1、新配合の浸透促進成分「ラメラエクスパンダー※1」が成分

報道関係各位
2015年4月3日
オリジナルのエイジングケア商品を展開するアンファー株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:三山 熊裕)は、
11代目となる「スカルプD」 (薬用スカルプシャンプー2種、薬用スカルプパックコンディショナー1種)を2015年4月10日
(金)に、フルリニューアル発売します。
アンファーは、これまで頭髪治療専門クリニックの医師や研究機関とさまざまな研究を重ねてきました。毛髪成長に影
響を与えているとされている「遺伝」の研究を進める中で、「同じ遺伝子」を持つ一卵性双生児の男性型脱毛症の進行に
ついての研究を行った際、約半数の組に差異があるという結果が得られました。この研究から、必ずしも遺伝的素因だ
けではなく、環境要因も影響している可能性を見出しました。これらの研究結果からスカルプDは、環境要因の重要な一
因である「頭皮環境」を整え、健康な毛髪を育てる為に毎年改良を重ねてきました。
今回のフルリニューアルでは、「遺伝に立ち向かう」をテーマに、遺伝の研究から得られた環境要因の重要性に改めて
着目し、男性特有の「頭皮環境の変化」にアプローチするため、厳選した特徴成分の浸透力をさらにパワーアップ。また、
独自の研究開発から生まれた成分をバージョンアップしました。
1、新配合の浸透促進成分「ラメラエクスパンダー※1」が成分の「通り道」を補う
頭皮環境を整えるうえで脂分・水分は必要不可欠です。頭皮環境の元となる皮膚の最外層である角質層は、外部刺
激の侵入を制御する重要な組織で、角質細胞間のラメラ構造と呼ばれる脂質と水性分子の層が、成分の浸透ルートと
なっています。11代目スカルプDは、このラメラ構造と類似した成分を補い角層内の“成分の通り道”を広げ、浸透性を高
めるという考えの下、新たに「ラメラエクスパンダー※1 」を配合しました。
このラメラエクスパンダーは分子内に親油基と親水基を持ち、一般的に親油性成分よりも浸透しにくいとされていた水
溶性成分の浸透性※2も高めることが期待できます。また、10代目にも配合している独自成分もバージョンアップ。さらに
機能性が凝縮されたスカルプケア成分※3を頭皮の奥深くへと浸透※2させ、毛髪にとって理想的な環境へと導きます。
2、日常のスカルプケアを最大化! 再生医療に基づく独自研究“Wメカノ成分”新配合
伸展・圧縮・振動などの力学的刺激によって遺伝子の発現を促すメカニズムを解明・応用する研究学問「メカノバイオ
ロジー」。アンファーは、同研究の第一人者である日本医科大学の小川令教授と共に、毛乳頭細胞への伸展刺激が発
毛関連遺伝子の発現を促すことを発見。この共同研究の結果を元に、頭皮へのオリジナルマッサージ法「メカノスカルプ
マッサージ」を考案し、提唱してきました。また伸展刺激の伝達に着目し、細胞内の“刺激”情報伝達の力を高める細胞
間分子を活性化する「イリス根エキス」と、新成分の「マンダリンオレンジエキス※4」を“Wメカノ成分”として新配合してい
ます。
※1 【シャンプー/パックコンディショナー共通】ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム液、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール、 【パックコンディショナーのみ】
ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル・オクチルドデシル) ※2 角質層まで
※3 豆乳発酵液、ジンセノリキッドEX、ホウセンカエキス、バンジロウ葉エキス、イリス根エキス、チンピエキス(全て保湿) ※4 チンピエキス(保湿成分)
11代目「スカルプD」 商品特長
1.新配合の浸透促進成分「ラメラエクスパンダ― ※1 」が成分の「通り道」を補う
皮膚の最外層である角質層は、外部刺激の侵入を制御する重要な組織で、角質細胞間のラメラ構造と呼ばれる脂
質と水性分子の層が、成分の浸透ルートとなっています。
11代目スカルプDは、このラメラ構造と類似した成分を補い角層内の“成分の通り道”を広げ、浸透性を高めるという
