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資料3-2
《河川設備・海岸設備》
1
大阪府都市基盤施設維持管理技術審議会
下水等設備部会
1.施設の現状
1-1 検証対象施設《河川設備》
①水門
河口部や、河川合流点に高潮、洪水対策にて設置。プレートガーダ式のローラーゲートが多いが、全国的にも珍しいアーチ型水
門も設置されている。
②排水機場(ポンプ場)
河川の内水排除を目的に設置。全国でも有数の規模となる口径4000㎜前後の立軸ポンプをはじめ、排水機場を有している。
2
1.施設の現状
1-1 検証対象施設《河川設備》
③防潮扉(陸閘)、堰
防潮扉はプレートガーダ式の鋼構造物が多く、堰はゴム製の空気式のものが設置されている。
④ダム(放流設備)
ダムの安全確保や貯水池の水位低下、河川の正常な機能維持等を目的にダムから水を放流する目的で設置されている。
箕面川ダムの例
狭山池ダムの例
放流管
取水ゲート
取水ゲート
放流ゲート
放流管
放流ゲート
3
1.施設の現状
1-1 検証対象施設《河川設備》
⑤電気設備
水門、ダム、排水機場等を作動させ、操作、監視するために各施設に設置されている。
監視制御設備
受変電設備
4
自家発電設備
1.施設の現状
1-1 検証対象施設《海岸設備》
①防潮設備・・・沿岸部に設置され、津波・高潮の浸水を防除する鋼製施設
水門
樋門
門扉
②排水設備・・・防潮設備の閉鎖に伴い、河川の排水を行い上流域の浸水を防除する施設
排水施設(ポンプ)
排水施設(エンジン)
5
電気設備
1.施設の現状
1-1 検証対象施設《水門の機器構成例》
開閉装置
操作設備
水門全開時
受変電設備
扉体
自家発電設備
ITV・照明
6
1.施設の現状
1-2 施設の施工年次《河川設備・海岸設備》
①水門、排水機場
○大阪府では、室戸台風をはじめとするジェーン台風、第2室戸台風といった台風による高潮被害への対策と
して、昭和40年代に防潮水門、防潮扉が多く整備されており、昭和50年代には、洪水対策として、排水機
場の整備が多く勧められてきた。
近年では、洪水対策としての流域調節池の整備及び、過去に高潮対策として設置された防潮扉について、
津波対策として、防潮扉の更新(電動化)事業が多く実施されている。
機械電気設備については、その耐用年数が土木施設と比較して短いことから、計画的な更新が必要となるも
のであり、特に電気設備をはじめとする安全性、信頼性の確保が必要な設備については、予防保全として、
計画的な施設の補修、部分更新を行ってきたところである。
45
水門、排水機場
40
水門、排水機場以外
35
30
25
20
15
10
5
0
~1962
1963~
1972
1973~
1982
1983~
1992
1993~
2002
2003~
2012
河川設備の施工年次
7
1.施設の現状
1-2 施設の施工年次
②ダム
●箕面川ダムの施工年次
●狭山池ダムの施工年次
箕面川の治水対策については、昭和42年7月の北
摂豪雨による多大な流域被害を契機に、ダム建設及
び河川改修を推進。
西除川の治水対策については、昭和57年 8月
の豪雨による西除川・東除川流域の多大な洪水
被害を契機に、農業用ため池であった狭山池を、
洪水調節機能を有するダムに改築するためのダム
建設及び河川改修を推進。
南提
東提
北提
S42
S43
S47
S52
S55
S57
S58
H9
H19
豪雨災害発生⇒計画立案
実施調査着手(ダムサイトの選定、地質調査他)
建設工事着手(工事用道路他)
ダム本体工事着手
試験湛水開始
ダム完成
試験湛水完了⇒ダム供用開始
管理用道路、親水護岸、植栽区域整備(~H14)
堰堤改良事業による施設更新(~H23)
⇒ダム供用開始後、31年経過
S55
S57
S63
H8
H9
H12
H13
8
西提
実施計画調査に着手
豪雨災害発生⇒計画立案
建設工事に着手(本体工事発注)
第1回試験湛水(北提部分)
第2回試験湛水(西堤部分)
堤体ブロック据付完了、表面処理完了
第3回試験湛水(池全体)⇒ダム供用開始
⇒ダム供用開始後、12年経過
1.施設の現状
1-3 施設の劣化、損傷状況《河川設備・海岸設備》
