通訳研究分野の概観図 General Map of Interpreting Studies ※通例、通訳研究は「通訳翻訳研究」(Interpreting and Translation Studies) という分野に包括され、その下位分野として位置づけられ Q1:「通訳翻訳研究」の上位分野は何か。ま ? た、隣接関連分野にはどのようなものがあるか。 る。これは、「通訳」という現象は必要的に「翻訳」というプロセス を含み、それなしでは成立しえないからである。一方、「翻訳」は数 訳という現象とは無関係に独立して存在することができる。 Q2:それぞれの研究分野はどのような下位分野に分けることがで きるか。また、それぞれの下位分野は具体的にどのようなことを目 指しているのか。 (c) 2005-12 Yasumasa Someya (Adopted from Holmes 1988/2000, and Toury 1995) Slide 1 通訳研究分野の概観図 General Map of Interpreting Studies 通訳研究分野の Paradigm Shift 50年台=実務の時代 60年台=言語学の時代 ※日本における通訳教育の開始 70年台=認知の時代 90年台=”Social” Turn 2000年=日本通訳学会の創立 Q2:それぞれの研究分野はどのような下位分野に分けることがで きるか。また、それぞれの下位分野は具体的にどのようなことを目 指しているのか。 (c) 2005-12 Yasumasa Someya (Adopted from Holmes 1988/2000, and Toury 1995) Slide 2 通訳研究分野の概観図 General Map of Interpreting Studies ※研究には基礎研究と応用研究の2つがある。基礎研究は純 粋研究 (pure research) とも呼ばれ、理論や知識の進展を 目的とする。一方、応用研究 (applied research) は研究成 果を具体的な問題の解決に役立てることを目指す。 (c) 2005-12 Yasumasa Someya (Adopted from Holmes 1988/2000, and Toury 1995) Slide 3 通訳研究分野の概観図 General Map of Interpreting Studies ※研究には基礎研究と応用研究の2つがある。基礎研究は純 粋研究 (pure research) とも呼ばれ、理論や知識の進展を 目的とする。一方、応用研究 (applied research) は研究成 果を具体的な問題の解決に役立てることを目指す。 (c) 2005-12 Yasumasa Someya (Adopted from Holmes 1988/2000, and Toury 1995) Slide 4 通訳研究で扱われているテーマの例 通訳の内部プロセス、通訳者の言語理解と記憶、通訳におけるワーキングメ モリの役割、通訳の認知言語学的方略、言語学的概念の応用(談話分析、テ キストタイプ、推論、結束性と結束構造など)、ノートテイキング、要約化のプ ロセス、同時通訳における予測、通訳のエラー分析、言語の組合せの影響、 シャドーイングの効果、コミュニケーションにおけるプロソディ-の役割、など に関する理論的・実証的な研究 通訳者の生理的指標(ジェスチャー、眼球運動や瞳孔、心拍と血圧、脳波な ど)に関する研究、同時通訳とシャドウイングの際の脳活動の比較測定など のハードサイエンスの手法による研究 異文化間媒介者としての通訳者の役割、(通訳における)背景知識の役割、 通訳者の倫理、通訳についての社会的規範などに関する文化・社会的側面 に焦点を当てた研究 通訳訓練法、教材開発、テスティング、評価法、カリキュラムデザイン、通訳 者の資質・適性、および通訳訓練法の一般語学学習への応用などに関する 教育的側面に焦点を当てた研究 会議通訳、コミュニティ通訳、法廷(司法)通訳、手話通訳、メディア(放送)通 訳、自動通訳(機械通訳)に関する主に実務的・実践的な研究 参考: 水野的 (2001) 「現代通詞考 第2回 世界の通訳研究」 『通訳・翻訳ジャーナル』 2001年6月号 (pp. 94-95) Slide 5
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