コンピュータ入門

ITA 2009
第13回 ネットワークの基礎(1)
<定義>
● LAN (Local Area Network)
同じ敷地内にあるような局所的なネットワーク
● WAN(Wide Area Network)
本社・支社間など建物・敷地を越える遠隔地にあるLAN
やコンピュータ を電話回線や専用回線などで結んだネッ
トワーク
● Internet
全世界のネットワークを相互に接続した巨大なコンピュー
タネットワーク。
LAN、WAN、Internet
A国
プロバイダY
B国
LAN
LAN
C社
プロバイダX
D大学 LAN
LAN
F社
UNIVERSITY
E社京都支店
G大学
WAN
専用回線
E社東京本店
LANの接続形態
バス型:原型はこの形、同軸ケー
ブル使用。1本のケーブルに間
隔おいてPCを接続。
(10BASE-5、10Base-2)
リング型:PCをリング状に接続
し、
送信するデータを巡回させ、
転送する。トークン使用(トーク
ンリングなど)
スター型:ほとんどのLANはこの
形。何本ものケーブルを1つに
束ねる集線装置(ハブ)を中心
に置きPCを接続。(10BASET、
100BASE-TX、1000BASE-T)
パケット輸送
• データ → パケットに分割して、ネットワークに流
パケット1 パケット2
す。
データ
MACアドレス
IPアドレス
ポート シークエ
番号 ンス番号
データ
MACアドレス: ネットワーク機器につけられた識別番号
IPアドレス: パケットに割り振られた送り先を一意に識別できるアドレス
家庭LAN
ピアツーピア型
Internet
ADSL回線
スプリッタ
ADSLモデム内蔵
無線アクセスポイント
無線
10/100BASE-T
Hard Disk
PC 1
PC 2
プリンタ
LAN構築の利点
1)ハードウェア資源の共有
プリンタ、外部記憶装置
(HardDisk、MO)
2)情報資源の共有
文書ファイルなどを複数のPCから
利用できる
3)複数のPCより同時にインターネッ
トへ接続可能
クライアント・サーバ・システム
クライアント
サービス要求
サーバ(メール、WWWなど)
利用者識別, アクセス権制御
セキュリティ強化
サービス提供
サーバに処理依頼
CPU等負荷軽減
Peer to Peer: PC同士お互い対等のネットワークの意
(例:WindowsのLAN、MacintoshのLAN)
TCP/IP通信プロトコルの階層
階層
アプリケーション層
プロトコル
トランスポート層
HTTP、FTP、SMTP、POP3
DNS、DHCP、PING、
TELNET
TCP、UDP、ICMP
インターネット層
IP、ARP、ICMP
ネットワークインター
フェイス層
Ethernet、ISDN、ADSL
RS232C
TCP/IP
(Transmission Control Protocol /Internet
Protocol)
こ れ を 使 え ば 、 あ ら ゆ る 機 種 ( Windows 、
Macintosh、UNIX等)のコンピュータ同士で通信で
きる。
インターネットでは標準のプロトコル
WWW、メールなど(プロトコルとは通信するための
取り決め)
インターネット利用時には複数のアプリケーシ
ョンが同一のPC上で同時に通信を行うことが可
能(ポート番号の概念)
インターネットの歴史
 ARPANET(1960年代後半) 米国国防総省
軍事用ネットワーク、
中央集権型→分散型ネットワーク
 NSFNET(1986年) 全米科学財団
学術ネットワークに発展
 CERN(1991年) 欧州合同原子核研究機構
T.Berners-Lee氏によるWWWの発明
(ハイパーテキスト、リンク)
 日本でのプロバイダ接続(1992年)
商用インターネットサービス開始
 Mosaic(1993年)
WWWブラウザ(画像表示も可能)の登場
20
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1
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08
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1月
02
20
インターネット接続形態の推移
16,000,000
14,000,000
12,000,000
8,000,000
4,000,000
xDSL
10,000,000
FTTH
6,000,000
CATV
2,000,000
