15A・文化の変化について考える [続き] 2011.10.25. 青山・文化人類学 15A・文化の変化について考える[続き] 2011/10/25 - [2] 授業内課題 レジュメ14Bにおいて、吉田家で購入されている食品、 売り上げ=生産している野菜のデータをもとに、夏頃の 吉田家の一日の食事のメニューを推測して、インプレッ ションペーパーの裏に書いてください。 例)朝=ごはん+○○のみそ汁+…… 昼=…… 夜=…… おやつなど=…… 15A・文化の変化について考える[続き] 2011/10/25 - [3] 自給自足と大量消費 生活文化の変化の背景にあるのはなんだろうか? 1950-60年代を境に、それまでの自給自足型生活から大 量消費型へと転換したことが最大の要因 15A・文化の変化について考える[続き] 2011/10/25 - [4] 自給自足生活とその崩壊 自給自足の生活とはどんなものだろうか? 100%の自給自足は、原始人まで遡らなければいけない 参考資料:1930年代秋田農村吉田さんの家計簿・献立表 つまるところ、自分の食べるものを作るために、ほとんどすべて の労働と時間を費やすのが自給自足型生活……cf. 前期の最初に見 た民族誌フィルムの各民族の暮らし 自給自足を崩す要因はなんだろうか? 大きなインパクトの一つは、明治初年の地租改正による貨幣経済 の浸透 もう一つは「便利さ/効率性」への欲求=余暇の追求……cf. 囲炉 裏に対する価値観の変化 15A・文化の変化について考える[続き] 2011/10/25 - [5] 大量消費 大量消費型生活の特徴はなんだろうか? 「手間暇かけて自分でやる」から「できあいのものを買って済ま せる」へ →余暇を得るために働く メディアの浸透によって、全国どこでも同じようなものを欲しが り、流通の発達によって、またそれが手に入れられるようになっ た →画一化の進行(概ね1980年代に完成) 一方で、失われたものを惜しむ気持ちが芽生え始める →ノスタ ルジア 15A・文化の変化について考える[続き] 2011/10/25 - [6] 食文化の変化 ここで、もっとも変化の見えやすい「食文化」について、 今週・来週で明治以降の変化の様子をみてゆくことにす る スタート地点は、概ね吉田さんちの食生活(同じものを 食べ続ける、カロリーのための=働くための食事内容) それが、どういう径路をたどって、今の私たちの食生活 (バラエティに富んだ、楽しみのための食)へと変化し たのだろうか? cf. 吉田さんちの食事を想像するときにコメントした「そのときそ の食材はあったか」「そのとき台所はどんなだったか」 15A・文化の変化について考える[続き] 2011/10/25 - [7] 食をめぐるハードウェア 1. 調理器具 2. 加熱器具 3. 庖丁、まな板、お玉、杓子、しゃもじ、フライ返しなど。広くとらえ れば、冷蔵庫や水道の蛇口といったものまで含まれる 食器 5. いろり、かまど、七輪、ガスコンロ、オーブン、電子レンジ、炊飯器、 電磁調理器など 調理補助具 4. 釜、鍋、フライパン、やかんなど、料理・加工(特に加熱)をする際 に容物となるようなもの。現代では2と重なるものも多い。 椀、皿、はし、スプーン、フォーク、ナイフなど 食材 15A・文化の変化について考える[続き] 2011/10/25 - [8] 食をめぐるソフトウェア 6. 調理技術 7. 調味技術 8. 6と重なる点が多く、また5との連関も見逃せないが、ともかく人の舌 をどのように使うか、が基本 メニュー 9. どのように食品をさばいたり、切り刻んだり、あるいは煮たり焼いた り揚げたりするか。広くとらえれば、保存技術なども含められる。い ずれにせよ人の手をどのように使うか、が基本 食材を加工して食卓に出す終着点をどうするか。広くとらえれば盛り つけやとりわけなども含まれる 慣習・嗜好 ○○は食べてよい・食べてはいけない(食べるものではない)といっ た食にかかわるルールや、食制(何時に何を食べるか)といった、食 にまつわる周辺文化。わかりやすい例でいえば、明治以前牛肉は食べ るものではなかったが、文明開化で食べるようになった、など 15A・文化の変化について考える[続き] 2011/10/25 - [9] 食の変化とハード/ソフトの変化 1~9は、互いに関連し相互に影響を与えながら、変化し てゆく 吉田家の食事が、バラエティに富んでいなくて和食に偏 っていた事情を、1~9の状態がもたらす制約としてとら え直してみる (5)食材をどこで調達するか……基本は「自給自足」+近場での購 入 (8)メニューをどのように知るか (6)調理技術・(7)調味技術をどうやって身につけるか
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