第5章 真直はりの曲げ

第5章 真直はりの曲げ
はりの種類
はりの支持方法
真直はりの種類と荷重の種類
せん断力と曲げモーメント
両端支持はりにおけるせん断力と曲げモーメ
ントの考え方
5.6 せん断力と曲げモーメントの一般化
5.7 各種はりの曲げモーメント図およびせん断力図
5.1
5.2
5.3
5.4
5.5
2015/10/1
材料の力学第5章
1
5.1 はりの種類
1)真直はり(straight beam)とは
はりの中立面が真直ぐで,中立面に直交ま
たは斜交した荷重を受けるはり。真直はり,
曲がりはりについて解説を授業でします。
2)曲がり(curved beam)
はりの中立面が直線でないもの。
2015/10/1
材料の力学第5章
2
5.2 はりの支持方法
P
y
P
回転可能
Py
y
x
Px
Px
Rx
Ry
Ry
(1)可動支点
y
回転可能
Py
P
x
(2)固定ヒンジ支点
Py
Rx
Px
M
x
Mr
(3)固定埋め込み支点
Ry
☆はりの支持方法は,上図に示すように,以下の3種類が考えら
れる。すなわち,
1)可動支点(movable support)
2)固定ヒンジ支点(hinged support)
3)固定埋め込み支点(fixed support)
3
5.3 真直はりの種類と荷重の種類
5.3.1 真直はりの種類
1)片もちはり
2)両端支持はり
3)両端固定はり
4)張り出しはり
5)連続はり
P
P
P
P
P
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材料の力学第5章
4
5.3.2 真直はりにかかる荷重の種類
P 1)集中荷重
(concentrated load)
2)分布荷重
(distributed load)
3)移動荷重
(moving load)
P (a)集中荷重
q (N/m)
q (N/m)
(b)分布荷重
P (c)移動荷重
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材料の力学第5章
5
5.3.3 真直はりの力および曲げモーメントの
つりあい条件式
☆重要な力のつりあい式
1)  P   R  0
(5.1)
2)  P   R  0
(5.2)
3)  M   M  0
(5.3)
ただし,上式における各記号はつぎのようである。
P :荷重の方向成分
; R :支点反力の方向成分
; R :支点反力の方向成分
P :荷重の方向成分
M :真直はりのモーメント;M :支点反力モーメント
x
x
y
y
r
x
y
x
y
r
2015/10/1
材料の力学第5章
6
静定・不静定の判定(演習問題)
図に示したはりは静定・不静定のいずれかな?
y
y
荷重P
荷重P
x
x
(a)
y
(b)
y
荷重P
荷重P
x
x
(c)
y
(d)
荷重P
y
荷重P
x
x
(f)
(e)
2015/10/1
ヒント
各はりにかかる
未知数の個数
を考えて判断す
ること。
材料の力学第5章
7
5.4 せん断力と曲げモーメント
せん断力の符号の取り方
せん断力>0(左突き上げ)
せん断力<0(左突き下げ)
曲げモーメントの符号の取り方
たわみ曲線
たわみ曲線
たわみ曲線下に凸>0
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たわみ曲線上に凸<0
材料の力学第5章
8
5.5
両端支持はりにおけるせん断力と
曲げモーメントの考え方
x=Xの左側におけるせん断力を
FLとするとき, FLはつぎのようにな
る。
FL  Ra  P1
(5.6)
一方,x=Xの右側における
せん断力FRは,
FR  Rb  P2
(5.7)
である。さらに,この両端支持はり
全体の力のつりあいは,
P2
P1
x
Ra
Rb
x=x
a
c
b
L
P1  P2  Ra  Rb
式を変形して,
Rb  P2  Ra  P1  Rb  P2  FR  Ra  P1   FL
∴
FR   FL
はりの任意の位置x=xでは左右の力が大きさ等しく向き反対な,いわゆる
せん断力が生じていることを表している。
9
☆5.5 支点反力,せん断力,モーメント(演習問題)
1.両端支持(集中荷重の場合)
1)支点反力Ra,Rbは
いくらか。
2)X=2.5mおけるせん
断力Fx=2.5および曲
げモーメントMx=2.5
はそれぞれいくらか。
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700kgf
500kgf
X=2.5m
x
B
A
C
Ra
1.6m
D
Rb
2.0m
5.0m
材料の力学第5章
10
1.1)支点反力の求め方(その1)
支点反力Ra,Rbの2つが未知量であるから,式が2つ必要である。そこで第
1番目の関係式はy方向(はりに垂直方向)の力のつりあいの式を用いる。
Ra  Rb  500 700(kgf )
さらに,第2の関係式はモーメントのつりあいの式を使用する。すなわち,支
点Aまわりのモーメントを考えれば
1.6  500 3.6  700  5  Rb
したがって,
700kgf
1.6  500  3.6  700
Rb 
 664 (kgf )
5
Ra  1200 Rb  536(kgf )
500kgf
X=2.5m
x
C
Ra
となる。
2015/10/1
B
A
1.6m
D
Rb
2.0m
5.0m
材料の力学第5章
11
