商業科 〔授業支援スライド〕 1.銀行と金融の役割 スライド2~9 2.銀行の固有業務 スライド10~21 3.銀行ビジネスの変化 スライド22~33 スライド 1 スライド 2 1.銀行と金融の役割 ①金融の意味と役割 スライド3 ②金融機関の種類 スライド4 ③銀行の役割 スライド5 ④銀行のビジネス スライド6 ⑤間接金融と直接金融 スライド7~9 スライド 3 1ー① 金融の意味と役割 ■金融とは? 家計などの余剰資金を、資金を必要とする者へ融通すること。 医療費などの突然の出費や将来の 支出のために貯蓄していることが 多く、資金を必要とする者へ資金を 供給できる。 金融機関・・・資金の融通(橋渡し)をする業者 設備投資(工場建設や製造機械 購入など)や公共工事などのために 多額の資金需要があり、お金が不足 している。 スライド 4 1ー② 金融機関の種類 ■金融機関の種類 中央銀行 日本銀行 普通銀行 長期金融機関 預金取扱金融機関 民間 金融機関 その他の金融機関 公的 金融機関 ・都市銀行 ・地方銀行 等 ・信託銀行 協同組織 金融機関 ・信用金庫 ・信用組合 ・労働金庫 ・農業協同組合 ・漁業協同組合 等 証券会社 ・証券会社 保険会社 ・生命保険会社 ・損害保険会社 政府系金融機関 ・日本政策金融公庫 等 その他 ・商工組合中央金庫 ・日本郵政 (ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険)等 ※ゆうちょ銀行などは、完全民営化までの移行期間中であるため、公的金融機関に分類している。 スライド 5 1ー③ 銀行の役割 ■銀行に預けた預金はどこに行くのか? 預金として預けられたお金(余剰資金)は資金を必要とする者へ貸し出される。 スライド 6 1ー④ 銀行のビジネス ■銀行の固有業務(三大業務) ①預金業務(受信業務) ②貸出業務(与信業務) ③為替業務 ■銀行の利益創出活動 ①利ざや 預金金利<貸出金利 ②為替業務や金融商品の 取り扱いにかかる手数料 など [銀行のその他の業務〕 ①~③の固有業務に付随する もの(両替等)や証券業務など 銀行のディスクロージャー誌で 調べてみよう 1)業務純益 貸出業務や為替業務など 銀行本来の業務による利益 2)総資金利鞘 資金運用利回りー資金調達原価 スライド 7 1ー⑤ 間接金融と直接金融 ■間接金融と直接金融 間接金融 ●資金の貸し手と借り手の間に立って 銀行などが資金を仲介してお金を 融通する。 直接金融 ●企業が株式や社債、国・地方公共 団体が公共債(国債や地方債)を 通じて資金を家計などから直接集める。 スライド 8 1ー⑤ 間接金融と直接金融 ■間接金融の資金の移動 お金の出し手と使い手が直接結びつかない スライド 9 1ー⑤ 間接金融と直接金融 ■直接金融の資金の移動 お金の出し手と使い手が直接結びつく スライド 10 2.銀行の固有業務 ①銀行の固有業務 スライド11 ②預金の種類と金融商品の特徴(預金業務) スライド12~17 ③貸出の手段と実際(貸出業務) スライド18~19 ④為替業務と外国為替(為替業務) スライド20~21 スライド 11 2ー① 銀行の固有業務 ■銀行固有業務(三大業務) 〔復習〕 ①預金業務(受信業務) ②貸出業務(与信業務) ③為替業務 スライド 12 2ー② 預金の種類と金融商品の特徴 ■預金業務 ●企業や個人の余裕資金を預かる業務(受信業務) ●銀行の貸出資金の大部分はこの預金によって賄われている。 預金者の獲得に力を入れている 銀行独自の預金金利(当座預金を除く)の設定など スライド 13 2ー② 預金の種類と金融商品の特徴 ■預金の種類 定期性預金 ●預け入れる期間が定まっており、期間中の引き出 しが制限される 代わりに一般的に普通預金などに比べて金利が高いので、計画的 な貯蓄や、余裕資金の預け入れ等に用いられる。 