データベース論2004年 授業科目名:データベース論,データベース特論 授業題目:データベースの基礎理論と実際 担当:井川 信子 2004/4/14 y2004DB 論(井川) 1 授業の目標・概要 今日,インターネットやモバイルコンピューティングな どIT化が進んでいる そこで扱う中心は,社会活動から産み出される”情 報”である. この情報をいかに有意義に活用できるようにするか の鍵を握る1つの要素が,データベースシステムで ある. 本講ではこのデータベースシステムの基本概念を 実例を通して学習する. 2004/4/14 y2004DB 論(井川) 2 授業スケジュール 1.データベースシステムの概要【第1回~4回】 • • • • • • 2.リレーショナルデータベースとSQL【第5回~9回】 • • • • • (1)情報システムにおけるデータベース (2)ファイルからデータベースへの転換 (3)データベースの骨格であるデータモデル (4)データベース概要設計 (5)DBMSとは,DBMSの基本機能 (6)DBMSの実装 (1)リレーションとは (2)表の作り方と正規化 (3)リレーショナルデータベースの標準言語SQL (4)SQL操作 (5)ハッシングとBツリーインデックス(性能向上手法) 3.データベースの活用形と新技術【第10回~13回】 • • • • • • • 2004/4/14 (1)トランザクションと周辺技術 (2)クライアント/サーバーにおけるデータベース (3)分散データベース (4)WWW連携のデータベース (5)オブジェクト指向とデータベース (6)データウェアハウスの進展 (7)ネットワークの進展とデータベース y2004DB 論(井川) 3 教材,テキスト,参考書 1.北川博之著「データベースシステム」 昭晃堂,1996 2.増永良文著 「リレーショナルデータベース入門 ―データモデル・SQL・管理システム」(新訂版) サイエンス社,2003 3.栗林誠也著「データベースちょ~入門」 広文社,1999, など講義中にも適宜紹介する. 2004/4/14 y2004DB 論(井川) 4 成績評価の方法,要望等 レポート(含む:授業中にも提示する課題) 出席 授業用公開ページ: http://www.twcu.ac.jp/~ikawa/ 2004/4/14 y2004DB 論(井川) 5 1.データベースシステムの概要 (1)情報システムにおけるデータベース 給与計算に始まり,顧客管理,在庫照会,生産 管理,設計,経営分析,意思決定,電子商取引, オンラインショッピング,コミュニケーション, ・・・・・・・・ これらの情報システムはデータベースを中心に 構成されている 2004/4/14 y2004DB 論(井川) 6 データベースとは 軍事用語の補給基地(base)が語源と考えら れる 情報を処理するコンピュータに対して,データ を供給するシステム ビジネスの場面では,『企業活動に必要な データの集まり』と考えられる 2004/4/14 y2004DB 論(井川) 7 データは情報ではない データとは,「人間または自動的手段によって行わ れる通信,解釈,処理に適するように形式化された 事実,概念または指令の表現」(日本工業規格JIS 定義):ある事実を文字で表したもの 事実 データ (形式化された事実) 株価, ダウ平均 株価=>10000 1ドル=>107 2004/4/14 y2004DB 論(井川) 情報 人間がデータに わりあてた意味 (投資家)行動を起こす 8 データから情報をうむシステム データとは,事実や資料 インフォメーションとは,通知やちょっとしたお知らせ インテリジェンスは,知性や思考力+情報や報道 データの中からインテリジェンスを引き出す. 株価, データ ベース 組合せ 宣伝企画 統計, 売り上げ 記録,... 2004/4/14 販売戦略, 新聞購読 断片的なデータの集まり y2004DB 論(井川) 新製品,流行 を読む... 組合せ は人間 のノウハ ウ 9 コンピュータの進歩=>情報化の推進 =>データベースも進化する 1945 1950 真空管 世界初のコンピュータ 1960 1970 1980 1990 トランジスタからIC.LSIへ 超LSI時代へ パソコン登場 パソコン普及 ミニコン・ワークステーション OA化 データベース の登場 企業へ導入 進む UNIXの誕生 ダウンサイジング ネットワーク化 大型コンピュータによる ミニコン オフコン パソコン 高速計算 ⇒ 生産部門の電子化⇒ 事務部門のOA化⇒本格的な情報社会 データベースの普及に歩調を合わせ,企業全体の情報化,本格的な情報社会の スタート 2004/4/14 y2004DB 論(井川) 10 1.データベースシステムの概要 (2)ファイルシステムからデータベースへの転換 従来,会社の従業員名簿は従業員ファイル, 売り上げ集計データは,売り上げファイル, これらデータの集まり(ファイル)を管理していた. ファイルはプログラムへ個別対応なので, 同一データでもファイル形式をプログラムにあわ せる:データ処理するファイル数の分プログラム が必要であった. 2004/4/14 y2004DB 論(井川) 11 ファイルシステムからデータベースへの変換 問題点2)複数のファイルに重複して同じデータが存在 する. 売上集計ファイル 製品コード 製品名 単価 出荷日 顧客ID A 0012 モップ 800 1/30 S S 002 A 0202 ポリバケツ 700 1/30 S S 002 B 0233 タライ 900 2/22 ER 120 在庫管理ファイル 製品コード 製品名 単価 A 0012 モップ 800 A 0202 ポリバケツ 700 B 0233 タライ 900 製造管理 関東工場 関西工場 関東工場 ⇒ 集計用 プログラム 製造管理 在庫数 出荷類型 関東工場 66 250 関西工場 55 120 関東工場 50 88 ⇒ 在庫管理 プログラム データの重複 2004/4/14 y2004DB 論(井川) 12 まずはデータありき データに目線を移す プログラムとデータの独立 会社共通のデータファイル 在庫ファイル データベース 売上ファイル 受注管理ファイル 2004/4/14 y2004DB 論(井川) 13 データベースの必須条件 データの重複がない プログラムとは独立している 複数のプログラムで共通に使える データの一元管理ができる データの一貫性が保てる 2004/4/14 y2004DB 論(井川) 14 演習問題1 (1)身近なデータベース事例(Web検索して も良い)を簡単に説明しなさい. (2)ファイルとデータベースの違いを説明しな さい 提出は電子メールで: 宛先は [email protected] 件名に課題番号(database-1)を, 必ず,署名をいれること. 2004/4/14 y2004DB 論(井川) 15
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