ネット上のいじめを 未然に防ぐために 事例研究 この事例の中で問題となる部分に線を引いてみましょう 中学2年生(男子)のAくんは、いつも同じクラスの 数人からいじめにあっていました。 ある日、数人のうち1人が、いじめの様子を携帯 電話を使って動画で撮影しました。 その数人は面白がり、これを動画サイトに投稿し ようという話になりました。 いじめの動画が動画サイトに投稿されるとそれを 見た他の生徒から、Aくんを誹謗中傷する書き込み が相次ぎました。 Aくんのいじめはさらに深刻になり、Aくんは学校 に行けなくなってしまいました。 平成23年度総務省調査研究「インターネット利用におけるトラブル事例等に関する調査研究」 相手を意識したコミュニケーション力 の育成 ①画面の向こう側にいる不特定多数の相手の存在を 意識する。(トラブルの入り口に立っている!) ②相手を思いやる気持ちやモラルを身に付ける! ・児童、生徒の道徳的実践力を高める! 相手を意識 してね! (道徳の授業、日常のモラル指導を通して) ・認め合い、思いやりのある仲間づくり! (友だちのがんばり、個性、発表、人の命を尊重する雰囲気 づくり) ・コミュニケーション能力の育成などの推進! (ソーシャルスキルトレーニング等) 情報の特殊性による危険を知る ① 発信した情報は多くの人にすぐに広まる。 ② 違法情報や有害情報が含まれる。 “なりすまし”も起 こっているよ! ③ 書き込みが原因で、思わぬトラブルを招き、 傷害など別の犯罪につながる可能性がある。 ④ 一度流出した情報は、簡単には回収できない。 STOP “ストップ” ネットいじめ 2つの条件!! 子どもたち にとっての ① 相手を意識したコミュニケーション力 の育成 ② 情報の特殊性による危険を知る 学校、家庭両方で情報モラル教育を推進 未然に防ぐ ためには 子ども 学校での 家庭での 指導 指導 学校・家庭での情報モラル教育の推進が不可欠 学校でできること ①危険を避ける知識を習得! ②安全・安心に利用するための判断力や心構え を育む! ・アンケートを行い、児童・生徒の状況を把握する! ・情報モラルカリキュラムの作成。(各教科等への位置づけ) ・職員研修会で事例や対応策、法律的な知識の習得。 ・情報モラルの授業実践。 ・家庭での指導を啓発する。 (参観日・保護者会・懇談会・学級通信での発信) 家庭でできること ①家庭でのルールづくり! ②保護者としての立場、心がまえを明確に ・子どもを守るのは保護者の責任と認識する。 ・ 子どもと一緒に問題を考える。 ③情報モラルのスキルアップ! ・ネットトラブルの実態を学ぶ。 ・研修会、講演会等への参加 家庭での啓発が 重要!! 学校 情報モラル教育モデルカリキュラムの例 情報モラルカリキュラム (丹波市立竹田小学校) 題材(教科等) 5年 あんしんあんぜん情報モラルオンライン 「あなたの情報 簡単に教えていいの?」 (総) 6年 ほほえみ 「情報化社会を生きる」 (道) 安 アンケートに答えさせるようにして個人情報を集めるホームページが 情報モラルの目標か 存在することを知り、個人情報を大切にし、適切に対処することがで 道徳のねらい きるようにする。 題材(教科等) あんしんあんぜん情報モラルオンライン 「メールを便利に使おう」 (総) 倫 法 ネ ・メールの便利さや使うときのルール、マナーを理解する。 情報モラルの目標か ・パソコンのメールと携帯のメールの共通点や違いについて考える。 道徳のねらい ・メディアの特性にあった情報活用を心がけるようになる。 題材(教科等) 春野家ケータイ物語 第2 話「ケータイの ルールを家族で 話し合い」 (総) 安 情報モラルの目標か ケータイを使うときのルールを家族で話し合うことの大切さに気づく 道徳のねらい 題材(教科等) あんしんあんぜん情報モラルオンライン 「ネット依存に注意」 (総) 安 ・「ネット依存」とはどのような状態のことで、どのようなことを 情報モラルの目標か きっかけにしてなるものかわかる。 道徳のねらい ・ネット依存にならないために日頃から注意すべきことが理解でき る。 