EthernetとIP

ネットワークインタフェース層と
インターネット層
ネットワークシステムⅠ
第7回
基 本 機 能 (2) 前回のスライドより


4つの機能が
モジュール化され,
右図のように
層をなしている
(階層化)
上の層が,下の層
を使って通信
何ができるのか?


インターネットは,小さなネットワークがつながっ
てできる
ネットワークインタフェース層


直接つながっている相手とパケットをやり取り
する
インターネット層
 インターネットにつながっている相手とパケット
をやり取りする
ネットワークインタフェース層
データリンク層ということもある
Ethernet (1)



ネットワークインタフェース層の例としてEthernet
(イーサネット)
LANで使われるものと言ったらEthernet,か
 他にもいろいろある
 無線LANとか
物理的なネットワーク
 実際にデータが送受される
Ethernet (2)


Xerox社PARC(Paro Alto Research Center)など
で開発
ちなみにether(エーテル)は,電磁場の媒質とさ
れていた仮想物質
Ethernet (3)


Ethernet上のパケットのことを
Ethernetフレームと呼ぶ
Ethernetフレームの長さは可変
Ethernet (4)


帯域
 10M (10Base-2,10Base-5,10Base-T)
 100M (100Base-TXなど)
 1000M (1000Base-Tなど)
もっと高速なものも(10G)
Ethernet (5)


フレーム(パケット)の送り先は,MACアドレス
(マックアドレス 48ビット長)により指定する
 Medium Access Control
コンピュータに付けられたアドレスではなく,NIC
(Network Interface Cardという部分)に付けられ
たアドレス
 1台のコンピュータに複数のMACアドレスが付
くことがある
Ethernet (6)

どうやって相手のMACアドレスを知るか?
 ARPによる(後述)
Ethernet (7)


フレームは,同じケーブルに接続しているすべて
のNICに届く(同じセグメントに接続しているNIC)
スイッチングハブを用いると,指定されたMACア
ドレスを持つNICにだけ届く
ま と め(1)

ネットワークインタフェース(データリンク)層
 例 Ethernet
 直接,つながっている範囲(セグメント)でパ
ケットを送る
 MACアドレスにより指定された相手にフ
レームを送る
 データ転送方式は CSMA/CDを用いる
ま と め(2)


ネットワークインタフェース層の限界
 直接,つながっている範囲(セグメント)でしか,
パケットを送ることができない
大きなネットワーク
 ルータ(router)で,セグメントをつなぐ
 セグメント越えてパケットを送るには,ルータに
送る
 ルータを越えるパケットの制御はIP層が行う
インターネット層
インターネット層のプロトコル
IP
インターネット層(IP)


宛先のコンピュータまで,パケットを送る
 直接,つながっていなければルータで中継す
る
IPv4(IP第4版)と呼ばれる,現在,かなり利用さ
れているプロトコルの話
 v4には制約があるので,次はIPv6
IPアドレス


(詳細は後述)
ノード(コンピュータやルータなど。ホストと呼ぶ場
合もある)を区別するためのアドレス
 パケットを送りだすノード,宛先のノード
 厳密には,NICを区別する
32ビット(IPv4では)
IPヘッダ


宛先のIPアドレスなどの情報
荷札に相当
 送りたいデータとは別のもの
I P の 制 約 (1)
(文献2 p.140)

パケットが届くことを保証しない

送り出した順に届くことを保証しない

ひとつのパケットが,複数個届くことがある

データが変化する(おかしくなる)可能性がある

最大65515オクテットまで
I P の 制 約 (2)


IPの制約はTCPで補う
IPパケットは,ルーティングテーブルを参照して
送られる
 バケツリレー
IPアドレス
I P ア ド レ ス (1)


ノード(ホスト)を区別するユニークなアドレス
 同じIPアドレスを複数のノードに付けられない
32ビット
 0 ~ 4294967295 (インターネット上のノードの
上限)
 v6では,128ビット
I P ア ド レ ス (2)

表記法
 8ビットずつ,10進法で表記して,“.”で区切る

192.168.10.5
1100 0000
1010 1000
0000 1010
0000 0101
I P ア ド レ ス (3)


通常使わないもの
0.0.0.0 (すべて0)
 自分のIPアドレスが分からない時に使う
255.255.255.255 (すべて1)
 ブロードキャストアドレス
 (ある)ネットワーク全体へパケットを送る
I P ア ド レ ス (4)