①水門、防潮扉
扉体腐食
扉体内部腐食
地下道配管腐食
水門、ダム、排水機場をはじめと
する機械設備は、その使用環境等が
設備によって異なることから、その
損傷形態も様々である。
機械設備は、摩耗、腐食、疲労に
よって損傷が発生し、様々な故障、
不具合の原因となる。
水門巻上装置
9
1.施設の現状
1-3 施設の劣化、損傷状況《河川設備・海岸設備》
①排水機場等
ポンプ孔食
除塵機腐食
外観上異常が
見られなくとも
エンジン損傷
10
2. 点検及びデータの蓄積の検証
2-1 点検の種類《河川設備》
点検分類
点検体制
契約(※)
点検内容
点検頻度
(*)
定期
(試運転)
直営
試運転による動作状況の点検
1回/月
定期
委託
(メンテ・総合)
異常確認、油脂注入、
清掃など
2~9回/年
定期
(年点検)
委託
(メーカー随契)
各種計測、分解整備
1回/年
日常
直営
施設の異常確認
(水門、排水機場)
1回/週
異常確認、油脂注入、
清掃など
1回/月
定期
委託
定期
定期
(年点検)
(メーカー随契)
(メンテ・入札)
各種計測、分解整備
2回/年
分解精密点検
試運転による動作状況の点検
1回/年
施設数
水門
25施設
排水機場 6施設
防潮扉 79施設
調節池 24施設
ダム
2施設
・アースフィルダム
・ロックフィルダム
※入札:一般競争入札、総合:一般競争入札(総合評価落札方式)、随契:随意契約
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2. 点検及びデータの蓄積の検証
2-1 点検の種類《海岸設備》
①防潮設備(水門・樋門・門扉)
点検分類
点検体制
点検概要
点検頻度
定期
直営
稼働状況の確認
1回/月
(職員・管理員)
定期
委託
(岸和田水門)
(メーカー・随契)
定期
委託
(樋門・門扉等)
(メーカー・一般)
各種計測・運転確認
1回/年
各種計測・精密点検
1回/年
施設数
水門・樋門
53施設
門扉
151施設
②排水設備(ポンプ・エンジン)
点検分類
点検体制
点検概要
点検頻度
定期
直営
稼働状況の確認
1回/月
(市職員)
定期
委託
(ポンプ)
(メーカー・随契)
定期
委託
(エンジン)
(メーカー・随契)
各種計測・運転確認
3回/年
分解精密点検
随時
施設数
排水ポンプ
25施設
エンジン
17施設
※入札:一般競争入札 、 総合:一般競争入札(総合評価落札方式)
、 随契:随意契約
12
2. 点検及びデータの蓄積の検証
2-1 点検の種類《河川設備、海岸設備》
①水門、排水機場等
試運転点検
実負荷運転を基本とし、五感により運転時の状況把握、全般的な故障兆候の発見、異常時対応、設
備内部(不可視部分の防錆、防塵、なじみ等の機能維持及び、運転操作員の習熟度を高める。
直営にて、点検を実施(点検員8人/1水門施設あたり)
月点検
定期試運転の前後に機器の状況確認をする点検。
設備各部の異常の有無や、障害発生の状況の把握ならびに各部の機能確認等のため、目視による外観
の異常の有無及び、前回点検時からの変化の有無について確認を行う。
メーカー及びメンテ業者に委託して業務を実施する。
年点検
月点検より詳細な各部の点検及び計測を実施し、各構成機器の異常損傷や状態の把握による健全度
を評価すること、設備の信頼性の確保と機能の保全を図ることを目的に実施する。
主に、メーカーに委託することで業務を実施する。
13
13
2. 点検及びデータの蓄積の検証
2-1 点検の種類《定期点検》
②ダム
月点検
ダムの設備各部の異常の有無や障害発生の状況把握並びに各部の機能の確認などのため、
当該設備の使用状態に応じて、目視による外観の異常確認及び前回点検時以降の変化の有無
の確認を行うもの。
半年点検
洪水期前後のダムにおいて、各設備に機能障害等の異常の有無を発見することを目的に、
月点検より詳細な各部の点検及び計測を実施し、各構成機器の異常損傷や状態の把握による
健全度を評価すること、設備の信頼性の確保と機能の保全を図る。
年点検
洪水期を控えたダムにおいて、各設備が万全の機能を発揮できるようにすることを目的
に、半年点検より詳細な各部の点検及び計測を実施し、各構成機器の異常損傷や状態の把握
