日本海学(第4回) 中国経済発展の光と影

日本海学(第4回)
中国経済発展の光と影
中国の実像
中国の高成長の要因
1978年12月 改革開放政策の決定
改革(農業分野から~請負制の導入)
開放 貿易権限の委譲
外資導入
計画経済から徐々に市場経済に
92年 鄧小平の南巡講話
市場経済の加速 社会主義市場経済
機会をつかめ~先富論
拡大するGDP
GDP成長率(1978=100)
1300
1100
900
700
500
300
中国統計年鑑2006 p.60
GDP
一人当たりGDP
20
04
20
02
20
00
19
98
19
96
19
94
19
92
19
90
19
88
19
86
19
84
19
82
19
80
19
78
100
中国の変貌
1970年代までは
*一人当たり所得300ドル(最貧国)
*2億5000万人が貧困人口
*閉鎖経済
1978年末 改革開放政策
21世紀の今日
*世界第2位の貿易大国
*購買力平価でみたGDPは世界2位
経済大国となった中国
05年のGDP 2兆2289億ドル(世界4位)
(日本は4兆5059億ドル)
2013年には日本を抜くか?
(一人あたりGDPは日本の10分の1)
購買力平価では05年でも
中国8.5兆ドル(日本3.9兆ドル)
米国(12.4兆ドル)に次ぐ
「世界の工場」「世界の市場」
直接投資の導入
労働集約産業→世界の工場
(所得の増加、規制緩和)
中国国内市場を狙った案件の増加
「世界の市場」に
中国の外資導入
億ドル
件数
1800
1600
1400
1200
1000
800
600
400
200
0
90000
80000
70000
60000
50000
40000
30000
20000
10000
0
3 85 87 89 91 93 95 97 99 01 03 05
8
19 19 19 19 19 19 19 19 19 20 20 20
中国統計年鑑各年
契約金額
実際投資金額
契約件数
日本の対中投資
5000
4500
4000
3500
2500
2000
1500
1000
500
財務省統計
製造業
非製造業
16
15
14
13
12
11
10
9
8
7
6
5
4
3
2
成
元
年
0
平
億円
3000
直接投資導入の問題点
賃金、土地代の上昇
電力不足(とくに華東地域、毎年北陸電力5つ
分以上を増設する必要)
選別的に(?)
税金(内外統一)(二免三減もなくなる)
中国の対外投資(走出去)
→開発輸入を中心に
GDPと賃金指数
20
15
%
10
GDP
職工賃金
5
0
79 981 983 985 987 989 991 993 995 997 999 001 003
9
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
1
2
2
-5
-10
出所)「中国労働統計年鑑2004」p.6
最低賃金の上昇状況(2006年)
(
)は2007年
新最低賃金(元) 旧最低賃金(元)
上昇率(%)
深圳
700, 810(850)
580, 690
広州
780
684
14
9月1日
東莞
690
574
20
9月1日
珠海
690
574
20
9月1日
仏山
690
574
20
9月1日
中山
690
574
20
9月1日
北京
640(730)
580
10
7月1日
上海
750(840)
690
8.7
9月1日
天津
650,670(740)
570,590
大連
500~700
地域ごと3段階
380~500
地域ごと3段階
17-20
改定日
13-14
31-40
7月1日
4月1日
8月1日
-2000
輸出
輸入
中国海関統計
貿易収支
20
06
20
04
20
02
20
00
19
98
19
96
19
94
19
92
19
90
19
88
19
86
19
84
19
82
19
80
19
78
億㌦
対外貿易
12000
10000
8000
6000
4000
2000
0
米国の貿易赤字(8181億㌦)
-72.8
-312.3
-232.6
-64.1
-47.8
-88.5
カ ナダ
中国
メキシコ
日本
ドイ ツ
その他
対外貿易の問題点
*貿易摩擦の激化
*知的財産権
*安全性の問題
(China Free)
「和諧」を目指す中国
農村・都市省別純収入格差
18000
21.6倍
16000
14000
12000
元
10000
8000
9.7
12.1倍
6000
4000
2000
7.1倍
0
農村
都市
中国統計年鑑
84貴州
03貴州
84上海
03上海
都市住民の収入
35000
30000
20000
15000
10000
5000
0
19
90
19
91
19
92
19
93
19
94
19
95
19
96
19
97
19
98
19
99
20
00
20
01
20
02
20
03
20
04
20
05
元
25000
最高収入
高収入
中の上
中の中
中の下
低収入
最低収入
困難
東部
中部
西部
面積
13.52
29.71
36.77
人口
41.07
35.84
23.09
GDP2000
59.32
27.07
13.62
GDP2005
61.69
25.41
12.90
2000
59.92
23.23
16.86
2005
59.12
25.57
15.32
92.53
4.83
2.64
85.9
9.9
4.3
85.8
10.1
4.1
固定資産投資
輸出入総額
外資導入1993
2005
農村の貧困問題
扶貧工作(農村の貧困人口を助ける)
78年(2億5000万人)→00年(2200万人)
1998~2002年 貧困救済に1245億元投入
温飽(衣食が満ち足りた社会)に達せず。
(うち700万人が基本的生存条件すらなし)
04年末 絶対貧困人口 2610万人
都市近郊の農村→都市で農作物を自由市場で
販売(現金収入)
沿海地域の農村→郷鎮企業の発展
06年末の農村の絶対貧困人口2148万人
(05年より217万人減)
貧困人口は3550万人(517万人減)
両者で農村人口の6%
絶対貧困水準 年収693元(05年は683元)
貧困水準958元(05年は944元)
絶対貧困人口東:中:西=12.5:32.8:54.7
(西部が3.9ポイント上昇)
(『中国信息報』2007年4月9日)
農民の家庭収入
1995
2000
2004
2005
100元未満
0.21
0.31
0.40
0.65
100-200
0.36
0.20
0.13
0.11
200-300
0.78
0.43
0.21
0.20
5000元以上
2.26
7.45
15.02
18.96
2006年の環境・資源状況
(『中国信息報』2007年3月3日)
*土地(耕作地は18.31億畝(1.3億ha)
一人当たり耕地1.39畝(=約9アール)
世界平均の40%
06年 耕地の減少30.6万ha(耕地の0.2%)
↓(05 年 36.2万 ha)
建設用 16.7万ha(20.1%増)
災害 3.6万ha 退耕還林 33.9万ha
*水
水資源総量 2兆5500億㎥(9.1%減)
一人当たり 1945㎥(9.6%減)
cf.日本の一人当たり水資源3500㎥
年間の平均降水量604mm(6.2%減)
3578万人と2936万頭の大型家畜の飲み水困
難に
*一人当たり森林面積 世界の1/4より小
一人当たり森林蓄積量 世界の1/6より小
進む砂漠化
90年代 毎年 2674㎢ (神奈川県の面積
00年代 毎年 3436㎢ (大阪の2倍)
砂漠化面積 174万㎢(全国の18.1%)
(『中国信息報』07年6月19日)
水汚染
都市生活廃水、工業廃水、農薬や化学肥料の
大量使用→水質汚染
汚水排出量80年(310億㌧)→97年(584億㌧)
汚水の80%程度は処理されず
中国環境保護報告(『経済日報』06.6.6)
95年に比べて2004年にはGDP1単位あたり
工業廃水 58%減
0.98倍
二酸化硫黄 55%減
1.05倍
粉塵など 39%減
1.43倍
しかしGDPは2.34倍