資料3 企業等への普及啓蒙の取組みについて 平成17年4月25日 経 済 産 業 省 貿 易 経 済 協 力 局 安全保障貿易検査官室 国内における普及啓蒙活動の概要 国内における安全保障貿易管理に関する普及啓蒙として、パンフレットの配布、HP、 説明会の開催、相談窓口の設置等による普及・啓蒙活動を実施すると共に、輸出管理 社内規程の策定を通じた企業の自主管理を支援。 ①普及・啓蒙活動 を通じた安全保 障貿易管理の認 識向上 1-1 パンフレット『その輸出!! ちょっと待った!』の配布 1-2 経済産業省のHPを通じた 情報提供 1-3 安全保障貿易管理説明会 の実施 1-4 電話相談窓口の設置 ②輸出管理社 内規程(CP) 策定に対す る支援 2-1 パンフレット「輸出管理社 内規程の整備に向けて」 の配布 2-2 CISTECによるモデルCP の作成・公表 ③輸出管理社 内規程の適 切な実施に 対する支援 3-1 実地調査(企業訪問調 査)の実施 3-2 自己管理チェックリスト による実施状況の提出 の要請 3-3 社内規程を適切に実施 している企業名の公表 (希望企業のみ) 1 パンフレット「その輸出!!ちょっと待った!」の配布 安全保障貿易管理に関するパンフレットを作成し、各経済産業局や税関、商工会議所等 を通じて輸出関連企業等へ配布(これまで14万部作成)。 2 安全保障貿易管理ホームページ(TOPページ) 経済産業省の安全保障貿易管理ホームページでは、安全保障貿易管理制度の概要、輸 出許可申請の手順、リスト規制に係る該非判定の流れ等を紹介。 http://www.meti.go.jp/policy/anpo/index.html ☆平成16年度中のアクセスは約26万件。 3 安全保障貿易管理説明会の実施状況 安全保障貿易管理説明会は、税関職員や商工会議所・ジェトロや業界団体等の会員企 業等を対象に、安全保障貿易管理(総論)、安全保障貿易管理(制度の紹介)、違反事例と 輸出管理体制等のテーマで実施。 【平成16年度】 全 体 信越・北陸 開催ヵ所 ・ 参加人数 2ヵ所 ・ 80名 47ヵ所 ・ 3,514名 新潟・石川 北海道・東北 3ヵ所 ・ 90名 中国・四国 札幌・福島等 1ヵ所 ・ 40名 岡山 関 東 近 畿 九州・沖縄 4ヵ所 ・ 116名 福岡・沖縄等 8ヵ所 ・ 571名 大阪・神戸等 東 海 27ヵ所 ・ 2,470名 2ヵ所 ・ 147名 東京・横浜等 名古屋 4 安全保障貿易管理説明会の開催結果 説明会に対するアンケート結果によれば、安全保障貿易管理制度に対する理解が 進む一方で、引き続き説明会の開催を望む声も多い。今後は参加者の関心事項(違 反事例の紹介・該非判定の方法等)に応じた説明会を実施していく予定。 【説明会アンケート集計結果(平成16年・25会場分)】 今回のセミナーは大変、 勉強になりました。今 後も法令を遵守しなが ら輸出取引を行いたい。 【その他、参加者の声】 Q1 安全保障貿易管理制度について、理解しているか? ①良く理解している ②ある程度理解している ③あまり理解していない ④全く理解していない 86 391 211 49 Q2 説明会の資料・内容は?(3コマの講義について合算) ①大変分かりやすい ②分かりやすい ③普通 ④分かりにくい ⑤大変分かりにくい 290 1013 825 106 9 輸出管理担当者だけの理解でな く、企業全体での認識が必要で あると痛感しました。 地方は輸出管理に対する意識が 低いので、これからも定期的に 説明会を開催してほしい。 説明会における今後の課題 Q3 説明会の時間は? ①長すぎる ②丁度良い ③短すぎる 16 596 134 ・具体的違反事例の紹介 ・業界に関連した情報の提供 ・該非判定の手法に関する説明 等 5 安全保障貿易相談窓口の設置 安全保障貿易管理についての一般的な相談を受け付けるための電話相談窓口を設置し、 月平均100件程度の問い合わせあり。 