MAX SAT に対する 近似アルゴリズムの研究 中央大学大学院情報工学専攻 浅野研究室 堀 邦彰 MAX SAT とは… 入力: 重み付きクローズの集合 出力: 満たされているクローズの 重みの和が最大となるような 真偽割り当て 各クローズが高々2個のリテラルしか 持たない場合でかつ重みが同一の場合に おいてもNP‐hard であることが知られている. したがって MAX SAT も NP‐hard である. 近似アルゴリズム 具体例 1つ1つが 重み付きクローズ 入力: {( x1 , 4) , ( x 2 , 2) , ( x 3 , 6) , ( x 1∨ x2 ,8) , ( x2∨ x3 , 2) , ( x1∨ x2∨ 3x, 6) } 真偽割り当て 得られる重み 18 ( x1 , x 2 , x 3) = ( T , F , F) 20 ( T , T , F) 出力 ( F , T , F) 22 α‐近似アルゴリズムとは x* を最適解, F(x) を得られる重みの和と したときに F ( x) (0 1) F ( x*) となるような真偽割り当て x を求める 多項式時間アルゴリズム どんな入力に 対しても 近似率αは理論的 性能指標といえる 近似アルゴリズムの 代表的な手法 確率的方法 {T, F}の真偽割り当てを行なうのではなく,真に なる確率を変数に割り当てその期待値を見積も るといった方法 Johnson,Yannakakis,Goemans-Williamson(a) Semidefinite Programming を用いた方法 Goemans-Williamson によって提案された手法 Goemans-Williamson(b), Asano ら 種々の近似アルゴリズム 近似率 Johnson ’74 Yannakakis ’92 Goemans-Williamson (a) ’94 Goemans-Williamson (b) ’95 Asano-Ono-Hirata ’96 Asano-Hori-Ono-Hirata ’96 Asano ’97 α=0.5 α=0.75 α=0.75 α=0.7584 α=0.765 α=0.767 α=0.770 アルゴリズムの比較の重要性 近似率が良い 計算時間は よいアルゴリズム 平均的にはどれがいい 様々な入力のもとに様々なアル ゴリズムで実験する必要がある 行なった研究概要 Goemans-Williamson(a),Yannakakis のアル ゴリズムの詳細検討. Yannakakisのアルゴリズムはかなり複雑 昨年のアルゴリズム研究会で発表を行なった. その際のメインはYannakakisのアルゴリズムの 改良及びその検討. 現在, Semidefinite programming を研究中. Semidefinite programming 問題への定式化の 方法及び Semidefinite programming 問題自体 の解法を研究. Goemans-Williamson (a)の アルゴリズム MAX SATを整数線形計画問題として定式 (p1,p2,p3,...,pn)=(1/2,1/2,1/2,...,1/2) =( x1 ,1/2,1/2,...,1/2) 化し,線形計画問題に緩和.その問題を解 x1 , x2 ,1/2,...,1/2) き,random rounding=(技法によって真偽割 : り当てを求める. =( x , x , x ,..., x ) 1 2 3 = y n Pr(x i=T) i m max w z j j j 1 各変数が真になる確率を 1/2 とし,そこか s.t. ら真偽割り当てを求める. yi (1 yi ) z j (j ) iC j iC j y i , z j {0,1} (i and j ) 求められた2つの割り当ての良い方を選ぶ 0 yi , z j 1 今後の予定 Yannakakis のアルゴリズムを計算機上で 実現するため,制約付き最大流問題の解 き方を研究する. 最終的には種々のアルゴリズムをプログラ ム化し,計算機実験により実際的性能の 比較を行なう.
© Copyright 2025 ExpyDoc