排出ガスの一部を燃焼に再利用しNOxを低減するコマ
ツ独自のシステムで、現行のエンジンで既に高い実績を
あげています。今回さらにEGRクーラーの容量を大きく
することで、建設機械の過酷な使用条件下においても
より安定した性能を発揮します。
New Combustion System
最適燃焼システム
ピストン上部の燃焼室の形状をさらに改良。NOxやPMに加え、燃料消費量や騒音を低
減します。
Electronic Control System
電子制御システム
車体とエンジン各所に配されたセンサーからの信号を高速処理して、さまざまな稼働状
況に合わせて車両をトータル制御。NOxやPMに加え、燃料消費量や騒音を低減します。