タイトル

交流電界下における高分子材料の
撥水挙動の画像解析
平成14年3月4日
電気工学科 所研究室
09E28
野原 大輝
目的
シリコーンやEPDMゴムなどの高分子材料は、
がいしなど屋外用電力設備の絶縁物としてその
用途を拡大しつつある。そのため、表面劣化過
程の指標として、材料表面の撥水性の低下の観
測をすることは非常に重要である。
 本研究では撥水画像を動的に解析するため、
PVM(Parallel Virtual Machine)を
用いたUNIX上の画像解析システムの開発を目
指してきた。

図1 PVMにおけるマスターとスレーブの関係
元画像
閾値
128
(0+128)
閾値
64
(0+64)
閾値
96
閾値
112
閾値
104
(64+32)
(96+16)
(96+8)
閾値
100
(96+4)
閾値
102
(100+2)
図2 閾値自動検出の過程
閾値
101
(100+1)
原画像
2値化
膨張→圧縮
圧縮→膨張
移動平均法
メディアン・フィルタ
図3 ノイズ除去の手法の比較
メディアン・フィルタ
1回
2回
3回
5回
10回
20回
図4 メディアン・フィルタによるノイズ除去
原画像
2値化
図5 水滴に光源が写った場合の2値化
膨張→圧縮
メディアン・フィルタ
図6 2値化後のノイズ除去
メディアン・フィルタ
1回
2回
3回
5回
10回
20回
図7 メディアン・フィルタによるノイズ除去
700
光源変更
面積 S [pixels]
680
蛍光灯
ハロゲンランプ
660
640
620
600
0.0
0.2
0.4
0.6
0.8
時間 s [sec]
図8 光源の違いによる影響
1.0
800
面積 S [pixels]
700
UNIX NIH (共通)
真円
600
500
400
300
200
100
0
0
5
10
15
20
直径 d [pixels]
図9
d-S 比較
25
30
20.0
15.0
誤差率[%]
10.0
5.0
0.0
-5.0
0
5
10
15
20
-10.0
-15.0
-20.0
直径 d [pixels]
図10
面積 誤差率
25
30
120
周囲長 l [pixels]
100
誤差補正
80
60
UNIX
NIH
真円
40
20
0
0
5
10
15
直径 d [pixels]
図11
d-l 比較
20
25
30
20.0
15.0
誤差率[%]
10.0
5.0
0.0
-5.0
0
5
10
15
20
-10.0
25
30
UNIX
NIH
-15.0
-20.0
直径 d [pixels]
図12
周囲長 誤差率
20.0
15.0
補正後
誤差率[%]
10.0
5.0
0.0
-5.0
0
5
10
15
20
-10.0
25
補正前
補正後
-15.0
-20.0
直径 d [pixels]
図13
補正式の有効性
30
まとめ
ノイズの除去や、誤差の補正により、
本システムはより信頼性の高いものと
なった。
 光源をハロゲンランプに変更した事
により、ちらつきの無い、より正確な動
画像解析が可能となった。

今後の課題
閾値自動検出プログラムを画像解析の
並列処理に対応させ、分割した動画像の
各画像について最適な閾値で解析する。
必要がある。
 撥水性の変動と交流印加電圧の位相の
関係を明らかにした解析が望まれる。
