授業改善に役立つITの活用 -事例紹介を中心に- 1.岐阜経済大学でのIT活用の授業 2.ソフトピアジャパンン共同研究室での学生の自主的活動 3.青山学院AMLプロジェクトでのサイバービジネス演習 岐阜経済大学 松島桂樹 [email protected] http://www.gifu-keizai.ac.jp/~matsu 岐阜経済大学の概要 所在地: 岐阜県大垣市北方町5-50 大学 : 社会科学系大学 2学部3学科 経済学部経済学科 (300名) コミュニティ福祉学科 (100名) 経営学部産業経営学科(250名) 経営情報学科(100名) 開学 : 1967年4月(経営情報学科は1994年4月) 学生数: 約3600名 教員:81人 本学のネットワーク環境 経緯 • 94.04 経営学部発足に際して構築 電算課サーバ FDDI • 96.04 OSをWindows95への全面移行 (100Mbps) 実習室Windows95端末 HUB • 99.04 OSをWindows98への全面移行 210台 スイッチングハブ 特徴 実習室WS端末 • UNIX+Windows98による標準的な学 63台 内ネットワーク構成 • SAMBAを利用した共通ネットワークド FDDI光幹線(100Mbps) ライブ(実習室と同環境を研究室にも 構築) • 電子メール(Almail中心) • WindowsNTによる導入・更新の生産 図書館サーバ 性向上 • Notes Domino導入 デジタル専用線 (128Kbps) FireWall WWWサーバ NTサーバ (Notes Domino) 研究室約50台 MAC:20台 DOS/V:31台 WS:2台 経営情報教育の課題 ITの教育 コンテンツ リテラシー ITで何を? ITを使える .最新情報技術の継続的キャッチアップ – 最新バージョン、インターネット、マルチメディア .多人数教育と実習中心教育のギャップ .Think、参加、チームワークを援助 2015/10/1 岐阜経済大学 4 これからの大学の役割 • 知識の提供から知識のナビゲーションへ 学生 ナビゲーション エージェント機能 知識 授業支援システム構築のねらい 魅力ある大学への改革-学生志向と差別化 授業の改革 学生の満足度とニーズの把握 学生とのコミュニケーション向上 情報リテラシー教育から情報コンテンツ教育への転換 技術教育から価値の創造へ 参加型授業の推進 システムの要件 多様なコミュニケーションの支援 教員-学生/学生同士 双方向/バーチャル性/リアルタイム性 きめこまやかなアクセス制御 多様なコンテンツの取り扱い テキスト/イメージ/プレゼン資料 インターネット、ホームページとのリンク グループウェア+Webブラウザーの活用(Notes Domino) 多様な授業形態への適用 講義タイプ(200人程度) お知らせ、シラバス公開、課題、出席登録 実習タイプ(40人程度) 討議、理解度アンケート、実習データの共有 演習タイプ(15人程度) 情報交換、卒論編集 授業支援システムのメニュー お知らせ(掲示板型アプリケーション) 学生へのお知らせ(休講、課題、成績) 授業概要(情報共有型アプリケーション) 授業内容の公開、関連データの蓄積と共有 情報交換の広場(フォーラム型アプリケーション) 電子KJ法、Q&A、課題提出 出席POS(情報収集型アプリケーション) 理解度アンケート、出席登録(バーコード) アプリケーション・メニュー メニュー 講義形式 実習形式 お知らせ ・ 連絡 ・ 課題成績 ・ 連絡 ・ 課題成績 授業情報 ・ シラバス ・ プレゼン資料 ・ 関連ホームペー ジへのリンク情報 ・ シラバス ・ プレゼン資料 ・ 関連ホームペー ジへ のリンク情報 ・ Excel データ 情報交換 の 広場 ・ 質問/回答 ・ 課題提出管理 ・ 課題と回答/意見 ・ 電子 KJ 法 ・ 課題提出管理 出 席 登 録 POS ・ バーコード出席登 録 ・ 出席ボ タンによる 登 録 ・ 理解度、コメントの書 き込み 演習形式 ・連絡 ----------- ・ グループ内連 絡、討議 ・ グループ卒論 ------- 授業支援システムの特徴 Webブラウザーの活用 学内のどこからでも利用可能 電子KJ法 オンライン課題提出と履歴管理 出席POS 出席登録 理解度アンケート 開発と運用体制 電算課 環境の整備 ユーザー管理 データベースプロタイプ作成 科目担当教員への技術支援 科目担当教員 データベース作成、変更 コンテンツ作成 シラバス、お知らせ他 作成工数はワープロ文書 と同程度 教員と職員との協 力体制が鍵 導入効果 コミュニケーションの量と質の改善 学生の理解度を短時間に把握し授業改善に直結 出席POSシステムでのコメント記入率-93% 学生の授業への参加意欲向上 電子KJ法は学生の意見を短時間に集約 理解度の向上 コンテンツ開発の生産性向上 教員のアイデアの実現が迅速 発想から完成まで数10分 