駿河湾の地震の震源過程と 1

横田裕輔
2010/06/21
1. Introduction
地震の発震機構データから応力場を解析する手法は1980年ごろから盛んに研究
されているが実用上の問題として,
① 真実断層面の選択に依存→Angelier [2002]など
② 領域の区切り方に依存→Hardebeck & Michael [2006] (最小二乗法的な取り扱
い)
(イベントの集中する所や
ほとんどイベントがない所がある)

領域の接続damping parameterが必要
[本論文では事前に
領域を区切らず,代わりにABICを用いる]

Hardebeck & Michael [2006]
2
Sections
2. Basic Ideas
3
震源の表現(CMTと静的応力の関係)
ベイズモデルによる統計的取扱い(ABIC)
3. Mathematical Formulation
4
観測方程式・ベイズモデル
4. Validity Tests
using Synthetic CMT Data
数値テスト
5. Application to Actual CMT Data
in Northeast Japan
6. Discussion and Conclusions
5
2. Basic Ideas
ランダムに既存断層が存在していると考える
以下のように既存断層上で地震を発生したとしても
そのP,T軸は応力場を反映している
・ランダムに発生
・Trescaの降伏条件
P
T
・Coulombの破壊基準(せん断強度が垂直応力に依存)
2. Seismic Source
(1)
変位場
Green関数の導関数 モーメントテンソル
モーメントテンソル密度
(2)
均質弾性体
(3)
変位不連続量
(3)→(2)
(4)
Σは有限の厚みを持っている
せん断すべりだけ考えて
(5)
剛性率
すべりの大きさ
すべりの方向
Σを平面断層とすれば
(6)
(7)
2. Seismic Source
(7)
Vs
(8)
nが外向きになる
V
均質弾性体
Gaussの発散定理
静的応力解放
(9)
a
d
・動的な破壊成長過程は
周囲の領域の弾性的な歪みエネルギーの流入に支配される
(体積積分による表現(9)が(4)より良い)
(4)
3. Observation Equations
・地震は震源周辺の応力を解放する
a
3次元重み関数↓
(9)
a
d
(12)
静的応力解放
(13)
分散は断層長に依存するとして
(断層長3乗はMに依存)↓
3次元ガウス分布↓
(15)
(14)
応力場を離散化↓
(16)
エラーベクトル↓
(13)
(19)-(21)
(18)
3. Observation Equations
(13)
(18)
(16)
(23)
(22)
N: event数
M: モデル分割数
dとaの確率分布↓(Mを規格化しているのでE→I)
(24)
観測エラーはモーメントに依存しないが
モデルエラーは依存すると考える
(CMTで近似してしまうので規模が大きいと必ず大きくなる)
確率モデル
モーメントは規格化して用いる
データ誤差のスケール(分散)
事前情報に基づいた確率モデル
(10)
モデルの事前分布
モデル信頼性
(11)
ABIC
ベイズ分布(予測)
[最大時:最尤]
3. Bayesian Modelling
(13)
(18)
(16)
(23)
(22)
dのaに対するガウス分布↓(Mを規格化しているのでE→I)
(24)
確率モデル
観測エラーはモーメントに依存しないが
モデルエラーは依存すると考える
(CMTで近似してしまうので規模が大きいと必ず大きくなる)
モーメントは規格化して用いる
モデルの事前分布…のためのsmoothing constant
(25)
rが小さいと滑らか,大きいと荒い
(16)
(26)
(28)
(29)
(27)
3. Bayesian Modelling
(28)
(29)
(30)
モデルaの事前分布
(24)
確率モデル
ベイズ分布(予測)
[最大時:最尤]
(31)
(32)
最尤モデル
(33)
(34)
3. Inversion Algorism
最尤モデル
(33)
(34)
(35)
σとαが未決定
この時 minABIC
(36)
σの導関数=0
(37)
(38)
αの導関数=0
Grid Search (α)
4. Validity Tests
using Synthetic CMT Data
(13)
model
1D問題に落として考える
(39)
(14)
1400events
(40)
(46)
3MPa
(intraplate)
4. Validity Tests using Synthetic CMT Data
data
(41)
Case1:応力場に従う既存断層
Case2:ランダムな既存断層
(42)
1400events
Case1
Synthetic CMT Data
応力場から各断層の
すべりνを導出
それぞれの仮想CMT解
の各パラメーターに
Gaussian noiseを付加
(σ2=4.0*10-2)
Mを規格化
与えた応力τから求めたmodel値との分散
Case2
dip
Kagan [2005]
Case1
σ2=6.0*10-2
Case2
σ2=2.4*10-1
model
1-cos(dip)
4. Validity Tests using Synthetic CMT Data
Case1
(47)
σ2の値もよく推定できている
Case1
σ2=3.98*10-2
σ2=6.0*10-2
Case2
σ2=1.89*10-1
σ2=2.4*10-1
α2
Case2
5. Application to Actual CMT Data
東北地方で考える [CMT solution by NIED]
(2D問題で考える)↓
model
(48)
(49)
1000events
5. Application to Actual CMT Data
海域と陸域で傾向が違う
(地球物理学的,地質学的観測と整合的)
逆断層
正断層
6. Discussion and Conclusions
S2:CMT(地震波で決定)によって有限領域の圧力解放を求めて応力場を決める
(詳細な震源情報は不要)
S3:先験情報(応力場の粗さ)を導入して,
ベイズモデルで扱う
(領域を震源分布・地質情報で
慎重に区分してもモデル依存性は必ず含まれる)
他の手法:CMTを用いる点以外は今回の手法の特殊事例とみなせる
TM2008
Hardebeck&Michael 2006
震源
領域
デルタ関数
関数
B-spline
Tri-boxcar
Smooth
Smoothness
Flatness
ABIC
Tradeoff_data-model
※Tradeoff criterionが不明確
6. Discussion and Conclusions
S4:断層面が応力場と違う方向に揃っていた場合,解にバイアスがかかってしま
うが, その環境である可能性は低い(Thatcher&Hill, 1991; Iio, 1997)
応力解放,蓄積は長期でバランスをとるので長期間・広範囲のデータがあれば,
応力解放パターンは長期の応力蓄積パターンと考えられる

A