クラウドコンピューティング メディアコミュニケーション論Ⅲ 第11回 大学のメール メールはどこにある? 従来のメールの場合 パソコンに保存 現行メールの場合(Webメール) どこからでも,受信済みの メールを読めるようにするた めには,メールはサーバー に保存 インターネットは“雲” クラウドコンピューティング データやそれを処理するプ ログラムなどをインターネッ トのサーバに保存 の中のことは分から 利用者は,それらをイン ないから雲(cloud) に例える ターネット経由で利用する “雲”の中のデータ インターネットのサーバにデータを保存 インターネットを使うことができれば,どこからで もデータを使うことができる 皆で使うことができる 情報の共有 クラウドの 大きなメリット 例 え ば(1) 2011年 「iCloud」では音楽のほかアプリや写真も同期、 iOS 5とともに今秋から無料提供 http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/ 20110607_451109.html iTunes Storeで購入した音楽を,自分のいろい ろな端末で再生できる 2014年には“漏えい”事件発生 例 え ば(2) 2011年 震災時の緊急支援に役立てられたクラウドサー ビスの事例と、復旧・復興に向けたクラウドサー ビス安全利用に関する資料の公開 http://www.ipa.go.jp/about/press/20110620.htm l 災害対策 雲の中では… 雲の中にあるメールサーバーは 1台のコンピュータである かどうか分からない 複数のコンピュータ あちこちに分散 1台のコンピュータのよう に使うことができる 雲の中のことは どうなっているか,良く分からない アクセスすれば使うことができる “サービス”として,提供される クラウド提供者による分類(1) パブリッククラウド プライベートクラウド クラウド提供者による分類(2) パブリッククラウド 不特定多数の利用者が使う GoogleやAmazonのような事業者が,広くサー ビスを提供 クラウド提供者による分類(3) プライベートクラウド 特定の利用者が使う 社内やグループ企業内だけ 社内のコンピュータ資源を集中させ,社内を対 象にサービスを提供 パブリッククラウドと合わせて使うこともある ハイブリッドクラウド クラウドサービスの分類 SaaS (サース) PaaS (パース) IaaS (アイアース) SaaS パソコンの利用方法 ワープロを使いたい ハードを購入 OSを購入(ハードと一緒?) ワープロソフトを購入・インストール バージョンアップなど(面倒) 本当はワープロという機能だけを使うことができ ればよい S a a S (1) Software as a Service インターネットのサーバに,ソフト(例 ワープロ) の機能を用意し,それをサービスとして提供する 利用者は,ハードやソフトを買うのではなく,その 機能をサービスとしてインターネット経由で使い, (使用時間で)料金を払う S a a S (2) サービスをWebアプリケーションとして用意する こちらのPCに何が必要か? ブラウザ(IEとかFirefoxなど)だけ OSは無関係 インターネットにアクセスできるものなら, PCである必要はない スマホ,タブレットでも S a a S (3) データも雲の中 あるときはパソコンから,あるときはスマートフォ ンから,ということも可能 S a a S (4) 前提 インターネットの高速化 ブロードバンド 遅いと使い物にならない S a a S (5) サービスの例 GmailなどのWebメール Salesforce Evernote Google Apps S a a S (6) 初期費用がかからない 保守の手間が不要 十分な検討の必要がある トータルコストが高くなる場合もある PaaSとIaaS P a a S (1) Platform as a Service インターネット経由でアプリケーションを実行する 環境を提供するサービス 例 Google App Engine P a a S (2) すぐに使えるPC 提供する環境とは (ソフト込み) Webアプリケーションを開発できる環境 開発言語 アプリケーションを実行できる環境 ハード:サーバ,ソフト:OSその他 インターネットからアクセスできる環境 高速ネットワーク P a a S (3) “すぐに使えるPC”と同等な機能をサービスとし て提供 PCを買わずに,サービスを買う I a a S (1) Infrastructure as a Service コンピュータのハードやネットワーク接続など(イ ンフラ)を提供するサービス 例 Amazon EC2/S3 Google Compute Engine I a a S (2) PaaSとの違い インフラだけのサービス ハード・ネットワークだけ OS,他のソフトは自分で選ぶ(選べる) PaaSでは,選択不可(選択範囲が狭い) I a a S (3) “すぐに使えるインフラ”をサービスとして提供 自分でインフラを整備するのではなく,同等な機 能を買う P a a S ・ I a a S (1) 稼働中のアプリケーションの負荷が高まる 利用者が急増 簡単に計算能力を増強できる P a a S ・ I a a S (2) サービス対象者 SaaSを始めたい者 一時的に計算能力が必要な者にも 大容量のデータ処理 なぜ,クラウド? なぜ,クラウド?