による健全度を評価すること、設備の信頼性の確保と機能の保全を図るとともに、各設備の
作動確認及び試運転を実施し、運転時の状況把握、全般的な故障兆候の発見、異常時対応、
設備内部(不可視部分の防錆、防塵、なじみ等)の機能維持など詳細且つ総合的な設備点検
を行う。
14
2. 点検及びデータの蓄積の検証
2-1 致命的な不具合をも逃さない《河川設備・海岸設備》
★ 防災施設は信頼性の絶対的確保が最優先
◆防災施設は、いつなんどきも稼働させなければならない施設である。
◆実際の本運転は少ないうえ、試運転(動作確認)も、潮位、交通量などの条件に
より、管理者の都合で運転が行えない。
◆試運転点検は、機能の状況を確認できる唯一の機会。
◆直営職員による確認と計測データにより、異常の早期発見を徹底していく。
2. 点検及びデータの蓄積の検証
2-1 致命的な不具合も逃さない《河川設備》
①水門、排水機場、防潮扉
○点検の視点:施設の所定の機能を確保する安全性・信頼性の高い運転を確保する。
①試運転による動作確認によるチェック項目・
◆例(水門巻上装置
運転時直営点検チェックシート)
運転前 確認
機側操作盤表示の確認 (上限ランプ点灯、開度計全開確認)
□
機側操作盤異常表示の有無
有・無
平行軸減速機内油量確認 (規定内に入っているか)
□
温度表示盤異常表示の有無 (室温との異常な温度差は無いか)
有・無
電動・手動切替器の確認(電動側)
□
ワイヤーロープの給油状態確認
□
歯面の給油状態確認 (A~F)
□
歯止め装置の確認 (1箇所)
□
各軸受部の給油状態確認 (№1~9(1-1,2-1も含む))
□
防鳥ネット取り外し状態確認
□
開度計の全開位置確認
□
屋内スピーカーの放送状態・音量の確認
□
減速機潤滑油ポンプ選択状態確認(機側操作盤内スイッチ選択)
№ 1・ № 2
振動計センサーの取り付け位置は正常か
運転中 確認
巻上
機側操作盤 主水門操作部 巻下・巻上ボタン点滅確認
□
□
歯面の状態・歯当り確認 (A~F)
□
各軸受部の作動状態確認 (№1~9(1,2軸受は作動箇所のみ))
□
集中給油装置動作の確認
潤滑油ポンプ運転状況確認(減速機潤滑油ポンプ・切替装置潤滑
油ポンプ)
開度計の全閉位置確認
現 用 ・ 予 備
□
巻下
油圧押上ブレーキ・電磁ブレーキ, 異常発熱の有無確認
電動機選択状態確認 (当日使用機側が選択されているか)
巻下
巻上
各機器の作動状態 (モーター・減速機・カップリング)
□
□
□
ワイヤーロープ素線切れの有無確認
□
□
□
シーブへのワイヤーロープの当り確認
□
□
イコライザーの動作確認
□
□
□
-
□
□
□
□
□
巻下運転完了後のワイヤーロープ
緩み具合の確認
□
□
制限開閉器の動作確認
□
-
2. 点検及びデータの蓄積の検証
2-1 致命的な不具合も逃さない《海岸設備》
貯木場南水門試運転記録
★ 運転記録・点検記録票
試運転日
月
運転時間
: 操作場所
日 ( )
~
:
水門
点 検 者
記 録
点検結果
点検項目
1号水門
操
作
前
○点検者の違いによるバラつきを防止し、
扉体、開閉機に異状はないか
巻下方法
機器の状態
開閉機
○経過観察するデータについては、
その変化をグラフ処理するとともに、
不具合兆候がみられた箇所については
連動
単独
連動
単独
電動
自重
電動
自重
良
否
良
否
A
A
巻上時
A
A
機器の状態
良
内水位
m
内外水位差
m
推算潮位 (
発電電圧
V
定格200V
電流
A
周波数
Hz
定格60Hz
回転数
rpm
定格3,600rpm
(
:
)
サイレンの吹鳴に問題はないか
良
否
回転灯は全て動作しているか
良
否
投光器、室内灯は全て点灯するか
良
否
建物に異状は見当たらないか
良
)
潤滑油圧力
mpa
潤滑油温度
℃
直流電圧
V
℃
カメラの映像や操作に問題はないか
良
否
故障表示は残っていないか
良
否
遠隔操作時は端末上の故障確認
状態表示は適切か
良
否
シール貼付のランプ点灯で良
エアコンの状態
良
否
発電機の燃料(全198ℓ)
連
絡
事
項
:
否
冷却水温度
操
作
後
m
:
計測時刻
発電機の状態
定格14A
