「多職種協働による在宅チーム医療を担う人材育成事業」 飯伊圏域 市部・西部ブロック研修会 これからの地域包括ケア(医療・看護・介護の連携) を考える研修会 (平成26年12月20日) 研修の目的 ・これからの「在宅医療・地域包括ケア」は何を目指しているのかを学ぶ。 ・飯田市及び下伊那西部における地域包括ケアの在り方を描くため、私たち が取り組むべきそれぞれの地域課題を多職種が共有する。 ・これからの在宅チーム医療・地域包括ケアを進めるため、その地域の関係 スタッフが「顔の見える連携体制」を構築する。 「多職種協働による在宅チーム医療を担う人材育成事業」 飯伊圏域 市部・西部ブロック研修会 第Ⅰ部 シンポジウム 「在宅医療・地域包括ケアが目指すもの」 「飯田市及び下伊那西部地域の高齢者を取巻く課題」 「入院から在宅へ、現状と課題」 阿南病院 藤岡文夫副院長 飯田市長寿支援課 原章課長 健和会病院 退院調整看護師 井原裕子看護課長 「地域包括ケアにおける医療と介護の連携」 飯田ケアネット 介護支援専門員 畑中千会長 ①まず地域包括ケアについて学び、②この地域の課題を考えるうえでの基礎情 報を知る。③退院時(地域ケアのスタート)の現状を知り、④地域で受け入れる側 の課題を知る。 「多職種協働による在宅チーム医療を担う人材育成事業」 飯伊圏域 市部・西部ブロック研修会 第Ⅱ部 グループワーク ・ 市部は、さらに日常生活圏域単位に振り分けて、現実的な連携づくり。 ・ 西部は、三村(阿智・平谷・根羽)の枠を越えた多職種の連携づくり。 ・ 司会進行は、地域包括支援センター ⇒ 地域ケア会議の予行演習。 ・ 会場には、飲み物とクッキー。 ⇒ 打ち解けて笑顔の見える連携づくり。 参加者は165名 グループワークは生活圏域で割振り。 医師 A1 A2 B C1 C2 橋北・橋南・羽場・ 丸山・東野 座光寺・上郷 松尾・下久堅・上 久堅 D2 1 千代・龍江・竜丘・ 川路・三穂 地域包括 又は行政 居宅支援 入所施設 1 2 3 1 訪問 通所ほか 合計 2 10 1 2 1 1 1 3 11 1 1 1 1 3 2 2 11 1 1 2 1 1 1 2 9 1 1 1 2 2 1 1 1 1 2 1 2 1 1 D3 1 E1 薬剤 2 1 D1 歯科 2 2 9 3 9 2 4 10 2 1 3 9 1 2 1 3 9 2 1 2 9 3 2 10 3 10 1 9 2 9 1 8 山本・伊賀良 E2 F1 1 1 1 1 1 1 1 2 1 1 3 1 1 4 1 1 1 4 鼎 1 F2 G1 G2 阿智村・平谷村・ 根羽村 1 1 G3 その他 3 1 1 1 1 1 22 A1(橋北・橋南・羽場・丸山・東野地区) 課題① 認知症の理解 ・遠方の家族もわかりにくい。 ・地域の中で困ってこないと把握できない。 ・地域住民の理解 「在宅介護をやりやすく するためには」 課題② 介護保険在宅サービス ・医療依存度の高い人のサービス ・家事援助が同居家族がいると入れない。 課題③ 独居老々介護 ・ゴミ出し、買い物、交通手段がない 課題④ 家族との関係 ・遠方にいる子供 ・同居している家族の理解協力 課題⑤ 地域サービス ・24時間ヘルパーが少ない ・ヘルパーのできる内容に限りがある一人暮らしには困る。 課題⑥ 連携 ・介護保険をどのくらい利用しているか、医師は知らない。 ・往診医師の情報、ケア会議の参加 課題⑦ 経済負担 ・年金を家族が使ってしまう。必要なサービスが入れられない。 独居、老々介護、認知 症、家族を取り巻く問題 が大きい。 解決するには経済問題、 在宅サービス、連携も 含めた内容を検討して いく必要がある。 A2(橋北・橋南・羽場・丸山・東野地区) 課題① 丘の上は資源(病院、薬局、施設等)は豊富にある中で空洞化している。 