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知人関係を用いたプライバシ保護型マッチングシステムの研究
The Research on the Privacy Secured Matching Model using Social Network.
2004.2.4
慶應義塾大学院 政策・メディア研究科
修士課程二年 須子 善彦
80232017 [email protected]
主査: 村井 純
副査: 国領 二郎、加藤 文俊
1
サマリー
背景・目的
モデル
評価
まとめ
本発表のサマリー



本研究は、インターネットを用いた人材マッチング
のためのコミュニケーションツールの研究
目的:ユーザ間の知人関係を用いることで、ユーザ
の情報開示リスクを低減する
本研究のスタイル


提案するモデルを設計、実装
実運用を通し、モデルの利点と今後の課題について、経
験を収集、考察
2/39
背景・目的
背景・目的
モデル
評価
まとめ
本研究の背景
社会の流動化により人材マッチングへの注目

問題解決の方法の一つとして、自律的な「個」が動的にネットワークを
組んで問題解決

• プロジェクト型組織、フリーエージェント、学際志向
チームビルディング(人材マッチング)の重要性が大
人材マッチングへの相反する2つの要求

『人材検索時の情報開示リスクを下げながら、目的達成に
従ってより的確な相手とのマッチングを可能にすること』

開示する情報の量や範囲は、できるだけ最小限にしたい
• 情報の不正利用、フリーライダーの発生 = 情報開示リスク
• 情報における「共有地の悲劇」、情報における『自発性パラドクス』の発生

でも目的は達成したい
このことは、人材マッチングに限らず、一般的なインターネッ
3/39
トにおけるサービスと情報開示の関係
背景・目的
背景・目的
モデル
評価
まとめ
目的

相反する2つの要求の解決

『人材検索時の情報開示リスクを下げながら、目的達成に
従ってより的確な相手とのマッチングを可能にすること』
情報開示リスク= 「自発性パラドクス」の解消
手段
1) 実社会上における資源であるユーザ間の知人関係をコミュニケー
ションツールにモデル化
2) 上記モデル化の過程おいて、情報開示リスクとマッチング成果の間
のトレードオフ上に、ユーザが自主選択可能なオプションを提供
4/39
背景・目的
モデル
評価
まとめ
従来の人材マッチングサービス
全ユーザーの個人情報


Bolt, エキサイトフレンズ etc.
多くの情報を属性情報として開示

一旦発信
されると

自由に検索可
自分
他ユーザー

趣味や性別、年齢など自分に関する情報(属
性情報)を登録
他の全ユーザに公開され、ユーザ相互で検索
しあう。
サービス外でのユーザ識別可能性を下げる
仕組み

ニックネーム、サービス専用Webメール
情報の開示リスクが大きい
一旦開示すれば、検索し放題/され放題
情報の開示リスクが不平等
先に開示した側:大
/ 検索する側:小
フリーライダーの存在
既存のシステム
5/39
背景・目的
モデル
評価
まとめ
提案するモデルの前提条件
対象とするユーザ
業務の遂行など具体的な目標のために「必要な人材」や「必要な知識・
情報を持つ人材」を検索するユーザ
想定するユースケース
プライバシに関わる個人情報や、企業秘密や知的財産に関わる情報
といった機密情報を扱うケース(福祉、教育、ビジネス、知財権など)
想定する利用対象(コミュニティ)
ユーザ間に高度な信頼関係が築かれ互恵性の高いコミュニティ
もしくは
構成員の間で共通の目的を共有し目的志向性が高いコミュニティ
メンバーシップがオープンなコミュニティにおいても利用可能に
重視する要求
ユーザの情報開示リスクの低減を最重要視
利用開始までの障壁を低く
•属性情報の登録を最小に
6/39
背景・目的
モデル
評価
まとめ
ユーザ間の知人関係を活用したモデル

ユーザ間の知人関係というコミュニケーションモデル外(実社会
上)の資源を利用する



紹介(お見合い、紹介制会員クラブ、共通の友人の存在、同じ門下)という事象
PGPの信頼モデルの応用
関連研究
• 宮川(2001)『インターネット上の情報検索における社会的文脈の利用手法に関する
研究』
PGPの信頼モデルの考え方;
「自分が信頼する人が信頼する人」 → 自分もある程度信頼できる。
自分が信頼する人に、信頼判断を委譲するモデル
A
x
B
y
C
xy
7/39
背景・目的
モデル
評価
まとめ
モデルの説明 (1/4)