2)下図の両端支持はり,x=2.5mにおけるせん断力Fx=2.5およ
び曲げモーメントMx=2.5はそれぞれいくらか
。(その2)
☆せん断力は左突き上げなので正であることを考慮して,任意の
点x=Xにおけるせん断力Fx=Xはその位置から左(または右)の
全ての力の総和と考えればよい。すると,Fx=2.5は
Fx2.5  Ra  500  536 500  36(kgf )
☆任意の点x=XにおけるモーメントMx=Xはその点から左側の
モーメントの総和を考えればよい。なお,はりは下に凸に曲がる
からモーメンとの符号は正である。すると,Mx=2.5は
M x2.5  Ra X  500 X  1.6  536X  500X  800  36X  800( kgf  m )
 36 2.5  800  890(kgf  m)
700kgf
となり,はりの内部に生じる
抵抗モーメントはこの区間で
は直線的に増加する。
500kgf
X=2.5m
x
B
A
C
Ra
1.6m
D
Rb
2.0m
5.0m
2015/10/1
12
2.両端支持(分布荷重の場合の演習)
図の両端支持はりに分布荷重が作用する場合について,
1)支点反力Ra,Rbはいくらか。
2)X=2.5mおけるせん断力Fx=2.5および曲げモーメント
Mx=2.5.はそれぞれいくらか。
x=2.5m
q=1000(N/m)
X
A
Ra
D
C
1.6m
B
Rb
2.0m
5.0m
2015/10/1
材料の力学第5章
13
2.両端支持(分布荷重の演習解答)その1
解答:
1)支点反力Ra,Rbについて
分布荷重全体の大きさをq(N)とすれば,
支点反力に関する力のつりあい式は
x=2.5m
q=1000(N/m)
Ra  Rb  2q  1000 2  2000( N )
分布荷重の大きさがqでその,分布荷重
qを一点に集中させたときのA点から作
用点までの距離がL=2.6mであることを
考慮し,A点まわりのモーメントのつりあ
いを考えれば,
X
A
Ra
C
1.6m
D
B
Rb
2.0m
5.0m
qL  2000 2.6  5  Rb
∴
2015/10/1
Rb 
2000  2.6
 1040 ( N )
5
; Ra  w  Rb  2000 1040 960( N )
材料の力学第5章
14
2.両端支持(分布荷重の演習解答)その2
x=2.5m
解答:
q=1000(N/m)
2)x=2.5mおけるせん断力Fx=2.5お
よび曲げモーメントMx=2.5はそれぞ
れいくらか。
A
C
D
この場合,せん断力は左突き上げなの
1.6m
2.0m
Ra
で正である。図のx=2.5mにおけるせ
5.0m
ん断力は,その左側の力の総和をとれ
ばよいから,
Fx2.5  Ra  ( x  1.6)  q  960 (2.5  1.6) 1000 60( N )
X
B
Rb
次に,任意の点x=xにおけるモーメントMx=xはその点から左側のモーメント
の総和を考えればよい。ただし,分布荷重の場合は,x=xまでの荷重q(x1.6)にモーメント距離をかけるが,そのモーメント距離0.5(x-1.6)に注意が
必要で,結局モーメントは次式となる。
1
M x  2.5  Ra x  qx  1.6   x  1.6  Ra x  0.5q( x  1.6) 2 )
2
 1040 2.5  0.5 1000 (2.5  1.6) 2  2195( J )
2015/10/1
15
5.6 せん断力と曲げモーメントの一般化
図に示すような,非一様な分布荷重が両端支持はり加わった問題を考える。
まず,せん断力Fxは,
x
Fx  Ra   q(  )d
(5.11)
また,任意点x=xにおける曲げモーメントMxはつぎのようになる。
0
x
M x  Ra X   q(  )( x   )d
(5.12)
式(5.12)のモーメントMxをxで微分して,
0
x
dM x
 Ra   q(  )d  Fx
dx
0
(5.13)
すなわち,せん断力Fxは,曲げモーメント
Mxのx方向変化率に等しいことが分かる。
さらに,せん断力の変化率は式(5.11)から
dFx
 q( x )
dx
(5.14)
このようにして,せん断力Fxをxで微分
すれば,分布荷重q(x)が求められる。
q(x)
y
C
A
B
Ra
Rb
x
η
dη
x
L
C
16
5.7 各種はりの曲げモーメント図およびせん断力図
P
• BMD(曲げモーメント図)
(Bending Moment Diagram)
• SFD(せん断力図)
A
B
Mr
xx
(Shearing Force Diagram)
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L
SFD
5.7.1 片持ちはり
・支点反力;Rb=-P
・せん断力;Fx=-P
・曲げモーメント;Mx=-Px
・最大曲げモーメント;Mmax
Mmax=-PL
・固定端曲げモーメント;
Mr=+PL
反力 Rb
P
最初に片持
ちはりの
BMD,SFD
を学びましょ
う
材料の力学第5章
x
(-)
BMD
Rb
x
(-) M
x  L   PL
M x   Px
17
(2)はりの途中に集中荷重がかかる場合
(演習問題)
☆右図に示されるはりについて,以下の量
を求めよ。
支点反力:Rc=
せん断力Fx
(A<x<B) ;Fx=
(B<x<C) ;Fx=
曲げモーメントMx
(A<x<B);Mx=
