今日の目標 「家畜の生理生態と飼育環境を知る」 -健康な家畜を育てるために- ・家畜の成長について ・家畜の飼料栄養について ・家畜の消化吸収について ・家畜の飼育環境について 家畜（ニワトリ）の成長について 3ヶ月目 16～17ヶ月目 27～28ヶ月目 月齢 ・産卵鶏 ふ化 9ヶ月間 9ヶ月間 交配 21日 休産 産卵 ・肉用鶏（ブロイラー） と畜 ↓ お肉にすること 休産 産卵 産卵 産卵数が減ると廃用となる ↓ とうた 「淘汰」という ニワトリの成長は、早い。 ゲージでの飼育が多いので、病気が 発生すると死亡へと繋がる。 家畜（ブタ）の成長について 6ヶ月目 12～13ヶ月目 18～19ヶ月目 月齢 ・繁殖豚 出生 6ヶ月間 妊娠期間 114日 出生 交配 繁殖適齢 ♂ 10ヶ月 ♀ 8ヶ月 交配 交配 ほ育 出産 ・肥育豚 と畜 ↓ お肉にすること 6ヶ月間 出産 ・肥育豚 発情周期 21日 発情期間 ２～３日 ほ育 と畜 出産 ・肥育豚 と畜 交配から出産までの 期間は6ヶ月間である 家畜（ウシ）の成長について 16ヶ月～ 23ヶ月～ 月齢 妊娠期間 280日 乳牛 出生 妊娠期間 280日 出産 交配 泌乳 乾乳 300日 60日 肥育牛 肉牛 出生 繁殖適齢 ♂ 12ヶ月 ♀ 14～22ヶ月 肥育素牛 発情周期 20～21日 育成牛 発情期間 16～21時間 交配 出産を繰り返し 乳量が減少すると と畜 廃用となる ↓ ↓ お肉にすること と畜 生産物が出来るまでの期間が長い ↓ 日々の健康観察が重要となる 乳や肉のこと 家畜の飼料栄養について 栄養素の名称 水分 特 徴 と は た ら き 他の栄養素の分解吸収を助ける タンパク質 からだを構成する最も基本的な物質 筋肉、内臓、血液などの主要構成成分 炭水化物 呼吸によって分解され、生じたエネルギーで 生命維持や筋肉の緒活動をする 脂質 体内で分解され、高エネルギーを生じ、生命 維持や活動および体温維持をする 無機質（ミネラル） ビタミン 骨の主成分、体の生理機能を調節 生理機能調整、さし構成にビタミンＡ関与 成長段階に合わせて、飼料の栄養を変化させると良い。 ↓ 日本標準飼料成分表を確認する。（農文協・Ｐ252～261） では、栄養素の分解吸収される過程を見てみよう！ ①消化管の特徴 家畜は、胃の構造によって単胃動物と反すう動物に大別される 特徴 歯がない。食道にそのうが 発達し、筋胃とよばれる胃袋 にグリット（小石）や砂を蓄え、 食べた飼料をすりつぶして 消化を促す。 特徴 特徴 胃は人間と似た構造。胃に 胃が４つに分かれている。 小さなこぶがあり、その中に 第1胃は、飼料の貯蔵タンク 住み着いている細菌のはたら の役目や消化吸収出来な きで草などの繊維を消化する。 い繊維を細菌が分解吸収 しやすくさせている。 ②栄養素（３大栄養素）の利用過程 栄養素は、消化管で吸収され、 体内で利用されるもの（□）と 不消化物（ ）に分類される。 エネルギーとして利用されず、 過剰なものは 体脂肪 として蓄積される。 無機質（ミネラル）・ビタミンも同様に体内で吸収され、生理機能調整をしている ③飼料のエネルギー利用の流れ エネルギー名称 総エネルギー（ＧＥ） 特 徴 体内に入った全てのエネルギーのこと 可消化エネルギー（ＤＥ） 家畜が消化吸収した養分（可消化養分という）がもつエネルギーのこと 代謝エネルギー（ＭＥ） 可消化エネルギーから尿やメタンで排出された部分を差し引いたエネ ルギーのこと 正味エネルギー（ＮＥ） 代謝エネルギーから生理作用で利用したエネルギーを差し引き、卵・ 肉・乳の生産に利用されるエネルギーのこと 家畜の管理は、数字に表されるものばかりではない！ 家畜の習 性や消化 管の特徴 を理解す る この重なりが、大きくなると バランスの良い飼料給餌 に繋がると考える。 体内での 栄養素 のはたら きを理解 する 家畜の命名維持や 生産に利用される エネルギーの流れ を理解する 家畜への愛情が大切。 毎日、声を掛け 健康観察を行う。 家畜の飼育環境について ①家畜と環境 生体維持の機能を保とうとする。これを 「生体恒常性維持機能」という。 家畜により適温域に違いがある。 家畜名 区分 温度範囲（℃） ウシ 育成牛 泌乳牛 肉用牛 10～25 5～20 5～25 ブタ 子豚 繁殖豚 肥育豚 20～30 10～25 10～25 ニワトリ 採卵鶏 ブロイラー 20～30 15～25 環境要素 気温・湿度・風・光 微生物・アンモニアガスなど ストレスの原因 生産性減少・病気発症 ストレスを引き起こす 要因を「ストレッサー」という。 恒温動物である家畜は、ある温度の範囲では 血管の伸縮と拡張だけで体温を一定に保つ。 この温度域を「熱的中性圏」という。 ②動物福祉と家畜飼育を考える 動物福祉とは 「飼育動物に不必要な苦痛を与えることなく、 よりよい環境を保証する」ことをいう。 ↓ 近年の大規模化した畜産は、密飼い・舎内空気汚染・ 薬剤投与など、各種のストレッサーがあり、発病の原因 になる。 ↓ 家畜の生理生態・習性を理解し、畜舎や施設の改善を 図ることが大切である。
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