ディジタル回路 第6回 特殊な入出力 テキスト第4章 情報工学科 天野英晴 バス(Bus)を作りたい A B C 共通の線路でA,B, Cがデータを送受信 配線本数の節約、データ線路の共通化 もちろん時分割で使う:一度にデータを送れるのは一人 利用者を決める→バスアービトレショーンが必要 しかしデバイスは対応しない • ディジタルデバイスは1出力多入力 ON A Z Z A ON 出力がぶつかると素子を破壊 オープンドレイン(オープンコレクタ) • pMOSをとっぱらってしまってドレインを開 けっ放しにする • 負荷抵抗を付ける→しかし、バスはどっちみ ちターミナル抵抗が必要 A B C H A L OFF B L OFF C OFF L 全員Lの時は H L AがHの時はL A ON B C H CがHの時もL L A B C H ON →他の人がLを 入力すれば誰か 一人のデータを バス上に載せる ことができる H A L B OFF L OFF C 全員Lの時は H OFF L L 二人がHでもL A B ON H C ON H H H バスからの信号を NOT(インバータ) で受信すると考えると、ORゲートと同じになる → ワイヤードOR(ANDタイ)と呼ぶ その他の事項 • 抵抗はどうやって決める? – 小さすぎるとON時に電流が大きくなる • 消費電力が大 – 小さすぎるとON→OFF(L→H)が遅い • もともと抵抗負荷はpMOSを使わないため不利 • 動作速度が遅い – 実際上はバスの線路インピーダンスに合わせる • 反射が少ない 記号 3ステートゲート in out EI EI in out H in H/L EI L L/H out H/L L/H L EI=Lならばinのレベルはそのままoutに表れる L in OFF H/L EI H H L out Hi-Z(ハイインピーダンス OFF状態) H EI=Hならば両方のFETは常にOFF →電気的に浮いた上体 →ハイインピーダンス状態 H、L、Hi-Zを持つことから3ステート出力と呼ばれる 3ステートゲートのバス X L H A X H 電気的に 切れている X H B 電気的に 切れている C X H L A B C EIをLにした入力がバスにデータを送ることができる 同時に二つのゲートのEIをLにするとデータが衝突して過電流が流れる EI in out EI in out EI in out EI in out EI in out L L L L H H H X Hi-Z EI in out H L H H H L L X Hi-Z EI in out H L L H H H L X Hi-Z EI in out L L H L H L H X Hi-Z EIがアクティブ =ゲートが動作 そうでないとき ハイインピーダンス (Hi-Z) メモリ、FPGA など様々な モジュールの 出力が 3ステートゲート になっている 衝突の可能性 EI_A EI_B A EI_A EI_B B NOTゲートの遅延 時間が大きい あるいは 配線遅延が大きい この時間だけ両方が Lになり衝突の可能性が! 通常、3ステートのOFF→ON時間>ゲート遅延 なので大丈夫 オープンドレイン vs. 3ステート • オープンドレインの良い所 – 出力がぶつかってもワイヤードORになるだけ – 負荷抵抗はターミナル抵抗と兼用にできる • 3ステートゲートの良い所 – pMOSを使うのでL→Hが高速 – nMOSがONでもpMOSがOFFなので低消費電力 – 負荷抵抗が不要 → バックプレーンバスにはオープンドレイン、他は3ス テートゲートが使われる 演習1 B Y A B 上の回路の真理値表を描け また、この回路をMIL記号で表せ ディジタル回路の整形能力 スレッショルド レベル 入力 出力 鈍った波形を方形波にするのはディジタル回路の役目の一つ しかし、実は極端に緩い入力に弱い ノイズ スレッショルド レベル 入力 出力 波形が緩いとスレッショルドレベル 付近のノイズに反応してしまう →入力は一定の鋭さが必要(前々回) 波形が緩いのはいつ?→バスやケーブルで容量の大きい通信路を 使ったとき→こういう通信路はノイズも載りやすい→困った!! シュミットトリガ入力 Vout L→HではVT+ H→LではVTがスレッショルド レベルとなる →ヒステリシス(履歴) 特性(前々回参照) ノイズマージンは VT+min-VOL VOH-VT-max に広がる VT- VT+ Vin ヒステリシス特性による整形効果 ノイズ VT+ VT入力 出力 VT+をよぎるまでHにならない。一度HになったらVT-をよぎらなければ 大丈夫 ドライバ・レシーバ • 3ステートゲートとシュミットトリガ入力の組み 合わせ – p.98に例を示す – 74245は方向がDIR入力で切り替わる – バスやケーブルに対するディジタル信号の送受 信に使う 演習2 • テキスト p.96の7414をp.81の7400に接続し た。ノイズマージンの最悪値を計算せよ
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