Document

嗜好ベクトルの近似による
サービス享受条件の自動設定
立命館大学大学院 理工学研究科 データ工学研究室
◎川成宗剛,山原裕之, 原田史子, 島川博光
2007年9月6日
サービス享受条件を設定する負担




ユーザ自身がサービス享受条件を設定すれば,ユーザの嗜好に最
も適した有益なサービスだけを享受可能.
サービスは,サービス提供者の店舗や施設ごとに異なるため,提供
される サービスの数は膨大.
サービス享受条件の設定は,ユーザにとって大きな負担.
食品購入支援サービス

サービス享受条件とは?


例)キャベツが、100円以下であれば購入
現状

紙媒体の広告などで,特に購入したい商品
はチェックするが,すべての商品をチェックす
ることは困難.
スーパーマーケット S
個人ごとに嗜好に適した商品を,嗜好に適し
た価格で推薦できていない.
<service provider id >スーパーマーケット
S</service provider id>
<service type> 購入 </service type>
<goods id>キャベツ</goods id>
<price>100円以下</price>
キャベツ
なす
じゃがいも
・
・
・
100円以下

サービス提供者のホームページ
ユーザ
の場合
購入
ユーザが設定したサービス享受条件
サービス享受条件の自動設定

ユーザは,よく利用するスーパーマーケットのサービスについては
詳しい. 例)お買い得商品など…
これらの知識を蓄積しておけば…

ユーザが,別用のついでにふと立ち寄ったスーパーマーケット
など,サービス享受条件が設定されていない場合でも,
過去の他ユーザの
過去のユーザの
・食品購入履歴
・嗜好
・サービス享受条件
スーパーマーケット
実現したいサービス
嗜好に適する商品,嗜好に適する価格を自動設定
ユーザXの嗜好と
ユーザの嗜好と
食品購入履歴
提案手法の流れ
ユーザの携帯端末
蓄積された
ユーザの
食品購入履歴
店舗のサーバ
店舗に蓄積された
過去の他ユーザの
食品購入履歴
B
ユーザに
推薦される
商品リスト
店舗に蓄積された
ユーザの
嗜好
過去の他ユーザの
嗜好と
サービス享受条件
ユーザの
嗜好に適した
商品リスト
A
ユーザの嗜好
に適した価格が
設定された
全商品リスト
サービス享受条件の自動設定手法
A. 嗜好に適する価格の設定 - ユーザベースの協調フィルタリング
B. 嗜好に適する商品の選定 - アイテムベースの協調フィルタリング
ユーザの嗜好の算出

食品を表現するための項目 ・・・ 0 または1の値を取る.

肉類,魚類,野菜類,乳製品,和食,洋食,中華,加工食品,調理済み食品,カップ類,弁当,...

一定期間中にある項目を満たす食品に使用した合計金額

ユーザが過去一定期間に購入した食品から,嗜好を算出.
*項目の一部を抜粋した表
調理
牛肉に 鶏肉に
加工
冷凍 レトルト
済み
使用した 使用した
食品
食品 食品
食品
金額
金額
8/2
8/3
・
・
・
飲食の和洋中
食材の種類
購入品名
和食 洋食 中華 その他 牛肉 鶏肉 魚介類 乳製品 野菜類
調理済み唐揚げ
1
0
0
0
0
1
0
0
0
0
冷凍ピラフ
0
1
0
0
1
0
1
0
1
0
アメリカ産牛肉100g 0
0
0
0
1
0
0
0
0
0
オージービーフ100g 0
0
0
0
1
0
0
0
0
0
・
・ ・ ・
・
・ ・
・
・
・
・
・
・ ・ ・
・
・ ・
・
・
・
・
・
・ ・ ・
・
・ ・
・
・
・
・
合計
20 30 20
10
30 17
10
23
40
10
嗜好を示す数値
1
0
0
0
・
・
・
7
0
1
0
0
・
・
・
8
0
0
0
0
・
・
・
10
0
200
250
230
・
・
・
10,000
150
0
0
0
・
・
・
5,000
嗜好に適する価格の設定
ユーザの携帯端末
蓄積された
ユーザの
食品購入履歴
店舗のサーバ
店舗に蓄積された
過去の他ユーザの
食品購入履歴
B
ユーザに
推薦される
商品リスト
店舗に蓄積された
ユーザの
嗜好
過去の他ユーザの
嗜好と
サービス享受条件
ユーザの
嗜好に適した
商品リスト
A
ユーザの嗜好
に適した価格が
設定された
全商品リスト
サービス享受条件の自動設定手法
A. 嗜好に適する価格の設定 - ユーザベースの協調フィルタリング
B. 嗜好に適する商品の選定 - アイテムベースの協調フィルタリング
ユーザベースの協調フィルタリングによる
嗜好に適する価格の自動設定