否
外水位
補修実施に活用
遠隔操作時は端末上の故障確認
否
巻下時
内外水位計
操
作
中
否
良
良
運転モード
チェックする項目を統一、固定
否
良
故障表示は出ていないか
備 考
2号水門
約
6~9月はタイマー運転すること
%
50%以下で補充すること。
m
2. 点検及びデータの蓄積の検証
2-2 致命的な不具合点を見逃さない《河川設備、海岸設備》
●不可視部分等の点検
防災施設は、様々な部品にて組み上げられた精密機械であり、数多くの不可視部分が存在する。
これら不可視部分は、運転時間、経過年数に基づき、分解整備等により内部の状況を確認する。
ポンプ羽根分解点検整備
ポンプ軸分解点検整備
軸継手分解点検整備
日常点検、定期試運転に加え、設備の状況を考慮しなが
ら、分解整備点検を実施し、不可視部分の損傷の有無な
どを点検するとともに、消耗部品の交換を行う。
点検データは、紙媒体の報告書にて、保存
⇒前回計測データとの比較などを実施。
エンジン分解点検整備
ポンプ水中部点検
6~10年周期
ポンプ駆動用機関分解整備 6~10年周期
18
2. 点検及びデータの蓄積の検証
2-3 効率的・効果的な点検に向けた取り組み《河川設備》
①水門、排水機場、防潮扉 ⇒標準耐用年数を迎えつつある。
長寿命化計画の策定(平成21年度~)
①中長期的保全計画
・機器取替、更新、分解整備等計画
②年度保全計画
・各施設の点検・整備の計画
③維持管理台帳の整備
・点検・整備・更新履歴
河川用ゲート設備点検・整備・更新検討マニュアル(H20.3)
河川ポンプ設備点検・整備・更新検討マニュアル(H20.3)
・事故・故障履歴
(国土交通省 総合政策局・河川局)
④データ蓄積
大阪府では、長寿命化目標使用年数の概ねの目安として、現在施設の劣化
状況等を考慮し、以下のとおり設定した。
◆ 水門設備
80年(従来の標準耐用年数40年※)
◆ 排水機場設備 60年(従来の標準耐用年数30年※)
今後、この年数まで健全に施設を管理していく上では、維持管理の『質』
の向上が重要。
※河川設備更新検討要綱(H6 建設省河川局)
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2. 点検及びデータの蓄積の検証
2-3 効率的・効果的な点検に向けた取り組み
②ダム
(現状の取組み)
①各設備(各種ゲート、バルブ等)の点検整備結果の要点整理
・点検、整備、更新履歴
・事故、故障履歴
②データ蓄積
●ダム設備の長寿命化計画について
これまでダムの各設備は、各ダムで定める点検整備基準に基づき、日常点検等を実施し、その点検結果等
を踏まえ、補修や設備の更新等を行い、ダムの安全性及び機能の長期的な保持に努めていたところである。
また、H25.10に国交省通達により、長期的視点を踏まえたダムの維持管理及び設備の更新等について、
ダムを構成する設備ごとに中長期的な維持管理方針を定めた「ダムの長寿命化計画」を策定する重要性が
示されたことから、今後、府管理ダムについても、ダム土木構造物並びに、機械設備・電気通信設備につい
て、以下の要領等を参考にダムの維持管理、設備の更新等に係る方針を検討していく。
①ダム土木構造物等 … ダム総合点検実施要領(H25.10)
②機械設備
… ダム用ゲート設備点検・整備・更新検討要領
ダム用ゲート設備点検・整備・更新等マニュアル(案)(H23.4)
③電気設備
… 電気通信施設維持管理計画指針(案)
20
2. 点検及びデータの蓄積の検証
2-4 点検データの蓄積内容・活用《河川設備》
①点検データは、委託成果品として、紙媒体で5年程度管理。
②故障・不具合履歴は部分更新の判断基準として使用。
③計測データは、一部電子データで傾向管理を開始したところ。
傾向管理項目(例)
・エンジンの振動測定
・油圧作動油の成分分析
・水門扉体電気防食の防食電位
・自家発電設備の騒音値
(傾向管理例)
扉体電気防食電位結果
自家発電設備の振動測定結果
21
2. 点検及びデータの蓄積の検証
2-4 点検データの蓄積内容・活用《河川設備・海岸設備》
○ 現在所有する点検データ
定期点検、試運転結果データ
○「現状の機能確認」、「不具合兆候の把握」を目的としたもの