考えの下、新たに「ラメラエクスパンダー※1 」を配合しました。このラメラエクスパンダーは分子内に親油基と親水基を
持ち、一般的に親油性成分よりも浸透しにくいとされていた水溶性成分の浸透性※2も高めることが期待できます。
また、昨年発売した10代目にも配合している独自成分の豆乳発酵液をさらにバージョンアップしており、より機能性
が凝縮されたスカルプケア成分※3を頭皮の奥深くへと浸透※2させ、毛髪にとって理想的な環境へと導きます。
※1
※2
独自開発「豆乳発酵液」が「黒豆」になってバージョンアップ
大豆イソフラボン含有のスカルプDの豆乳発酵液をリニューアルしました。北海道産の黒豆100%を使用し、
24時間かけてじっくり発酵。艶のある黒大豆から作られた豆乳発酵液には、従来の豆乳発酵液よりも多くのポ
リフェノール成分が含まれています。この豆乳発酵液をスカルプDに20%配合し、洗いながら頭皮に必要なう
るおいを与えます。その他、男性特有の頭皮環境に合わせた頭皮ケア成分を配合しています。
その他の頭皮ケア成分
豆乳発酵液
<ジンセノリキッドEX>
<バンジロウ葉エキス>
<ホウセンカエキス> (すべて保湿)
※1 【シャンプー/パックコンディショナー共通】ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム液、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール、 【パックコンディショナーの
み】ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル・オクチルドデシル) ※2 角質層まで
※3 豆乳発酵液、ジンセノリキッドEX、ホウセンカエキス、バンジロウ葉エキス、イリス根エキス、チンピエキス(全て保湿)
2. 日常のスカルプケアを最大化!再生医療に基づく“Wメカノ成分”新配合
アンファーで行っている、毛髪研究の一つが「メカノバイオロジー研究」。その第一人者である日本医科大学形成外
科学教室 教授 小川 令先生と共に共同研究を行い、毛乳頭細胞を周期的に伸ばしたり、縮めたりするような“伸展刺
激”を与えると、「BMP4」、「Noggin」、「Smad4」 など発毛関連遺伝子が2倍以上増加することが分かりました。
この研究をスカルプDに応用するため、細胞内へ“刺激”という情報伝達力を高める
細胞接着分子である「インテグリン」に着目。機能性原料を100種類以上スクリーニン
グした結果、「イリス根エキス」という原料が最もインテグリン遺伝子の発現を増加させ
ることがわかり、“メカノ成分”として配合しています。
さらに、今回のフルリニューアルから、新たにミカン類に属する「マンダリンオレンジエ
キス※4 」を新配合しています。このマンダリンオレンジエキスは細胞間調整分子に着目
された成分で、これらダブルの成分とスカルプマッサージ共に、うるおいが保たれた柔
軟な頭皮環境へ導きます。
※4 チンピエキス(保湿成分)
イリス根エキス
マンダリンオレンジ
3. 毛髪の4重構造がパワーアップ!スカルプD史上最高のハリ・コシを実現
昨年発売した10代目スカルプDから採用した毛髪の4重構造。「浸透アミノペプチド※1」「高密着セラミドポリマー※2」「ボ
リュームアップケラチン※3」「コーティングセルロース※4」という4つの成分が、内側と外側から毛髪へ働きかける事で、
使ってすぐ感じていただける、即効的なハリコシアップへ。今回の11代目では、これら4つのハリコシ成分の配合量を見直
し、従来よりも浸透促進成分が毛髪の奥深くへ入り込み、太くハリコシが維持された毛髪へと導きます。シャンプーとパッ
クを併用する事で、さらにハリコシがパワーアップし、根元から立ち上がる理想のボリューム感を実現します。
① 浸透アミノペプチド※1
(毛髪内部へ浸透し、毛髪を膨張)
② ボリュームアップケラチン※2
(キューティクルの隙間を埋め、ツヤ感UP)
③ 高密着セラミドポリマー※3
(成分を毛髪へ閉じ込める)
④ コーティングセルロース※4
(毛髪表面をコーティング。キープ力を強化)