0
ブロードバンド加入者:約2,874万人(内訳:xDSL加入者;約1,271万人、
CATV加入者;約387万人、FTTH加入者;約1,215万人、その他:約1万人)
2008年3月総務省調査より
アプリケーション(TCPの上位)例
HTTP (HyperText Transfer Protocol)(80)
ホームページの閲覧
FTP(File Transfer Protocol)(20,21)
ファイルの送受信
ホームページのアップロード
SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)(25)
電子メール(E-Mail)の送信
POP(Post Office Protocol)(110)
メールサーバからメールの受信
アプリケーション(UDPの上位)例
DNS (Domain Name Service)(53)
URL (Uniform Resource Locator)と
IPアドレスの対応
(例)
202. 223 . 162 . 5 (Cクラス)
ネットワーク部 ホスト部
senna . kyoto - phu . ac . jp
ホスト名
ドメイン名
DHCP
(Dynamic Host Configuration Protocol)
IPの設定をネットワーク機器に
自動的に割り当てる
アプリケーション(TCPの上位)例
HTTP (HyperText Transfer Protocol)
ホームページ、ポート番号80
HTTPS(Hyper Text Transfer Protocol over SSL)
会員情報やクレジットカード番号入力、
ポート番号443
FTP(File Transfer Protocol)
ファイルの送受信、HPのアップロード
ポート番号20(データ転送),21(転送制御)
SMTP(Simple Mail Transfer Protocol)
電子メールの送信、ポート番号25
POP(Post Office Protocol)
電子メールの受信、 ポート番号110
DNS (Domain Name Service)
URL とIPアドレスの対応、ポート番号53
DNSによる名前解決の仕組み
STEP1
STEP2
STEP3
“.jp”のDNSをどこが管理しているかルート
ネームサーバに問い合わせ
“.jp”用DNSサーバ
“.co.jp”のDNSをどこが管理しているか
“.jp”用DNSサーバに問い合わせ
“aaa.co.jp”
DNSサーバ
STEP4
“www.yahoo.co.jp”
について自社サーバ “www.yahoo.co.jp”
について“aaa.co.jp”
に問い合わせ
DNSサーバが返答
AAA社
クライアント
ルート(.)用DNSサーバ
“.co.jp”用DNSサーバ
“.yahoo.co.jp”のDNSをどこが管理しているか
“.co.jp”用DNSサーバに問い合わせ
“yahoo.co.jp”用DNSサーバ
“www.yahoo.co.jp”のIPアドレスが何か
“.yahoo.co.jp”用DNSサーバに
問い合わせ
情報セキュリティについて
家庭でのセキュリティ
インターネットサーバ
(Web,メールなど)
Internet
ADSL回線
無線
10/100BASE-T
PC 1
Hard Disk
PC 2
プリンタ
インターネット利用(I)
インターネット自体通信に関して不特定多数のユーザが利用する
ことが考慮されていない。→「セキュリティ」に関する機能実装なし
盗聴: 通信経路を流れる情報を傍受、不正に情報を取得する行為
改ざん:サーバを異常な状態にする、あるいは管理者権限を奪取し、
Webサーバであれば、ホームページの書き換え、メールサーバ
であれば、メールの内容を書き換えること
なりすまし:他人のユーザIDやパスワードを盗用し、その人のふり
をしてネットワーク上で活動すること。本来その人しか見ることが
できない機密情報を盗み出したり、悪事をはたらいてその人の
せいにしたりすること。
インターネット利用(II)
DoS攻撃(Denial of Service): 大量不正アクセスにより、サーバを
サービス停止に追い込む攻撃型不正アクセスのこと
踏み台:管理者が気づかないうちに第三者に乗っ取られ、不正アク
セスや迷惑メール配信の中継地点に利用されているコンピュータ。
踏み台としてサーバを悪用しているユーザは自らの侵入行為や
メール配信の痕跡を消すのが通例で、そのコンピュータの本来の
持ち主が不正行為を働いているように見せようとする場合もある。