○点検者の主観によって点検結果が判断される
データ蓄積、活用について
○点検結果は紙媒体での保存が多い。
(※試運転点検結果、委託点検結果)
○補修工事について、点検結果、不具合履歴を用いるなど活用
○故障不具合情報は、事務所内で保管、情報が収束
22
3.維持管理手法の検証
3-1 現在の維持管理の流れ《河川設備・海岸設備》
点検
(月、年)委託
年1回、整備、計
測等により設備の
状況を確認
試運転点検
月1回を基本に、
試運転を行い、
動作確認等調査
定期点検
(月)
日常点検
精密点検
評価
劣化度評価
損傷度ほかを
踏まえ5段階
に区分
補修
補修
部分更新
不具合箇所の
経過観察
週1回程度、職
員が施設の巡回
点検を実施
緊急補修
設備の劣化状況
把握を踏まえた
23
軽微な損傷
は、補修工事
を実施
施設の全体の
健全度から判
断
早急に補修を
必要とする場
合に工事を実
施
3.維持管理手法の検証
3-1 現在の維持管理の流れ《河川設備・海岸設備》
○点検による損傷度の現況調査判定(劣化度)基準
点検項目
現況A
現況B
現況C
現況D
現況E
支障なし
経過観察
劣化進行防止
劣化進行の抑制
延命対策
計画的補修
全体的な改築・更新
外観
劣化無し
若干の劣化あり
劣化あるが、支障なし
劣化あり
修繕で対応
根本的な対策必要
動作状況
順調
たまに異常発生
運転に支障なし
異常箇所は多いが、
運転に支障無し
応急措置等で対応
運転に支障をきたす
根本的な対策必要
故障
初期故障のみ
偶発故障
故障発生
運転に支障無し
故障頻度の増加
根本的な対策必要
維持費
コスト縮減可
安定
増加傾向
増加している
大がかり補修
機能
支障無し
支障なし
要請機能変化なし
設計基準等対比すべ
き
信頼性・経済性を考
慮して改築すべき
部品
支障無し
手配に多少時間
かかる
製作中止
(代替品対応)
代替品対応
部品手配困難
年数
設置後5年未
満
設置後10年未
満
標準耐用年数未満
標準耐用年数
5年超10年未満
標準耐用年数
10年以上(機械)
社会的要因
支障無し
支障無し
設計基準等の変化によ
り課題あり
設計指針改定等で強
度不足
振動・騒音等周辺環
境への影響
能力不足が明らか
各水門、排水機場の設備毎に5段階評価
24
3.維持管理手法の検証
3-2 現在の維持管理手法《河川・ダム設備》
河川名
一級河川 寝屋川導水路
事務所名
№
▲▲排水機場
設備現況
点 検 者
№
現況評価判定
施設名
1
制水扉
扉体
社会的要因
5
5.0
3.0
4.0
○○事務所
設備現況
補機類(クレーン、水、油、空気他)
外観
社会的要因
動作状況
動作状況
3.0
4.0
3.0
特に異常なし
5.0
5.0
4.0
5.0
年数
2
ポンプ(減速機・弁含む)
5.0
社会的要因
4.0
4.0
特に異常なし
原動機(排気系統含む)
社会的要因
4.0
部品
4.0
5.0
機能
5.0
3.0
4.0
除塵機(コンベア・ホッパー含む)
社会的要因
4.0
コメント
5.0
7
動作状況
5.0
1.0
8
部品
1.0
4.0
年数
故障
維持費
C
外観
社会的要因
4.0
コメント
4.0
動作状況
4.0
機能
4.0
4.0
4.0
4.0
社会的要因
4.0
維持費
C
部品
監視制御(運転操作含む)
コメント
故障
1.0
4.0
外観
動作状況
3.0
機能
故障
4.0
4.0
動作状況
4.0
1.0
年数
維持費
年数
5.0
機能
5.0
自家発電(盤、補機含む)
特に異常なし
※No1,2自家発盤及び遮断機
盤更新中
2.0
機能
5.0
4.0
部品
C
部品
C
部品
外観
故障
外観
社会的要因
4.0
維持費
4.0
C
動作状況
故障
1.0
受変電
高圧遮断器、盤内構成部品につ
いて、代替品がなく補修不可能
なものがある。
4.0 維持費
年数
一部チェーン腐食あり
主務チェーンの計画的
に取替検討が必要
6
維持費
外観
2.0
4
動作状況
故障
4.0
3.0
1.0
年数
3.0
4.0
機能
5.0
B
外観
機能
5.0
年数
特に異常なし
維持費
部品
4.0
3.0
3
水中ポンプなど劣化の激しい
機器もある
故障
機能