(B<x<C);Mx=
(x=L)での
最大曲げモーメントMmax=
この場合の固定端C点の反力曲げモーメ
ントMrはいくらか?
Mr=
P
a
A
B
C
Mr
xx
反力 RC
L
SFD
x
P
(-)
BMD
RC
x
(-)
M x L   PL  a 
M x   P( x  a )
2015/10/1
材料の力学第5章
18
(3)片持ちはり(分布荷重の場合)
☆右図に示される片持ちはりについ
て,支点反力,せん断力,モーメン
ト,SFDおよびBMDを考える。
(1)等分布荷重が作用する場合
支点反力:R=qL
せん断力Fx
(A<x<B) ;Fx=-qx (5.15)
曲げモーメントMx
(A<x<B);Mx=-0.5qx2
(5.16)
固定端(x=L)のモーメントMr
Mr=0.5qL2
2015/10/1
qN / m 
B
A
材料の力学第5章
Mr
反力 R b
xx
L
x
(-)
SFD
 qL
Fx   qx
BMD
x
(-)
M x  0.5qx
0.5qL2
2
19
(4)片持ちはりの途中に分布荷重が存在する場合
☆次に,図に示される片持ちはりの途中に分布荷重が働く
場合について,支点反力,せん断力,モーメント,SFD
およびBMDを考える。
・固定端反力Rc=2.0q=200 (N)
・せん断力Fx
(0<x<1.5);Fx=0 (N)
(1.5<x<3.5);Fx=-q(x-1.5)=-100(x-1.5)
=-100x+150
(3.5<x<5);Fx=-Rc=-200 (N)
・曲げモーメントMx
(0<x<1.5);Mx=0
(1.5<x<3.5);
Mx  0.5q( x  1.5)2  50( x  1.5)2 (5.17)
q  100( N / m)
A
C
B
Mr
1.5m
2.0m
xx
1.5m
反力 RC
L
x
SFD
(-)
(3.5<x<5);
Mx  2.0q( x  2.5)  200( x  2.5) 200 x  500
上の式にx=L=5mを代入して,最大曲げモーメンMmax
は,(x=L)で生じ,その大きさは,
M max  200(5.0  2.5)  500( J )
Fx   q( x  1.5)
BMD
Mx ?
RC
x
(-)
M max  ?
Mx ?
・固定端C点の反力モーメントMrは,
Mr  M max  500( J )
2015/10/1
材料の力学第5章
20
5.7.2 両端支持,集中荷重はりのSFD,BMD
(集中荷重の場合)
・支点反力Ra,Rdについて,
Ra  Rd  P1  P2
A点まわりのモーメントのつりあ いから,
P1  a  P2  a  b  Rd  L  0
ゆえに, Rd  P1  a  P2  a  b / L
Ra  P1  P2   Rd
(5.18),(5.19)
・せん断力Fxについて,
(A<x<B);Fx=Ra :(B<x<C);Fx=Ra-P1
(C<x<D);Fx=Ra-(P1+P2)
・曲げモーメントMxについて
(A<x<B);Mx=RaX
(B<x<C);Mx=RaX-P1(x-a)
(C<x<D);Mx=RaX-P1(x-a)-P2{x-(a+b)}
・最大曲げモーメントMmax:
Mx  Rax  P1 x  a   P2 ( x  a  b))
Mxへx=a+bを代入して,
(x=a+b);
(5.21)
M max  Ra(a  b)  P1 a  b  a  P2 (a  b  a  b))
 Ra(a  b)  P1b
P2
P1
a
A
B
c
b
C
D
xx
Ra
Rd
L
Ra (+)
x
SFD
(-) Rd
M x  Ra x  P1 x  a 
M x  Ra x  P1 x  a  P2 x  (a  b) 
M x  Ra x
(+)
BMD
x
21
(2)両端支持はり(分布荷重の場合)
・支点反半Ra,Rdについて,
Ra+Rd=qb
であり,点まわりのモーメントのつりあいを考慮して,
qN / m 
A
・せん断力Fxについて,
(A<x<B);Fx=Ra
(B<x<C);Fx=Ra-q(x-a)
(C<x<D);Fx=Ra-qb=-Rb
・曲げモーメントMxについて,
(A<x<B);Mx=Rax
(B<x<C);Mx=Rax-0.5q(x-a)2
(C<x<D);Mx=Rax-qb((x-(a+0.5B))
・最大モーメントMmax;
Ra
C
B
a
b
D
c
Rd
xx
L
Fx  Ra  q x  a 
Ra
(+)
x
SFD
Mx ?
(-) Rd
M x  Ra x
課題:Ra,Rdを求めよ
(+)
Mmaxとそれが生じるx座標の式を求めよ
2015/10/1
材料の力学第5章
x
BMD
Mx ?
22
5.7.3 より高度な問題(3角形分布荷重)
(1)三角形分布荷重(片持ちはり)
・Q1;全荷重はいくらか?
(底辺×高さ×0.5)
・Q2;全荷重が働く位置はどこ?
(3角形の重心)
・Q3;反力Rbはいくらか?
(全荷重)
・Q4;せん断力Fxはどのように表せるか?
3角形分布荷重の相似から考える。
全荷重 Pt
B
D
A
q0 L2
Mr 
6
η
q
q
q x2
0
0
0
x
x
F   0 d  
0d  
x
L
L
2L
(5.25)
・Q5;曲げモーメントMxはどのように与えられるか?
2
3 x
x q
M x   0 0 x   d   q0  x   
L
L  2
3 0
q0 x 3
(5.27)