課題② 病院などへ来てくれれば発見できるが、来なければ行政にも目が行き届か ない。 現: 介護保険 契約、サービスで成り立っている。 旧: 行政から、困って人へ声をかけていた。(なくなってきている) ・医療につながってないケース。 ・独居、同居の家族がいても歯がボロボロ。病院へ行かないケース。 ・動けなくなっているのに放っとかれているケース。 インフォーマル ・地域との連携 ・地域との意思疎通 システムづくり B(座光寺・上郷地区) 【この圏域の課題】 ①退院時の連携 ・退院時に在宅のイメージができていない ・かかりつけ医に情報が欲しい ・リスクについての情報が欲しい ②事業所との連携 ・人がいない。 ・在宅も施設も、どの職種もスタッフ不足 ・薬剤師、歯科医師の役割、もっと活用を! ・看取り → 家族の認識が統一されていない。 訪問看護がキーマンとなる。 ③家族・地域との連携 ・本人と家族の思いの違い。 ・子供には迷惑をかけたくない。 ・地域の理解が不十分 ④認知症 ・地域全体で支えていく体制構築を! ⑤制度上の問題 ・小規模多機能は訪問入浴が使えない。 【「地域で暮らせて幸せだよ」 と言ってもらえるために】 連携→ 事業所、地域で顔の 見える関係づくり 小さな地区単位で顔を合わせ る機会を作っていくことが大切。 C1(松尾・下久堅・上久堅地区) テーマ 「独居老人の初期認知症を発見した時の対応」 課題 ・医療面(診察、投薬) ・本人、家族支援 ・地域での介入、資源(民生委員、公的サービス、近所付き合い等) 上記3つの面に対し初期対応が必要。 ①いかに連携していくのか(連携手段、方法) ②初期の段階から誰が主導していくかを明確にしていく必要がある。 C2(松尾・下久堅・上久堅地区) 【この圏域の課題】 ①地域柄、交通手段がない。(受 診や買い物など)孤立している。 【課題解決のために】 ③医療、介護など看取りを支え るチームが必要。 ①家族、地域、ケアスタッフが勉 強や連携を取りながら老々介護 や独居の方を支える新しいチー ムを作る。(スタッフが力をつけ れば、独居、高齢者の方を支え ることができる。 ④家族の知識不足。ケアスタッフ の知識不足。 ②在宅、ショートでの医療ケアの 充実。 ②制度の理解がない。(医療・介 護保険制度) ⑤昔から顔なじみの関係がある。 ③スタッフと地域住民の方との勉 強会を行い、お互いを高め合う。 =助け合う土壌がある。→地域 ④なじみの新チームを作るぞ! にはまだ力がある。 ⑥孤立(高齢者世帯、老々介護、 独居)している人がいる。→服薬 ができない。 D1(千代・龍江・竜丘・川路・三穂地区) ①意思決定(本人、家族)が大切。 意思の確認。 「在宅で看取りを行うための連 携はどうしていくのか」 ②訪問看護師の存在は大きい。 ③医療との連携 (情報交換、カンファレンス) ④行政・地域の協力。 ⑤予防(地域、個人)が大切。 ⑥かかりつけ医の存在。 ⑦経済的な問題。 行政、地域、医療、介 護のコミュニケーション を良好にしていく。 D2(千代・龍江・竜丘・川路・三穂地区) ①連携 各事業所、職種間での連絡の取り方。 ・いろいろな情報をどう集めるか。 ・医療、介護効率的な連携の取り方。 ②制度 高齢者世帯 在宅生活を続けるサ ポート体制。 ③人材 施設での看護師、訪問診療する医師 がいない。 ④スキルアップ それぞれ職種をもっと知る必要 → このような研修が必要。 ⑤地域 移動手段がない。 地域との交流。生活を支える。 ゴミ出し、受診 【課題解決に向けて】 ・ このような研修会をたく さん行うこと自体が、 いろいろな職種との連携 が取れる。 ・グループワークを通じ 気楽に話ができたので 今後仕事で困った時に 相談できそう。 