安全保障貿易相談窓口への問い合わせ件数の推移 問い合わせ内容の抜粋 (平成16年4月~平成17年3月) 件 ・当社の製品××は規制品に該当して いるのでしょうか? 140 120 ・最近、よく耳にする「キャッチオール規制」と はどのような規制ですか? 100 80 ・輸出許可の取得申請を行いたいが、具 体的にどのような書類を用意すればよ いのでしょうか? 60 40 20 0 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 合計1,237件 6 パンフレット「輸出管理社内規程の整備に向けて」の配布 企業等における輸出管理社内規程(CP)の整備を促進するため、パンフレットを約10万 5千部を作成し、説明会や経済産業局・税関、商工会議所等を通じて配布。 7 CISTECによるモデルCPの公表 CISTEC会員企業が自社の経験に基づき、業種や業態に応じた条文型式のモデル CPを作成し、HPにて公表。 http://www.cistec.or.jp/open/info/ihanjirei/modelcp/021001modelcp.html ***株式会社 規定第**号(平成*年*月*日制定) 安全保障輸出管理規程 第1章 総則 第2章 基本方針 (基本方針) 第4条 以下を当社における安全保障輸出管理の基本方針とする。 第4章 手続 (該非判定) 第8条 輸出等を行う場合には、リスト規制貨物等に該当するか否かについて判定を行う。 第1条 国際的な平和及び安全の維持を目的とする安全保障輸出管理を適切に実施するた 二 外為法等の遵守及び適切な輸出管理を実施するため、安全保障輸出管理の責任者を めに、本規程を定める。 定め、輸出管理体制の整備、充実を行う。 2 輸出管理統括部門は、該非判定を行う部門及び判定内容を審査し最終決定を行う部門 を定める。 (目的) 一 規制貨物等の輸出等については、外為法等に反する行為は行わない。 (適用範囲) 第3章 組織 3 該非判定は、以下のとおり行う。 第2条 本規程は、[会社名を記入]株式会社(以下「当社」という。)が行う貨物の輸 (最高責任者) 出及び非居住者への技術の提供に関する業務に適用する。必要な場合は、別に細則等を 第5条 基本方針に基づき、安全保障輸出管理関連業務を適正かつ円滑に実施するため、 一 当社で設計・開発した貨物等の輸出等を行う場合、[該非判定部門の名称を記入] 定めるものとする。 代表取締役若しくはそれに準ずる者を安全保障輸出管理の最高責任者とする。 は、必要な技術資料を整備し、最新の外為法等に基づいてリスト規制貨物等に該当す るか否かを判定する。 (定義) (輸出管理統括部門) 二 社外から調達した貨物等の輸出等を行う場合、[該非判定部門の名称を記入]は、 第3条 「外為法等」とは、国際的な平和及び安全の維持の観点から貨物の輸出及び技術 第6条 最高責任者又は最高責任者が定める者を長とする最高責任者直轄の輸出管理統括 調達先からの該非判定書等の入手等により、本項の一と同様、適切に該非判定を行う。 の提供を規制する外国為替及び外国貿易法とこれに基づく政令、省令、通達等をいう。 部門を設置する。 ただし、調達先から該非判定書等を入手しなくても判定できる場合には、当社の責任 で判定してもよい。 2 「輸出等」とは、貨物の輸出(輸出を前提とする国内取引を含む。)及び非居住者へ 2 輸出管理統括部門は、以下の業務を行う。 の技術の提供をいう。 三 本項の一、二のいずれの場合においても、[該非判定審査部門の名称を記入]は、 一 安全保障輸出管理規程の制定、改廃 判定内容について審査し最終決定を行う。 二 運用手続(細則)の制定、改廃 三 取引の審査、承認 4 「規制貨物等」とは、国際的な平和及び安全の維持の観点から外為法等により規制さ 四 全社管理業務の統括及び全社徹底事項の指示、連絡、要請等 れている貨物及び技術をいう。 このうち、輸出貿易管理令(以下「輸出令」という。) 