(1) 買うより,安い 新規参入者は資金が少ない 保守が不要(手間がかからない) なぜ安い? スケールメリット 大規模システムを構築しておき,分割して貸し 出す なぜ,クラウド?(2) 規模の拡大が容易 サービス提供者が対応 自前の設備では時間がかかる 規模の縮小も その時,その時で必要とするだけの規模 なぜ,クラウド?(3) 大量のデータがクラウドに集まる しかも,共有可能 それらを統合化し,新たな利活用を図る 例 スマートグリッド クラウドの問題点 クラウドの問題(1) インターネットに依存 アクセスができなくなると,業務に影響 障害発生時の影響が大 Gmailで大規模障害、大多数のユーザーが一 時アクセス不能に http://internet.watch.impress.co.jp/docs/new s/20090902_312448.html スケールメリットの裏返し クラウドの問題(2) 自分専用のハードウェアではない 見ず知らずの人と共用 セキュリティ上の問題が発生しないとは言い切れ ない クラウド提供者の技術力が問われる クラウドの問題(3) データがどこにあるのか? 自分でもバックアップ しないと危ない 利用者の手元にはない 複数のコピーを,複数の箇所に(災害対策) ただし,クラウド提供者による クラウドの問題(4) 原則 データセンターが存在する国の法律が適 用される クラウド・コンピューティングと日本の競争力に関 する研究会 http://www.meti.go.jp/committee/summary/000 4603/index01.html カナダ政府機関はアメリカのサービスの使用 禁止 クラウドの問題(5) 犯罪調査でHDDを押収 たまたま,自分のデータも同じHDD内にあったら … http://d.hatena.ne.jp/sen-u/20110624/p1 クラウドの問題(6) データは国境を越える(1) 日本の企業のデータであっても,日本の個人 情報保護法は摘要されない事態が起きる? トラブルが起きたら,どこで裁判 クラウドの問題(7) データは国境を越える(2) 入力したデータはサーバに送られ,そこで処 理される IMEのオンライン機能利用における注意につ いて https://sect.iij.ad.jp/d/2013/12/104971.html かな漢字変換の結果をつなげれば,作成し た文章になる 機密文書だったらどうなる? クラウドの問題(8) サービス提供者は信頼に足りるか?! 技術的問題 政治的問題(法的問題) 経営的問題 倒産したら,データはどうなる? 安心して使えるのか?! “データの問題”の補足 クラウドではなく,パソコンにデータを保存するこ とのリスク 無断持出し リスク回避のために集中管理という考え方もある 社内のサーバに保管し,アクセス制限を課し, ログを残す プライベートクラウド まとめ クラウドコンピューティングとは データやそれを処理するプログラムなどをインタ ーネットで接続されたサーバに保存する データなどは,インターネット経由でアクセスす る データの共有が可能 そこから新たな利活用が生まれる(いろいろ考え られている) クラウドコンピューティングでは ハードやソフトを“持つ” から,機能を“使う” 処理能力の限界を気にする必要はない いくらでも,“雲”の中にある クラウド提供者による分類 パブリッククラウド プライベートクラウド 三種類のサービス SaaS PaaS IaaS クラウドの問題(1) インターネットに依存したデータの集中 メリットもデメリットもある 効率向上 新たな活用法 情報漏えいなどセキュリティ トラブルの影響範囲 クラウドの問題(2) 政治的問題 経営的問題 な問題もある クラウドのトラブル(補足) ファーストサーバ、共有サーバーとVPSサービス で「データ復旧は不可能」 (6/23/12) http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/ 20120623_542371.html クラウドではないが 影響範囲が大 やはり,自分(自社)でバックアップは必要
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