データ構造とアルゴリズム論

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データ構造とアルゴリズム論
第1章 アルゴリズム
の表現-流れ図
平成16年9月28日
森田 彦
アルゴリズムとは?
問題を解決するための処理手順
例:1缶110円のジュースの(自動)販売を行う
①
②
③
<処理の流れ(アルゴリズム)>
料金を投入する
料金が不足していないかどうかを判定し、
料金≧110なら「ありがとうございます」と表示。
それ以外(料金<110)なら「お金が不足してい
ます」と表示。
流れ図による表現
開始
料金を入力
料金≧110
No
「お金が不足しています」と表示
Yes
「ありがとうございました」と表示
終了
プログラム(ソース)とは?
アルゴリズムをプログラミング言語で表現
したもの
Javaで記述
C++で記述
本章(本日)の学習のねらい
① 標準的な流れ図(JIS規格に準拠)の記
述の仕方を学ぶ。
② 流れ図を用いて簡単なアルゴリズムを
記述できるようになる。
③ アルゴリズムの(処理の)流れをつかむ
ため、トレースの仕方を身につける。
重要!
基本制御構造
1. 連接構造(順次処理)
2. 選択構造(分岐処理)
3. 反復構造(繰り返し処理)
これら3つの制御構造の組み合わせであ
らゆるアルゴリズムが表現可能。
1-2 連接構造(順次処理)
開始
朝起きる
顔を洗う
歯を磨く
終了
例:朝起きて顔を洗って歯を磨く
上から下へ順番に処理
(一般に)順序が意味を持つ。
1-3 選択構造(分岐処理)
 2分岐処理
開始
例:テストの得点Xが50点以上
なら合格、50点未満なら不合
格と表示する。
Xの値を入力
X≧50
X:50
<
≧
No
Yes
“合格”と表示
終了
“不合格”と表示
Java言語ではif文で表現
選択構造その2
 多分岐処理1
開始
例:テストの得点Xが80点以上なら「よくで
きました」、80>X≧50なら「合格」、50点未
満なら「不合格」と表示する。
Xの値を入力
X≧80
Yes
No
X≧50
No
Yes
“よくできました”
と表示
終了
“合格”と表示
“不合格”と表示
選択構造その3
 多分岐処理2
変数の値に応じて処理を分ける。
開始
Xの値を入力
「その他」は省略可
X
0
処理1
1
2
処理2
処理3
終了
その他
処理4
Java言語ではswitch文
で表現
【基礎課題1-1 】(p.4)
開始
Xを入力すると、それが偶数か
奇数かを表示するアルゴリズム
Xの値を入力
Y← X % 2
Y=0
No
Yes
“偶数です”と表示
終了
“奇数です”と表示
1-4 反復構造(繰り返し処理)
 決まった回数の繰り返し
例:腕立て伏せを5回行う。
開始
トレース表
i←1
iの値
No
1
2
3
4
6
5
腕立て伏せ回数 5
1
2
3
4
i≦5
Yes
腕立て伏せをする。
i ← i+1
終了
Java言語ではfor文で表現
反復構造その2
トレースとは?
 アルゴリズム(流れ図)の処理過程をた
どって行くこと。 具体的には、変数の値
の変化をたどること。 → トレース表
 アルゴリズムの理解 ← トレースが不可
欠
 本講義で学習するアルゴリズムを理解で
きるかどうか? → 理解できるまでト
レースするかどうかにかかっている。
反復構造その3
 【基礎課題1-3】 (p.9)
1~5までを順に表示させる
開始
開始
i←1
i i←
←0
i≦5
Yes
i≦
i≦4
No
Yes
i ← i+1
iを表示
i ← i+1
No
終了
iを表示
終了
※ 「iを表示」と「i ← i+1」を入れ替え
反復構造その4
ループ端記号を使った表現
例:処理AをN回繰り返す
(1)列挙型
(2)「変数名:初期値,増分,
終値」 提示型
(3)終了条件提示型
i←1
ループ
i=1,2,3,・・・,N
ループ
i:1,1,N
処理A
処理A
ループ
ループ
ループ
i>N (となるまで)
処理A
i ← i+1
ループ
理解度チェック → 【基礎課題1-5】
反復構造その5
 一般的な終了条件による繰り返し
例:可能な限り腕立て伏せを行う
開始
続行可能
No
Java言語では
while文で表現
Yes
腕立て伏せをする。
終了
理解度チェック → 【基礎課題1-4】、【応用課題1-E】
 演習にとりかかってください。
 少なくとも、基礎課題のチェックは終える
こと。
 演習の時間内に基礎課題を終了できな
かった場合は、必ず次週までに課題を終
えておいて下さい。基礎課題を翌週に持
ち越すと、本科目の修学が困難になりま
す。