D3(千代・龍江・竜丘・川路・三穂地区) ①薬局 薬剤師に何ができるか。薬剤師にできることを伝える場がない。 ②PT 退院時のリハの指導がどうしたら在宅でも広がっていくか。独居の方の他のサービ スとの連携ノートはあるがそれだけ。 ③診療所看護師 訪問診療、認知症2人の生活に薬の指導をしても理解できない。 ④デイサービス 追加情報が入らない。入っても確認が遅れることがある。 ⑤情報の共有 どこまで必要か。医師への提供をどこまで。サービス支援時?更新時? ⑥各々の職種の理解 ケアマネ、医師等。特にケアマネの理解の仕方が色々。 ⑦家族関係 デイより独居の方について家族が見えず、動いているのはケアマネのみ。 「何かあったらケアマネ」になっていた。特に独居の方ではケアマネが動いてしまうので、役 割があいまいになるのか。 ⑧往診の結果入退院時にケアマネへの連絡。時間外連絡になり、翌日になってしまう。この 時間ならここへ連絡。 ⑨介護と医療の情報の共有化のシステム作り ・いくつもの病院にかかっている方について共有したい ・困った時だけでなくその前に他職種間の顔見知りになりたい。 ・連携は取りたい。情報の共有もしたい。しかしどこまでやって良いか判らない。 ・コミュニケーション不足。他職種の役割が解らない。 ・ 顔の見える関係づくり 連絡の取りやすい関係づくり→今回のような場が増えるとよい。 E1(山本・伊賀良地区) 1課題 ① 医療、服薬 ・広い地区だが往診医師が少ない。往診の依頼も少ない。 ・服薬・・独居の方、認知症 内服に問題が多い ・飲み間違い、飲み忘れ・・・一包化する為にも難しい課題をクリアしなけ ればならない。 ・飲まなければならない薬を飲めていない。 ② 地域のつながりがあまりなくなったことにより、状況の変化に気づかず、 対応が遅くなってしまう。 ○ 薬剤師との連携、情報交換 ○ 他職種間での連携、情報共有が最も大切。(医師、薬剤 師、看護師、ケアマネ、介護、家族) E2(山本・伊賀良地区) ①連携 → 情報共有の仕方、事業所間の日常的な交流。顔のわかる関係 づくり。意思疎通の図り方。多忙な医師との情報交換の仕方。 ②社会資源 → フォーマル・インフォーマルな制度の情報収集の仕方と活 用方法の把握。 窓口、相談先の明確化 地域活動 ③利用者のニーズ → どう把握してどうまとめるか。 ④認知症、独居高齢者、在宅難民 → どう支えるか。 ⑤看取りと自己決定 → 連携必要。体制不足についてはマンパワー不足 もあり。 ※相互関係どれもある。肝はやはり「連携」である。 ○ 医師、ケアマネとの定期的な地域ケア会議の開催 → ブロック毎で顔の見える関係づくりを F1(鼎地区) ①情報共有が十分できていない。 ②在宅療養を支える人材不足 ③知らないサービス(歯科訪問等)があり十分活用されていない。 ④看取り ・家族の支え。家族への十分な説明が必要。 ・本人は在宅を希望しても家族が不安でできない。 ⑤地域 ・認知症、独居・高齢者世帯の支え。 ・困難ケースへの対応 ・予防のための活動や高齢者の集まり 情報共有に向けての紙媒体ではないシステム作り F2(鼎地区の退院支援の課題) (1)入院中 ①カンファレンス ・時期が最適でない。 ・病棟と在宅にかかわれる人との温度差がある。 ・退院するときのサービス事業者不足。 ②家族・介護者 ・在宅イメージができない。SW・CWの力量不足。 ・家庭訪問がない時はイメージ作りがしにくい。 ・家に帰ると追加が多くなる。 リハビリ関係の人が多くかかわると(入院中)変更が少ない。 (2)退院後 ・薬の管理ができない。(認知症の方も) ・体調変化により家族がパニックになる。(家族の中に障がい者、高齢者) ・独居・高齢者世帯が多く介護力が弱い。 (3)地域 ・介護保険外での地域力、ボランティア、サークル等、民生委員さんの力、高齢者 の集まる所。 ・主治医や訪問看護との連携。 ・介護保険訪問リハはリハ主治医の指示書が必要。 G1(阿智村・平谷村・根羽村) ①高齢化が進み、独居や高齢者世帯が増加。 ②福祉・医療関係資源、スタッフも少ない。 ③交通の便が悪い。冬期の生活が大変。 ・交通手段 ・生活支援の確保 ④認知症の増加。専門医療、相談への対応が増加。 ・マンパワーの不足 ⑤生活支援への対応。 ・日常の細かなこと (薬の管理、災害や緊急時の対応。買い物支援。雪かき) ⑥冬期や在宅ができなくなった時、施設入所を選ばなければならない。自 宅を離れて遠方の子供の家に行く人も多い。 ⑦自分の村だけでは解決できない。整備できないことが多い。 ・専門スタッフ・医療・交通・施設等 ①行政を超えた村同士の連携。同職、異職 ②日中活動の場、生活の場作り。 ③高齢者の住まいの確保。 ④交通手段、家事援助等生活支援の充実。 G2(阿智村・平谷村・根羽村) ①地域の連携、相談窓口が不足している。 ・支援者の集まり交流の場がない。 ・人材不足、身近な相談先、急変時の体制不足。 ②かかりつけ医の問題 ・服薬管理 ③介護家族の支援 ・介護と医療の違いが解りにくい。 ・精神的ケア。介護方法。 ④予防、病気との付き合い方。口腔ケアの充実が必要。訪問歯科診療。 ⑤認知症ケア ・早期の受診が困難。 ⑥遠隔地の介護と医療 ・受診時の様子だけでは正しい診療ができない。 在宅のスタッフからの情報が適正な医療につながる。 ・冬場の訪問看護、往診の問題。 ⑦送迎の問題 ⑧施設ケアの質の向上 ・デイサービスに行くと機能低下。どうしたらいいか。 G3(阿智村・平谷村・根羽村) ①情報不足 ・訪問看護、歯科、医療等それぞれの思いが統一されていない。 ②目的別の支援ができていない。 ③訪問歯科・訪問診療・訪問看護・介護予防の不足 ④ニーズに応える事業の見直し。サービスの在り方。 ⑤家族力の低下。地域力の低下 ①自助・互助の継続 ②看取りのあり方 第Ⅱ部 グループワークのまとめ 在宅ケアを行うには、多様な情報が必要 ①ADLに関係する基礎疾患や栄養状態、認知症などの医療情報 ②孤立の程度(独居、高齢者世帯、老々介護、交通弱者、親子関係、近所付き合い) や経済状態などの社会的情報 ⇒多職種が情報と認識を共通化する地域ケア会議が必要である。 しかし、人材不足・資源不足のうえ広範囲。 また、広大な地域性からは、退院カンファなどの会議形式での情報共有も困難。 ⇒集まらなくてもできる情報共有の手段が必要。 在宅ケアの現場を支える人材不足と地域間格差の存在 医療職・介護職の不足だけではなく小規模自治体のマンパワーも不足している。 知らない介護サービス(訪問歯科診療など)があり十分活用されていない。 地域力(民生児童委員、地域ボランティア、助け合い)は未知数。 ⇒在宅ケアには、住民参加や人材の地域間連携も考慮することが必要。 事後アンケート 1 第1部講演会について 良かった 59(64%) 人数(割合) 2 あまりよくない 4(4%) 良くない 0(0%) あまりよくない 5(5%) 良くない 1(1%) 地域別グループワークについて 良かった 66(71%) 人数(割合) 3 まあよかった 30(32%) まあよかった 21(23%) 研修全般について 時 期 人数 割合 時 間 内 容 進 行 会 場 良かった 工夫が 必要 良かった 工夫が 必要 良かった 工夫が 必要 良かった 工夫が 必要 良かった 工夫が 必要 50 43 74 19 74 19 83 10 72 21 54% 46% 80% 20% 80% 20% 89% 11% 77% 23%
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