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LC/MSによるヒトのパラベン
類の摂取と排泄に関する研究
○武田 年喜 鈴木茂(中部大 院)
1.研究の背景 、目的

パラベンとは
防腐剤として、様々な製品に添加されている。他
方、パラベンは環境ホルモンとしての疑いがもた
れている物質である。

主要な用途である、生活用品(シャンプー
や歯磨き粉、ボディソープ)の使用を通じて、
一日で生じる体内へのパラベン類の摂取に
ついて考察する。
2.サンプル採取について
パラベン類が含有される製品を使用し、その部位に残るパ
ラベン残留量から吸収の概要を測定する。
また尿中のパラベン濃度から体外へと排泄されてゆくパラ
ベン量を測定する。
シャンプー
洗顔料
歯みがき
ボディソープ
今回の実験では自身の身体を用
いて、生活用品からパラベンを摂
取する生活、摂取しない生活を管
理し、サンプルの採取を行った。
皮膚上の残留量の分析法
皮膚を拭き取ったコットン
シャンプー、ボディソープについ
ては皮膚の一部をエタノールで拭
き取ってから、パラベンを含む製
品を使用後、エタノールを滲み込
ませたコットンで拭き取る。
歯磨き粉においては口腔内を拭
き取った。
試料処理については
図2の方法でおこなった。
アセトン10mlにしばらく浸し
水気が無くなるまで絞る
0.5mlまで濃縮し
蒸留水を加え5mlとする。
ジクロロメタン2mlで
2回溶媒抽出
濃縮
溶媒をアセトニトリル2mlに置換
図2 コットンの試料処理
尿中のパラベン濃度の分析法
無添加石鹸、シャンプー
や歯磨き粉を使うパラベン
を取らない生活を数週間行
ってから、一日だけ普段と同
じ生活を行う。その日から数
日間に渡り尿を採取する。
試料処理については図3
の方法で行った。
尿50mlに対しジクロロメタン
20mlで2回、溶媒抽出
無水硫酸ナトリウムに通して脱水
濃縮し、溶媒をヘキサン
0.5mlに置換
シリカゲルカラムクロマトグラフィー
アセトニトリル2mlに置換
図3 尿の試料処理
3.結果と考察
メチル
プロピル
ベンジル
35
(
パ 30
ラ
25
ベ
ン 20
量
15
n
10
g
5
エチル
ブチル
)
0
11日後
15日後
19日後
23日後
25日後
27日後
パラベンを摂取しない生活 経過日数
32日後
3.結果と考察



パラベンを摂取しない生活を開始してから数週
間に渡りエチルパラベンが検出され続けた。
今回の結果から普段の生活における尿中のパラ
ベン濃度が生活用品由来のみではなく、食品や
洗剤も関係している可能性が示唆された。
また、パラベンの代謝後の物質も視野に入れた
分析法を検討している。