ネ 情報化の進展に伴っておこるさまざまな人権問題についての理解を深 め情報を適切に活用しようとする意欲や態度を育てる。 あんしんあんぜん情報モラルオンライン 「友達の情報も大切に」 (総) 倫 安 ・個人情報とはどのようなものであるかを知り、公開することの危険 性に気づく。 ・自分はもちろん、他人の個人情報にも慎重に対処する態度を身につ ける。 あんしんあんぜん情報モラルオンライン 「携帯電話5つの約束」 (総) 倫 法 ・携帯電話をめぐるさまざまな問題に目を向け、使うときのルールや マナーを身につける。 ・安全に携帯電話を使うために必要なことや守るべきことを理解し、 日ごろから注意して利用する態度を養う。 ネット社会の歩き方 10 「ネットいじめは人権侵害」 (道) 倫 法 安 ネ 他人の悪口等をネット上に流す行為の影響の大きさを理解し、発信し た情報が他人に二次利用される可能性があることや、取り返すことは 不可能であることを知る。 (安)安全への知恵 (倫)情報社会の倫理 (ネ)公共的なネットワーク社会の構築 (法)法の理解と遵守 「家庭のルール」(携帯電話)<青少年と保護者の比較> 家庭 ○平成24年度「青少年のインターネット利用環境実態調査」 平成25年1月(内閣府) 高学年になるほど、保護者と子どもの認識にギャップが大きくなる。 子どもと親が一緒に学ぶ場、考える場が必要。 親子でインターネット、携帯電話の ルール作りが大切 安全に、安心してインターネット、携帯電話を使うため には、どんなルールを決めておけばいいでしょうか。 • 料金については • 時間場所は • マナーは 携帯電話を使う 目的についてもね 家庭 見えるところ に貼っておこ う • 食事中や入浴中は携帯を使わない • 知らない人と会話やメールをしない • 写真を撮るときは相手に了解をとる • 違法なサイトからダウンロードしない • 不安や心配があればすぐに親に相談する • チェーンメールは無視する • フィルタリングを外さない TCA 社団法人電気通信事業者協会 保護者と一緒に考えるモデル教材 内容 「個人情報公開によるトラブル事例」 ねらい ・ネットの特殊性を学び、危険性を考える。 ・保護者と共に考え、情報モラルを身につける。 ・ネット上の情報活用における安全な使い方について学ぶ。 教材の活用 ・保護者と一緒にすすめる。 著作権は一般財団法人コンピュータ教育推進センターに帰属します。 http://www.cec.or.jp/net-walk/chu_ichiran.html 著作権は一般財団法人コンピュータ教育推進センターに帰属します。 http://www.cec.or.jp/net-walk/chu_ichiran.html ワークシート(例) 1.サヤカさん(写真)とカナさん(アドレス)の情報が出会い系サイトに 載ってしまったことで、これからどのような問題おこる事が考えられま すか?・いたずらメールが届く。 ・学校や、町で見知らぬ人から声をかけられる。 ・いじめられる。家から出たくなくなる。 ・家の方にも迷惑がかかっていく。 ネットの危険な部分と 被害について共通理 解を図る。 2.なぜこんなことになったのでしょう。 ・個人情報を載せたから。 ・ネット社会の危険な部分を考えてなかった。 3.おうちの方と一緒にプロフをつくってみましょう。 →ネットの危険性を考えながら一緒に作成する。 保護者の意見と子ども の意見を互いに尊重 4.注意したことはどのようなことですか? しながらすすめる。 ・個人が特定される情報は載せない。 5.おうちの方と一緒にネットを使う時の約束事を決めましょう。 ・情報を発信・活用するときの注意。 ・サイトを見るときに注意すること。 ・ネットを利用するときの約束 ルールを決める。 『まとめ』 (ネット上のいじめを未然に防止するために) ① ネットトラブルの現状を知る。 ② 学校・家庭で連携して情報モラル教育を 推進していく。 家庭での携帯電 話の必要性を考 えよう! 未然防止のためには、家庭 での指導が不可欠ですよ! ご静聴ありがとうございました 18
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