10THE WORLD KITE FESTIVAL IN UCHINADA‘98 「百畳凧チャレンジ」企画書 平成 10 年 5 月 4 日内灘海岸に於いて 平成 10 年 3 月 日作成 内灘凧倶楽部浜風 「10THE WORLD KITE FESTIVAL IN UCHINADA‘98」 「百畳凧チャレンジ」企画書 ―――――――――――目 次―――――――――― 1. 内灘凧揚げ大会 10 周年によせて 2.百畳凧の形状 3.凧の絵柄の説明 4.凧揚げエリアと時間帯について(添付資料:会場図) 5.揚げるための留意点 6.安全計画 ① 連絡系統図 ② 危険防止対策 以上 ――――2―――― 100 畳凧に希望をのせて いくつもの砂の丘を上がりそして下り、限りない水平線の青い海を目指して一目散へ と幼い足を躍らせた記憶から現代に。 かって遊び転げた海辺で仲間と集い、飲み、話す。 海からの風に誘われて誰となく「この風で凧でもあげっか!」、この一言から凧作りが 始まりました。 なにしろ、怖いもの知らずのし素人集団ゆえ、夢だけは大きく持とうということで結 成当初から内灘町世界の凧の祭典 10 周年に向けて、他にはない大きな凧を揚げる予定 でした。 結成初年度には 24 畳和凧を製作、2 年目には 50 畳和凧、そして今回 3 年目には希望 である 100 畳和凧を製作、そして空高く揚げるつもりです。 これによって当祭典が県内だけでなく全国の凧愛好者に少しでも注目を浴びるよう に、そして問題点もいくつかあるでしょうが、10 周年を機会に内灘凧の祭典に一つの 表現方法として発表してみたいと思います。 しかし基本的には、会員みんなで未知数的巨大凧を揚げようとすることによって、会 員相互の親睦が深まり、凧作りを通していろいろな人たちとの協力や、出会いを楽しみ にすることが倶楽部設立時からの指針です。 そして私達が住む内灘町の「世界の凧の祭典 10 周年」で少しでもお役に立て、花を添 えることができれば幸いだと思っています。 小高い砂丘に駆け上がればすぐ見えそうな 21 世紀。私たち内灘凧倶楽部「浜風」はこ れから生まれる新世代が希望の見える明るい 21 世紀を迎えられるよう・・・・・ 100 畳和凧に願いを込めて、多くの人たちの協力を得ながら内灘の空高く、力強く舞う 勇姿を披露したいと思います。 ――――3―――― 2.100畳凧の形状 ・凧の大きさ 縦:約15m 横:約11m ・糸目本数 縦:11 段 横:9 列 ・凧の概算重量 約330kg ・引き綱 クレモナロープ ・材料 凧紙:強化和紙 合計:99 本 直径 20mm 約100m 骨組:真竹 糸目:クレモナロープ 3.凧絵の説明 ・凧の絵は、内灘町指定の「町鳥」、「町花」、「町木」を表現しました。 町の鳥「鷹」は、河北潟周辺に生息、野ネズミを退治する鷹。勇壮に飛翔する姿 は風格充分、強靭さと聡明さを持つ鳥のいわれにあやかり、町の未来を託しています。 ・町の花「はまなす」は、可憐な優しさ、厳しさにひるまぬ忍耐力を、さらに自然を愛 する心を育てたいと願いを込めて。 2万4千町民に心の誓いをくれた花でもあります。 昭和 47 年、町の天然記念物に指定されています(54 年 11 月 6 日制定) ・ 町の木「黒松」は砂丘の町・内灘の悩みは飛砂。雄々しく黒松は防壁となって人々 の暮らしを守り続けてくれました。 今日を築いた当町の歴史を見つめた木です。 鷹が両翼を広げて壮大に大空を飛ぶ姿は、凧の祭典十周年にもっともふさわしい絵柄 ではないかと考えています。 また、鷹が翼を広げた長さを十周年に鑑み、10mとなるように構成してあります。 凧の町として内灘町が大きく羽ばたきますようにとの、会員一同の気持ちのこもった絵 柄となっています。 ――――4―――― 100 畳凧絵柄イメージ ――――5―――― 100 畳凧揚げエリア図 100 畳凧を示す 引き綱を示す 4.凧揚げエリアと時間帯(添付資料:会場図) 凧揚げに於いて、凧揚げを安全に行うことは凧を揚げるものと、凧を見物する観 客とに明確に区分することは最も大切なことである。 今、凧揚げエリア内で百畳凧を飛揚させる場合、凧を揚げるための技術的事項の計 画、検討は私ども「内灘凧倶楽部浜風」が企画書を作成し提出するものですが、凧 を見物する観客の安全については、凧の祭典の主催者側の管理の範疇と考えていま す。 凧揚げエリアと時間帯を設定するのに重要なことは凧を飛揚させる時の風向き です。事前に打ち合わせができていても、風向きが計画した方向とは反対になれば、 状況に合わせたものに変更できるか、最悪の場合は凧揚げを断念しなければならな い状況になると思われます。 何分にも自然を相手にした遊びである以上、風と風に逆らわず風の中に凧を感ず ることが出来るよう、そのときの状況に対応したいと考えています。 過去の風向きと、凧の組立に要する時間、大会のプログラム等を勘案して凧揚げ エリアと時間を設定すると次のようになります。 ① A 地点に凧をセットし、B 地点から C 地点に向って曳く方法 風向き 風は宇ノ気方向から金沢方向に向って吹く ・飛揚する時間帯として、昼食時間帯を希望します。 ② D 地点に凧をセットし、E 地点 FC 地点に向って曳く方法 風向き 風は海側方向から陸側方向に向って吹く ・飛揚する時間としては、14 時~15 時に時間帯を希望します。 ※ 今回、百畳凧の糸目糸の強度補強を考えて、 上段、下段で糸目糸の太さを変えています。 ◎ 飛揚させる時間帯は主催者側と相談し決めて行きたいと思っています。 ――――6―――― 5.揚げるための留意点(八日市大凧保存会資料を参考にして) 飛揚に際しては、凧の「セッティング」と「飛揚」に分けて、完全に役割分担をす る。 (1)凧の組立位置の決定 ①風向き ②糸出し方向 ③糸出し距離 ①②③を考えながら決定する (2)凧のセッティング(組立) ①骨組みの確認 ②糸目糸出し確認 ③張り糸調整 ※補助糸の用意 ①②③とも責任者を付けて万全を期す。特に張り糸を入れてからは、凧が風で 裏返らないよう注意する。(何人かで凧を監視する) (3)揚げ糸出し(引き綱) 引き綱 クレモナロープ 直径 20mm 250m 枝 綱 クレモナロープ 直径 12mm 10m×2 2 段 最終的に風向きをチェックする(出来る限り風向きと平行に) (4)引き手の準備 引き手とは、内灘町他、観客の中から引き手として募集したチャレンジャーの 皆さんと私達「浜風」のメンバー、それと全国の凧仲間たち総勢 120~130 人 を考えています。 製作指導をして頂いた新潟県白根の皆さんには、凧のセッティング位置ならび に飛揚の安全確認に入って頂くつもりです。 一方、チャレンジャーによる飛揚のための指導に関しては、毎年百畳凧を飛揚 させている八日市大凧保存会の皆様の指導を受けるつもりでいます。 (5)飛揚 凧を寝かせた状態からあげます(飛行機揚げ) ① 凧面に風を入れるタイミングに注意する。 ② 合図により一斉に曳く、糸目糸と補助糸を引きながら上から順に離してい く、左右のバランスがうまく取れているか注意する。 ※風がある時は、引き手は強く引かなくても曳き糸を離すだけで凧は飛揚する。 ――――7―――― 大凧揚げ引き手 配置図(案) 百畳凧 (A) (B) 白根の皆様の (C) (D) 八日市大凧保存会の皆様の指導 5人 10m 3人 10 人 10m 40 人 10 人 40 人 1人 アンカー 5人 30m 60m 10m 30m 百畳凧飛揚人員配置図 ――――8―――- 10 人 50m 10m 10 人 20m 風向き 6.安全計画 (1)組織図(案)は下記の通りです。 主催者(本部) 凧製作・凧揚げ指導 白根 田村和雄氏 凧製作・凧揚げ指導 白根 大凧保存会各位 大会安全組織委員会 一般観客 浜風 総指揮 花木幹史 浜風 会長 岡田 三幸 指導・協力各位 揚げ手の応援各位 安全指導責任者 浜風・道村 泰章 浜本 長春 一般参加者 (チャレンジャー) 安全指導担当 浜風・宮本 康夫 矢鋪 隆栄 吉野 則夫 岡田 克美 浜風会員全員 ――――9―――― (2)危険防止策 ① 揚げ手の問題 ・引き手に参加する人は必ず軍手を着用する。(摩擦による火傷の防止) ・引き手の年齢を考える(年少者、老齢者の方には遠慮していただく) 凧が揚がってしまった引き綱は誰でも持つことが出来ます。 ・糸目付近にいる人は、凧が飛揚直後に危険を感じたら地面に素早く伏せること。 ・引き手は、凧の態勢を見ながら引くようにする。 ・凧を飛揚させる場合は出来る限り風と平行になるように引く。 ・枝綱を手に巻き付けること、背中に担ぐように引くことは厳禁すること。 ・引き綱は A から B へと離してくるが、C、D のグループの引綱が地面に触れるほど 緩めないで、常に引き綱が張る状態で待機すること。 ② 見物人の問題 ・見物人の位置は、A 地点より後ろとなるよう呼びかけてもらう。 ・揚げ糸と見物人の距離は、最低揚げ糸を中心に左、右各々20mは空けるようにす る ・カメラマンは飛揚の瞬間を撮りたがり、その瞬間凧の前に飛び出し、糸目糸に絡 まれ、飛揚を断念したケースを他の凧揚げ会場で過去に何回か見ました。 百畳凧の糸目に絡まれても凧はそのまま揚がるかもわかりません、カメラマン、 テレビクルーの人達には、凧が飛揚準備になったら待避させるための人員を配置し ておく必要があります。 ・酔っ払いの人にも上記注意が必要です。 ③ 他の凧との問題 揚がっている凧の糸目に百畳凧の右端または左端が引っかかると百畳凧は揚げ糸を 中心として回転して逆立ち状態で落ちてきます。 反対に、百畳凧の糸目糸に他の凧の端が当たれば、他の凧は回転し、百畳凧は糸目 糸のバランスが崩れともに落下する危険性も考えられます。 上記は大会で揚がっている 6 畳凧でも、しばしば目撃することです。 要は、凧が揚がっているところには他の凧は近づかないことが肝要です。 ④ 風速の問題 風速とは、3 分間の平均風速を言います。瞬間最大風速とは、平均風速の 1.3~1.4 倍あるそうです。 凧に合う風は」、風速(3.4~8m/s)が最適とされています。 大凧は、強風の場合危険を防止することからも飛揚を中止することが肝要と思って います。 したがって、今回 6m/s以上の風速であれば百畳凧の飛揚は中止する事とします。 END ―――――10―――――
© Copyright 2024 ExpyDoc