きめこまかな成績管理 大人数でも、出席から小テスト、半期末試験の集計工数が半減 高い費用対効果 ソフトピア共同研究室での学生の活動 i-mode Project community GIS Project Staff-center Project ASP Project Portal Project Linux 大垣 Forum 岐阜経済大学 Portal Project URL http:// www-sj.gifu-keizai.ac.jp i-mode Project ●いつでも、どこからでも見ら れる情報提供手段 パソコンや携帯端末(携帯電 話・ワークパッドetc)に対応 ●今ほしい、身近なコンテンツ 大学生活に役立つ情報 + 地域情報 URL http://www-sj.gifu-keizai.ac.jp/~i GIS Project Geographic Information System URL http://sj3.gifu-keizai.ac.jp ASP project (Application Service Provider) URL http://www-sj.gifu-keizai.ac.jp/skyboard LOFビジネスプロジェクト 市場情報 技術開発 導入サービス 保守サービス 岐阜経済大学 導入顧客 参加企業 共同研究室 LILOプロジェクト 参加企業 製品納入 情報交換 H/W、S/Wベンダ、NTT • 企業と大学との連携によるビジネス創造 – 企業:顧客ニーズの把握とマーケティング活動 – 大学:シーズの発掘、新規技術開発、実験 – ソフトピアジャパン:インフラ支援 • 大垣地域のITポテンシャル(需要と供給)の拡大 – ITデマンド – ITコンピーテンス 導入顧客 導入顧客 Staff-center Project URL http://www-sj.gifu-keizai.ac.jp/center AMLプロジェクトの概要 バーチャルユニバーシティ構築のための実証実験 (AML:Aoyama Media Lab.プロジェクト) バーチャルエンタープライズモデル(仮想ビジネス環境)の構築 業務プロセスの実習と、ネットワークコミュニケーションを通じた協調型 遠隔プロジェクトの習得 実践的な業務プロセス理解と、ITを駆使しうるビジネスリーダーの養成 サイバービジネス協調型演習による教育方法の有効性 の検証 WP1:新製品プロジェクト協調型演習による WP2:グローバル・コンカレントエンジニアリング WP3:生産販売物流統合化情報システム WP4:グローバル・サプライチャーンマネジメント 当プロジェクトのねらい • 社会の要請 – – – – 実務志向 即戦力 人格 創造性 •大学の課題 -少子化 -魅力ある大学つくり -理論+実務 -社会へ開かれた大学 経営管理の実践的、先進的な知識と技能の教育 学生にとって魅力のある授業の提供 WP1: 新製品開発プロセスの包括的な理解 話す、議論する、まとめる、提案する、という協調型演習の実施 ITの教育から、ITの価値を教育 製品開発プロセスと管理会計 • • • • • 企業経営を会計面から情報提供する技法 製品戦略、事業戦略への会計情報支援 設計技術者のコスト意識への必要性増大 多面的な情報の利用による問題解決能力の育成 製品開発における管理会計技法 – 投資経済性評価、ABC(活動基準原価計算)、原価企画 上記の技法は大学の会計教育の上級に位置 管理会計 原価計算/経営分析/財務会計 簿 記会計学総論 積み上げは、決して悪くはないが,・・ 会計情報をどのように活用するかは、上位 プロセス志向の経営教育 新製品開発 戦略・企画 製品設計 投資評価 生産設計 マーケティング 機械工学 ◎ ◎ 経営学 ○ ○ 会計学 ◎ 従来:プロセス全体を理解するには、全部の科目を基 礎から学習しなければならない。コース制などの採用 により、もっと顕著に専門的な積み上げ教育へ。 プロセスの理解のために各科目が教育されてはいない。 演習の流れ マーケティングリサーチ(MR) 新商品開発フロー 対象品はノート型PC 市場調査 カスタマ情報収集 カスタマ情報分析 カスタマ情報加工 マーケティング マーケティング リサーチ リサーチ 営業評価 施策計画 施策実施 MR施策 計画書(案) 新製品企画 市場 分析 製品企画書 製品戦略 意匠 策定 設計 事業 計画 事業計画書 以降は ERP SCM の領域 企画 デザイン レビュー 試作品 グローバル・CE領域 3C/SWOT分析 支援機能 部品選択(品目) 支援機能 製品評価 レポート 最終 デザイン レビュー 収益性分析 支援機能 テストマーケティング 支援機能 製品戦略策定 支援機能 仮想企業システム デザインレビュー支援システム 業務連携支援システム 新教育基盤システム 仮想PC企業での新製品開発プロセス 授業シナリオ-1 市場の理解 商品構造の理解 市場分析 製品戦略策定 ・ 