人事労務管理論B (旧 労務管理論)

現代の人事労務管理
--人的資源管理--
2014年7月15日
人事労務管理論A(第13回)
先週の復習として
人的資源管理の理論(アージリス)

パーソナリティ(心的状態)論
人間の本性をパーソナリティ(心的な状態)と把握
その特性を重視した人事労務管理を
 公式組織構造の改革
人間の心的特徴に合致した管理の必要性を主張!
2
人的資源管理の理論(マグレガー①)

D. McGregor
Human Side of Enterprise, 1957

伝統的な管理論の人間化説→X理論
・
・
・

アメとムチの管理方式
3
人的資源管理の理論(マグレガー②)

多面的人間モデル → Y理論
・
・
・

目標管理
1960年 Management by self-control
1954年 Management by Objective (P.F.Drucker)
4
なぜ人的資源管理HRMか
フォーディズムの危機

アメリカ経済の衰退(1970年代以降)
双子の赤字
職場の反乱
ベトナム戦争の失敗

新自由主義
レーガノミクス、サッチヤーリズム
福祉切り捨て、小さな国家、規制緩和、市場競争
5
フォーディズムの危機(理論)

MITの自動車研究プロジェクト
ウォマックWomack/ルースRoos/ジョーンズJones
『リーン生産方式が世界の自動車産業をこう変える』
The Machine that Changed the World, 1990

トヨタ生産システムへの強い関心
How Japan’s secret weapon in the global auto wars will
revolutionize western industry
6
人的資源管理としての
リーン lean 生産システム

Lean とは何か
無駄のない、贅肉のない

リーン生産システムの人事労務
7
トヨタに学べ!
ーー人的資源管理の導入を!

フォーディズムの危機は生産方式と労使関係
の危機
・テイラー主義
・労使関係

トヨタに学べ!
手の労働と頭の労働の再結合を!
QC活動(カイゼン活動)
多能工(教育訓練の重視)
人事考課(査定)制度の導入
8
人的資源管理の普及

行動科学的労務管理から人的資源管理へ
競争の激化(

)
新自由主義の台頭
レーガノミクス、サッチャーリズム
フォーディズムの終焉
市場原理主義
9
人的資源管理の普及②

日本的経営の影響
職場の力を重視

IT革命
創造力、思考力、論理性を重視
単純労働の拡大

女性の職場進出
10
近年の人事労務の合言葉は
フレキシビリティ flexibility

フレキシビリティとは何か
その語源は「木々は風を受けてたわんでもすぐ元の
位置に戻る」という自然現象に由来している
フレキシビリティとは、一度たわんでも元通りになるということ、
試練に耐えること、そして形を復元すること、この両面の能力をいう

だが
現在いわれているフレキシビリティはもっぱら人を
たわめる力としてのみ働いている。
Richard Sennett 『それでも新資本主義についていくか』ダイヤモンド社 より 11
人事労務のフレキシビリティ

フレキシビリティとは何か
市場動向(外部環境の変化)への適応能力

規制緩和(労働ビッグバン)の真のねらいは
12
三つのフレキシビリティ

数量的なフレキシビリティの確保
従業員の数を柔軟に

機能的なフレキシビリティの確保
従業員の役割を柔軟に
従業員の働き方を柔軟に

金銭的なフレキシビリティの確保
賃金(人件費)を柔軟に
13
現代アメリカのHRMの意味

コストから資源へ
雇用をコストと捉えてきたこれまでの考え方を改め

経営資源として人間(従業員)
つまり「人」は投資しても採算がとれる重要な経営資
源(つまり人的資源)であると捉える。
14
さて、わが日本は??
アメリカの日本化??
 日本のアメリカ化??
成果主義賃金
長期雇用の制限
派遣など雇用形態の多様化(短期雇用)

日本の人事労務の現実は?
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さて、わが日本は??
アメリカの日本化??
 日本のアメリカ化??
成果主義賃金
長期雇用の制限
派遣など雇用形態の多様化(短期雇用)

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