監視系の電子計算機故障が頻
発する傾向にある。
メーカー対応となることが多く、
点検費用が増加傾向にある。
0.0
1.0
年数
25
故障
維持費
3.0
3.0
C
総 ≪総合診断≫
括 機械設備については補記類にて小さな故障が目立つが、設備
としては運用上支障のない状態を保っているといえる。除塵機
設備については、主務チェーンの計画的な取替検討が必要で
ある。補機については機器点数が多く、故障頻度も高くなって
いるため予防保全の観点から点検の充実、計画的な更新が必
要である。
電気設備については、故障時の部品の確保が困難となってき
ているため、メーカーより設備更新を勧められている。自家発電
設備について、エンジンは運用上支障のない程度だが、制御
盤・遮断機盤については部品生産も終了しており、予防保全の
観点から順次更新を実施した。(H20 Ⅰ期発電機制御盤、断機
盤更新)
2.0
D
部品
制水扉
4.7
監視制御
ポンプ
3.9
2.5
自家発電
原動機
3.6
受変電
3.9
3.5
3.0
3.8
除塵機
補機類
C
3.維持管理手法の検証
3-2 現在の維持管理手法《河川・ダム設備》
施設
維持管理手法
補修時期や手法の考え方
課題
水門設備
状態監視型
・防食工の補修
5~10年周期で定期的に塗装塗替
・扉体等鋼構造物は設計肉厚管理
・可動部は試運転状況、故障の発生頻度
の増加を目安に精密点検を実施
部分更新時期
の見極め
補修のタイミング
排水機場設備
状態監視型
・可動部は試運転状況、故障の発生頻度
の増加を目安に精密点検を実施
・鋼構造物は定期点検で腐食管理
部分更新時期
の見極め
補修のタイミング
ダム放流設備
状態監視型
・各構成機器の異常損傷や部材の孔食等
が検出された場合に補修を実施
部分更新時期
の見極め
電気設備
時間計画型
部品手配状況・標準耐用年数をもとに
更新を検討
突発故障
※水門設備には、防潮扉、堰を含む
※電気設備には、受変電設備、監視制御設備、自家発電設備、テレ
メータ設備、遠隔操作通信設備を含む
26
3.維持管理手法の検証
3-2 現在の維持管理手法《海岸設備》
施設
維持管理手法
補修時期や手法の考え方
水門
状態監視型
10年周期で塗装塗替を実施
点検で不具合予兆を確認した段階
鋼部材の劣化予測
樋門
状態監視型
点検で不具合予兆を確認した段階
鋼部材の劣化予測
門扉
状態監視型
点検で不具合予兆を確認した段階
鋼部材の劣化予測
排水設備
状態監視型
点検で不具合予兆を確認した段階
劣化予測
電気設備
時間計画保全型
点検で不具合予兆を確認した段階
更新時期の見極め
昇降設備
時間計画保全型
点検で不具合予兆を確認した段階
更新時期の見極め
27
課題
3.維持管理手法の検証
3-3 施設毎の主たる損傷・劣化要因: 《機械設備》
【腐食】
水門扉体
ポンプケーシング
ポンプ羽根
水門や、防潮扉の扉体などでは、塩分の付着、塗装の劣化等に起因する主桁、補
助桁等の部分的な腐食がみられる。腐食のうち、故障、動作不良に至る要因とな
るものについては、経過観察が重要である。
排水機場の主ポンプでは、排水時に河川水に混じった不純物などの接触、電食な
どが原因と考えられるポンプ本体のケーシング、羽根(インペラ)において、部
分的な孔食が発生している状況である。
3.維持管理手法の検証
3-3 施設毎の主たる損傷・劣化要因: 《機械設備》
【摩耗】
ピストン摩耗
偏摩耗
チェーン摩耗
機械設備については、年点検等で分解整備を行うことにより、部材の摩耗が発生
された際に補修を実施している
特に水中部のスプロケット等では、定期的な交換を実施しているが、過去に
は、排水ポンプを駆動するディーゼル機関で、動力伝達をするエンジン等のピス
トンが異常摩耗をした事例も発生している。
3.維持管理手法の検証
3-3 施設毎の主たる損傷・劣化要因: 《機械設備》
【疲労(損傷)】
過給器軸折損
ボルト折損
駆動用設備(ディーゼル機関)など動力伝達部分、ボルト等については、振
動の発生と繰返し荷重によって、軸などの折損に至り、機能不全に直結するこ
とから、未然防止に努めなければならない。
防災施設は、常用施設と異なり、稼動時間が短い上に発停回数が多いことが