(5.28)
(X-η)
dη
xX
反力Rb 
q0 L
2
L
x
SFD
(-)
6L
・Q6;最大曲げモーメントMmaxはいくらか?
x=Lで最大モーメントが発生する。その大きさは式(5.27)へ
x=Lを代入して
q0 L3
q0 L2
M max  

6L
6
q0
xG
BMD

q x2
Fx   0
2L
x
(-)

q0 x 3
Mx  
6L
q0 L
2
2
q0 L
6
・Q7;SFD,BMDを描け。右図のBMD,SFDを参照。
2015/10/1
材料の力学第5章
23
(2)三角形分布荷重(両端支持はり,演習問題)
全荷重作用点
Q1;全荷重はいくらか?
(Ans:
)
Q2;全荷重が働くx座標位置はどこ
か?
(Ans:
)
Q3;支点反力Ra,Rbはいくらか?
(Ans:
)
Q4;せん断力Fxはどのように表せる
か?
(Ans:
)
Q5;曲げモーメントMxはどのように
与えられるか? (Ans:
)
Q6;最大曲げモーメントMmaxおよび
Mmaxが発生するx座標を求めよ。
Q7;SFD,BMDを書け
xG  2L 3
A
全荷重Pt
Ra

Rb
x 
d
xx
L
q0 L
6
SFD
x
(+)
q x
Fx  Ra - 0 d
L 0

Mx  RaX -
q0
L
(-)

q0 L
3
x
 X -  d
0
(+)
BMD
2015/10/1
q0
B
モーメント最大の
Xの位置は?
M max  ?
x
24
5.7.4 張り出しはり(その1)
・支点反力Ra,Rbについて
まず,はりにかかる全荷重Ptは,
Pt  q0 2a  b であり,この荷重を支点
AとBで受け持つことになる。したがって,
全荷重Ptは
Pt  Ra  Rb  2Ra
P q 2a  b 
Ra  Rb  t  0
2
2
B
A
a
b
a
反力Rb
反力Ra
(+)
(+)
SFD


