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新潟地方会における小児医療
救急体制の構想と現状
新潟大学医学部小児科
内山 聖、小林武弘
新潟県の面積・人口
面積:12,579 km2(第5位)
人口:247万人
人口密度:197人/km2
小児人口:35.8万人
小児人口密度:28人/km2
○
○
336km
(道沿い)
豪雪地帯
人口10万人当たり医師数
全国第38位
250
211.7人
200
179.4人
150
全国
新潟県
100
50
0
平成6年 8年
10年 12年 14年 16年
人口10万人当たり医師数
(「医師・歯科医師・薬剤師調査」(厚生労働省)平成16年
全国平均 211.7
1. 徳島県 282.4
2. 鳥取県 280.6
3.東京都 278.4
4.京都府 274.6
5. 高知県 273.6
6. 福岡県 268.0
7. 長崎県 262.5
8. 岡山県 258.8
9. 島根県 253.0
10.石川県 252.8
38. 新潟県 179.4
39. 岩手県 179.1
40. 福島県 178.1
41. 静岡県 174.9
42. 神奈川県 174.2
43. 青森県 173.7
44. 岐阜県
171.3
45. 千葉県
152.0
46. 茨城県
150.0
47.埼玉県
134.2
なぜ新潟県に医師が少ないのか
• 面積が広いうえ豪雪地や過疎地を抱えている。
ほぼ同じ面積の北陸3県には4医科大学
• 人口比でみた医学部学生も少ない。
• 卒後研修必修化で、卒業生は都会に出る傾向
• 県内病院に他都道府県医学部医局からの
医師派遣が極めて少ない。
人口10万人当たり医学部定員数
(入学定員:平成17年 人口:平成15年)
全国平均 5.8
1.石川県
2. 鳥取県
3.島根県
4.福井県
5. 高知県
6. 徳島県
7. 山梨県
8. 佐賀県
9. 東京都
10.岡山県
16.9
13.1
12.6
12.1
11.8
11.6
11.3
10.9
10.5
10.2
38. 新潟県
38. 神奈川県
40. 岐阜県
40. 福島県
42. 兵庫県
42. 広島県
44. 茨城県
45. 静岡県
46. 千葉県
47.埼玉県
4.1
4.1
3.8
3.8
3.5
3.5
3.3
2.6
1.7
1.4
新潟県における医学部合格者数
• 新潟県は毎年70-80人が医学部に進学
• 全国医学部定員8000人を人口比で計算すると
→新潟県は167人
医学部進学者が全国平均の半分!
診療科目別医師数(人口10万人当たり)
60
50
40
全国
新潟県
30
20
10
0
内科
全国25位
小児科
全国41位
外科
全国44位
産婦人科
全国45位
とはいうものの、地域偏在の中の地域偏在
(新潟県健康福祉ビジョン)
中核病院の設置案
新潟大学医歯学総合病院
小児:35.8万人
地域小児科センター配置のための区割案
新潟市近郊
佐 渡
人口:1,182,865人
小児: 162,510人
下越
人口:293,909人
小児: 40,882人
上越
人口:300,263人
小児: 42,527人
中越
人口:672,547人
小児: 94,018人
新潟県内における小児一次救急体制
下越
新潟市
平 日 午後7時~午前7時
土曜日 午後2時~午前7時
祝祭日 午前9時~午前7時
小児科医常駐
上越
来春から
内科医を入れて
一次救急体制
中越
平日午後7時~10時
小児科医常駐
(5病院21名+開業医)
ほか祝祭日
平日 午後5時半
~10時半
内科医、小児科医
ほか祝祭日
地域小児科センター(救急・NICU型)の配置案
新潟市近郊
佐 渡
新潟大学病院
新潟市民病院
(中核病院)
小児:162,510人
14年前 7名
→ 現在 12名
上越
新潟県立中央病院
小児:42,527人
14年前 3名
→ 現在 7名
(周辺の1人体制の2病院小児科を廃止)
下越
県立新発田病院
小児:40,882人
14年前 2名
→現在 5名
中越
長岡赤十字病院
小児:94,018人
14年前 5名
→ 現在 9名
中核病院・地域小児科センターの医師数
45
小
児
科
医
師
数
(
人
)
40
35
30
現状
モデル案
25
20
15
10
5
0
2
3
4
中核病院 1
(予定) 地域小児科センター(予定病院)
一般小児科・過疎小児科
80
70
60
現状
50
モデル案
40
30
20
10
0
病院数
小児科医師数
モデル案と現状における小児科医数の比較
200
180
小
児
科
医
師
数
(
人
)
現状
160
モデル案
140
120
100
80
60
40
20
0
総数
中核
センター 一般・過疎
新潟県における小児科医の役割
• この14年間で100名以上の小児科医を養成してきた
が、人口10万人当たり小児科医数はいまだ全国41位
• 新潟大学小児科から県内40病院に100名以上の
小児科医を派遣している。
(他大学からの小児科医派遣は2総合病院5名だけ)
• (上・中・下越地区別に)小児一次、二次救急への貢献
地方からの嘆きと提言
10年以上にわたり新潟県内の小児科医の集約化を
精一杯進めてきたが、限界が見えてきた。
地方における小児医療は、学会が示す構想までは、
道は遠く、しかも険しい!
さらに集約化を進めるが、地方なりの構想が必要。