ユーザー間の知人情報を取得し仮想リンクを形成

リンクの形成には、ユーザ間の双方向承認が必要
8/39
背景・目的
モデル
評価
まとめ
モデルの説明 (2/4)
知人へ開示許可
した情報
知人の知人へ開
示許可した情報
(一般に知人への
開示許可より厳し
い設定がなされる)
要件の内容例:
携帯電話へのストリーミングについて
詳しい人いらっしゃいますか?
検索ユーザ
検索ユーザの
知人
検索ユーザの
知人の知人
情報開示の設定例:
知人への情報開示:ALL
知人の知人への情報開示:
公開:要件の内容のみ
非公開:
識別情報、位置情報、嗜好情報など
9/39
背景・目的
モデル
評価
まとめ
参考:ユーザーインターフェース(Web版)

人材を検索するメッセージを受信したユーザ
(友達の友達=黄色)の画面

例)人材検索者との共通の知人を「かとう」さんとする
かとう
このユーザーの知人「かとう」を、共通の知人とする誰かが、ストリーミング
技術者を探しています。探している人は、氏名等を公開していません。
10/39
背景・目的
モデル
評価
まとめ
モデルの説明 (4/4)
検索ユーザ
共通の知人=仲介者
(例:かとう)
検索ユーザの
知人
紹介依頼の通知
返信
返信する人
(先ほどの画面)
あ、興味ある!
検索ユーザへの返信
紹介を求める共通の知人=仲介者への
メール
検索ユーザの
知人の知人の
うち、検索
ユーザからの
要件に興味を
もった人
検索ユーザの
知人の知人の
うち、検索
ユーザからの
要件に興味を
持たなかった
人
11/39
背景・目的
モデル
評価
まとめ
特徴1: プライバシ開示リスクの低減

ユーザの情報開示リスクを、よりユーザ自身で管理可能に




情報開示の範囲と内容に関して、自己決定可能な選択肢を新たに提供
送信者の情報の開示範囲を最適化
返信者へも情報の開示リスクの判断材料をより多く提供
送信ユーザと受信ユーザとの間での開示リスクの平等化
全ユーザーの個人情報
一旦発信
されると
自由に検索可
自分
他ユーザー
従来モデル
本モデル
12/39
背景・目的
モデル
評価
まとめ
特徴2: 情報の信憑性の担保
ユーザ間で交換する情報の客観的な正確性の向上


共通の友人が情報の信憑性を担保
情報開示リスクの判断の際に、発信者、受信者それぞれが、
仲介者の判断を活用できる
信頼性の確認
信頼性の確認
共通の友人
(仲介者)
発信者
人材に関する個人情報の交換
受信者
13/39
背景・目的
モデル
評価
まとめ
特徴3:高い実用性と広い応用範囲

モデルの広い応用範囲



社会通念上理解しやすいモデル
人材マッチング以外の情報開示にも広く利用可能
自律分散協調モデルによるスケーラビリティとコストパ
フォーマンス

モデル上、集中点がないので、ユーザ増加に対するスケーラ
ビリティとコストパフォーマンスが高い
• ユーザの知人関係は、ユーザ数の増加に対して指数関数的な増加を
せず、頭打ちする

属性マッチングの排除とランデブー型マッチング

→ 後述
14/39
背景・目的
モデル
評価
まとめ
知人関係を用いた関連研究サービス

1)宮川(2001)『インターネット上の情報検索における社会的文
脈の利用手法に関する研究』


PGPの信頼機構を、マルチホップに拡張したPGNという機構を提案
2)米国プロファイルマッチングサイト


Friendster, Tickle american’s social network. Linked-in 等
いわゆる「出会い系」
• オープンなメンバーシップ
• bolt等の先行事例に、知人関係がプラス

3)スタンフォード大学卒業生向けサイト InCircle


卒業生同士の交流促進、人材斡旋(再就職)などに利用されている
全参加者の知人関係が鳥瞰図のように分かる
15/39
背景・目的
モデル
評価
まとめ
関連サービスの特徴と本モデルとの差異
関連サービスの特徴
 扱う知人関係はマルチホップ


知人、知人の知人、知人の知人の知人、という具合にマルチホップの
範囲で、人材検索や情報開示ができる 2)の一部
知人がどんな知人を登録しているかが分かる 2),3)

知人リストを相互に交換できる 2)の一部
本モデルとの差異点
 扱う知人関係は最大で2ホップ固定
 2ホップ間の間に存在する「共通の知人」を、紹介の仲介者とし
て機能強化
 知人同士でもお互い誰を知人として登録しているかは分から
ない(知人関係を保護すべき情報として重要視する)
16/39
背景・目的
モデル
評価
まとめ
スタンフォード大学卒業生向けサイト InCircle
17/39
背景・目的
モデル
評価
まとめ
属性マッチングの排除とランデブー型マッチング
関連サービスの特徴
 ユーザに数多くの属性情報を登録させる


