K2K-SciBar検出器を用いた 低エネルギーニュートリノの

K2K-SciBar検出器を用いた
低エネルギーニュートリノの
エネルギー・スペクトルの測定
大阪大理 田窪洋介
他 K2K-SciBarグループ
内容
•
•
•
•
K2K実験
SciBar検出器
低エネルギーnイベント選択
まとめ
K2K実験
K2K実験
• KEK12GeV P.S.により生成されたニュートリノを用いた長基線
ニュートリノ振動実験
• KEKに設置された前置検出器と250km離れたスーパー・カミオ
カンデでニュートリノを観測しニュートリノ振動を検証
SKでのニュートリノ・エネルギー分布
• 98%の純度のnmビーム
K2K実験ではEn ~ 0.6 GeV で振動
の効果が最大になる
振動無しの予想
~ 0.6 GeV
前置検出器での1GeV以下の低エネ
ルギー領域のスペクトル測定が重
要!
振動有りのbest fit
データ
K2K実験におけるEnの測定
m
準弾性散乱反応
n
q
p
非弾性散乱反応
n
m
p
p
エネルギーの再構成 :
• 準弾性散乱反応(CCQE)を用いる
終状態が2体なのでmの角度と
運動量からEnの再構成が可能
Enrec
• 非弾性散乱反応(nonQE)がバック
グラウンドとなる
Dqp分布
Data
QE nonQE
CC coherent p
m
CCmp
CC1p
観測された方向
CCQE
Dqp
QEで予想さ
れる方向
deg.
mnEm  m2m / 2

mn  Em  Pm cos q m
スペクトラムの測定にはnonQE
の混入量の見積もりが必要

Dqp分布を用いてCCQEとnonQE
を分離して評価する

• 押し出しシンチレータ(2.5 x 1.3 Extruded
n
scintillator
x 300 cm3 )
(15t)
• ~15000 チャンネル
• シンチレータ自身がニュートリ
ノ・ターゲット
Multi-anode
• Light yield
PMT (64 ch.)
7~20p.e./MIP/cm (2 MeV)
• 10 cm のトラックまで検出可能
• dE/dx によってpとpを識別
CCQE に対して高感度
Wave-length
non-QEバックグラウンドを識別 shifting fiber
• 電磁カロリー・メーター (~ 11X0)
3m
SciBar検出器
1kt 水チェレ
ンコフ検出器
1.7m
MRD
イベント・カテゴリー
MRDイベント
MRD
SciBar
• SciBar内でnが反応し、MRD(Muon
SciBarストップ・
Range Detector)まで粒子のトラックが到達
イベント
• これまでの解析に使用されている
• En>0.5GeVのn反応が得られる
• 98% CCイベント(2%:NC)
SciBarストップ・イベント
• SciBar内でnが反応し、粒子の
トラックがSciBar内で止まる。
• これまで用いられていなかった。
MRDイベント
n
EC
モンテカルロEn分布
全n反応 MRDイベント
SciBarストップ・イベント
• En<0.5GeVのn反応も得られる。
• ~0.6GeVでMRDイベントと同程度 0
の統計がある。
CCQE
1
2
3 4 0
En(GeV)
1
2 3 4
En(GeV)
イベント・ディスプレイ
SciBarストップ・イベント
MRDイベント
SciBar
MRD
SciBar
m
n
m
p
n p
MRD
SciBarストップ・サンプル
Vertex分布 (y軸方向)
Data
NC
CCmp
CC1p
CCQE
SciBar上方向から来るバッ
クグラウンドが存在する
加速器からの中性子と原子核と
上方向 の反応で生成されたp0からのg
下方向
-150
-50
0
50
150
cm
SciBarタイミング分布
n
p0
g
g
SciBar
n
y
x
2
4
6
msec
z
トラック長・カット
トラック長・カット
• 60cm以下のmトラックをカット
•加速器起源のガンマ・バックグラウンドを除去
• En<0.4GeVのイベントを落としているが、 ~0.6GeVの
イベントに対しては影響なし
mトラック長分布
バックグラウンド
recE 分布
n
(L<60cm)
L < 60 cm
60cm
0
100
Data
NC
CCmp
CC1p
CCQE
200
Data
NC
CCmp
CC1p
CCQE
cm
0
0.4
0.8
recE
n
(GeV)
recE
n
& Vertex分布
トラック長・カット後のrecEn分布 トラック長・カット後En ,vertex分布は
Data
データとMCで合っている
NC
CCmp
トラック長・カット後のvertex分布
CC1p
CCQE
NC : ~20%
0
0.4
0.8
recE
n
-150
-50
x方向 50
150
cm
-150
-50
y方向 50
150
cm
(GeV)
• En>0.3GeVのイベントが得られた。
• SciBarストップ・イベントにはNCが
~20%含まれている
(MRDサンプル:~2%)
-200
• NCのカットまたは混入量の評価が必要
240 z方向
320
360
cm
まとめ
• K2K実験では~0.6GeVの低エネルギー領域
で振動の効果が最大となる
• 低エネルギー・スペクトル測定のために
SciBar内でmが止まるサンプルを用いた。
• recEnのエネルギーを0.3GeVまで下げることが
出来た。
• SciBarストップ・イベントには~20%のNCが含
まれており、カット又は混入量の評価が必要
スペクトル解析の手順
CCQE反応
• En は(pm ,qm)によって再構成される
• nonQE反応とでは(pm ,qm)分布に差が
生じる
(pm ,qm)分布の違いを用いてCCQEと
nonQEの数の重みを評価
• MCの(pm ,qm)テンプレートをCCQEと
nonQEの2つのサンプルに分ける
• データの(pm ,qm)分布をMCテンプ
レートでc2フィット
• CCQEとnonQEの比をRQE/nonQEパラ
メータで評価
MCテンプレート
CCQEサンプル
nonQEサンプル
En<0.5GeV
*F(1)
0.5<En<0.75GeV
*F(2)
・・
・
・・
・
スペクトル解析の手順
データ
• (pm, qm)分布を作成
MC
• CCQEとnonQEの2つのサンプルに分割
• 2つのサンプルをEnの8つのビンに分割
• 2つのサンプルで各Enビンに対して
(pm, qm)分布(MCテンプレート) を作成
MCテンプレート
CCQEサンプル
nonQEサンプル
En<0.5GeV
MCテンプレートでc2フィッティング
• 各EnビンのフラックスをF(i)の重み
(i=1~8)でフィット
• CCQEとnonQEの比をRQE/nonQEパラ
メータで評価
*F(1)
0.5<En<0.75GeV
*F(2)
・・
・
・・
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