工学院大学・朝日カレッジ「鉄道技術各論」B8-⑤ 鉄道産業とそのあり方 政策・技術開発・規格 -連携/対抗/協調のあり方- (株)ライトレール 代表取締役社長 阿 部 等 http://www.LRT.co.jp 平成23年6月9日 本日の内容 • 1.時代の風 – 近年の各誌の特集 • 2.政 策 – (1) – (2) – (3) – (4) 交通基本法 交通に関する民意と実際の運輸政策 求められる運輸政策のモーダルシフト 運輸政策のモーダルシフト実現に向けて • 3.技術開発 – 鉄道を元気にする12の技術開発 1 1.時代の風 2 近年の各誌の特集 • 時代のトレンド – 鉄道の活躍への期待 • • • • 鉄道革命:世界で大復権がはじまった! 鉄道進化論:JR、私鉄・・・鉄道ビジネス大研究! 鉄道の世紀:新興国成長、環境性で需要爆発 鉄道完全解明:ここまできたニッポンの鉄道 – 自動車・道路の衰退 • • • • 自動車全滅!:ニッポン大恐慌の現実シナリオ 自動車100年目の大転換:世界日本の自動車市場 トヨタ土壇場:工場閉鎖、正社員削減の危機 道路の終焉:補正執行停止、高速無料化 3 2008/4/19号 4 2008/5/24号 5 2008/12/20号 6 2009/6/20号 7 2009/7/4号 8 2009/7/25号 9 2009/10号 10 2009/10/10号 11 2009/11/10号 12 2010/1/12号 13 2010/2/22臨時号 14 2010/4/3号 15 2010/7/9臨時号 16 2011/3/5特大号 17 2010/3/8特大号 18 2010/4/16号 19 2.政 策 20 (1) 交通基本法 21 国土交通省の問題意識 • これまでの交通に関する施策 – 交通は、国民生活及び経済活動にとって不可 欠な基盤であるものの、交通に関する取組み についての骨格となる枠組みが存在しないた め、個々の分野での個別対応に終始。 • 新しい交通に関する施策への転換 – 交通基本法及び交通基本計画を制定すること により、交通分野の諸課題に対して基本的施 策を包括的に示すことにより、国・地方公共団 体・事業者・施設管理者及び国民が一体となり 総合的かつ計画的な取組みを推進。 22 法案の骨格① • 基本理念等 – 国民等の交通に対する基本的な需要の充足 – 交通の機能の確保及び向上 – 交通による環境への負荷の低減 – 交通の適切な役割分担及び有機的かつ効率 的な連携 – 連携等による施策の推進 – 交通の安全の確保 • 責務 – 国、地方公共団体、事業者、施設管理者、国 民など関係者それぞれの責務を定める。 23 法案の骨格② • 基本的施策 – 日常生活等に必要な不可欠な交通手段の確 保等 – 高齢者、障害者等の円滑な移動 – 物流を含めた交通の利便性向上、円滑化及び 効率化 – 国際競争力の強化及び地域の活力の向上 – 交通に係る環境負荷の低減 – 総合的な交通体系の整備等 – まちづくりの観点 – 観光立国の実現の観点 24 法案の骨格③ • 交通基本計画の策定 – 交通に関する施策の目指すべき姿を国民目 線・利用者目線からわかりやすく提示 – 今後の具体的目標を設定 • 交通基本計画と社会資本整備重点計画を車の両 輪として施策を推進 • 年次報告 – 交通の動向及び政府が交通に関して講じた施 策について毎年国会に報告 25 制定されたら社会が大きく変わる • 関係資料 – 交通基本法案 • 平成18年臨時国会に民主党と社民党が共同提出 した法案から大きく変ったものの大事な点は残った – 交通基本法案に対する意見 • 旧法案へのパブコメ時に提出、あるべき姿を整理 • 法律が制定され有効策が実行されれば、 – 人々の生活が変わる – 鉄道の活躍の場が広がる – 産業構造が変わる – 世界の模範となる 26 (2) 交通に関する民意と 実際の運輸政策 27 「政策コンテスト」パブコメ交通関連 要望額 意見投稿 事業を実施する必要ある 思 う 思わない [億円] 総 数 順位 公共交通確保維持改善 453 5,526 9 5,381 97% 92 2% 高速道路無料化 750 3,530 12 337 10% 3,093 88% 39 3,590 11 3,507 98% 47 1% 105 1,628 21 1,549 95% 61 4% 1,027 1,379 27 1,265 92% 96 7% 215 411 49 339 82% 66 16% 都市鉄道利便増進 都市鉄道整備 国土ミッシングリンク 大都市道路重点投資 ※意見投稿順位は189件中を示し、上位8件は文科省事業。 ※「思う」=「そう思う」+「どちらかといえばそう思う」。 ※「思わない」=「そう思わない」+「どちらかというとそう思わない」。 鉄道と道路への国民の関心は高い 民意は運輸政策のモーダルシフト 28 「政策コンテスト」評価結果交通関連 事業 番号 事 業 名 2319 国土ミッシングリンクの解消 2320 大都市圏の道路インフラの重点 投資 2321 都市鉄道利便増進事業 2322 都市鉄道整備事業 2327 地域公共交通確保維持改善事業 ~生活交通サバイバル戦略~ 要望額 評価 (百万円) コ メ ン ト 102,745 B 道路整備事業に係る要求部分の大幅削減が条件 21,524 B 道路整備事業に係る要求部分の大幅削減が条件 B (補) B 10,473 (補) 2322「都市鉄道整備事業」と一体的に措置する 必要 2321「都市鉄道利便増進事業」と一体的に措置 する必要 地域公共交通において国が真に保障すべきナ ショナルミニマム、各自治体や地域の従来の取 組みの取扱い、大幅な増額についての行政刷新 45,300 B 会議の指摘に基づく大幅な見直しや、事業の大 幅な低コスト化、真に必要な分野・地域への重 点化等が条件 3,850 高速道路の原則無料化の社会実 75,000 B 既存部分を措置する 験 ※政策コンテスト評価会議資料から抜粋 ※(補)は補正措置を含む 2328 民意と遊離した結論 29 道路整備の財源構成 表7 道路財源の構成 国 費 地方費 合 計 区分 特定財源 年度 比率 特定 一般 計 特定 一般 計 特定 一般 計 昭和33~42 0.18 0.03 0.22 0.08 0.12 0.20 0.26 0.16 0.42 63% (1958)(1967) 昭和43~52 0.78 0.12 0.91 0.48 0.62 1.10 1.27 0.74 2.01 63% (1968)(1977) 昭和53~62 1.91 0.10 2.01 1.25 1.77 3.03 3.17 1.87 5.04 63% (1978)(1987) 昭和63~平成9 2.84 0.49 3.33 2.19 4.34 6.68 5.03 4.83 9.86 51% (1988) (1997) 平成10~18 3.53 0.53 4.07 2.26 3.47 5.73 5.79 4.01 9.80 59% (1998)(2006) 昭和33~平成18 1.82 0.25 2.07 1.23 2.04 3.30 3.05 2.29 5.33 57% (1958) (2006) ※道路整備促進期成同盟会全国協議会『道路手帳2007』より作成。 ※金額の単位は兆円。合計は、四捨五入の関係で一部一致しない。 ※各行は、それぞれの期間の1年平均を示す。 ※平成16年度以降は、最終実施計画・当初予算等。 道路サービスを生産コストの6割で販売 30 高速道路の割引施策 • H21.3からの自公政権の施策 – 景気対策のため土休日上限1000円 • JR・高速バス・フェリー等へ大打撃 • 高速道路無料化の社会実験 – 政策コンテストで88%反対でも1200億円の予算 • 大震災後 – 上限1000円中止、無料化社会実験一時凍結 • 東北地方の被災者・中型以上無料化 • 受益者負担によらない割引・無料化の意味 – 国家が自動車の利用を奨励 31 高速道路の割引施策の問題点① • 受益者負担の原則を無視 – 国として税金を投じて自動車利用を奨励 – 国の財政を悪化させ他の使い道を抑制 • 道路渋滞の悪化 – 昨年のGWや盆の経験が年中行事に • 環境負荷の増大 – 自動車利用の増加が悪影響 • 自動車事故の増大と大規模化 – 自動車保険の料率も向上 32 高速道路の割引施策の問題点② • 公共交通機関の経営へ影響 – 事業者の経営を傾かせ多くの失業者を生む • 民業圧迫、自由主義競争社会の秩序を崩壊 • 地域の足の衰退 – 高速バスの稼ぎでの路線バス運行ができず • 交通弱者の生活をますます不便に • 社会的合意を無視した政策決定 – 国会の議決を経ず(予算措置除く) – 関係業界の意見を聞かず – 学識経験者等による審議を経ず – パブリックコメントを実施せず(一部除く) 33 (3) 求められる 運輸政策のモーダルシフト 34 モーダルシフト • 必要性は議論の余地なし – 自動車への過度の依存の問題点は明白 • 多くの国民は既に気付き、政治の動きに辟易 – 人や物がモーダルシフトするとは、 • 産業従事員や研究開発者がモーダルシフト • 公共交通を産業として成長さすことが肝要 – 際限のない公的支援を要さず持続性を持たす – 多数の雇用を維持できる充分な売上げ • 消費者から選考される良質なサービス • 公共交通と自動車で異なる安全基準を同水準に 35 モーダルシフトを実現するには? • 国民の意識変革だけで実現できるか? – 不便だけど環境にやさしいから使おう – 消費者は費用対効果の高い商品を選ぶ • 事業者の企業努力だけで実現できるか? – 50年間、道路サービスをコストの6割で販売 – 税金を投じてさらに値引きしようとする動き – 公平な競争環境とは程遠い 36 運輸政策のモーダルシフト① • 最優先で実行すべきこと – 道路財源を公共交通に投ずる – 道路サービスの販売価格を適正化 • 道路関係諸税を道路投資を償う水準に増税 • 公共交通の充実のための財源確保 – 商品価値に応じた値付けの徹底 • 低負担高サービスは持続可能でない – 大都市の公共交通利用にユニバーサル税 • 電話のユニバーサル料金と同様の考え • 地方や社会的弱者へ所得再分配 37 運輸政策のモーダルシフト② • 公共交通と自動車の安全基準を同水準に – 情緒論でない丁寧で合理的な議論を – 安全性向上にコストを投ずるほど、 • 利便性向上の度合が下がる – 消費者は総合的な品質と負担を勘案して選択 • 現実は、安全性より利便性を優先 – 公共交通が盲目的に安全ばかりを追求すると、 • 消費者の選考を得られず、社会に貢献できない – 決して安全をないがしろにするのではない • 社会全体として安全と利便性のバランスを考える 38 空間利用のモーダルシフト① • 現状の地上と地下の使い分け モノの運搬が地上と高架、ヒトの移動が地下 39 空間利用のモーダルシフト② • 本来の地上と地下の使い分け ヒトの移動が地上と高架、モノの運搬が地下 40 (4) 運輸政策のモーダルシフト 実現に向けて 41 交通に関する時代の要請と民意 • 求められていること – 高齢社会や環境問題への対応 – 全国各地の地域活性化 – 安全・安心社会の実現 • あるべき運輸政策 – 自動車の過度の利用の抑制 – 地方を中心に公共交通を充実 42 自動車関係諸税の暫定税率 • 自動車関係諸税 – 過去50年間、道路投資の6割のみ – 自動車ユーザーは直接費用すら6割のみ負担 • 自動車の社会的費用はゼロ負担 – 国策として国民に自動車利用を奨励 • 誤った運輸政策は今に始まったことでない – 「暫定税率」というネーミングが曲者 • 「本来より多くの負担を強いている」との誤解 • 事実は「本来より少ない負担しか課していない」 – 自動車関係諸税を適正水準に増税すべき 43 電気自動車の費用負担 • ハイブリッド自動車や電気自動車 – ガソリンが電気になって燃料代を節約と喧伝 – 実際はガソリン価格の相当比率が道路利用料 • 道路利用料を徴収しないと、 – 負担の不公平 – 道路の投資・管理の財源が枯渇 – 過度の自動車利用を助長 • 道路利用に応じた税金を創設すべき – 地球温暖化対策税でなく道路サービス利用税 – ITSにより適正で公平な徴税ができるはず 44 過ちは道路や民主党に限らない • 介護利用料増の先送り – 国民の生活が第一 = 低負担高サービス • 持続可能でない見識なき政策運営 • 国民の多くは失望と不安を強めるばかり • 選挙対策どころか、民主党への不信感を高める • 定額給付金 – H20年度追加経済対策として自民・公明が強行 – 理念なきバラマキで国民の信を失った一因 • 社会は分業体制という基本的理解を欠く – 公共サービスは誰かが働いてこそ提供される • 適正な負担がなければ持続性なし 45 国鉄も同じ過ちで破綻した • 葛西敬之『明日のリーダーのために』 – 国鉄の運賃値上げに反対する婦人団体 • • • • • • • • 運賃を上げるな 満員電車を解消せよ ローカル線をサービス向上せよ 駅をバリアフリー化せよ 税金を投入するな 黒字経営とせよ 人員を減らすな 賃金を下げるな – 冷静に考えて、同時に実現できるはずがない 46 『満員電車がなくなる日』 • 満員電車の歴史は運賃抑制の歴史 – 鉄道135年間の歴史を振返り、常に、 • 運賃は抑制され実現可能なサービスを実現できず • どんなサービスでも、 – 低負担高サービスなどあり得ない • 社会は分業で成立っている – 公共サービスは、 • 天からは降ってこない、地面からは発掘されない • 労働力・土地・エネルギーを投じてこそ提供される – 受益と負担能力に応じた適正な負担が不可欠 47 道路サービスの適正な費用負担 • 日本は他の先進国と比較して、 – 高速道路料金は高く自動車関係諸税は低い • 山崎養世『高速道路無料化』(朝日文庫) – 高速道路無料化を提唱 • 高速道路無料化の財源は道路財源の暫定税率分 • 民主党の衆院選マニフェスト – 高速道路無料化と暫定税率廃止を併記 • 婦人団体の陳情を笑えない • 民主党の誤った政策を機に本質的議論を – 交通サービスの費用負担のあり方 48 公共サービスの適正な費用負担 • 各紙の社説 – 政治は、 • 低負担や高サービスを約束するばかりではダメ。 • 高齢化・人口減少が進む中、国民に痛みをもたら す施策こそ意を決して示せ。 • 実行に向け国民を説得すべき。 • 国民も分かっている – 政治が勝手に思い込んでいる • 国民の生活が第一 = 低負担高サービス = 票を得られる選挙対策 – 実際は、持続可能でない見識なき政策運営 49 民主党マニフェスト • 全面的な撤回を求む – 財政制約や震災対応で見直さざるを得ないの ではない – 同じ政策目的実現に、より合理的方策がある • 民主党マニフェストの4K – 子ども手当 – 高校授業料無償化 – 農家の個別所得補償 – 高速道路無料化 50 3.技術開発 51 (1) DMV • DMV(Dual Mode Vehicle)とは、 – JR北海道が開発中の線路・道路両用車 – 在来車両と比べ • 低価格 • 加減速・登坂性能に優れる • 実用化のネック – 車両重量が軽いがゆえに列車検知されない • 軌道回路による信号保安・踏切制御システム – 1両当りの定員が少ない • 3両以上の連結運転が必要 • 鉄道インフラを有効活用した新たな交通 52 DMVの活用方策(往路) 学校 集客施設は駅前とは限らず DMVは鉄道と道路を活用 病院 道路:小単位できめ細かく ドアツードアに近く輸送 ターミナル A駅 B駅 C駅 D駅 鉄道:密集市街地も専用路 1運転士で高速・大量輸送 住宅団地 観光地 53 DMV活用パターン(復路) 学校 病院 復路は往路と逆パターン 道路:小単位できめ細かく ドアツードアに近く輸送 ターミナル A駅 B駅 C駅 D駅 鉄道:密集市街地も専用路 1運転士で高速・大量輸送 住宅団地 観光地 54 (2) 新たな信号保安・踏切制御システム • 事業者・研究所・メーカー等 – 昭和50年代から続く汎用の情報処理・通信技 術を活用したシステムの開発 • いまだ実用化に至らず – 仙石線で試験予定だったATACSは壊滅 • 運転席モニターを活用した有人運転 – 無人運転は高コスト、異常時の対応が不充分 – 運転士免許制度の見直し • 人件費の大幅低減 • 大都市鉄道の輸送力増強に決定的に重要 55 • DMV実用化の鍵 新たなシステム 56 運転席モニターへの表示イメージ 運転曲線と同時に他列車等の情報を表示 57 (3) 効率的な分割・併合 • 現行は極めて非効率 – 福島駅や盛岡駅での新幹線の併合 – 東京駅での成田エクスプレスの併合 • 地上要員を要する、連結までに3回一旦停止 • レーザー等で車間距離を検知 – 人手と時間ロスなく分割・併合 – 走行しながらできるとさらに良い • 時間帯・区間等による需要差に柔軟に対応 – 利便性を低下させない節電運行 – 季節・時間帯によらない同一ダイヤ 