【シャンプー・パックコンディショナー共通】※1ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム液、※2グリセリル‐N‐(2‐メタクリロイルオキシエチル)カルバメート・メタクリル酸ス
テアリル共重合体、※3ヤシ油脂肪酸加分解ケラチンK液、
【パックコンディショナーのみ配合】※4塩化トリメチルアンモニオヒドロキシプロピルヒドロキシエチルセルロース
参考:様々な角度から“遺伝に立ち向かう”アンファーの頭髪研究
アンファーでは、多くの医師や臨床機関・研究機関と共に商品の開発を行っており、「スカルプD」は、頭髪の遺伝的
要因/生活習慣との相関性の研究、日常ケアで行う洗浄の効果性、またマッサージにおける毛髪再生研究等の研究や
臨床データを元に開発を行う等、より確かなエイジングケア商品を皆様にお届けしています。スカルプD頭髪研究の一
部をご紹介します。
一卵性双子と男性型脱毛症の研究
これまでの研究からAGAの発症及び進行は遺伝率0.81と遺伝要
因が大きいと言われてきましたが、それを検証するため、遺伝子が
同じ一卵性双子において、AGAの発症が生活習慣などの環境要因
の影響をどのくらい受けるのか調査を実施。
その結果11組中5組は兄弟間で毛量の差がありました。この結果
から必ずしも遺伝的素因だけではない事が示唆されます。
男性型脱毛症と生活習慣
(血糖、脂質、血圧等)の関連性
今までAGAと高血圧、脂質異常、糖尿病、喫煙など
の関係について多くの報告がありますが、それ以外の
生活習慣との関連性を実証するために1,873人のAGA
を罹患した男性を対象とし、様々な因子との関連性を
分析した結果、AGAとBMIに関連性がある事を発見。
肥満の原因がAGAを進行させる原因と共通している可
能性がある事を見出しました。
【過去発表学会】
・16th European Hair Research Society (スペイン) 2012,6
・第20回毛髪科学研究会(日本) 2012,11
【過去発表学会】
・第11回日本抗加齢医学会総会(日本) 2011,5
・The 15th Meeting of the European Hair Research Society
(イスラエル)(The best clinical lecture受賞)2011,7
頭皮マッサージによる物理刺激
が与える毛乳頭細胞への影響
抜け毛対策のために日常ケアとして何を行えば良
いのかを提案することは弊社の重要なテーマです。
そこで、洗浄機能だけでなく、頭皮にマッサージを
行ったり、頭皮洗浄をどのように行うと毛髪成長に変
化を与えられるかを研究。頭皮マッサージが毛包へ
の物理的刺激の伝達手段と捉えなおし、毛髪への影
響を研究しました。その結果、物理的刺激を毛乳頭
細胞に与えると脱毛遺伝子の発現が抑制され、発毛
遺伝子の発現が増加されることを証明しました。
(詳細別紙参照)
【過去発表学会】
・8th World Congress for Hair Research (韓国) 2014,5
・International Symposium on Mechanobiology 2014 (日本・岡山) 2014,5
11代目「スカルプD」 商品概要
・発売日:すべて2015年4月10日(金)
・販売チャネル:アンファーストア(http://www.angfa-store.jp)、一部ショッピングサイト、店舗
・お客様からのお問合わせ先:アンファー 0120-722-002 営業時間:午前9時~午後9時(年中無休)
スカルプD 薬用スカルプシャンプー オイリー[脂性肌用]
<医薬部外品>
容量 350mL 価格 3,900円(税込)/ 3,612円(税抜)
○ 独自の洗浄成分「アミノウォッシュ+ ※1 」に、「ボリュームアップケラチン※2 」を加
え、よりきめ細かく、濃密になった泡が頭皮の汚れをしっかり除去
○ ハリコシ成分浸透で、洗っている最中から毛髪のハリコシに手ごたえ
○ オイリーな頭皮に着目した複合的な特徴成分が、皮脂の過剰分泌を抑制
○ 爽快感のあるミントの香り
※1脂肪酸(12,14)アシルアスパラギン酸Na液、※2ヤシ油脂肪酸加分解ケラチンK液
スカルプD 薬用スカルプ
シャンプー オイリー
[脂性肌用]
【有効成分】グリチルリチン酸2K/ピロクトンオラミン/サリチル酸
