大学評価実務説明会 〔2010(平成22)年度申請に向けて〕 Ⅱ部 財団法人大学基準協会 2009(平成21)年4月22,23,28日 1 <第Ⅱ部 目次> 1.大学による自己点検・評価 2.大学評価申請における提出資料 3.点検・評価報告書の作成 4.大学基礎データ作成上の留意点 5.調書の事前提出 6.大学評価申請後の大学側の対応 2 1 .大学による自己点検・評価 -PDCA- 評価指標 到達目標 改善方策 Plan 点検・評価 Check Do 点検・評価 評価指標 Check 理念・目的を実現する手段として「検証可能な」到達目標を設定する。 軌道修正を繰り返し、到達目標を達成するところに特質がある。 到達目標が明確でないと、①その目標に近づくための改善方策も特定 できず、②点検・評価にもとづく改善・改革も進行しない。 3 1 .大学による自己点検・評価 -大学基準の相関関係例- 組 織 機 能 資料5,6,7,8,8-2 理念・目的 例) 建学の精神、教育研究上の目的、養成すべき人材像 ↓ 整備 教育研究組織 <学部、研究科> <研究所> <図書館ほか> ↓ 到達目標設定 教育内容・方法 (1)教育課程 (2)教育方法 (3)学位授与 研究環境 (1)研究費他 (2)研究機会 社会貢献 ← 点検・評価 + 情報公開・説明責任 学生の受け入れ (1)受け入れ方針 (2)収容定員 条 件 学生生活 (1)奨学金等 (2)学修環境 施設・設備 教員組織 図書・電子媒体等 事務組織 管理運営 財務 4 1 .大学による自己点検・評価 ー2つのKey Wordsー 「明確な到達目標設定」 ←大学基準14「点検・評価」 検証可能な到達目標を設定することが、 PDCAが機能する前提 理念・目的を実現するための手段として、 到達目標を設定 (中長期的に「理念・目的」の実現に結びつくものか 確認が必要) 自己点検・評価を行う際には、理念・目的について (1)再確認する (2)社会的使命にも留意する(大学を取り巻く状況の 変化なども視野に入れて)。 5 1 .大学による自己点検・評価 ー2つのKey Wordsー 「可視化」←大学基準15 「情報公開・説明責任」 「点検・評価報告書」(Accountabilityの最たるもの) 「シラバス」(成績評価基準)、 「大学院要覧」(学位授与基準) 「教育研究活動状況の公表」 学校教育法改正 平成19年6月27日公布、12月26日施行 (第113条 大学は、教育研究の成果の普及及び活用の 促進に資するため、その教育研究活動の状況を公表する ものとする。) 6 1 .大学による自己点検・評価 -自己点検・評価の手順- 構成例1 第1 到達目標 検証可能な目標を設定 法令順守にも留意 第2 現状の把握 点検・評価項目(評価の視点「必須」)に沿って 第3 点検・評価(現状の分析) 1 効果があがっている事項 (「現状」を分析した結果、到達目標との関係も含めて分析) 2 改善が必要な事項 (「現状」を分析した結果、到達目標との関係も含めて分析) 第4 改善方策 目標達成の具体策(×必要である、課題である、検討する) 長所の伸張方法 (第3‐1に対応) 問題点の改善方法(第3‐2に対応) 7 1 .大学による自己点検・評価 -自己点検・評価体制の確立- 構成例3 自己点検・評価を実施する組織構造の明確化 大学の規模や特徴など、実態に合わせて体制を確立 する。客観的かつ公正に行う人員を配置する。 各組織の役割と責任を明確にする。 部局(学部・研究科など)だけでなく全学的な視点 → 構成例3 ※印 学部・大学院研究科、学部横断、大学院研究科横断 8 1 .大学による自己点検・評価 -トラブルシューティング- 到達目標 (事例1)到達目標 国際社会のニーズを踏まえつつ、広義の法学と政治学の学修を通じて 獲得可能な、多様な進路に適合した能力を、個々の学生につけさせる。 ↑検証可能な目標を設定する。 (事例2)到達目標 SD(スタッフ・ディベロップメント)を年4回開催する。 ↑期待される成果(アウトカム)を盛り込むことも重要。 9 1 .