58 利便性を低下させない節電運行 59 (4) 着席サービス課金システム • 跳ね上げ式座席とICカードリーダー – ICカードをかざすと座席が降りる – 立上ると跳ね上がる • 確実かつ低コストに着席割増料金を収受 – 着席サービスを差別化し利用者が選択できる – 鉄道事業の収益性を大幅に改善 – 弱者は利用補助を受け確実に着席できる 60 ICカードで座席を引出す仕組み ICカードを読取り機にタッ チすると座席が下り、立上が ると跳ね上がる 61 (5) 総2階建て車両 • 車内に階段を設けない総2階建て構造 – 駅も同様に2層化 – 少ない投資で床面積を倍増 • 大都市鉄道の混雑解消 – 首都圏で10兆円の投資で満員電車を解消 – 着席サービスで3000億円/年の増収 – 2000億円/年を投資回収に回せ50年で回収 62 乗降りの方法 車両もホームも2階建て 63 (6) 緩和曲線とカント付き分岐器 • 現行の分岐器 – 直線とカントなし曲線が直結 • 分岐器に緩和曲線とカントを設ける – 緩和曲線の形状は曲線理論で解明済み • 極論すると課題は製造技術だけ • 分岐側の分岐側の通過速度を向上 – 乗り心地も改善 – トングレールの磨耗も低減 64 (7) 可変カント軌道 • 現行の曲線走行 – カント(外軌を内軌より高く) – 車体傾斜 • 制御付き振り子 • 台車の左右の空気圧差 • 曲線にカントを上下させる機械装置を設置 – 高速走行時は高カント、低速走行時は低カント – 安全と乗り心地を確保 • 同一曲線半径の区間 – 現行や自動車より大幅に高速走行 65 (8) 地上一次鉄輪式リニア • 現行の鉄輪式リニア(電磁力で駆動・制動) – 地上の左右レール間にアルミプレート – 車両の台車下にリニアモータ • 提案の車上一次鉄輪式リニア – 地上の左右レールの間にリニアモータ – 車両の台車下にアルミプレート • 電力供給不要で架線とパンタグラフを省略 • 総2階建て車両導入の容易化 • 新幹線の超高速走行 – パンタグラフ空力音が支配的な騒音の低減 66 (9) 脱線現象の究明 • いまだ解明されざる鉄道の基本 – 理論計算と走行試験を組合せて究明 • 充分な安全と乗り心地を確保 • 製造・敷設・管理基準を確立 • 高速走行できる車両と線路 – 鉄道が社会で活躍できるための根幹 67 (10) 超広軌軌道 • 現行の鉄道(日本の在来線) – 車幅2.9m、軌間1067mm – 横風や軌道変位に対して脆弱 • 提案 – 軌間を2.5m等として走行安定性を大幅に向上 – 軌間拡大に伴い、 • 枕木コストが過大とならない軌道構造 • 車軸コストと重量が過大とならない台車構造 • 横風や軌道変位に強く – 総2階建て車両も安全に走行 68 (11) 超高フランジ車両 • 現行の鉄道 – 車輪フランジ高さ2.7cm • 提案 – 車輪フランジを高くして脱線確率を大幅低減 • 喫緊は下部建築限界を支障しない3.5cmに向上 • 将来は分岐器や踏切の構造を工夫し10cm等に • 首都圏直下型地震への準備 – 東日本大震災はP波検知で事なきを得た • P波到来・初期振動・本震に大きな時間差 • 震源が直近でなく大激震ではない – 直下型では多箇所での著大軌道変位の恐れ69 (12) LRT軌道可動柵 • 現行の路面電車 – 自動車や歩行者との接触を恐れ超低速走行 • 併用区間でLRT走行に応じて柵が上下 – LRTが走行する前方の柵が地中から出る – 柵内に歩行者等が侵入していると自動停止 – 通過後は柵が地中へ収まる • 歩車混在区間でも安全に高速走行 – 道路上を自動車より高速走行 – 安全なトランジットモールを実現 70 参考資料 • (株)ライトレール会社案内 • 公共交通の活性化に関わる主な業務成果 • (株)ライトレール事業目論見(概要) – 現在の時代状況における実績・提案・戦略 • クルマ社会の次にあるもの – クルマ社会の次の時代における鉄道の活躍 • 『満員電車がなくなる日』紹介 – 3つのイノベーションにより満員電車はなくせる • 交通ビジネス塾のご案内 – 交通を志す同志の出会いの場 71
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