2009 年度の十勝管内に本店を置く企業の 総売上高 - 帝国データバンク

2011/6/29
帯広支店
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特別企画: 十勝管内企業 10 年間(2000 年度~2009 年度)の売上高推移調査
2009 年度の十勝管内に本店を置く企業の
総売上高は 2000 年度比 2.4%減
はじめに
景気回復の遅れなどから企業業績の伸び悩みが続いており、特に大手企業の売り上げの落ち込
みが顕著となっている。そこで、大手企業に限定せず管内全体企業の売上高はどう推移してきた
のか。今回、弊社の企業概要データベース「COSMOS2」
(約 138 万社)に収録されている十
勝管内の企業(金融機関除く)を対象に 2000 年度決算(2000 年 4 月期~2001 年 3 月期)から 2009
年度決算(2009 年 4 月期~2010 年 3 月期)までの 10 年間における総売上高の推移を業種別に抽
出し、分析した。調査対象は 2009 年度決算抽出分で 4960 社。売上高推移調査は今回が初めてで
ある。
調査結果(要旨)
1.2009 年度の総売上高は 2000 年度比 2.4%減少
2.建設業~2000 年度から 8 年連続で減少
3.製造業~2009 年度は前年度比 12.9%減少
4.卸売業~2009 年度は 2000 年度比 5.2%増加
5.小売業~2009 年度は 2000 年度比 1.6%減少
6.運輸・通信~2009 年度は 2000 年度比 9.7%増加
1.2009 年度の総売上高は 2000 年度比 2.4%減少
全産業の売上高推移
(売上高単位:百万円)
2009 年度の十勝管内企業の総売上高(対象は「COSMOS2」
年度
売上高 前年度比
2000年度 1,721,086
-
に収録されている 4960 社)は、1 兆 6796 億 1100 万円で、2000
2001年度 1,712,421
-0.5%
-2.8%
年度の 1 兆 7210 億 8600 万円と比較すると 2.4%減、金額で 2002年度 1,664,805
2003年度 1,520,347
-8.7%
414 億 7500 万円減少している。
2004年度 1,467,886
-3.5%
2005年度
1,430,835
-2.5%
2000 年度から 2009 年度の推移を見ると、2000 年度をピー
2006年度 1,482,320
3.6%
2.7%
クに 2005 年度まで 5 年連続で前年度を下回っているが、2005 2007年度 1,522,112
2008年度 1,668,729
9.6%
年度の 1 兆 4308 億 3500 万円を最少に翌 2006 年度からは 4 年 2009年度 1,679,611
0.7%
連続で前年度を上回っている。北海道全体では 2009 年度は総
売上高 29 兆 9996 億 5000 万円で、2000 年度の 31 兆 6195 億 8000 万円と比較すると 5.1%減少し
ており、十勝管内の減少率は北海道全体と比較し 2.7 ポイント下回り、僅少といえる。
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特別企画:十勝管内企業 10 年間の売上高推移調査
2.建設業~2000 年度から 8 年連続減少
建設業は、2000 年度の 3556 億 5500 万円をピークに 2008
年度まで 8 年連続で前年度を下回った。2009 年度の 2550 億
5300 万円は前年度を 3.8%上回ったが、2000 年度と比較す
ると 28.3%減、金額で 1006 億 200 万円減少している。
北海道全体でも建設業は 2009 年度と 2000 年度を比較する
と 32.5%減少しており、十勝管内の減少率はそれを下回る
ものの、5 業種中では最も大きい減少率だった。官公庁、民
建設業の売上高推移
(売上高単位:百万円)
年度
売上高 前年度比
2000年度
355,655
-
2001年度
332,794
-6.4%
2002年度
319,438
-4.0%
2003年度
306,891
-3.9%
2004年度
288,767
-5.9%
2005年度
274,466
-5.0%
2006年度
266,994
-2.7%
2007年度
246,771
-7.6%
2008年度
245,809
-0.4%
2009年度
255,053
3.8%
間需要の減少による建設業界の厳しさが表れている。
3.製造業~2009 年度は前年度比 12.9%減少
製造業は、2009 年度の 1618 億 2600 万円と 2000 年度の 1648
億 6600 万円を比較すると 1.8%減、金額で 30 億 4000 万円
の減少、減少率は小幅にとどまっている。2006 年度から 2008
年度までの 3 年間は連続して前年度を上回り 2008 年度の
1858 億 5300 万円がピークとなったが、2009 年度は前年度比
