情報ネットワーク

情報ネットワーク
岡村耕二
http://okaweb.ec.kyushu-u.ac.jp/lectures/in/
IPv4 パケット
0
15
Version
IP
Header
Length
TOS
TTL
IP Packet Length
Flag
Identifier
Protocol
31
Fragment Off-set
Header Check Sum
Source Address
Destination Address
Option
TCP/UDP Data
情報ネットワーク
2
IPv4 パケット
• Version は、IPのバージョンを表し、現在は4 次期は6。
• IP Header Length はIPのヘッダ長を32bit単位で表す。
• TOS (Type of Service) サービスタイプは、IPデータグラムのサービスの
品質を表すもので、優先度の指定や、少ない遅延経路、高信頼性、高ス
ループットの経路の要求等を表す。
• Packet LengthはIPパケット全体の長さを表す。
• ID, Flag, Fragment offset…これらはIPパケットをフラグメント化、つまり
はより小さな単位に分割する際に利用される。 IPよりも更に下位に有る
層、つまり物理的なネットワーク層で、送信可能なパケットの最小単位が
より小さい場合がある。例えばethernetでは、最大1514bytesしか送れな
い。従って、それより大きなIPパケットを送る場合には、それを分割して送
る必要がある。
– IDは分割する前のIPパケットを認識するために用いる。
– フラグは分割して良いか否かや分割したIPパケットのうちの最後か否かを表
す。
– オフセットは分割前のパケットの中でのデータの位置を表す。
情報ネットワーク
3
IPv4 パケット
• TTL (Time To Live)は、ネットワーク上で通過可能なルータ
の数であり、一種のホップカウントとして利用される。ルータ
を通過する毎に一つずつ減らし、この値が0のパケットは配
送せずに廃棄される。
• Protocol は上位のプロトコルの種類を表す。例えば、1なら
ICMP、6ならTCP、 17ならUDP。
• Checksum は、何らかの理由でヘッダ情報がおかしくなった
場合にそれを検出する。
• Source address と Destination address は受信元アドレス
と送信先アドレスを表す。
• Optionは、タイムスタンプや経路情報等の記録に利用される。
情報ネットワーク
4
管理プロトコル
データ通信
Internet
ICMP
相手のIPアドレスに届かない。
相手のトランスポートアドレス(IPアドレス+ポート番号)に届かない。
情報ネットワーク
5
管理プロトコル
•
ICMP
– Internet Control management Protocol
– 送信したデータが届かなかった時、また何か障害があったときに利用されるプロトコル
•
•
Echo Reply、Echo Request
Destination Unreachable 宛先到達不可(宛先の相手が存在しなかった、もしく
は障害中)
–
–
–
–
–
–
–
–
•
•
•
Network Unreachable 、Host Unreachable
Protocol Unreachable 、Port Unreachable
Fragmentation Needed and Don‘t Fragment was Set Source Route Failed
Destination Network Unknown、Destination Host Unknown
Communication with Destination Network is Administratively Prohibited
Communication with Destination Host is Administratively Prohibited
Destination Network Unreachable for Type of Service
その他
Redirect ルート変更
Time Exceeded for a Datagram 時間超過
その他
情報ネットワーク
6
経路制御
#0
どっち?
・宛先アドレス
#1
・次ルータ
のテーブルを持ち、
宛先のパケットをどのインタフェースに
送信すればよいか決定する。
情報ネットワーク
7
経路表
133.5.10.0
アドレス 次ルータ
#R3 133.5.11.0 #R0
133.5.7.0 #R2
アドレス 次ルータ
133.5.11.0 #R1
133.5.7.0 #R2
次ルータ
#R0
0.0.0.0 特別なあて先
#R2
#R0
133.5.7.0
#R1
133.5.11.0
アドレス
0.0.0.0
アドレス 次ルータ
133.5.10.0 #R0
133.5.7.0 #R2
情報ネットワーク
8
静的制御と動的制御
• スタティックルーティング
–
–
–
–
ネットワーク管理者が手作業でルートを設定する
安定している
トラフィックや伝送障害の影響を受けない
ルーティングプロトコルのためのトラフィックが発生しない
• ダイナミックルーティング
–
–
–
–
自動的に経路を設定する
ネットワークの変化に自動的に対応
自動的に最適な経路を選択
障害時にバックアップ経路に自動切換え
情報ネットワーク
9
ルーティングプロトコルの必要性
• ネットワークの変化に対応しなければならな
い
• 設定が多くて面倒
• 自動的に最適経路を選択できる
– あまりにも複雑なネットワークトポロジー
• 自動的にバックアップ経路を選択できる
– 障害に強いネットワーク
情報ネットワーク
10
経路制御プロトコル
• AS (Autonomous System)
– 自律的に運用されるネットワーク
– 16ビット
• IGP (Interior Gateway Protocol)
– AS 内での経路制御
– 小規模なネットワークが対象。