大学による自己点検・評価 -トラブルシューティング- 点検・評価 (事例3)点検・評価 大学ホームページで『理念・目的』を公開し、『大学案内』の巻頭で必ず 『理念・目的』を掲載しており、周知徹底できている。 ↑効果の検証・測定の方策を確定し、理念・目的の周知方 法の有効性を証明すること。 (事例4)点検・評価 開設している一般教養的教育科目の配置は適切である。(根拠資料な し) ↑自己「点検」と、自己「評価」の視点をもつ。 ↑「外部評価」を有効活用する。 10 1 .大学による自己点検・評価 -トラブルシューティング- 改善方策 (事例5) 到達目標=奨学金を充実させる。 改善方策=もっと充実させる。 到達目標=研究を活性化させる。 改善方策=もっと活性化させる。 ↑到達目標と改善方策を混同しない。 ↑改善方策は到達目標を達成させるための手 段。 11 2.大学評価申請における提出資料 (1)様式7 提 出 資 料 名 (1)点検・評価報告書 調 書 (2)大学基礎データ (3)専任教員の教育・研究業績(表24・25) (4)点検・評価報告書における 点検・評価項目記載状況 (1)学生募集要項 (2)パンフレット 添付 (3)教育内容等を理解するための資料 資料 学生便覧、履修要項 等、シラバス 等 (4)授業時間割表 (5)規程集 12 2.大学評価申請における提出資料 (2) 提出資料名 (6)各種規程等一覧(抜粋) (学則等、教授会規程、人事規程、学長選出規程等、 自己点検・評価規程等、ハラスメント防止に関する 規程等、寄附行為、理事会名簿 添付 資料 (7) (8) (9) (10) (11) (12) (13) (14) 独自の点検・評価報告書 附属研究所等のパンフレット 図書館ガイド等 ハラスメントに関するパンフレット 就職指導に関するパンフレット カウンセリングのためのパンフレット その他 財政に関する資料(財務計算書類、監査報 告書、財政公開状況を具体的に示す資料) 13 3.点検・評価報告書の作成 ① 点検・評価報告書の構成 - 序章、本章、終章の3部構成 - 序章:大学の判断で記述 (例:評価を受ける意義、目的等) - 本章:協会指定の点検・評価項目の大項目を 章立てして記述。 - 終章:自己点検・評価の結果明らかとなった長所や 問題点、改善・改革方策等に関して、本章部分の 記述を基礎に、大学全体の評価を簡潔に記述。 14 3.点検・評価報告書の作成 ② 客観的データの整備 * 根拠主義的(evidence based)評価が今日の趨勢 → 印象評価からの脱却(大学も評価者も) ・ 学外者が自己評価の妥当性を判断するためには、自己評価の 根拠を具体的に明示する必要 →執筆者の印象を基にした判断などでは不十分 ・ 到達目標の達成状況を判断するためには、定量的なデータ とともに、教職員・学生・保護者等さまざまな関係者の意見といっ た定性的データを活用することも有効 ・ 大学の掲げる目標の達成状況を示すために最適なデータを選択 して活用することが重要 15 4.大学基礎データ作成上の留意点 ○ 評価申請前年5月1日が作成基準日 ○ 研究費など作成基準日の前年度実績を記載するもの、 過去5年にわたってデータを収集するものなどあり ○ 専任教員の教育・研究業績(表24、25)→別冊で ・様式を満たしていれば大学独自のものでOK(要 事前確認) ・最新のものまで盛り込んでもOK ・作成基準日に拘泥する必要はない ○ 各表の様式に各大学の状況を無理にあわせるので はなく、本協会事務局と相談の上で、記載方法を変更 することもできる。 16 5.調書の事前提出 ■ 「点検・評価報告書(案)」「大学基礎データ(案) 」事前提出 ■ 2010(平成22)年1月7日(木)必着 ■ 受理要件 <点検・評価報告書> ✔ 序章、本章、終章の3部構成 ✔ 15の大項目を柱立てした本章の記述 ✔ 大項目ごとの目標設定(「1.理念・目的」や「2.