12.9%減と、10 年間で最も減少率が大きく、リーマンショ
ック後の経済情勢悪化の直撃を受けたと思われる。
4. 卸売業~2009 年度は 2000 年度比 5.2%増加
製造業の売上高推移
(売上高単位:百万円)
年度
2000年度
2001年度
2002年度
2003年度
2004年度
2005年度
2006年度
2007年度
2008年度
2009年度
卸売業の売上高推移
(売上高単位:百万円)
卸売業は、2008 年度の 3755 億 8000 万円がピーク。2009
年度の 3573 億 7700 万円と 2000 年度の 3396 億 1100 万円
と比較すると 5.2%増、金額で 177 億 6600 万円増加して
いる。この 10 年間に大きな変動はなく増加傾向で推移し
ているが、2009 年度は前年度比 4.8%の減少となった。
売上高 前年度比
164,866
-
157,881
-4.2%
159,671
1.1%
156,180
-2.2%
163,289
4.6%
154,840
-5.2%
161,859
4.5%
171,769
6.1%
185,853
8.2%
161,826
-12.9%
年度
2000年度
2001年度
2002年度
2003年度
2004年度
2005年度
2006年度
2007年度
2008年度
2009年度
売上高 前年度比
339,611
-
356,450
5.0%
350,048
-1.8%
351,307
0.4%
366,217
4.2%
360,162
-1.7%
366,093
1.6%
370,866
1.3%
375,580
1.3%
357,377
-4.8%
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特別企画:十勝管内企業 10 年間の売上高推移調査
5.小売業~2009 年度は 2000 年度比 1.6%減少
小売業は、2002 年度の 3540 億 1400 万円をピークに翌
2003 年から 3 年連続で前年度を下回り、2005 年度の 3091
億 1800 万円が最少となっている。翌 2006 年度以降は 4 年
連続で前年度を上回り、
2009 度の 3292 億 2000 万円と 2000
年度の 3345 億 7700 万円を比較すると 1.6%減、金額で 53
億 5700 万円減少と減少率は小さい。
6.運輸・通信業~2009 年度は 2000 年度比 9.7%増加
運輸・通信業は、2001 年度の 593 億 4500 万円が最少で、
10 年間の増減は比較的小幅に推移している。2009 年度の 682
億 9600 万円と 2000 年度の 622 億 5100 万円を比較すると 9.7%
増、金額で 60 億 4500 万円増加。インターネットや携帯電話
などの普及が安定した業績の一因とみられる。
8.まとめ
小売業の売上高推移
(売上高単位:百万円)
年度
売上高 前年度比
2000年度
334,577
-
2001年度
333,910
-0.2%
2002年度
354,014
6.0%
2003年度
320,726
-9.4%
2004年度
317,455
-1.0%
2005年度
309,118
-2.6%
2006年度
309,473
0.1%
2007年度
315,705
2.0%
2008年度
325,621
3.1%
2009年度
329,220
1.1%
運輸・通信業の売上高推移
(売上高単位:百万円)
年度
売上高 前年度比
2000年度
62,251
-
2001年度
59,345
-4.7%
2002年度
62,334
5.0%
2003年度
61,655
-1.1%
2004年度
65,079
5.6%
2005年度
64,180
-1.4%
2006年度
66,707
3.9%
2007年度
68,997
3.4%
2008年度
67,185
-2.6%
2009年度
68,296
1.7%
2009 年度における十勝管内に本社を置く企業全体の総売上高は、10 年前の 2000 年度と比較
すると 2.4%の減少で、北海道全体(同 5.1%減)、釧根管内(同 13.8%減)と比較すると減少
率は小さい。2009 年度の売上高が 2000 年度を下回ったのは 5 業種中 3 業種(建設業・製造業・
小売業)だが、製造業、小売業ともに減少率は小幅にとどまっている。建設業は減少率(同 28.3%
減)が最も大きかったが、2009 年度で 9 年ぶりに前年度を上回り、回復傾向がみられる。また、
卸売業、運輸・通信業の 2 業種は 2009 年度の売上高が 2000 年度を上回っており、IT バブルの
崩壊、リーマンショックの影響を受けながらも健闘している企業が多いといえる。
十勝管内は、2009 年度の売上高が 10 年間で最少となっている業種はなく、デフレ経済の厳
しい環境下ながら、安定した基幹産業の農業を背景に道内他地区と比較すると底堅さがうかが
える。
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