対策
サーバのセキュリティホール対策、ファイアウォールの導入
ネットワークの監視、サービスの暗号化、ウイルス対策
NAT/IPマスカレード
NAT(Network Address Translation)
外部ネットワークIPアドレスと内部ネットワークIPアドレス
1対1で変換 グローバルIPアドレスを多数用意する必要あり
イーサネット
外部ネットワーク
PWR
WIC0
ACT/CH0
WIC0
ACT/CH0
ETH
ACT
OK
ACT/CH1
ACT/CH1
COL
210.125.100.80
210.125.100.81
210.125.100.82
1対1
192.168.1.10
192.168.1.11
192.168.1.12
IPマスカレード
外部ネットワークIPアドレスと内部ネットワークIPアドレス
1対多で変換 グローバルIPアドレスを多数用意する必要なし
1対多
210.125.100.80
外部ネットワーク
192.168.1.10, 192.168.1.11, 192.168.1.12
PWR
WIC0
ACT/CH0
WIC0
ACT/CH0
ETH
ACT
OK
ACT/CH1
ACT/CH1
COL
イーサネット
電子メールのセキュリティ
盗聴、なりすまし、改ざん、破壊(ウイルスな
どによる)、迷惑メール(スパムメール)
対策
不審な添付ファイルを開かない
ウィルス対策ソフト(定義ファイル最新)
メールソフトの適切な設定・更新
チェーンメールを転送しない
暗号化、ディジタル署名
無線LAN利用時のセキュリティ
• アクセスポイントの発見
• 盗聴されやすい
• 無関係なユーザに使われやすい
対策
1. SSID情報を見せない設定にかえる(「ANY」の禁
止)、電波強度を下げる
2. WEP(Wired equivalent privacy)暗号、WPA(WiFi protected access)暗号を使用
3.MACアドレス登録
その他のセキュリティ
● FD、CD、MO、USBフラッシュメモリなどからのウィルス感染
● スパイウエア(個人情報の漏洩)
● スパムメール(広告情報、アダルトサイトなど)、
● フィッシング詐欺(別のWebページに誘導、クレジットカード情報
や個人情報などを盗む)
対策
○ ウィルス対策ソフト(スパムメール対策機能、個人情報保護機
能)やスパイウエア対策ソフト(常に最新)
○ パーソナルファイアウォールの導入
その他
○ パスワードの管理
○ バックアップの重要性
暗号化(I)
1.共通鍵暗号方式
Internet
B氏
A氏
お元気
暗号化
ですか?
%A-3hoe
giAW?
%A-3hoe 復号化
giAW?
暗号化&復号化の際に同一の鍵(秘密鍵)を用いる
お元気
ですか?
暗号化(II)
2.公開鍵暗号方式
Internet
B氏
A氏
お元気
暗号化
ですか?
%B-45e
RL&W?
B氏公開鍵
%B-45e 復号化
RL&W?
お元気
ですか?
B氏秘密鍵
暗号化(B氏公開鍵)&復号化(B氏秘密鍵)を別の鍵で行う
「個人情報保護に関する法律」
• いわゆる「個人情報保護法」であり、2005年4月より施行
される。
• 具体策は各企業の判断とはいえ、運用を間違えると高額
な損害賠償金を支払うことになる。
• 原則として、
1)職務分掌と権限、2)本人確認、3)Need to Know(必要
に応じたアクセス)とLeast Privilege(最小特権)、4)脆弱
性の管理、5)記録の採取と監視・検査
詳しくは経済産業省HPより
http://www.meti.go.jp/policy/it_policy/privacy/
「企業と個人情報保護法」(約25分)啓発ストリーミングビデオ
著作権について
• 著作権の保護期間は著作物の(創作)の時
から始まる。著作権は原則として、著作者
の死後(50)年を経過するまで存続する。
• 無名、変名、団体名義の著作物は公表後
(50)年、映画の著作物は公表後(70)年と
なっている。
家庭でのセキュリティ
インターネット通信暗号化
(SSL、SSL-VPNなど)
Internet
ADSL回線
インターネットサーバ
(Web,メールなど)
httpsのサイトで個人情報
のやり取り(フィッシング注意)
MACアドレス制限、ESS-ID、
WEP(orWPA)暗号化
ブロードバンドルータの導入
無線
ウイルス対策ソフト(定義ファイルの定期的更新)
10/100BASE-T
Hard Disk
PC 1
PC 2
ファイル・データの暗号化
プリンタ