クォーク・グルーオンの色とクォークの閉じ込め 柴田研究室 1.ハドロンを構成するクォーク 2.色の自由度 QCD(量子色力学)では、クォークやグルーオンが色の 自由度をもっていると考える。 e μ e γ e 合成された色が無色の粒子のみ、ハドロンとして存在する。 無色の粒子としてのハドロン ・バリオン 杉谷 和亮 e μ ミューオン対生成 qf γ qf クォーク・反クォーク対生成 G R クォーク・反クォーク対生成とミューオン対生成の生成断面積の比Rをとることにより 、 クォークの色の自由度を求めることができる。 R:赤 B ハドロン G:緑 ・メソン G ・クォーク単体やグルーオン 単体として取 り出せない R σ e e q q σ e e q q f f 2 f R= = 3 z f σ e e μμ σ e e μμ f B:青 G 色の自由度 zf :フレーバーごとのクォークの電荷 BG 2 1 1 2 1 R 3 3 3 3 3 3 2 R クォーク・グルーオンの色 1000 クォーク R G u 100 2 d 2 s 2 c 2 b 3・6/9 RG 3・10/9 3・11/9 クォーク 10 R G 5 udsc 2 udscbt udscb ここのRの比は実験でもほ ぼ11/3となっている。 uds ・クォークは色の自由度を持っている。色は3種類ある。 1 0 ・グルーオンは色と反対の色を持つ。 1 2 3 10 5 GeV s ・グルーオンの色はクォークの間で交換される。 エネルギーを変えて、 R比を求める。 3.クォークの閉じ込め 4.超伝導との類似 クォークは単体で取り出すことができず、ハドロンの中にのみ存在する。 クォーク・反クォーク対のポテンシャル 磁石 V(r) 超伝導物質 r c 4 αs V kr 3 r r 写真:マイスナー効果 r :強い相互作用の結合定数 αs 電気力線と比較すると、 → E 1 ・r→0では V r + ・r→∞では + Vr → E - 磁力線が超伝導物質内部を貫く場合は、その貫いている部分 だけ超伝導状態が壊れている。超伝導状態を壊すのはエネル ギー的に不利なので、できるだけ磁力線は超伝導の領域を貫 かないようになる。したがって、磁力線が束になって物質の中を 貫くようになる。 - クーロン型のポテンシャル 線形ポテンシャル 例:.点電荷 例:.平行平板コンデンサー クォーク間の色電気力線 ・クォーク間に働く力は距離には依存せず一定なのでクォ ークを取り出すには無限のエネルギーが必要。 クォーク間のポテンシャルVに出てくる“k”はチャーム クォーク対の場合は1[GeV/fm]であり、単位長さ当り の場のエネルギーを意味している。 超伝導物質はある温度以下になると、超伝導物質に磁場を かけようとしても内部から磁場を排除しようとする性質を持って いる。この性質をマイスナー効果と呼び、写真のように磁石を 浮かせることができる。 色電気力線 q q 平行な束になる 磁力線が超伝導物質の内部で束になる性質は、クォーク間の 引力を与える色電気力線が束になることに対応している。
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