 q0 a
BMD

材料の力学第5章
x
(-)
(-)
q0 b
2
2
(A<x<B);すなわち(a<x<a+b)でFxは
2015/10/1
q0
q0 b
2
Fxa  q0 a  Ra
 q 0 a 
D
q0 a
∴
・せん断力Fxは
(C<x<A); Fx  q0 x
x=aで,支点反力Raが働き,せん断力Fx
はつぎのようになる。
q0 2a  b 
C

q0 2
b 4  a2
2
(-)
q0 b
2

x
(-)

q0 a 2
2
25
5.7.4 張り出しはり(続き,その2)
(A<x<B);すなわち(a<x<a+b)でFxは
Fx  Fx  a  q0 x  a  
q0 b
 q0 x  a 
2
したがって,x=(a+b)の支点Bにおいては,支点反力Rbが働くから
qb
q b q 2a  b 
Fx a b  0  q0 a  b  a   Rb   0  0
 q0 a
2
2
2
(B<x<C);すなわち,(a+b<x<2a+b)で,Fxは
Fx  Fxab  q0 ( x  (a  b)  q0 a  q0 x  q0 a  q0b  2q0 a  q0 ( x  b)
ここで,x=2a+bの張り出しはりの終端で,Fx=0となることを確認しなさい。
・曲げモーメントMxについて
x
q0 x 2
M


q
x



(C<x<A);すなわち(0<x<a)でMxは, x
0
2
2
2
q
a
;
で,
0
xa
M 
x
(5.32)
(5.33)
(5.34)
(5.34)
2
(A<x<B);すなわち(a<x<a+b)でMxは,
q 0 ( 2a  b )
q0 x 2
1
M x  Ra( x  a )  q0 x  x 
( x a)
2
2
2
(B<x<D);すなわち(a+b<x<2a+b)でMxは
M x  q0 ( 2a  b  x )  12 ( 2a  b  x )  
q0
( 2a  b  x ) 2
2
(5.35)
(5.36)
・モーメントの最大値Mmaxは,はりが左右対称であることから,x=a+(b/2)でMxは最大となり,
式(5.36)にこの値を代入しすれば,最大位置が次のように求められる。
(5.37)

q0  b 2
2
M max 
2015/10/1
  a 
2  4

材料の力学第5章
26
☆6.7.5 張り出しはり(集中荷重の場合)
図に示される張り出しはりに集中荷重が
加わるときのSFD,BMDを求めよう。以下
の空欄を各自で埋めよ。
・Q1;支点反力Ra=
,Rb=
・Q2;せん断力Fxについて
(C<x<)A) でFx=
;
(A<x<B)でFx=
(B<x<D)でFx=
・Q3;曲げモーメントMxについて,
(C<x<A) でMx=
;
(A<x<B)でMx=
(B<x<D)でMx=
・Q4;最後にSFD,BMDを書け。
P
P
C
a
D
B
A
b
a
反力Ra
反力Rb
P
(+)
X
SFD
(-)
-P
X
BMD
(-)
(-)
-Pa
2015/10/1
材料の力学第5章
27
☆6.7.5 張り出しはり(演習問題)
(1)支点反力Ra,Rbを求めよ。
1000N
500N
☆右図に示した張り出しはりについて,
A
B
(2)各区間ごとに,せん断力Fxを
1.5m
C
Rb
Mxを求めよ。
2015/10/1
E
1.5m
7m
500N
SFD
(+)
-500N
(-)
(4)SFDを描け。
(5)BMDを描け。
D
Rd
2m
2m
求めよ。
(3)各区間ごとに曲げモーメント
500N
BMD
材料の力学第5章
(+)
x
(-)
250J
-750J
28
第5章 総合演習問題(その1)
1.図に示すはりについて,支点反力,せん断力およ
び曲げモーメントを求め,BMD,SFDを図示せよ。
q  200N / m 
500N
A
Ra
2015/10/1
C
B
1m
2m
材料の力学第5章
D
1.5m
x
Rb
29
第5章 総合演習問題(その2)
2.図に示す各種はり
について,支点反力,
せん断力および曲げ
モーメントを求め,
BMD,SFDを図示せよ。
ただし,図中の各寸法
および荷重は以下のよ
うである。
a=1m,b=2m,c=1.5m,
L=5.5m,P1=400N,
P2=800N,q=200N/m
P2
P1
P1
a
a
Ra
Rb
L
Ra
(b)
qN / m 
qN / m 
Rb
Ra
Ra
L
a
b
a
b
L
Rb
(d)
qN / m 
P
qN / m 
Ra
Rb
L
(a)
(c)
2015/10/1
b
c
Rb
Rb
Ra
L
L
(e)
(f)
材料の力学第5章
30