【特徴成分】ニンジンエキス/豆乳発酵液/バンジロウ葉エキス/イリス根エキス/ホウセンカエキス/チンピエキ
ス/党参抽出加水分解液/ローヤルゼリー発酵液/酵母エキス―3/ユニトリエノール T-27/N-オクタノイルグ
リシン/シモツケソウエキス/ピロクトンオラミン/フィトスフィンゴシン/クリサンテルムインディクム抽出液/セイ
ヨウニワトコエキス/水溶性コラーゲン/ヒアルロン酸Na-2
スカルプD 薬用スカルプシャンプー ドライ[乾燥肌用]
<医薬部外品>
容量 350mL 価格 3,900円(税込)/ 3,612円(税抜)
○ うるおいを残して汚れだけを落とす洗浄成分「アミノウォッシュ+ ※1 」に、「ボ
リュームアップケラチン※2 」を加え、より細かいクリーミーな泡立ちを実現。潤いを
与えながら優しく頭皮を包みます
○ 保湿効果も高く、乾くとしっかり立ち上がる毛髪へ
○ 乾燥しやすい頭皮に着目した複合的な特徴成分が潤いとバリア機能をUP
○ ハーバルなやさしい柑橘の香り
※1脂肪酸(12,14)アシルアスパラギン酸Na液、※2ヤシ油脂肪酸加分解ケラチンK液
スカルプD 薬用スカルプ
シャンプー ドライ
[乾燥肌用]
【有効成分】グリチルリチン酸2K/ピロクトンオラミン/アラントイン
【特徴成分】ニンジンエキス/豆乳発酵液/バンジロウ葉エキス/イリス根エキス/ホウセンカエキス/チンピエキ
ス/イノシトール/党参抽出加水分解液/アセチル化ヒアルロン酸Na/PCA-Na/アロエベラエキス/フィトスフィ
ンゴシン/クリサンテルムインディクム抽出液/水溶性ツボクサエキス/アルテロモナス発酵エキス/水溶性コ
ラーゲン/ヒアルロン酸Na-2
スカルプD 薬用スカルプパックコンディショナー[すべての肌用]
<医薬部外品>
容量 350mL 価格 3,900円(税込)/ 3,612円(税抜)
○ 頭皮をパックするという、新しい発想のトリートメント
〇 べたつかないのに浸透して潤うマルチブレンドオイル※1を配合。頭皮・毛髪に潤
いを与えます
〇 3種のコラーゲンが角質層に浸透し、ふっくら柔軟な頭皮に導きます
○ 植物由来のコーティングセルロース※2が、毛髪のボリュームキープ力をUP
○ 爽やかなグリーンアロマの香り
スカルプD 薬用スカルプ
パックコンディショナー
[すべての肌用]
(注:パックコンディショナーの色が薄黄色に変わりました。天然成分の色ですので品質
には問題ありません)
【有効成分】グリチルリチン酸2K/酢酸トコフェロール/アラントイン
【特徴成分】オタネニンジンエキス/豆乳発酵液/バンジロウ葉エキス/イリス根エキス/ホウセンカエキス/
ビタミンE/天然ビタミンE/アルギン酸Na/デイ・リリー花発酵液/シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシ
ジグリコール/カモミラエキス/サクシニルアテロコラーゲン液/海藻エキス/ピロクトンオラミン/コラーゲン・
トリペプチド F/水溶性コラーゲン/ヒアルロン酸Na-2/ヒマワリ油-2/パーム油/サラシミツロウ
※1 ヒマワリ油-2/パーム油/サラシミツロウ ※2 塩化トリメチルアンモニオヒドロキシプロピルヒドロキシエチルセルロース
【頭皮に安心な6つのフリー処方】
頭皮のことを考え、シリコンフリーのみに留まらず、パラベン・石油系界面活性剤・合成着色料・合成香料・
フェノキシエタノールを一切使用しない“6つのフリー ”。毎日安心してご使用いただけます。
アンファー株式会社について
アンファー株式会社は、1987年の会社設立以来「ニッポンを若くする」をコンセプトに、皆さまの「いつまでも美
しく、健やかに生きる」というエイジングケア・ライフスタイルの実現をめざすトータルエイジングケア・カンパニー
です。多くの医師や臨床機関・研究機関との密接なリレーションを構築しながら、「スカルプD」をはじめ、様々
なエイジングケア商品の企画・研究開発および販売を行っております。
参考資料
アンファー毛髪研究 メカノバイロジー研究
物理刺激が与える毛乳頭細胞への影響について
アンファーは、日本医科大学形成外科 教授 小川 令先生と脇坂クリニックと共同で、毛髪再生に対
するメカノバイオロジーの応用について研究を進めています。
メカノバイオロジーとは?
