16A・食文化の変遷

16A・食文化の変遷
2011.11.8. 青山・文化人類学
16A・食文化の変遷
2011/11/08 - [2]
食文化の変化
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ここで、もっとも変化の見えやすい「食文化」について、
今週・来週で明治以降の変化の様子をみてゆくことにす
る
スタート地点は、概ね吉田さんちの食生活(同じものを
食べ続ける、カロリーのための=働くための食事内容)
それが、どういう径路をたどって、今の私たちの食生活
(バラエティに富んだ、楽しみのための食)へと変化し
たのだろうか?
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cf. 吉田さんちの食事を想像するときにコメントした「そのときそ
の食材はあったか」「そのとき台所はどんなだったか」
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食をめぐるハードウェア
1.
調理器具
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2.
加熱器具
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3.
庖丁、まな板、お玉、杓子、しゃもじ、フライ返しなど。広くとらえ
れば、冷蔵庫や水道の蛇口といったものまで含まれる
食器
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5.
いろり、かまど、七輪、ガスコンロ、オーブン、電子レンジ、炊飯器、
電磁調理器など
調理補助具
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4.
釜、鍋、フライパン、やかんなど、料理・加工(特に加熱)をする際
に容物となるようなもの。現代では2と重なるものも多い。
椀、皿、はし、スプーン、フォーク、ナイフなど
食材
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食をめぐるソフトウェア
6.
調理技術
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7.
調味技術
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8.
6と重なる点が多く、また5との連関も見逃せないが、ともかく人の舌
をどのように使うか、が基本
メニュー
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9.
どのように食品をさばいたり、切り刻んだり、あるいは煮たり焼いた
り揚げたりするか。広くとらえれば、保存技術なども含められる。い
ずれにせよ人の手をどのように使うか、が基本
食材を加工して食卓に出す終着点をどうするか。広くとらえれば盛り
つけやとりわけなども含まれる
慣習・嗜好

○○は食べてよい・食べてはいけない(食べるものではない)といっ
た食にかかわるルールや、食制(何時に何を食べるか)といった、食
にまつわる周辺文化。わかりやすい例でいえば、明治以前牛肉は食べ
るものではなかったが、文明開化で食べるようになった、など
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食の変化とハード/ソフトの変化
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1~9は、互いに関連し相互に影響を与えながら、変化し
てゆく
吉田家の食事が、バラエティに富んでいなくて和食に偏
っていた事情を、1~9の状態がもたらす制約としてとら
え直してみる
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(5)食材をどこで調達するか……基本は「自給自足」+近場での購
入
(8)メニューをどのように知るか
(6)調理技術・(7)調味技術をどうやって身につけるか