2.4 Continuum transitions 2.4.1 Inelastic

2011年5月13日 nonLTEゼミ
吉永祐介
2.4 Continuum transitions
2.4.1 Inelastic processes
1
Bound-free transitions
原子に束縛されていた電子が外部からの電磁波によって励起
され自由電子となる
水素と水素型(電子が1個のみ)イオンの吸収断面積は
Kramersの公式
n : 主量子数
Z : イオンの電荷
: 無次元Gaunt factor
で減少する(しきい値
水素型でない場合、単純に
を受ける
以上の場合)
には依存せず他の電子の影響
2
LTEの場合、体積吸収係数は
: 粒子密度
3
右図は吸収断面積を
表し ている
のオーダー
n の増加と共に増加しているが、(2.74) 式によれば減少してい
くはず
これは水素のイオン化しきい値が
となり、
が
となるからである
4
Free-free transitions
自由電子が力を受け加速・減速する場合、電磁波を吸収・放射
する
Maxwellの速度分布が成り立っている場合
が成り立つ
吸収断面積は
Z : イオンの電荷
1・
: 電子・イオン密度
: Gaunt factor
5
体積吸収係数は
これはLTEでなくても成り立つ
2.5.2の (2.93) 式で定義されるWien limit では吸収係数は
に比例
(2.94) 式で定義されるRayleigh-Jeans limit では吸収係数は
に比例
6
2.4.2 Elastic processes
7
Thomson scattering
電磁波が当たり振動した自由電子が同じ周波数の電磁波を放
射すること
電子1個当たりの吸収断面積は
対応する体積吸収係数は
これらは光子と電子のエネルギーが低いときのみ適応できる
8
光子のエネルギーが高い場合は、 Compton 散乱となる
Compton 散乱
散乱後に電磁波の波長が散乱前より長くなるような散乱
光子のエネルギーの一部を電子が得る
電子のエネルギーが高い場合は、逆 Compton 散乱となる
逆 Compton 散乱
Compton 散乱とは逆に電子のエネルギーの一部を光子
が得る
9
Rayleigh scattering
光の波長よりも小さいサイズの粒子による散乱
吸収断面積は
: 束縛されている電子の束縛エネルギー
より
中性水素の Ly α
の依存性が空の青色や、夕焼けの赤色を作っている
水素原子の Rayleigh 散乱の体積吸収係数は
: 水素原子の密度
10
Redistribution
Thomson 散乱と Rayleigh 散乱はコヒーレント
光子は方向を変えられはするが、周波数は変わらない
温度が高い場合は、Thomson 散乱はコヒーレントではない
電子の動きによりドップラーシフトが発生するから
熱い星の大気や、コロナ中ではこれは重要になってくる
このドップラーシフトが solar K corona のスペクトルから
Fraunhofer 線を消してしまう
11