クラウドコンピューティング

クラウドコンピューティング
メディアコミュニケーション論Ⅲ
第12回
大学のメール
メールはどこにある?
従来のメールの場合
パソコンに保存
現行メールの場合(Webメール)
どこからでも,受信済みの
メールを読めるようにするた
めには,メールはサーバー
に保存
インターネットは“雲”
クラウドコンピューティング
データやそれを処理するプ
ログラムなどをインターネッ
トのサーバに保存
の中のことは分から
利用者は,それらをイン
ないから雲(cloud)
に例える
ターネット経由で利用する
“雲”の中のデータ



インターネットのサーバにデータを保存
インターネットを使うことができれば,どこからで
もデータを使うことができる
皆で使うことができる
 情報の共有
クラウドの
大きなメリット
例 え ば(1)

「iCloud」では音楽のほかアプリや写真も同期、
iOS 5とともに今秋から無料提供
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/
20110607_451109.html
 iTunes Storeで購入した音楽を,自分のいろい
ろな端末で再生できる
例 え ば(2)

震災時の緊急支援に役立てられたクラウドサー
ビスの事例と、復旧・復興に向けたクラウドサー
ビス安全利用に関する資料の公開
http://www.ipa.go.jp/about/press/20110620.htm
l
 災害対策
雲の中では…





雲の中にあるメールサーバーは
1台のコンピュータである
かどうか分からない
複数のコンピュータ
あちこちに分散
1台のコンピュータのよう
に使うことができる
雲の中のことは

どうなっているか,良く分からない

アクセスすれば使うことができる
“サービス”として,提供される
クラウド提供者による分類(1)

パブリッククラウド

プライベートクラウド
クラウド提供者による分類(2)

パブリッククラウド
 不特定多数の利用者が使う

GoogleやAmazonのような事業者が,広くサー
ビスを提供
クラウド提供者による分類(3)

プライベートクラウド
 特定の利用者が使う
 社内やグループ企業内だけ
 社内のコンピュータ資源を集中させ,社内を対
象にサービスを提供
 パブリッククラウドと合わせて使うこともある
 ハイブリッドクラウド
クラウドサービスの分類

SaaS (サース)

PaaS (パース)

IaaS (アイアース)
SaaS
パソコンの利用方法


ワープロを使いたい
 ハードを購入
 OSを購入(ハードと一緒?)
 ワープロソフトを購入・インストール
 バージョンアップなど(面倒)
本当はワープロという機能だけを使うことができ
ればよい
S a a S (1)



Software as a Service
インターネットのサーバに,ソフト(例 ワープロ)
の機能を用意し,それをサービスとして提供する
利用者は,ハードやソフトを買うのではなく,その
機能をサービスとしてインターネット経由で使い,
(使用時間で)料金を払う
S a a S (2)


サービスをWebアプリケーションとして用意する
こちらのPCに何が必要か?
 ブラウザ(IEとかFirefoxなど)だけ
 OSは無関係
 インターネットにアクセスできるものなら,
PCである必要はない
 携帯電話でも
S a a S (3)


データも雲の中
あるときはパソコンから,あるときはスマートフォ
ンから,ということも可能
S a a S (4)

前提 インターネットの高速化
 ブロードバンド
 遅いと使い物にならない
S a a S (5)

サービスの例
 GmailなどのWebメール
 Salesforce
 Evernote
 Google Apps
S a a S (6)

初期費用がかからない

保守の手間が不要

十分な検討の必要がある
 トータルコストが高くなる場合もある
S a a S (7)


ちょっと前まで
ASP
Application Service Provider
とか言われていた
新しいことではない?!
 サーバの強化
 多様なソフトの用意
PaaSとIaaS
P a a S (1)



Platform as a Service
インターネット経由でアプリケーションを実行する
環境を提供するサービス
例 Google App Engine
P a a S (2)




すぐに使えるPC
提供する環境とは
(ソフト込み)
Webアプリケーションを開発できる環境
 開発言語
アプリケーションを実行できる環境
 ハード:サーバ,ソフト:OSその他
インターネットからアクセスできる環境
 高速ネットワーク
P a a S (3)


“すぐに使えるPC”と同等な機能をサービスとし
て提供
PCを買わずに,サービスを買う
I a a S (1)