五 監査 (用途確認) 別表第1の1の項から15の項に該当する貨物及び外国為替令(以下「外為令」という。) 六 教育 第9条 営業部門等は、輸出等の引合を受けた場合には、その行おうとする輸出等の用途 別表の1の項から15の項に該当する技術を「リスト規制貨物等」といい、輸出令別表 七 子会社及び関連会社等の指導 について以下の項目に該当するか否かを確認する。 第1の16の項に該当する貨物及び外為令別表の16の項に該当する技術を「キャッチ 八 関係部門等の長に対する報告等の要求、調査の実施、又は改善措置等の命令 オール規制貨物等」という。 3 「貨物等」とは、貨物及び技術をいう。 一 リスト規制貨物等については、核兵器等の開発等に用いられる若しくは核兵器等の 5 「核兵器等」とは、核兵器、軍用の化学製剤若しくは細菌製剤若しくはこれらの散布 開発等以外の軍事用途に用いられる、又はこれらの疑いがある。 (事業部門管理体制) のための装置又はこれらを運搬することができるロケット若しくは無人航空機をいう。 第7条 本規程の遵守及び輸出管理業務を適切に実施するため、輸出管理統括部門が定め 二 キャッチオール規制貨物等については、核兵器等の開発等に用いられるおそれがあ る事業部門に輸出管理責任者を置く。 6 「開発等」とは、開発、製造、使用又は貯蔵をいう。 る。 2 事業部門輸出管理責任者は、輸出管理統括部門の指示の下に、当該事業部門内の輸出 管理に関する以下の業務を行う。 (需要者等確認) 第10条 営業部門等は、輸出等の引合を受けた場合には、その行おうとする輸出等の契 一 事業部門運用手続(細則)の制定、改廃 約相手先、需要者等について以下の項目に該当するか否かを確認する。 二 輸出管理統括部門の指示、連絡、要請等の周知徹底 三 輸出管理手続業務の推進 一 経済産業省作成の「外国ユーザーリスト」に記載されている。 四 教育 五 所管する子会社及び関連会社等の指導 二 核兵器等の開発等を行う又は行ったことが入手した資料等に記載されている又はそ の情報がある。 8 実地調査について 各企業等における輸出管理体制の維持・ 向上を目的として、輸出管理社内規程に 基づく各企業等の輸出管理の取組状況の実地による調査を実施。 1. 調査方法 : ①自己管理チェックリストによる実施状況を事前に 提出要請をし、 ②各企業の協力を得て企業訪問をし、ヒアリング 又は記録文書により管理状況を調査。 2. 調査実績 : 615社:延べ914回 (昭和63年10月~平成17年3月末現在) 9 自己管理チェックリストによる実施状況の提出要請 経済産業省に輸出管理社内規程を届け出ている企業(約1000社)に対し、自己管 理チェックリストに基づく実施状況の確認、提出を要請。 自 己 管 理 チ ェ ッ ク リ ス ト (記入要領) 1.A欄には輸出管理規程の整備状況を記入。①~④を選択する項目ではいずれかの選択肢を、規程の有無を選択する項目では有・無のいずれかを選択した上で必要に応じて空欄に規程の種類や規程 上の取扱を簡潔に記載。なお、A欄に(記入不要)と記された項目については、B欄のみ記入。 2.A欄は、初回は全て記入。2回目からは、前回提出以降に規程の変更があった部分のみ記入。 3.B欄は、規程の有無にかかわらず、実際の実施状況を記入。ア~オを選択する項目では該当する選択肢(一部は複数回答可)を、実施状況の有無を選択する項目では有・無のいずれかを選択した上で 空欄に実際の取組状況について簡潔に記入。 4.B欄には、最近1年間の事実を対象に記入することを原則とする。 5.適当な選択肢がない場合や、「(一部)定めていない」、「(必ずしも)実行していない」等を選択した場合には、各設問の備考欄に貨物等の取扱を、または、末尾の特記事項欄に具体的な事情等を補足 的に記入をすることが薦められる。 6.ここでいう「規程」には、当該規程に基づく細則、マニュアル、フローチャート等を含む。 