属性情報が検索対象 or マッチングのキーワード
2者の最初の引き合わせ時に、ニーズ一致度の高さを実現する設計思想


属性項目はサービス提供者が設計 → 想定するユースケースに限定
項目の設計やマッチングアルゴリズムの精度によっては、ミスマッチ
本モデルとの差異点
 属性項目の設計による限界
→ ユーザ間での自由記述メッセージの交換を主眼に


2者の最初の引き合わせ時に、ニーズ一致度の高さは求めない
引き合わせ後の2者間での1対1のランデブーにて、ニーズの合致を検証し
てゆくモデル
18/39
背景・目的
モデル
評価
まとめ
キャリア支援サービス等

就職支援サービス、結婚相談所等


リクルート社「リクルートナビ」等
ユーザ情報の管理とマッチング方法


サービス参加時に自分に関する情報(属性情報)を登録
属性情報を元にサービス提供者がマッチング

サービス提供者が、トラブル防止機能
トラブル調停機能を果たす

コミュニケーション相手の選定の判断
をサービス提供者に委ねるモデル
コミュニケーション
情報開示 ユーザC
情報開示
情報開示
サービス提供者
コミュニケーション
ユーザA
ユーザB
19/39
関
連
モ
デ
ル
大量の
属性情報
知人情報
システムが属性情報に基づき勝手に
マッチング
この時点で、高いニーズの一致度
を実現するが、マッチされない場合も
多い
時間
本
モ
デ
ル
時間
ユーザが作
成した
要件メール
この時点での高いニーズ
の一致は行わない
マッチ
判断
ユーザの判断による任意のタイミングでの
情報開示が可能に!
ユーザ間でのメッセージのやりとりで、ニーズ
の一致をはかってゆく
背景・目的
モデル
評価
まとめ
本モデルのみが可能にすることの例

詳細情報による情報開示の撤回



最初に要件を見た時点ではニーズが一致すると思ったが、その後の詳
細情報を見ていく上で、ニーズが一致しないと判断し、情報開示を撤回
最初に話した時点ではニーズが一致すると思ったが、仲介者からのア
ドバイスにより、相手のコンピタンスに不安を感じ、マッチを中止した
仲介者の認知限界を超えたマッチング(仲介者にとっても予期
せぬマッチング)の実現

仲介者も、自分の知人がそれぞれ持っている技能やニーズを全て把握
している訳ではない。そのために今までマッチングできなった方同士も、
本システムではマッチングができる
21/39
背景・目的
モデル
評価
まとめ
モデルの妥当性に対する考察: 2ホップ固定

知人関係のネットワークは、スケールフリーネット
ワーク

ごく少数の人間が、他人の数倍もの知人関係を持ってい
る(人脈のハブ)
考察による仮説
 ランダムネットワークではないため、ホップ数の増加に対し、
指数関数的な増加はしない
 多くのユーザは、ハブを返して、知人の知人に到達する
仮説に基づく結論
 3ホップ以上に拡張しても、それほど配信範囲は変わらないの
であれば、信頼性の面で2ホップに固定した方がよい
22/39
背景・目的
モデル
評価
まとめ
システムの全体構成
コアファンクション層
知人リンク管理
インターフェース
I/F
知人関係
ユーザ
知人リンク認識
モジュール
ユーザ管理
モジュール
・隣接ユーザ取得機能
・隣接リンク取得機能
・FOAFリンク取得機能
・仲介ユーザ取得機能
I/F
知人ネットワーク
データベース
知人ネットワーク処理エンジン
メールサーバ
メッセージ
処理機能
API
アプリケーション層
Win32版など
Web版App
携帯版App
23/39
背景・目的
モデル
評価
まとめ
実装

J2EEを用いたプロトタイプ実装

後述の実証実験のために2つの実装タイプ
• Webサイト版アプリケーション
• 携帯電話版アプリケーション
J2EEレイヤリング
プレゼンテーション( Web )層
ユーザ
Web版実装
View(JSP)
Struts
Action
携帯電話
版実装用
View(JSP)
Struts
Action
Win32アプリケーション
Swingアプリケーション等
アプリケーション層
Java
POJO
ファンクション層
Java
POJO
データアクセス層
Java
POJO
(JDO)
データベース
高レベル
API
コア
ファンクション
モジュール
(低レベルAPI)
コアファンクション層
24/39
背景・目的
モデル
評価
まとめ
検証実験