Infrastructure as a Service
コンピュータのハードやネットワーク接続など(イ
ンフラ)を提供するサービス
例


Amazon EC2/S3
Google Compute Engine
I a a S (2)


PaaSとの違い
インフラだけのサービス
 ハード・ネットワークだけ
 OS,他のソフトは自分で選ぶ(選べる)
PaaSでは,選択不可(選択範囲が狭い)
I a a S (3)


“すぐに使えるインフラ”をサービスとして提供
自分でインフラを整備するのではなく,同等な機
能を買う
P a a S ・ I a a S (1)


稼働中のアプリケーションの負荷が高まる
 利用者が急増
簡単に計算能力を増強できる
P a a S ・ I a a S (2)

サービス対象者
 SaaSを始めたい者

一時的に計算能力が必要な者にも
 大容量のデータ処理
なぜ,クラウド?
なぜ,クラウド?(1)


買うより,安い
 新規参入者は資金が少ない
 保守が不要(手間がかからない)
なぜ安い?
 スケールメリット
 大規模システムを構築しておき,分割して貸し
出す
なぜ,クラウド?(2)

規模の拡大が容易
 サービス提供者が対応
 自前の設備では時間がかかる
 規模の縮小も
 その時,その時で必要とするだけの規模
なぜ,クラウド?(3)


大量のデータがクラウドに集まる
 しかも,共有可能
それらを統合化し,新たな利活用を図る
 例 スマートグリッド
クラウドの問題点
クラウドの問題(1)


インターネットに依存
 アクセスができなくなると,業務に影響
障害発生時の影響が大
 Gmailで大規模障害、大多数のユーザーが一
時アクセス不能に
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/new
s/20090902_312448.html
 スケールメリットの裏返し
クラウドの問題(2)

自分専用のハードウェアではない

見ず知らずの人と共用

セキュリティ上の問題が発生しないとは言い切れ
ない
 クラウド提供者の技術力が問われる
クラウドの問題(3)

データがどこにあるのか? 自分でもバックアップ
しないと危ない
 利用者の手元にはない
 複数のコピーを,複数の箇所に(災害対策)
 ただし,クラウド提供者による
クラウドの問題(4)


原則 データセンターが存在する国の法律が適
用される
クラウド・コンピューティングと日本の競争力に関
する研究会
http://www.meti.go.jp/committee/summary/000
4603/index01.html
 カナダ政府機関はアメリカのサービスの使用
禁止
クラウドの問題(5)



犯罪調査でHDDを押収
たまたま,自分のデータも同じHDD内にあったら
…
http://d.hatena.ne.jp/sen-u/20110624/p1
クラウドの問題(6)

データは国境を越える
 日本の企業のデータであっても,日本の個人
情報保護法は摘要されない事態が起きる?

トラブルが起きたら,どこで裁判
クラウドの問題(7)


サービス提供者は信頼に足りるか?!
 技術的問題
 政治的問題(法的問題)
 経営的問題
 倒産したら,データはどうなる?
安心して使えるのか?!
“データの問題”の補足


クラウドではなく,パソコンにデータを保存するこ
とのリスク
 無断持出し
リスク回避のために集中管理という考え方もある
 社内のサーバに保管し,アクセス制限を課し,
ログを残す
 プライベートクラウド
まとめ
クラウドコンピューティングとは



データやそれを処理するプログラムなどをインタ
ーネットで接続されたサーバに保存する
 データなどは,インターネット経由でアクセスす
る
データの共有が可能
そこから新たな利活用が生まれる(いろいろ考え
られている)
クラウドコンピューティングは



ハードやソフトを“持つ”
↓
機能を“使う”
クラウド提供者による分類

パブリッククラウド

プライベートクラウド
三種類のサービス

SaaS

PaaS

IaaS
クラウドの問題(1)

インターネットに依存したデータの集中
 メリットもデメリットもある
 効率向上
 新たな活用法
情報漏えいなどセキュリティ
 トラブルの影響範囲

クラウドの問題(2)


政治的問題
経営的問題
な問題もある
クラウドのトラブル(補足)




ファーストサーバ、共有サーバーとVPSサービス
で「データ復旧は不可能」 (6/23/12)
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/
20120623_542371.html
クラウドではないが
影響範囲が大
やはり,自分(自社)でバックアップは必要