定期預金・積立定期預金など 流動性預金 (要求払い預金) ●いつでも出し入れが自由な預金。 普通預金・貯蓄預金・当座預金(主として企業の決済口座に用いら れる)など 利息比較(イメージ) 当座預金利息(無利息) 普通預金利息 定期預金利息 スライド 14 2ー② 預金の種類と金融商品の特徴 ■銀行が取り扱っている主な金融商品の種類と特徴 (※実際に取り扱っている商品は銀行により異なる) ①預金(預ける) 普通預金、貯蓄預金、当座預金、定期預金、外貨預金など ②信託(託す) 金銭信託、貸付信託など ③購入する 金融債、公共債(国債、地方債など)、投資信託、株式など ④加入する 生命保険(死亡保険、医療保険・がん保険、個人年金保険)など スライド 15 2ー② 預金の種類と金融商品の特徴 ■金融商品の3つの指標 ◆安全性 元本の保証の程度 ◆流動性 換金(引き出し)のしやすさ。満期が あるか、中途解約しやすいかなど ◆収益性 高い収益を期待できるか 「安全性」「流動性」「収益性」は 3つ同時には満たされない。 スライド 16 2ー② 預金の種類と金融商品の特徴 ■金融商品の種類 スライド 17 2ー② 預金の種類と金融商品の特徴 ■金融商品購入の際の留意点 ①資金の性格 何に使う予定のお金か。 ②商品の内容 どのような運用をするのか。 ③リスク どのようなリスクがあるのか。 ④費用など 手数料や税金の割合がいくらか。 ⑤販売会社 販売する銀行など金融機関の経営状況、経営姿勢は納得できるか。 スライド 18 2ー③ 貸出の手段と実際 ■貸出業務 ●資金の不足している企業や個人などへ資金を貸し出す。 ●銀行にとって利益を生み出す大切な業務 融資先の慎重な選定が重要 貸出金が回収できなければ(不良債権)、 銀行の収益に影響を与える。 スライド 19 2ー③ 貸出の手段と実際 ■貸出業務の種類 ①貸付 銀行が、期日を定めて資金を貸し出す。 ●手形貸付 借り手に銀行宛ての約束手形を振り出してもらい融資 ●証書貸付 借用証書にもとづいて融資 ●当座貸越 あらかじめ契約をしておくことで、 一定限度額まで当座預金の残高を超えても支払いに応じる ②手形割引 銀行が、企業がもっている約束手形などを、支払期日前に 支払期日までの利息を差し引いて買い取る。 ○約束手形 手形の振出人(交付人)が、支払期日までのその支払い を約束する証書 ○為替手形 AがBに対して、またBがCに対して、支払う義務(債務)を 負っている場合(A→B→C)に、BがAに対して、自分ではなくCに対して支払うよ うに依頼する証書。 [ A:引受人(支払人)B:振出人C:受取人 ] 裏書譲渡:受け取った手形を他の支払いにあてるために、手形を譲渡することができる。手 形を譲渡する場合には、手形の裏面に譲渡する者(裏書人)が署名し、あわせて、その手形 を譲り受ける者(被裏書人)の名称を記載するのが基本 スライド 20 2ー④為替業務と外国為替 ■為替業務 ●遠隔者間での資金のやりとりを現金を使わずに行う(為替)機能を提供。 ●銀行はこの業務により手数料収入を得る。 ・内国為替 ・外国為替 国内で行われる。 通貨を異にする国際間で行われる。 スライド 21 2ー④為替業務と外国為替 ■外国為替 ●通貨が異なる国際間で、双方の貸し借りの決済や送金などのお金の やり取りを、現金を直接輸送することなく、指図によって行う。 ◆為替レート 円高 ・輸入品の値下がり ・輸出品の海外市場での価格上昇で 日本製品の国際競争力の低下 円安 ・輸入品の価格上昇 ・輸出品の海外市場での価格低下で 日本製品の国際競争力の向上 スライド 22 3. 銀行ビジネスの変化 ①金融環境の変化 スライド23~25 ②銀行業務の変化 スライド26~27 ③金融における情報化の進展 スライド28~33 スライド 23 3ー① 金融環境の変化 ■日本版金融ビッグバン 1990年代後半より2000年代前半にかけてフリー・フェア・グローバル (自由・公正・世界に開かれた市場)の3原則を掲げて打ち出された 日本版金融ビッグバンにより、金融システム改革が進んだ。 