特徴であり、その損傷に至る時間は、短いことを懸念しなければならない。
3.維持管理手法の検証
3-4 今後の維持管理の方向性《河川設備》
損傷劣化に対しての取組み
長寿命化に
向けた
取組み
腐食
摩耗
疲労
◆塗膜管理
構造物の腐食防止のた
め、塗装の状態監視を実
施していく。
◆摩耗量管理
開放部、不可視部分含
めて摩耗量については、
動作不良を生じる基準値
を下回らないこと。
◆機械設備に対して、
信頼性確保のため、定
期的な分解整備を実施
していくこと。
◆肉厚管理
鋼構造物は、定期的な
肉厚調査により設計厚を
満足しているかを評価。
⇒点検周期等を今後検討
◆突発的な故障への対
処などを考慮し、部品
供給の有無が重要な視
点であり、時間計画型
の管理も必要である。
◆不可視部分も分解整備
時に確認、傾向管理を実
施。
31
3.維持管理手法の検証
3-5 今後の維持管理手法《河川設備・海岸設備》
施設
目指すべき
維持管理手法
把握すべき事項
今後必要となる
点検・データ
水門設備
状態監視型
・故障要因の進行データ
・劣化進行速度の把握
・点検データの傾向管理、分析
・土木構造物のコンクリート調査
排水機場設備
状態監視型
(一部時間計画型)
・故障要因の進行データ
・劣化進行速度の把握
・点検データの傾向管理、分析
・土木構造物のコンクリート調査
ダム放流設備
状態監視型
・劣化損傷の進行要因データ
・進行速度の把握
定期点検データ
ダムの計測データ
※現状のダム管理の継続的な実施
電気設備
時間計画型
・施設劣化状況
・部品供給状況
・従来通り
昇降設備
時間計画型
・施設劣化状況
・部品供給状況
・従来通り
※水門設備には、防潮扉、堰を含む
※電気設備には、受変電設備、監視制御設備、自家発電設備、テレメータ設備、遠隔操作
通信設備を含む
32
3.維持管理手法の検証
3-6 今後の維持管理手法《河川設備・海岸設備》
施設の長寿命化に向けて
施設
課題
課題解決に向けて
水門設備
排水機場設備
部分更新時期の見極め
最適な補修タイミング
ダム放流設備
部分更新の見極め
(ポイント)
・故障予知できる新たな点検項目を見つける
・点検結果の定量的な判断基準を作成する
・故障要因となる劣化部位の特定する
定期点検データの蓄積
ダムの計測データの利用
※現状のダム管理の継続的な実施
※水門設備には、防潮扉、堰を含む
※電気設備には、受変電設備、監視制御設備、自家発電設備、テレメータ設備、遠隔操作
通信設備を含む
33
4. 重点化指標
重点化指標(優先順位)の設定《河川設備》
水門、排水機場といった防災施設は、不具合が発生した場合、その影響範囲は広域に及ぶことから、最
優先に実施すべき事業であるが、各機場間の優先順位は以下のマトリクスによって判断する。
◆社会への影響度
1.人命、財産に関する評価
流域内の病院、小中学校等重要施設の有無
2.氾濫の規模に関する評価
流域の面積
◆設置条件
1.設置環境による評価(水質、汽水域にある)
2.耐用年数からの超過
河川ゲート設備点検・整備更新検討マニュアル(案)
H20.3 国土交通省
4. 重点化指標
重点化指標(優先順位)の設定《海岸設備》
・効率的かつ効果的に維持管理を行うために、不具合が発生した場合の重点化の
考え方を設定する。
設
備
の
損
傷
度
★考慮すべき社会的影響度
最重点化
重点化
社会的影響度
・設置位置<敷高等>
・浸水リスク
・後背地の土地利用状況
・倒壊による二次被害
5. 更新時期の見極めの検討
更新判定フロー(案)《河川設備・海岸設備》
START
社会的要因による更新
必要
更新
更新単位:インフラ施設として求められている
機能を果たす単位の設備(機器群)
具体例)排水設備(ポンプ・駆動装置)、
水門設備(扉体・巻上装置)、
受電設備、監視制御設備、計測
設備など
不要
機能的要因による更新
不必要
必要
更新
不要
社会的要因
防潮ラインの変更
構造物の再構築
法令、基準の変更
機能的要因
部品確保困難
設備の陳腐化
物理的要因
構造物の劣化
物理的要因による更新
LCC・総合評価必要
LCC・総合評価
LCC・総合評価不要
(補修対応が不可能な設備・
時間計画保全型の設備)
長寿命化
更新
参
考
資
料