教育研究組織」の項目以外) ✔ 「到達目標」「現状説明」「点検・評価」「改善方策」の(実質的な)書き分け ✔ 「現状説明」における点検・評価項目(評価の視点(必須))の網羅 ✔ 改善報告書検討結果または完成報告書検討結果において、「再」報告を求め られた大学は、その経緯を含めて 14「点検・評価」で「再」報告への対応状 況を報告していること <大学基礎データ> ✔ 「大学基礎データ作成上の注意事項」および「各表に付されている脚注」に 従って作表していること ✔ 「提出にあたりもう一度確認してください」により、チェックが行われていること ※ 受理要件が整わない場合は、申請書を受理できない旨ご連絡することがあります。 17 6.申請後の大学側の対応 -実地視察への対応(1)- ■ 実地視察の日程 9月中旬~11月上旬 (1日) ※6月中に日程調整し、決定 ■ 実地視察前の送付資料 ◆分科会報告書(案)(実地視察の際の質問事項等を含む) ■ 実地視察実施日前の準備 ※実施日の10日前までに提出 ◆ 「実地視察の際の質問事項への回答」 ◆ 「分科会報告書(案)に対する見解」(評価項目別) 18 6.大学評価申請後の大学側の対応 -実地視察への対応(2)- ■ 実地視察のスケジュール(例) ~09:50 10:00~10:30 本協会側出席者集合 本協会側出席者の打ち合わせ 10:30~12:00 12:00~13:00 13:00~14:00 14:00~14:15 14:15~16:15 16:15~17:00 施設・設備の視察、授業参観 昼食 学生へのインタビュー 休憩 面談調査 協会側出席者の打ち合わせ ※参観する授業や学生の予定などを考慮し、時間帯の入れ替えが可能 事前に本協会事務局と協議してスケジュールを決定する。 19 6.大学評価申請後の大学側の対応 -意見申立と異議申立- <意見申立> ■ 申し立ての対象 ☆「評価結果(委員会案)」 (評価申請年の12月中・下旬に大学に送付) ◆ 記述内容に事実誤認がある場合 ◆ ある学部・研究科等につけられた指摘(長所、助言、勧告)が別の学 部・研究科等にも該当する場合 ◆ 社会に公表する上で誤解を招く表現が含まれている場合 <異議申立> ■ 申し立ての対象 ☆「評価結果」(評価申請翌年の3月中・下旬に大学に送付) ◆ 大学基準への適合が「否」の場合 ◆ 大学基準への適合の判断が「保留」の場合 20 6.大学評価申請後の大学側の対応 -改善報告書- ■ 提出期限 2014(平成26)年7月下旬 ※ 2014 (平成26)年4月頃、提出依頼文書を送付予定 ■ 報告の対象 ◆ 評価結果において、「勧告」および「助言」が付された事項 ■ 報告内容 ◆ 勧告または助言を受けた当時の状況や背景の説明 ◆ 勧告または助言を受けた事項への対応方法、改善状況、将来計画 ※ 「勧告」・・・必ず改善しなければならない事項 「助言」・・・その対応は、各大学の判断に委ねられている事項 21 6.大学評価申請後の大学側の対応 -完成報告書- ■ 提出期限 2014(平成26)年7月下旬 ※ 2014 (平成26)年4月頃、提出依頼文書を送付予定 ■ 報告の対象 ◆ 大学評価申請の際に申請資格充足年度(完成年度+1年)を経過し ていない学部・研究科 ■ 報告内容 ◆ 教育内容・方法(教育目標および該当する水準による評価事項) ◆ 関連する大学基礎データ表 ※詳細は、「大学評価」ハンドブックをご覧下さい。 22 「大学評価」ハンドブック http://www.juaa.or.jp/accreditation/university/handbook_ 2009.html ※ 5月上旬掲載予定 【目次】 Ⅰ 大学評価の概要 Ⅱ 大学基準協会が要請する自己点検・評価 Ⅲ 大学評価の行程 Ⅳ 評価者による評価作業(評価実務全般) Ⅴ 評価者による評価作業(実地視察) Ⅵ 評価者による評価作業(私立大学の財務評価) <資料編>,<様式編>,<規程編> 23 おわりに ご質問・ご相談について、お気軽に 大学基準協会事務局にご連絡ください 財団法人 大学基準協会 〒162-0842 東京都新宿区市谷砂土原町2-7-13 Tel 03-5228-2112、2200、3883 Fax 03-5228-2323 ホームページ http://www.juaa.or.jp e-メール [email protected] 24
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