本モデルの有効性と課題を明らかにするため、複
数のコミュニティで運用

ISAGA
• 4泊5日間の国際学会(ゲーミングシミュレーション)

HCD (Home Coming Day)
• 慶應義塾大学SFCの参加者が年に1度キャンパスにあつまるイ
ベント

SIV
• セミナー (SIV Networking Seminar)
• SIVというベンチャー起業家支援の団体によって行われる講演会
兼 交流会(起業家と支援者が参加)
• SIVサイト (SIV Business Networking)
• SIVセミナー参加者が参加する人材マッチング機能を提供するコ
ミュニティサイト
25/39
背景・目的
モデル
評価
まとめ
実施概要

検証項目





実装の動作検証 (安定性、要求定義の実現)
モデル設計の妥当性検証(2ホップ固定)
モデルの有効性の評価 (情報開示リスクの低下)
実用性検証: (マッチ率等)
その他; モデルの利点、問題点の把握(ユーザヒアリング)
実証項目
コミュニティのタイプ
実装
メンバーシップ
実装の動作検証
モデル設計の妥当性検証
モデルの有効性の評価
実用性検証
その他; モデルの利点、問題点の把握
ISAGA
学会型
携帯電話版
学会参加者
●
●
●
●
●
HCD
同窓会型
SIVセミナー
半同窓会型
SIV Webサイト
Webサイト版
SFCの卒業生 SIVセミナー参加者
●
●
●
●
△
●
●
●
△
●
26/39
背景・目的
モデル
評価
まとめ
27/39
背景・目的
モデル
評価
まとめ
実験結果の概要

3コミュニティ、のべ272人の利用ユーザ

1案件に対し、1以上のリプライが発生
 1ヶ月間で、約50件のメール交換。10件程度のマッチ
 実装の動作検証 (安定性、要求定義の実現)
使われ方の例







仕事の上での仲間さがしなど(実験4; 社会人支援者)
新規アイディアの感想を求めたりプロモーションをかけるとき(実験4;
社会人支援者)
誰に聞いたらいいか分からない事を聞きたい時(実験4; 社会人支援
者)
仕事関係で協力者を探したい時(実験4; 社会人支援者)
きっと誰かはいそうだけど、具体的に誰、という具体的な名前が挙がら
ないとき(実験4; 社会人支援者)
たまにはスポーツ仲間の呼びかけも良いかも(実験4; 学生起業準備
28/39
中)
背景・目的
モデル
評価
まとめ
実験の実施要領

国際シミュレーション&ゲーミング学会(ISAGA2003)





ゲーミングシミュレーションの世界の国際学会にて、本モデルの発表と
共にデモ、実験
学会型、目的共有度、目的志向性、相互信頼度高
2003/8/25-30
学会参加者に携帯電話を用い本システムによる人材検索を行っていた
だいた
SIV Business Networking





http://www.sfc-connect.net:8080/SBN/
SIV(SFC発ベンチャーを支援する団体)が主催するベンチャー起業家と支援
者の交流セミナーの参加者を対象としたコミュニティサイト
同窓会型、目的共有度、目的志向性が高い
2003/12/18セミナー参加者に本サイトのIDを配布し、サイト上で人材検索を行ってい
ただいた
29/39
背景・目的
モデル
評価
まとめ
ケース: Web技術者の検索

知人の知人から送られたメール


送信者: 営利研究機関にお勤めの会社員(公開)、
氏名公開、メールアドレス未公開
要件: 社内でWeb技術者を探している
このメールはあなたの友人の友人から送られました。その人は、あなたの以下の共通の友人がいます。
* 福沢 諭吉 * 慶応 太郎
----------------------------------------------------------明けましておめでとうございます。○○に所属しております△△と申します。
業務で、PHPでWebサイトを構築しようと考えていますが、そのようなスキルを持った方に、
バイト的にでも作業を委託できればと思っています。
いい人をご存知の方、または我こそ、という方、ご連絡をお願いできませんでしょうか。
どうぞよろしくお願いします。
----------------------------------------------------------もしこのメールに興味があれば、以下のURLから返信できます。
http://www.sfc-connect.net:8080/SBN/fpWebReplyPre.do?vua=11b1663b08
9c857b2026a3cffda8333&vta=5d81b61812fc57bda1953d4d3f2ed9a1
30/39
背景・目的
モデル
評価
まとめ
ケース: の結果