– RIP,OSPF
• EGP (Exterior Gateway Protocol)
– AS 間での経路制御
– 大規模なネットワークが対象。
– BGP
情報ネットワーク
11
経路制御の基本
• 経路制御:自らの情報を外部にアナウンスす
ることにより自分の位置を他人に知らせる。
133.5.10.0/24
情報ネットワーク
12
AS,IGP,EGP
• 新しいネットワークの追加、構成の変更を自動的に反映した
い。
• 変更があれば、その情報を他のルータに知らせる必要があ
る。
• ネットワークが細かければ、経路制御のパケットがたくさん流
れてしまう。
• ASは「小規模」なので、そのようなたくさんの経路制御のパ
ケットが流れるのを許す。
– IGP
• AS間ではこのような細かいパケットがたくさん流れないよう
にする。
– EGP
情報ネットワーク
13
AS と EGP
• AS (Autonomous System)
– ポリシーの単位
• EGP (Exterior Gateway Protocol)
– AS 間でのポリシーに従った経路制御
• どこを通りたいか、通りたくないか。
• 通せないトラフィックは通さない。
情報ネットワーク
14
ポリシーに従った経路制御
韓国研究ネッ
トワーク
東京大学
APAN
(学術・研究開
発)
(研究開発)
QGPO
P
SINET
(学術)
(研究開発)
九州大学
(学術・研究開
発)
情報ネットワーク
OCN
(商用)
15
経路制御プロトコル
• IGP
– RIP (Routing Information Protocol)
• 距離ベクトル
– OSPF (Open Short Path Fast)
• リンクステート
• EGP
– BGP (Boarder Gateway Protocol)
• PATH ベクトル
情報ネットワーク
16
RIP (Routing Information Protocol)
経路表
DST
Next Metric
133.5.10.0/24 #R0
1
133.5.10.0/24 #R1
2
133.5.10.0/24
#R2
#R0
#R1
情報ネットワーク
17
RIPで管理される情報
• ルーターのテーブルに登録されているレコード情報
– destinationのIPアドレス
– next hop(destinationへの最初のルータ)
– metric(1から16までの整数値)
– route change flag(最近のルートの変更の有無)
– タイマー
– (RIP2ではsubnet mask)
情報ネットワーク
18
障害の発生とタイマー
133.5.7.0
R
180秒間アップデートメッセージが
こないとルートのメトリックが16になり、
ガーベジコレクションタイマ-が起動。
120秒経過するとルートは削除される。
障害発生!
133.5.17.0
情報ネットワーク
19
その他にルートがあればそちらを選択
133.5.7.0
R
その他の
ルート
Metric = 16
Metric ≦ 15
133.5.17.0
情報ネットワーク
20
RIPの問題点
• 自分が広告されたルータを通るルートを、そのままそのルー
タに広告して返すことに問題がある。
133.5.10.0/24
#R0
#R2
#R1
DST
Next Metric
133.5.10.0/24 #R0
1
133.5.10.0/24 #R2
3
情報ネットワーク
DST
Next Metric
133.5.10.0/24 #R1
2
21
RIPの問題点
• 自分が広告されたルータを通るルートを、そのままそのルー
タに広告して返すことに問題がある。
133.5.10.0/24
#R0
#R2
#R1
DST
Next Metric
133.5.10.0/24 #R0
1
133.5.10.0/24 #R2
3
情報ネットワーク
DST
Next Metric
133.5.10.0/24 #R1
2
22
Split Horizon
• Simple Split Horizon
– 広告されたルーターを通るルートをアップ
デートメッセージでは省略する。
• Poison Reverse Update
– 到達できないネットワークのメトリックを無限大
(15)にして、到達できないことを示す。
情報ネットワーク
23
Simple Split Horizon
• 広告されたルーターを通るルートをアップ
デートメッセージでは省略する。
133.5.10.0/24
#R0
#R2
#R1
DST
Next Metric
133.5.10.0/24 #R0
1
情報ネットワーク
DST
Next Metric
133.5.10.0/24 #R1
2
24
Poison Reverse Update
• 到達できないネットワークのメトリックを無限
大 (15)にして、到達できないことを示す。
133.5.10.0/24
#R0
#R2
#R1
DST
Next Metric
133.5.10.0/24 #R0
1
情報ネットワーク
DST
Next Metric
133.5.10.0/24 #R1
15
25
Triggered Update
• ネットワークに変更があった場合30秒のタイ
マーを待たずして経路を広告する。
133.5.10.0/24
#R0
#R2
#R1
DST
Next Metric
133.5.10.0/24 #R0
1
情報ネットワーク
DST
Next Metric
133.5.10.0/24 #R1
15
26
RIP2で拡張された機能
• Subnet Maskのサポート
– VLSM(Variable Length Subnet Mask)が利用できる
• ルートタグ
– AS間のEGP、BGPなどから利用する
• 認証機能
• マルチキャスト
– 224.0.0.9がルーター間で定期的な情報交換に使われる
• Next Hop
– 全てのルーターでRIP2が機能していない場合に効率的
RIP2
RIP2
OSPF
情報ネットワーク
OSPF
27