競合理解 ・ 自社理解 ・ 顧客理解 ・ 製品と構成部品の理解 ・ 技術動向の理解 ・ 開発プロセスの理解 ・ ポジショニング ・ 3C 分析 ・ SWOT 分析 ・ 需要予測 ・ 価格ゾーン ・製品コンセプト決定 授業シナリオ-2 意匠設計 ・ 形状(筐体) ・ キーコンポーネント(表示装置、CPU、FD、 CD、モデム、マザーボード) 事業計画 ・ 目標売上設定 ・ 目標利益決定 ・ 原価見積 ・ 目標原価検討 ・ 予算編成 ・ 経営指標分析 ・ プロジェクト投資評価 ・ 開発工程検討 ・ 製品企画書の説明 ・ 事業計画書の説明 ・ 各種承認(製品コンセプト、意匠案など) 企画デザイン レビュー 授業シナリオ-3 MR 施策計画 ・インターネットテストマーケティング計画策定 (実施時期、予算、製品コンセプトによるマー ケティング戦略コンセプト、メディアテスト項 目、クリエイティブテスト項目など) ・テストマーケティング計画書の作成 MR 施策実施 ・インターネットテストマーケティング実施(計 画書に基づき実施) ・売上需要予測 ・施策評価(媒体別レスポンス評価など) ・製品評価(アンケート結果と施策評価とのク ロス集計など) ・製品評価レポートの作成 実務教育システム概要 シ ス テ ム名称 デザイ ン レ ビ ュ ー 支援シ ス テム 仮想企業シ ス テム 業務連携支援 システム 新教育基盤シ ステム 機能 ・ 音声映像リアルタイム通信機能 ・ チャット機能 ・ 画像のリアルタイム共有、修正機能 ・ アプリケーションのリアルタイム共有 機能 ・ 市場分析支援機能 ・ 製品戦略策定支援機能 ・ 意匠設計支援機能 ・ 事業計画支援機能 ・ MR 施策計画・実施支援機能 ・ 部門間要求調整機能 ・ 部門間業務依頼機能 ・ 部門進捗情報共有機能 ・ 教務支援機能 (出欠管理、成績管理教材管理、告知 情報表示) コミュニケーション支援機能(掲示板、 質問箱) カリキュラム・教材作成支援機能(教 材管 理 、 カ リ キ ュ ラ ム 作 成 、 教 材 表 示、分類など) 実現手段 Live LAN(アプリケーション) と LAN MCU サーバーによる青山 学院 LAN 環境でのシステム実 現 NT サーバー環境で、ASP およ び Java による各機能のモジュ ール化、 Oracle へ のデ ータ 格 納・分類およびクライアント端末 のブラウザを利用した検索、実 行、閲覧を実現 Siebel 98(Siebel System Inc.~ CTI、SFA を実現する戦略的業 務統合パッケージ) を利用した クライアント、サーバー環境、青 山学院 LAN 環境により実現 XML を利用した教材の格納、分 類、検索、表示、修正を、クライ アント側からシームレスに行 う 機能を実現。 教育方法の評価 評価指標名 教師能力補完性 評価内容 新教育基盤システムの質問箱、掲示板、出席管理機 能、出席管理機能などによって、教員の事務作業負 荷の軽減が可能になった。 技術の適用性 本開発案件を各演習に適用することで、学生に対し 疑似体験学習を通じて効果的なビジネス教育を提供 できることを立証できた。 情報伝達とコミュニケ 「情報伝達とコミュニケーション」の視点からは企画デ ーション ザインレビューについて考察を行った。この視点から 得られた洞察は、コミュニケーション技術の活用によ って、時間的制約、地理的制約を解決できる可能性 があることである。 評点 (全体平均:3.75) 3.65/ 5 4.03/ 5 3.14/ 5 基盤機能の使いやすさ、教材のわかりやすさの調和が評価 学生のフリーコメントより 実際に売上や営業利益を立ててみると、目標製 品原価に対して赤字が表示され、どうすればいい かを、皆で楽しく立案できた 協調的な業務プロセスの理解 数字を入力するとすぐ現在価値が計算されるので 迅速に製品企画が検討できた ビジネスにおける各技法(例:会計技法)の意義につい ての理解 数字を入力しての再計算が容易にできるので、具 体的に経営や会計技法が理解できた 情報技術の役割の理解 まとめ • 学内外の多様な分野の専門家による総合的な教育 の可能性を検証した。 – 縦割りから横割り(プロセス志向)の教育 – 業務の必要性から会計の技法や情報を理解 • ITによる学生の協調的学習支援の可能性を検証した。 – 学生の新しい能力(ITの活用、コミュニケーション)の発見 • 大学の改革への大きな示唆がえられた。 – 学習支援体制(制度改革、マルチスキルな専門スタッフ) – 基盤にもとづく教育の必要性 大学間連携と教育ASP 大学A 大学B 大学C 授業支 援機能 アプリケ ション機 能 ライブラリ ー機能 大学E • 授業支援システム、教材ライブラリーの共有 • 支援の機能のあり場所、管理体制 • コスト回収とビジネスモデル 大学D
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