日本医科大学形成外科 教授 小川 令先
生とアンファーが共同で行っている研究テーマ
であるメカノバイオロジーとは、分子、細胞内小
器官、細胞に対して物理的刺激が分子活性、
細胞内構造、細胞分化、細胞運動などの生理
機能や制御機構が応答・適応するメカニズムを
解明、さらには臨床に応用するための研究学問
です。
現在、実際の医療現場でも筋・腱・関節など
筋・骨格系へ物理的刺激を加える医療が行わ
れています。
アンファーは、このメカノバイオロジーの観点か
ら種々の組織、細胞、分子に物理学的な刺激
を加え、そのメカニズムや効果をし、商品やマッ
サージ方法等へ応用しています。
医師 (M.D.)・医学博士 (Ph.D.)/米
国外科学会フェロー (F.A.C.S.) /
東京大学形成外科・非常勤講師
/日本形成外科学会認定・専門医
日本医科大学形成外科 教授
小川 令 先生
1999年 日本医科大学医学部卒業、日本医科大学形成外科入局、2005年同
大学大学院修了御、同大学形成外科助手を歴任後、会津中央病院形成外科
部長、日本医科大学形成外科講師、同大学付属病院形成外科・美容外科医
局長にて従事。
2007年より 米国ハーバード大学ブリガ ムウィメンズ病院形成外科にてメカノ
バイオロジー/メカノセラピーを研究。帰国後、2009年には、日本医科大学形成
外科准教授, 同大学付属病院形成外科・美容外科医局長, 同大学大学院形態
機能再生再建外科学、メカノバイオロジー・メカノセラピー研究室主任研究員と
してご活躍。2013年東京大学形成外科非常勤講師としてもご活躍。
メカノバイオロジー細胞力学の研究、瘢痕の生化学・物理学的解析軟骨再
生・組織工学研究、脂肪組織由来幹細胞など、再生医療の研究の第一人者。
細胞に物理的な刺激を与えることによって生じる変化を解明するとともに、意
図的に細胞に刺激を加え、創傷治癒を促進させたり、幹細胞に力を与えること
で機能を持った細胞に分化させ、組織再生を行うことを試みて日々治療・研究
を行っている。
日本医科大学形成外科・准教授
毛乳頭細胞に伸展刺激を与えることで毛髪関連遺伝子に変化
小川 令 先生
メカノバイオロジーの観点から毛髪再生の研究やその有効性の研究を行ってきた結果、細胞には“力を
感じる”仕組み(メカノセンサー)があるということが分かってきました。細胞膜にはあらゆる力を感じる分子が
あり、適度な力を加えることで、この分子が力を感じ取り、シグナル伝達経路を活性化するだけでなく、さら
医師
(M.D.)・医学博士 (Ph.D.)
に遺伝子の発現をも促すことが認められています。
米国外科学会フェロー
(F.A.C.S.)
従来化からマッサージが頭皮に良いと言われていますが、その
実験方法
理由やメカニズムはこれまで「血行促進」が髪の毛に良いではない
東京大学形成外科・非常勤講師
か、と考えられ、その医学的な根拠は解明されていませんでした。
日本形成外科学会認定・専門医
今回の共同研究では、周期的に伸ばしたり、縮めたりできるスト
レッチシリコンチャンバーにヒトの毛乳頭細胞をばらまいて、この毛
乳頭細胞に伸展刺激を与えながら72時間培養をしました。すると
2倍以上発現が上昇していた遺伝子が約2600確認され、またそ
の中でもBMP4などの発毛関連遺伝子が増加し、逆にIL-6などの
脱毛関連遺伝子が減少しました。つまり、毛乳頭細胞に伸展刺激
を与えると一部の毛髪関連遺伝子が発現が大きく変化したのです。
細胞に伸展刺激を与えながら培養
するストレッチシリコンチャンバー。
毛乳頭細胞への伸展刺激を与えな
がら72時間培養を実施。
アンファーエイジング研究所では、さらにこの結果を商品に応用するため、細胞内への“刺激”という情報
伝達力を高める細胞接着分子である「インテグリン」にも着目。機能性原料を100種類以上スクリーニング
した結果、「イリス根エキス」がもっともインテグリン遺伝子の発現を増加することが分かりました。この「イリス
根エキス」をスカルプDに配合し、洗髪時のマッサージ効果をより高めるため機能を新たに加えました。さら
にその効果をサポートする成分配合の組み合わせスクリーニングも現在行っています。
この研究結果の知見をもとに今後は、生体における変化を確認するためにマウスの背中に伸展刺激を加
え、タンパクの発現解析や遺伝子発現、発毛促進解析を進めようとしています。このような実験を通して毛
髪再生につながる研究を行うことで、より機能性の高い、より実感が得られる商品(シャンプーなど)開発を
今後も進めてまいります。
参考資料
アンファー×毛髪再生医療×マッサージ
「メカノスカルプマッサージ」について
頭皮や毛髪のトラブル改善のためにマッサージは重要です。マッサージによる血行促進は、毛周期(ヘアサイクル)の
短縮化を改善し、必要な栄養素を頭皮や毛髪へ浸透させる効果があります。しかし、正しい方法でマッサージをしないと、
頭皮を傷つけることになり、かえって逆効果になることもあります。
そこで、アンファーは「頭皮にやさしい」をコンセプトとした、マッサージ方法を、大阪にある頭髪治療専門病院である脇坂
クリニック大阪 院長 脇坂 長興 先生(形成外科医)と、再生医療分野で活躍されている日本医科大学形成外科学
教授の小川 令先生と共同でオリジナルの頭皮マッサージ方法「メカノスカルプマッサージ」を開発しました。
毛髪再生医療分野でいま高い注目を集めている「メカノバイオロジー」の概念を活用し、単に血行を促進させるだけでな
く、やさしい伸展刺激による、毛髪関連遺伝子の発現効果も期待されるマッサージ方法です。