通常使わないもの
127.0.0.0 ~ 127.255.255.255
 ループバックアドレス
 同一ノードの別アプリケーションにパケットを
送る
 特に127.0.0.1にはlocalhostという名前
224.0.0.0 ~ 239.255.255.255
 マルチキャストアドレス
I P ア ド レ ス (5)

インターネット上で,複数のノードが同じIPアドレ
スを持つと困る

IPアドレスは有限

不足気味

さぁ,どうしよう!
 根本的な解決策は IPv6の利用
I P ア ド レ ス (6)


会社の電話
 外部と通話するときだけ,電話局とつなぐ
 電話局との回線数以上の,電話を設置できる
 同時に外部と通話できるのは,その回線数ま
で
ポートとIPアドレスを組み合せることにより,同じ
IPアドレスを同時に複数の機器で実質的に使う
 ポートについてはTCPのところで
I P ア ド レ ス (7)


内線番号のような,内部でしか使えないIPアドレ
スをプライベートアドレス(private address)
 インターネットと直接通信しないノード
 別の場所で同じアドレスを使っても問題がない
インターネットでユニークなものを
グローバルアドレス(global address)
 インターネットと直接通信するノード
I P ア ド レ ス (8)

プライベートアドレス(private address)
 内線交換機のようなものが必要
 NATとかNAPT
I P ア ド レ ス (9)

プライベートアドレス(private address)
 次のものを使うことになっている
 10.0.0.0 ~ 10.255.255.255
 172.16.0.0 ~ 172.31.255.255
 192.168.0.0 ~ 192.168.255.255
I P ア ド レ ス (10)


グローバルアドレスは,同じものが使われないよ
うに管理しなければならない
 日本では、JPNICが管理
 JPNICから(間接的に)割り当てられる
プライベートアドレスは,自由に使ってよい
 直接,インターネットに接続できない
I P ア ド レ ス (11)


IPアドレスは,コンピュータに付けられるものでは
ない
コンピュータの,ネットワークとの接続機器(NIC)
に付けられるもの
 1台のコンピュータが,二つのネットワークに
接続していれば,二つのIPアドレスが付く
ネットワークアドレス,ホストアドレス(1)


IPアドレスは
 ネットワークアドレス部
 ホストアドレス部
に分けることができる
ノードアドレス部とは呼ばない
ネットワークアドレス,ホストアドレス(2)



ネットワークアドレス
 そのホストが接続しているネットワーク(セグメ
ント)のアドレス
ホストアドレス
 そのホスト(ノード)のネットワーク内でのアドレ
ス
教室の番号301(階数+その階での番号)
ネットワークアドレス,ホストアドレス(3)



32ビットの中で,ネットワークアドレスのビット数
を明示する
192.168.10.68/26
前26ビットがネットワークアドレス,
後6ビットがホストアドレス
ネットワークアドレス,ホストアドレス(4)







192.168.10.68/26
ネットワークアドレス・ホストアドレス
11000000 10101000 00001010 01000100
11111111 11111111 11111111 11000000
ネットワークアドレスに対応する部分を1
255.255.255.192
ネットマスク(netmask)
ネットワークアドレス,ホストアドレス(5)

ネットワークアドレス部とホストアドレス部の区切
りの記法
 ビット数(例 /26)
 ネットマスク
ネットワークアドレス,ホストアドレス(6)



192.168.10.68/26
ホストアドレス部をすべて 0 にしたものが,
ネットワークアドレス
192.168.10.64/26
ホストアドレス部をすべて 1 にしたものが,
ブロードキャストアドレス
192.168.10.127
 そのネットワーク内の全ノードにパケットを送
るときに指定する
ネットワークアドレス,ホストアドレス(7)



ネットワークアドレス,ブロードキャストアドレス共
に,ノードに割当て不可
192.168.10.64/26 のホストアドレスは
000001 ~ 111110
ホストアドレス部が6ビットであっても,接続可能
ノード数は64ではなく,62となる
ネットワークアドレス,ホストアドレス(8)

歴史的には,ネットワーク部が
8ビットのものをクラスA,
16ビットのものをクラスB,
24ビットのものをクラスC
のアドレスと呼んだ
IPアドレス・MACアドレスの調べ方

ipconfig /all というコマンド
ま と め(1)

ネットワークインタフェース層の限界
ま と め(2)


IP層で,できること,できないこと
IPアドレス
 グローバルアドレスとプライベートアドレス
 ネットワークアドレスとホストアドレス
 指定方法:ビット数とネットマスク
 ブロードキャストアドレス
次



回
IPパケットの構造
パケットの配送
 どうやってパケットが送られるのか
ネットワークインタフェース層とインターネット層の
関係