精密除振台について[PDFファイル 1029KB]

オプティカルユニット / オプティカルベース / 精密除振台
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ベース
アクセサリ
エレメント
実験セット
精密除振台について
01
【 除振について 】
除振
(防振)
の効果は、数値的には床振動の振動数 f と防振材で指示された系の固有振動数 fn との比によって定められます。
支持系の固有振動数 fn が小さいほど、すなわち振動数比 f/fn が大きいほど、除振効果は一般的に良好です。
■振動の単位
図− 1 振動単位換算図
振動の単位として、一般に変位
(振幅)
、速度、加速度が用いられます。
精密除振台
これらの間には次式の関係があり、この換算式を図− 1 に示します。
2
{α÷
(2 π f)
}
× 104
1.変位(㎛) A =
2.速度(㎜ /sec) V = A × 2 π f ÷ 103
2
(2 π f)
÷ 104
3.加速度(㎝ /sec2) α gal = A ×
定盤
注)
A =片振幅㎛
ベース
カーテン
1G = 980gal
1gal ≒ 1 ㎝ /sec2
2
(f/fn)
|× 100%
Tr =|1/1 −
1/2
{
(n・k)
fn = 1/2Tr π
/W}
Tr =振動の伝達率:%
f =強制振動数:㎐
fn =防振系の垂直方向固有振動数:㎐
n =防振材の個数
k =防振材のばね定数:N/m
G =重力の加速度:980 ㎝ /sec2
m =機械の質量:㎏
■防振支持系の固有振動
防振支持系には、図− 2 に示すように 6 種の固有振動があり、それぞれ固有振動数を有しています。回転の固有振動数は、支持機器の形状な
どにより定められますが、一般に上式の垂直方向固有振動数の 2 倍以上になるので振動伝達率の計算に当たっては注意してください。振動数
f/fn と振動伝達率の関係の理論値を図− 3 に示します(なお、実際の伝達率曲線は機器自体の固有弾性振動、周囲の音圧、風の影響などにより、
理論値どおりとはならず、くずれた曲線になります)
。
図− 3 f/fn と振動伝達率関係
500
図− 2 6 自由度説明図
Z
400
上下
ヨーイング
回転
水平
回転
X
振
動
伝
達
率
Tr
︵
%
︶
300
200
水平
Y
100
共
振
点
0
0
1
1
2
2
3
f/fn
f/fnと振動伝達率の関係
794
ユニット製品総合カタログ 38号
4
5
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02
【 サーボシステム 】
サーボシステムの基本構成例を下に示します。フレーム上に設けられたサーボマウント
(空気ばね)
で定盤を支持しています。図− 1 に、基本
配管系統図を示します。空気源からフィルタレギュレータを通り除振台に供給された圧縮空気は、3 か所の自動圧力調整器を通り空気ばねに
給気されます。定盤のレベルは自動圧力調整器に検知され、自動的にレベルの設定が行われます。
図− 1 基本配管系統図
サーボマウント本体
精密除振台
定盤
定盤
ベース
カーテン
キャスター
レベリングボルト
自動圧力調整器
■自動圧力調整器
自動圧力調整器には各種の形式がありますが、標準除振台に使用しているタイプを図− 2 に示します。この自動圧力調整器は、内部に空気の
シール部品として極めて小さなダイヤフラムを内蔵しています。O リングなどの摺動部品がないため、半永久的な寿命を保有します。粗動調
整ボルトまたは微動調整ボルトを時計方向にひねり、カンチレバーを下方に変位させると空気ばねに給気され、定盤のレベルが上昇します
(下
降の場合、反時計方向)
。この調整により定盤のレベルを設定すると、負荷荷重変動などで定盤にレベルの変動が生じても、自動的にレベル
の補正を行います。
■空気源および配管
空気ばねシステムは、一般に 0.5MPa までの空気源を必要とします。工場などの空気源を利用できますが、必要に応じてベビーコンプレッサ
を使用します。除振台に傾斜が発生し、自動圧力調整器から空気の供給、排出が行われる場合、その消費量は増大します。空気ばねシステ
ムへの空気供給口に、ドレン抜き機構付きフィルタレギュレータが取り付けられています。このフィルタレギュレータへの供給空気圧上限は
1MPa までですから、空気源圧がこれ以上の場合は減圧してください。工場などの空気源からの供給口は、PT-1/8 雌ねじとしてください。
図− 2 自動圧力調整器
ベビーコンプレッサ
ユニット製品総合カタログ 38号
795
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03
【 除振効果の測定 】
精密除振台に要求されるユーザーニーズに応え、さらに高性能な除振台を開発すべく、各種高性能振動計・振動構造解析機
(FFT、モーダル
アナライザー)
、コンピューター等を利用し、解析に役立てています。以下に図− 1 ∼図− 3 の解析例を示します。
■振動伝達率
図− 1 は、大型加振実験台を使用し、測定した振動伝達率を示します。本解析方法は、精度よく振動伝達率等の測定を行う方法です。実機
精密除振台