事業者名 記入年月日 評 価 項 目 A 欄 規程上の取扱 B 欄 実際の取組 備考 輸出管理体制 1-1 輸出管理の最高責任者は、組織を 代表する者か。 ①輸出管理規程上で定めている ③規程上では定めていない ④他者の規程を 適用する 旨、 定めている ( ア ) 規程ど おり 組織を 代表する 者が就任 ( イ ) 規程と は異なる ( ま たは規程がない) が組織を 代表する 者が 就任 ( ウ ) 上記以外の者が就任 ( エ) 不在 ①輸出管理規程において明確 A 欄に①②④と 記入し た場合: ②輸出管理規程以外の規程において明確 ( ア ) 規程ど おり 運用 ( イ ) 規程ど おり 運用し ていない ②輸出管理規程以外の規程で定めている 1-2 輸出管理に関する業務分担及び責 任範囲は明確か。 ③規程上の定めがない A 欄に③と 記入し た場合: ( ウ ) 運用上、 分担・ 範囲が明確になっ ている ( エ) 運用上も 不明確 ④他者の規程を 適用する 旨、 定めている 1-3 輸出管理情勢及び外為法等の改 正動向を輸出管理部門が把握し、 必要部門に連絡する体制になって いるか。 有・無 有・無 10 社内規程を適切に実施している企業名の公表 輸出管理社内規程を届出て、監査を実施するなどの公表要件を満たした企業等を公表 (372社(平成17年4月1日現在))。 1.背景 キャッチ・オール規制導入による企業内での安全保障貿易に関する自主管理の重要性の増 大。 2.公表の目的 各企業等における安全保障貿易に関する自主管理の向上 3.公表の要件 以下の全てを満たす企業等を公表 ○自主的に輸出管理社内規程を作成し、経済産業省へ届け出ていること ○輸出管理社内規程が、リスト規制及びキャッチオール規制に対応していること ○監査を実施し、自らの輸出管理体制の運用状況が適切であるとして「輸出管理社内規程の実施状況に ついて(宣言)」を提出していること 4.公表企業数 現在 376社(平成17年4月1日現在) なお、公表企業等は、安全保障HPの「企業の自主管理」→「輸出管理社内規程(CP)を作成し実施して いる企業名の公表」→「公表リスト」に掲載されています。 11 普及啓蒙活動をめぐる今後の課題 1.普及啓蒙活動の裾野の拡大 我が国の輸出業者の大半が都市部にあるため、これまで安全保障貿易管理 に関する普及啓蒙は、都市部にある企業が中心であり、地方企業や大学等に対 する普及啓蒙活動は十分ではない。 (1)中小企業に対する普及啓蒙活動の強化 <これまでの取組> (2)大学等に対する普及啓蒙活動の強化 <これまでの取組> ○中小企業白書(2004年版)での注意喚起 ○貿易経済協力局長名の注意喚起文 書の発出 ○国内各地での安全保障貿易管理説明会 の開催(国内47箇所(2004年度)) ○包括許可を取得している研究機関 に対する説明会の開催 <今後の取組> ○更なる安全保障貿易管理説明会の開催 ○商工会議所、都道府県地域支援センター 等を通じた情報提供の一層の強化 ○中小企業等の経営を指導する立場にいる 者への働きかけ強化 <今後の取組> ○大学等の研究者向け説明会の開催 ○TLO等の知財管理部署向け説明会の開催 12 普及啓蒙活動をめぐる今後の課題 2.海外子会社の輸出管理に対する支援強化 近年、核の闇調達ネットワークや海外における第三国を経由した懸念貨物の 懸念国への流出が発覚。かかる行為に日系の海外子会社が巻き込まれること がないよう十分な対策を講じることが必要。 <これまでの取組> ○貿易管理部長名による要請文書を発出 (参考;CISTECにおける海外子会社向けの取組) ○モデルCPを英訳 ○「海外拠点のための安全保障貿易管理ガイダンス」を作成 <今後の取組> ○海外子会社の従業員研修のための教材の提供 ○ベストプラクティス(先行優良企業例)の作成 13
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