37
現況調査点検項目
1. 「 外観」 点検項目
目的:
現状の外観状態を把握する。
施
№ 設
M
E
制
水
扉
主
ポ
ン
プ
原
動
機
除
塵
機
補
機
1
2
3
4
共
共
共
共
共
共
共
共
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
共
共
共
共
共
排
排
共
排
排
排
排
共
排
排
排
排
M
M
M
M
M
M
M
M
M
M
M
M
共
M
M
M
M
○
○
○
○
○ ○
○
○
○
○
○
○
22 共 共
23 共 共
○
○
○ ○
○
○
○
○
○ ○
○ ○
○
○
○
○
○
チェック項目
制水扉 主ポンプ 原動機
除塵機
補 機
対
象
項
目
対
象
項
目
対
象
項
目
変形、亀裂及び損傷が見られる。
外観上、錆、腐食の進行が見られる。
全体的に塗装劣化が見られ、塗替えが必要な状態である。
ボルト・ナットが腐食等のため脱落している。又は緩んでいる。
○
○
○
○
水密性が水密ゴム劣化や戸当り損傷等で確保されていない。
戸当り部にヘドロ等堆積している。
ワイヤーロープの素線切れが見られる。
スピンドル(ラック)に磨耗・変形が見られる。
油圧ロッドの変形、損傷がある。
主軸に磨耗がある。
インペラが欠損・磨耗・腐食している
軸受部に磨耗損傷が見られる。
吐出弁胴、弁体に腐食、磨耗が見られる。
逆流防止弁が固着している。(開放状態である)
主配管の可撓伸縮継手に変形が見られる。
経年とともに油脂類の消費量が多くなった。
機器本体の潤滑油タンクに水の混入形跡がある。
オイルクーラー冷却管に腐食が見られる。
伝導チェーンに磨耗や伸びが見られる。
チェーン・レーキの腐食磨耗が激しい。
スクリーンが激しく腐食している。
○
○
○
チェ
ック
●
対
象
項
目
チェ
ック
○
○
○
○
●
対
象
項
目
チェ
ック
○
○
○
○
○
○
○
○
チェ
ック
●
チェ
ック
○
○
○
○
●
●
●
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○ ○ ○ 機器から油又は水が漏れている。
○ ○ ○ 腐食により各配管から油又は水が漏れている。
○
○
○
○
○
○
●
●
●
○
○
○
○
24 共 共 ○ ○ ○ ○ ○ 構造物に極端なクラック、破損等の不良が見られる。
25 共 共 ○ ○ ○ ○ ○ 外部侵入者の形跡がある。
26 共 共 ○ ○ ○ ○ ○ 換気状態が悪い。(作業環境が悪い、換気が悪い、室温が上がりすぎる。)
《以下空白にその他施設特有なチェック項目を追加》
重度項目 計
対象項目中の該当率
注)チェックを付けた後、別紙「管理水準」を参考とし、現況度を記入する。(A,B,C,D,Eの5段階)
参考: A=劣化はほとんど無し B=若干の劣化あり C=劣化はあるがほとんど支障なし
D=劣化があり、修繕等で対応 E=根本的な対策必要
制水扉
コメント
主 ポン プ
コメント
原動機
半角英数
大文字
3
25%
7%
現況度
現況度
C
1
0
0%
現況度 現況度
B
※現況度ランク決定の際のポイントを記入。
・スキンプレート面に点錆が見受けられる
・№2呑口制水門 全閉時漏水が見られるが支障なし
※現況度ランク決定の際のポイントを記入。
吐出管・吸込コーン等水没部に発錆が見受けられる(水没部点検周期:3年)
※補修塗装はその都度メンテにて実施
※現況度ランク決定の際のポイントを記入。
1期分の始動弁に腐食の進行あり。(H23年度 2個取替え実施。)
コメント
除塵機
コメント
補 機
コメント
※現況度ランク決定の際のポイントを記入。
1期分の主務チェーン、レーキ、スクリーンの一部に腐食劣化が見受けられる。計画的な取替整備が必要。
主務チェーン、レーキ取替え実施(H23年度№1、H24年度№2)
※現況度ランク決定の際のポイントを記入。
各水槽に設置されている水中ポンプの腐食、劣化が激しい。ストレーナも外れかかっている。
計画的な取替え整備が必要。(H22~24年度実施、H25年度実施予定)
・No2地下タンク底部に水の混入あり。
38
4
44%
B
D
1
9%
現況度
C