ユーザが商品を購入するか否かの価格(閾値)を推定.
嗜好
過去にサービスを
利用したユーザ
サービス享受条件
の自動設定の対象
となるユーザ
サービス
if (キャベツ ≦ x円) if (なす ≦ x円)
牛肉に使用
・・・
した合計金額
then ユーザに通知 then ユーザに通知
牛肉
鶏肉
野菜
ユーザ
A
ユーザ
B
ユーザ
C
ユーザ
D
30
20
10
5,000
・・・
NaN
100
30
30
10
3,500
・・・
160
140
10
50
40
2,000
・・・
200
NaN
20
40
50
3,000
・・・
180
160
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
・・・
・
・
・
・
・
・
・
・
ユーザ
X
40
30
10
5,000
・・・
NaN
NaN
協調フィルタリングによる推測
150
130
嗜好に適する商品の選定
ユーザの携帯端末
蓄積された
ユーザの
食品購入履歴
店舗のサーバ
店舗に蓄積された
過去の他ユーザの
食品購入履歴
B
ユーザに
推薦される
商品リスト
店舗に蓄積された
ユーザの
嗜好
過去の他ユーザの
嗜好と
サービス享受条件
ユーザの
嗜好に適した
商品リスト
A
ユーザの嗜好
に適した価格が
設定された
全商品リスト
サービス享受条件の自動設定手法
A. 嗜好に適する価格の設定 - ユーザベースの協調フィルタリング
B. 嗜好に適する商品の選定 - アイテムベースの協調フィルタリング
アイテムベースの協調フィルタリングによる
嗜好に適する商品の選定

アイテムベースの協調フィルタリング

アイテム間の類似度を計算




2つのアイテムに対して各ユーザが近い評価値を付けているとき,これらのアイテムを似ているとし
類似度は大きい値を示す.
例)Amazon.com
「この商品を買った人はこんな商品も買っています」
本研究

過去の他のユーザの食品購入履歴から,店舗Aの商品の類似度を計算する.


2つの食品に対して各ユーザの購入回数が近いとき,これらのアイテムを似ているとし
類似度は大きい値を示す.
サービス享受条件を設定していないユーザの食品購入履歴から,店舗Aにおい
て嗜好に適すと考えられる商品を選定する.
推薦される商品リストの作成
ユーザの携帯端末
蓄積された
ユーザの
食品購入履歴
ユーザの
嗜好
店舗のサーバ
過去のユーザの
食品購入履歴
過去のユーザ
の嗜好と
サービス
享受条件
B
ユーザの
嗜好に適した
商品リスト
ユーザに
推薦される
商品リスト
A
ユーザの嗜好
に適した価格が
設定された
全商品リスト
サービス享受条件の自動設定手法
A. 嗜好に適する価格の設定 - ユーザベースの協調フィルタリング
B. 嗜好に適する商品の選定 - アイテムベースの協調フィルタリング
通知メッセージの例
ユーザに
推薦される
商品リスト
キャベツ1個≦100円
白菜1個 ≦150円
きゅうり/1個≦ 80円
トマト1個 ≦ 70円
アメリカ産牛肉100g ≦150円
・
・
通知メッセージの例
・キャベツが1個98円で販売されています.
・トマトが3個200円で販売されています.
まとめ


サービス享受条件を設定する負担
サービス享受条件の自動設定




ユーザの嗜好の算出
嗜好に適する価格の自動設定
嗜好に適する商品の選定
推薦される商品リストの作成

通知メッセージの例

今後について

実験と評価