1996年11月に 橋本内閣が英国の証券市場改革に 倣って提唱 スライド 24 3ー① 金融環境の変化 ■日本版金融ビッグバン(理念) スライド 25 3ー① 金融環境の変化 ■日本版金融ビッグバン(流れ) スライド 26 3ー② 銀行業務の変化 ■銀行業務の変化 日本版金融ビッグバンにより銀行ごとの自由な金融商品の 開発が進み、取り扱える商品の多様化が進んだことから 消費者の選択の幅が広がっている。 ●銀行の窓口で投資信託や保険商品などの販売が可能になる(元本割れする商品もある)。 ●銀行ごとに金利や手数料が異なる。 消費者は自己責任により商品を選択・購入するため、 商品に対するリスクなどの十分な説明や情報開示が必要 法により金融商品の取り引きや販売の際のルールを明文化 スライド 27 3ー② 銀行業務の変化 ■金融商品販売法と金融商品取引法 金融商品販売法 ●販売業者の説明義務 ●説明が不十分なために損害が生じた場合は、 販売業者に損害賠償責任 金融商品取引法 ●販売・勧誘に関する各種ルールの整備 ・適合性の原則・・・不適当な勧誘の禁止 ・広告へのリスクの記載 スライド 28 3ー③ 金融における情報化の進展 ■情報化の進展 スライド 29 3ー③ 金融における情報化の進展 ■インターネット・バンキング/モバイル・バンキング 預金の残高照会や口座振替等の銀行取引を、PCや携帯電話などの モバイル機器のインターネット機能を使って行うシステム インターネット・バンキング画面見本 スライド 30 3ー③ 金融における情報化の進展 ■利便性が高まることで陥りやすい落とし穴 ◆フィッシング詐欺 金融機関やクレジットカード会社の偽のホームページへメールで誘導して、 IDやパスワードを盗み取る。 ◆個人情報の漏えいと不正使用(スパイウェアによる犯罪) スパイウェアというソフトウェアを使ってIDやパスワードを盗み取り、それを もとに口座から預金を引き出したり、クレジットカードを不正利用したりする。 ◆金銭感覚のマヒと多重債務 借金返済のための安易な借金などにより、借入総額が増え、 「信用」が低下し、少額ずつ高い金利で多数の業者から 借りざるを得ず、さらに返済が困難な状態(多重債務)に陥る。 スライド 31 3ー③ 金融における情報化の進展 ■金融トラブルを避けるための留意事項 1)契約内容をよく読む 2)暗証番号は大切に管理する ・推測しにくいものにする ・人に教えない。 ・携帯電話や他のサービスで同じ番号を使用しない。 ・ATM使用時などに人に見られないようにする。 ・暗証番号を書いたメモなどとキャッシュカードを一緒に持ち歩かない。 スライド 32 3ー③ 金融における情報化の進展 ■金融トラブルを避けるための留意事項 3)個人情報を安易に取り扱わない 4)ローン・クレジットは自分の収入を考えた返済計画を立てて利用する。 ・自分自身の限度額を決める。 ・何のためになぜ必要なのかを明確にする。 ・返済完了までの計画を立てる。 ・借金返済のための利用は絶対しない。 ・金利や契約内容をよく確かめる。 スライド 33 3ー③ 金融における情報化の進展 ■金融の情報化に伴う利用者の留意事項 1)セキュリティ対策ソフトを最新版にしておく。 2)取引銀行のホームページは、必ずブックマーク(「お気に入り」など)に 入れ、そこからアクセスする。 3)見知らぬ差出人からのメールは開かない。 4)インターネットカフェなど誰でも利用できるパソコンなどで インターネットバンキングを利用しない。 5)外部から入手したCD-ROMや、インターネット上で無料ダウンロード したソフトウェア、怪しいホームページへのアクセス、ウィニーなどの ファイル交換ソフトを経由したファイルなどの利用に注意する。
© Copyright 2024 ExpyDoc