光・放射線化学

光・放射線化学
FUT
原 道寛
問題
• 電子配置と電子状態の差を述べよ。
(0・1*100=10pt)
問題
• 一重項状態と三重項状態の差を述べよ。
(0・1*100=10pt)
問題
• Jabionski図をできるだけ詳しく記入せよ。
• 1語句につき1 pt (最大10pt)
光化学I
3
章
序章
•“光化学”を学ぶにあたって
1章
•光とは何か
2章
•分子の電子状態
• 電子励起状態
• 3.1電子配置と電子状態
• 3.2一重項状態と三重項状態
• 3.3エネルギー状態図と素過程
4章
•分子と光の相互作用
5章
•光化学における時間スケール
6章
•分子に光をあてると何が起こるか
7章
•光化学の観測と解析
8章
•どのように光を当てるか
9章
•光化学の素過程
10章
•光化学反応の特徴
3章電子励起状態
電子配置と電子状態の差を理解する
一重項状態と三重項状態の差
Jabionski図
3.1電子配置と電子状態
分子軌道
電子配置
電子状態
ψ1(ε1) ψ2(ε2) ψ3(ε3) ψ4(ε4)
1
A
• 4つの分子軌道
2
B
• 4つの電子
3
• どのように配置されるのだろうか
3.1電子配置と電子状態
A
B
C
D
F
H
E
G
3.1電子配置と電子状態
最もエネルギーが低くなるのは、電子が
A
B
• ψ1に2個
・ψ2に2個
C
• 全電子エネルギーE0=2ψ1+2ψ
2
次に低い電子の並べ方
D
E
F
• ψ1に2個・ψ
に1個・ψ
に1個
2
3
• 全電子エネルギーE0=2ψ1+ψG2+ψ3
H
I
J
K
L
3.1電子配置と電子状態
基底状態
A
ground state
C
電子励起状態
electronically
excited state
E
励起状態
excited state
F
最低励起状態
the lowest
excited state
• エネルギーがもっとも
B
低い安定なもの
D
• 基底状態以外の
すべての状態
• 上記と同じ
G
• 励起状態でも最も低い
エネルギーの状態
3.1電子配置と電子状態
A
ππ*励起状態
• ππ*遷移の結果生じる励起状態
B
nπ*励起状態
• nπ*遷移の結果生じる励起状態
C
カルボニル基
のnπ*
D
• n軌道に1個=酸素のy軸方向に局在化
E
• π*軌道に1個=全体に広がっている。
G
F
n電子
• ラジカルの性質も持っている。
H
• nπ*励起の水素引き抜き反応の原因
3.2一重項状態と三重項状態
D
E
F
G
A
一重項状態
• スピンを反対にしている状態
三重項状態
• スピンを並行にしている状態
C
• 一重項状態よりエネルギーが低い
B
3.2一重項状態と三重項状態
より詳しく考えてみよう。
3.2一重項状態と三重項状態
A
一重項状態
• 電子(1)α
• 電子(2)β
B
三重項状態
• 電子のスピンの向きααC
• 電子のスピンの向きββD
3.3エネルギー状態図と素過程
G
H
横軸
A
• 核配置座標
B
• 電子分布が異なるために
C
最も安定な状態は異なる
縦軸
D
• 核振動の量子化されたエネルギー準位
F
• 基底状態と励起状態
E
3.3エネルギー状態図と素過程
S0
S1
S2
T1
T2
A
• 基底状態
S0
F
• 一階
B
• 最低励起一重項状態
S1
G
• 二階
S2
H
• 三階
T1
I
• 中二階
T2
J
• 中三階
C
• 上位の励起一重項状態
D
• 最低三重項状態
E
• 上位の励起三重項状態
3.3エネルギー状態図と素過程
黒板
3.3エネルギー状態図と素過程
A
光吸収(励起)
基底状態か
B
ら
各励起状態
の高振動レ
C
ベル
D
振動緩和
vibration
relaxation
E
高振動状態
から
余剰エネルギー
を分配、溶媒分
F
子に奪われ、
H
無放射遷移
radiationless
transition
励起状態の
ゼロ点振動
I
レベル
最低励起状
態の高振動
J
レベル
L
無放射失活
radiationless
deactivation
無放射遷移
同じ多重度
:内部変換
M
振動緩和
N
励起状態の
ゼロ点
G
振動レベル
さらに、
「振動緩和」
K
3.3エネルギー状態図と素過程
A
放射遷移
radiative transition
D
項間交差
interesystem crossing
りん光
I
光化学反応
S1B状態からの光を
放出・蛍光
E
S1状態
から
C基底状態
F
T1 の
高振動
レベル
G
振動緩和
JT1からの光を放出
L
KS1から一分子および
二分子反応
M
N T1から一分子
および二分子反応
O
最低励起状態に失活した後、
化学反応が進行する
P
=Kashaの法則
T1のゼロ
H
点振動レ
ベル