会社法序論

第4回 商法Ⅰ
前回の内容
商法の基本「30分で理解する会社法・商法の基本構造」
商法のための民法入門 公法と私法
基本ルールブックとしての民法
特別ルールとしての商法
商法とは何か
商法の基本概念 商法の特徴
商人
商行為
商法のための民法入門 権利と義務
1 物に対する権利(物権)
私人 vs 私人
対等な者同士の横の関係
権利・義務の形で規律
商法のための民法入門 権利と義務
1 物に対する権利(物権)
自分の物を自分が自由に使う権利
他人の行為を必要としない
商法のための民法入門 権利と義務
1 物に対する権利(物権)
自分の物を自分が自由に使う権利
商法のための民法入門 権利と義務
2 債権と債務
債権
債権者
債務者
債務
お金を貸した人
お金を借りた人
商法のための民法入門 権利と義務
2 債権と債務
債権
債権者
お金を貸した人
債務者
債務
お金を借りた人
商法のための民法入門 権利と義務
2 債権と債務 消費貸借契約
10万円を利息年5%で3ヶ月貸します
債権者
意思表示が合致
借ります
目的物の引渡
契約成立
債務者
商法のための民法入門 権利と義務
2 債権と債務 消費貸借契約
利息制限法
出資法
金利のグレーゾーン
セールスとは違います
営業とは?
商法上の営業とは?
個人商店Aは、資金難に陥り、Aにとって重要な
財産をすべてBに一括譲渡した。
これによって、Aはまったくその営業をすること
ができなくなるか、少なくてもその規模を大幅に
縮小しなければなくなるのだが・・・
事業譲渡(営業譲渡)(144頁~)
譲渡人
譲受人
企業を売る=事業譲渡
企業がもっている財産を売る
商法上の営業
営業とは?
商法上の営業とは?
1 営業を活動面から捉えたもの
2 営業を組織面から捉えたもの
営業活動
営業の自由(憲法22条1項)
営業の自由が保障され、何人も自由に営業をな
し、または営業を終了することができる
公共の福祉による制約
組織体としての営業
長期にわたって継続
組織が強化
営業主と関連生が薄まり
十分に機能しうる独立の価値
事業譲渡(営業譲渡)
企業を売る=事業譲渡
組織体としての営業を契約によって、他に
移転すること
営業の主体たる地位を他に移転すること
事業譲渡(営業譲渡)の効果
譲渡人
譲受人
企業を売る=事業譲渡
企業経営に重大な影響
対抗要件
第三者
事業譲渡(営業譲渡)の方式
事業譲渡契約
事業譲渡(営業譲渡)の方式
新会社法467条1項(事業譲渡等の承認等)
株式会社は、次に掲げる行為をする場合には、当
該行為がその効力を生じる日の前日までに、株主
総会の決議によって、当該行為に係る契約の承認
を受けなければならない。
事業譲渡(営業譲渡)の方式
新会社法309条2項(株主総会の決議)
前項の規定にもかかわらず、次に掲げる株主総会
の決議は、当該株主総会において議決権を行使
することができる株主の議決権の過半数を有する
株主が出席し、出席した当該株主の議決権の三
分の二以上に当たる多数をもっておこなわなけれ
ばならない。・・・
競業避止義務
譲渡人
譲受人
企業を売る=事業譲渡
経済価値の喪失
譲渡した営業と同一の営業
事業を譲渡した場合の競業の禁止
新会社法21条1項(譲渡会社の競業の禁止)
事業を譲渡した会社は、当事者の別段の意思表
示がない限り、同一の市町村の区域内及びこれに
隣接する市町村の区域内において、その事業を譲
渡した日から二十年間は、同一の事業を行っては
ならない。
事業を譲渡した場合の競業の禁止
新会社法21条2項(譲渡会社の競業の禁止)
譲渡会社が同一の事業を行わない旨の特約をし
た場合には、その特約は、その事業を譲渡した日
から三十年の期間内に限り、その効力を有する。
事業を譲渡した場合の競業の禁止
新会社法21条3項(譲渡会社の競業の禁止)
前二項の規定にかかわらず、譲渡会社は、不正
の競争の目的をもって同一の事業を行ってはなら
ない。