送信者の結果



送信者の声



送信者は、知人の知人から、2件返信を得た
そのうち1件と交渉、業務委託の際の金銭面での条件が折り合わな
かったが、社内のニーズはみたせた。
直接知り合いには(Web技術者は)いなかったが知り合いの知り合い
にはいそうな気がした(ので本システムを利用した)
契約には至っていませんが2 通の返事があり、社内ニーズに応える
ことができました。
仲介者にとっても偶然だったマッチング
共通の友人
(仲介者)
発信者
31/39
背景・目的
モデル
評価
まとめ
仲介者の声
SIV Networking Seminar の主催者という立場ですので、このコミュニティの人材
ハブとしての役割を担っています。
当然、普段から多くの方に、紹介の仲介を頼まれる訳ですが、このシステムが
導入されたことによって、その手間が大幅に下がりました。
私自身お名前を知っていてもその方が持っている技能を全て把握している訳
ではないので、そのために今までマッチングできなった方同士が、本システ
ムによりマッチングされる、という事例も発生しています。
マッチングにおける「チャンスの向上」と「効率性」という二つの側面において本
システムは有効であると思います


仲介者でさえ不可能であった「紹介」が可能に
仲介者の負担も軽減
32/39
背景・目的
モデル
評価
まとめ
モデル設計の妥当性検証(2ホップ固定)
1 2 3

指数関数的増加(N^2)は見られず

1Hop -> 2Hop と比較し、 2Hop -> 3Hopの
増加数は小さい
1
58
21
7
4
13
54
2
9
2
16
44
10
4
58
3
11
3
62
1
13
1
57
1
14
5
57
1
18
4
58
1
19
4
64
1
20
6
56
2
23
1
2
7
24
4
7
54
26
2
4
55
28
1
1
3
29
6
59
3
31
3
58
1
32
4
62
1
34
1
3
2
38
6
58
1
39
3
7
34/39
4
背景・目的
モデル
評価
まとめ
参考)ユーザ別の登録知人数
70
60
50
40
系列1
30
20
10
0
1 6 11 16 21 26 31 36 41 46 51 56 61 66 71 76 81 86 91

知人ネットワークはスケールフリーネットワーク
35/39
背景・目的
モデル
評価
まとめ
モデルの有効性の評価 (情報開示リスクの低下)

情報開示における情報開示リスクの低減




情報開示に関して、自己決定可能な選択肢を新たに提供
送信者の情報の開示範囲を最適化
返信者へも情報の開示リスクの判断材料をより多く提供
仲介者による情報開示リスクの低減への効果(ユーザの声)




Strength of the concept lies in the usage of common friends.
コミュニケーション内容の信頼性が高まる、より親密に感じることができる
共通の知人の名前や所属から、相手をある程度、推測・判断できる
突然共通の友人が判明するというのは、驚き半分嬉しさ半分で、その後に
とても役に立つ
36/39
背景・目的
モデル
評価
まとめ
問題点など

活用の度合いは、システム外の要素の影響度が大

活用できるコミュニティ(性質)
• 目的意識共有度
• 信頼度
• ネチケット

要件とマッチ度の関係
• どんな内容の要件なら、マッチするか

ユーザによる「モデルの理想状態」の共有の必要性
• 活用方法の共有(他のユーザがどう活用しているか)
• ネチケットや共通意識の形成と共有
• どんな情報や使い方が歓迎され、いやがられるのか

研究手法として


モデル <-> モデル化される社会システム
ユーザのプライバシとケース収集の両立
37/39
背景・目的
モデル
評価
まとめ
今後の課題

ユーザによる「モデルの理想状態」の共有の必要性
モデルの簡素化と機能強化のバランス的発展・
実社会上のコミュニケーションの見直しとモデル化・
モデル化する要素の取捨選択・

より多くの経験を収集

より多くのユーザ、様々なコミュニティでの運用
• モデルのスケーラビリティの検証
• 活用できるコミュニティ(性質)の範囲の検証
38/39
背景・目的
モデル
評価
まとめ
結論

達成事項

人材マッチングにおける自発性パラドクスを解消
• ユーザ主体の情報管理の実現
• 共通の知人(仲介者)が生み出す信頼性の高い人材
マッチング
• 高い実現性(スケーラビリティ、コストパフォーマンス、
マッチ率)

未達成及び不確定事項と今後の課題
• システム外の要素のモデル化について複数の課題
• 継続的に、より多くの経験値の収集が必要
• モデルの簡素化と機能強化のバランス的発展
39/39