搭載時にはモーダルアナリシス・振動許容値の確認等が行えるメリットもあり、また、周波数・加速度、振幅等を自由にコントロールできま
す。そのため、いかなる場合においても、周囲の環境に影響されず、精度および再現性よく測定が可能です。
定盤
図− 1 大型加振実験台使用の振動伝達率測定例
20.00
ベース
カーテン
0
振
動
伝
達
率
db
−60.00
LIN FREQ(Hz)
0.0
図− 2 は、床上に除振台をセットし、暗振動において測定を行った実験例で除振台の床上と定盤上の加速度のスペクトラムを示しています。
この解析方法は FFT により、ある時間におけるスペクトラムの平均値を求めたもので、床の加速度レベルより、除振台上の加速度レベルが、
共振点付近を除いて低いレベルを示しています。
図− 3 は、図− 2 で示した暗振動測定の振動伝達率を示しています。この図は、共振点においても、低い共振倍率でダンピングが利いている
空気ばねの特長を示しています。また、0 ㏈より下の部分が除振領域を示しており、低い周波数により効果があることがわかります。
図− 2 振動加速度パワースペクトラム(SUM)
図− 3 振動伝達率(SUM)
POWER SPEC2
POWER SPEC1
X=1.37Hz
Ya=11.6851
FREQ RESP
0.0
dB
30.0
0.0
除振台上
ピット床上
dB
10.0
/Div
OdBal=Igal
GAL
dB
dB
GAL
GAL
GAL
−50.0
−80.0
0
−80.0
0
796
Hz
ユニット製品総合カタログ 38号
100
Hz
100
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04
【 定盤の特性 】
■各定盤の特長
精密除振台の定盤として、①スチールコアー定盤、②石定盤、③鋳鉄定盤、④鋼材+コンクリート定盤の 4 種類を用意しています。こ
れらのうち、スチールコアー定盤は主に光学実験用として、石定盤および鋳鉄定盤は精密機械・部品組付用に使用されています。また
スチールコアー定盤のうち、定盤のコンプライアンス
(動的特性)をおさえたい場合には、減衰付スチールコアー定盤 SHD シリーズを
ご使用ください。同様に、共振周波数をあげる場合には、同じ曲げ剛性を持っている定盤では軽量であることが必要になりますが、コ
(定盤厚み)を増やすことが必要と思われます(当カ
アの質量は定盤質量の 5 ∼ 10%と軽量なため、上下面板を厚くするよりもコア高さ
長所
精密除振台
タログ記載以外についてはお問い合わせください)
。
短所
1)平面度
2)外乱(風圧、音圧)に影響を受ける
石定盤
1)平面度
3)長期安定性
2)質量効果
4)耐摩耗性
1)着磁性
2)タップ加工が高価
鋳鉄定盤
1)安価
3)形状自由度
5)質量効果
2)平面度
4)タップ加工
6)着磁性
1)減衰
2)錆
1)安価 2)大型構造物 3)質量効果
コンクリート定盤
ベース
カーテン
2)高い静的、動的剛性(減衰付)
4)着磁性
6)複合的に減衰を付加可能
定盤
スチールコアー定盤
1)軽量
3)形状自由度
5)タップ加工
1)均質性 2)吸湿性 3)経時変化
■ 1 次固有振動数
■曲げ剛性
図− 1 に、SHD 型スチールコアー定盤の曲げ剛性 EI
(長手方向
図− 2 に、SHD 型スチールコアー定盤の幅方向 1 次固有振動数
を曲げる)を 1 としたときの、鋳鉄箱定盤、黒みかげ石定盤の曲
と、他の定盤の 1 次固有振動の値を示します。図中の( )内の
げ剛性の対比を示します。
数値は計算に使用したそれぞれの定盤の厚さで、一般的製品の
代表値を示しています。
図− 1 定盤の曲げ剛性比較
図− 2 定盤の 1 次固有振動数
SHD型スチールコアー定盤
1.0
700
石定盤
曲
げ
剛
性 0.5
変
化
率
500 (2
00)
固
有 400
振
(
動 300 150)
数
Hz
200
盤
鋳鉄箱定
0 1.5
2.0
2.5
(25
0)
SHD
型ス
チー
ルコ
石定
アー
盤
定盤
鋳鉄箱
定盤 (3
(170
)
00)
(220)
3.0
150
定盤幅m
1.5
2.0
2.5
(300)
(270)
3.0
定盤幅m
■振動特性
■定盤質量
下表の、各種素材の振動減衰特性を示します。この特性値は、
図− 3 に、定盤奥行 1m 当たり各種定盤の質量例を示します。定
テストピースによる測定比較値であり、実製品では減少が示さ
( )
内の数値を採用して
盤の厚さは、1 次固有振動数のグラフの
れています。なお、減衰特性を付与していない SH 型スチールコ
います。
アー定盤は、SPCC の値とほぼ等しくなります。
図− 3 奥行 1 m当たりの定盤質量
◆ 各種素材の振動減衰特性
SHD 型
損失係数
共振倍率
定盤
黒
みかげ石
鋳鉄
(FC-20)
鋼材
(SPCC)
0.23
4.3
0.04
25
0.02
50
0.04
250
3,000
2,000
石定
盤
1,500
盤
箱定
鋳鉄
1,000
質 700
量
kg
500
400
300
SHD型
200
100
1.5
ルコア
スチー
2.0
ー定盤
2.5
3.0
定盤幅m
ユニット製品総合カタログ 38号
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