スライド 1

2015年度
医 療 福 祉 論
(2)
人間福祉学部 准教授
宮 嶋
淳 (みやじま じゅん)
博 士 (ソーシャルワーク)
統合化された医療福祉
第1部:生活機能と障害
第2部:背景因子
構成要素
心身機能・身体構造
活動・参加
環境因子
個人因子
領域
心身機能・身体構造
生活・人生領域
(課題、行為)
生活機能と障害への
外的影響
生活機能と障害への
内的影響
能力
物的環境や社会的環境
心身機能の変化
標準的環境における
人々の社会的な態度
(生理的)
課題の遂行
構成概念
による環境の特徴 個人的な特徴の影響力
身体構造の変化
実行状況
がもつ促進的あるいは
(解剖学的)
現在の環境における
阻害的な影響力
課題の遂行
機能的・構造的統合性
活動・参加
肯定的側面
促進因子
非該当
生活機能
機能障害(構造障害) 活動制限・参加制約
否定的側面
阻害因子
非該当
障害
医療政策の変遷と医療福祉
• 高齢化
・老人福祉から老人保健へ
• 保健・医療・福祉の連携
• 介護保険
・社会的入院の増加
・終末期医療
• 後期高齢者医療
・介護予防
医療福祉の課題
医学的
病気が治ったという
「事実」
不一致
患者・家族
治っていないという
「解釈」
苦しさ・辛さ=生活困難
療養生活の不安定
医療福祉が捉える「利用者の利益」
モデル
医師
患者・家族
場面
能動-受動
専門知識や技術の発 「生命」を任せ
揮で、ほぼ全権掌握 自己対応不能
意識障害
高度救命医療
指導-協力
専門知識や技術を患 治療に協力
者に教育・指導
指導に従う
急性疾患
治癒目的
協働作業
患者や家族の暮らし 医師の専門知識や
慢性疾患
ぶりや意見を考慮し 技術に支えられ、協
生活目的
ながら、方針を提示 働作業を一緒に
医療と福祉の関係性を問う視点
• 連続性
• 社会性
• 地域性
主体
形態
対象
チームの形態
場所
情報
医学モデル
医師
医師中心
疾患
医療従事者
病院
無料
生活モデル
患者
チーム医療
疾患や障害をもつ人
多職種(福祉・心理)
在宅・訪問
有料
脱パターナリズム
身体
心
参加
就労
社会
教育
生きがい
スピリチャル
出生前
周産期
乳幼児期
健 康
経済
人間の生活・人生
高齢期
ターミナル期
医療情報の提供と患者の権利
• 日本医師会の生命倫理懇談会、1990年、
「説明と同意についての報告」を公表
• 医療法第6条の2
• 同法第6条の9
• 同法第6条の11
幡山久美子編
『臨床に必要な保
健医療福祉 医
療福祉論』2007
年、弘文堂
医療ソーシャルワークの目的と価値
• 医療を最大限、円滑に受けることへの援助
• 事故により生活に影響するような障害を持ち
ながら、社会生活上の機能を回復できるよう
に様々な側面から支援を行う
• 個人の尊厳、自己実現への支援、社会的不
正義の克服
患者と家族の理解
生活援助の連続性 ・ 継続性
入院
退院
医療チームのスタッフ
MSW
院内カンファレンス
退
院
時
カ
ン
フ
ァ
レ
ン
ス
地域 ・ 在宅生活
地域ケア・マネジメント
院外・地域カンファレンス
医療ソーシャルワークの課題
• 21世紀の医療福祉施策は、地域完結型医療
システムの構築や地域包括ケアシステムへ
の移行が主流に。
• 早期退院の役割を求められMSWの採用が
増加している。
• 早期退院は、患者や家族の苦しさ、辛さを生
み出し、療養生活の不安定を引き起こす退院
問題として現れることもある。
Q.医療福祉とは、医療ソーシャルワーカーの
活動を指していると考えていたのですが、そ
れで良いのでしょうか?
A.多くの人が医療福祉と聞くと、医療ソーシャルワーカーを思
い浮かべるはずです。
それぐらいに、医療福祉の中核を担う役割を医療ソーシャル
ワーカーが有していることになります。
ただし、医療福祉は、医療ソーシャルワーカーの活動だけ
を指しているのではありません。
今日の医療福祉とは、医療と福祉が一体的に「生きづらさ、
生活のしづらさ」へ対応することであり、統合的なサービスを
提供するものです。
したがって、社会福祉士・精神保健福祉士・介護支援専門
員・介護福祉士・保育士などの福祉専門職、並びに医師・看
護師・理学療法士などの医療関係職種が、その役割を担うこ
とになります。
多くの職種が医療福祉の視点から利用者を支援することで、
利用者の人生の質を高めるサービスの提供とつながります。
小西加保留
田中千枝子編
『よくわかる医療福祉』
ミネルヴァ書房、2010
医療費のしくみと構造
保険診療
健康保険制度
医療法
医師法
DPC導入の影響
• 2003年
• 2008年
• DPC制度では、必要な検査、処置、入院日数を削
減し、副作用の強い抗がん剤投与に関わる治療な
どは、外来通院で実施するようになっており、患者
不在の平均在院日数の削減を一層強化していく効
率化が進められている。
診療報酬制度と福祉士
項目名
対象疾病等
内容
療養上必要な指導及び感染予防に関する
後天性免疫不全症候群(HIV)に罹患
ウイルス疾患指導料
指導を行った場合に、患者1人につき、月1
している者
回に限り算定する。
退院支援計画作成
加算
長期にわたり入院している患者で
退院調整を行った場合に、入院中1回に限
あって、在宅での療養を希望する患
り、所定点数を加算する。
者
退院加算
退院支援計画作成加算を算定した
患者
リハビリテーション総 心大血管疾患、脳血管疾患、運動
合計画評価料
器、呼吸器、がん患者リハビリ
退院支援計画に基づく退院調整により退院
した場合、退院時に1回に限り、所定点数を
加算する
患者1人につき1月に1回を限度として加算
退院後の在宅での基本的動作能力、応用
退院時リハビリテー 患者の退院時に当該患者又はその
的動作能力、社会的適応能力の回復を図
ション指導料
家族等
るための訓練等について、加算する
入院生活技能訓練
療法
精神科地域移行実
施加算
入院中の患者であって精神疾患を有
する者
精神病棟における入院期間が5年を
超える患者
行動療法の理論による、病状の改善と社会
生活機能の改善を図る
退院調整を実施し、計画的に地域への移
行を進めた場合、加算する
わが国の医療等関係機関
• 病院
• 診療所
• 医療施設の機能・類型
医療スタッフ
• 病院の従業者の不足
– 「安心と希望の医療確保ビジョン」
○ 政府・厚生労働省の権限を拡大せず、現場・地域のイニシアチブを第一
とする。医療現場の医師・看護師等の医療従事者から、自ずから上がっ
てきた多様な意見を集約して政策とするという、現場重視の方針を貫く。
○ 改革努力を怠らない。ビジョンを示した後も、無駄を省く努力を怠らない。
例えば、規制撤廃により医療費を削減できる場合は、安全性を確保しつ
つ、積極的に規制撤廃を推進する。
医師憲章:新ミレニアムにおける医療
プロフェッショナリズム
• 3つの根本原則
• 10の責務
MSW=QOLに貢献
• 「生命=生死・生殖・恒常性」
• 「生活=生計・暮らしぶり」
• 「人生=生涯・生き様・生き甲斐」
という3つの層
• 「いろはにご飯」