ペンテコステ霊性 -霊性とは-

ペンテコステ霊性(1)
-霊性とは-
2011年度前期
オリエンテーション
1
• 貴方にとって霊的な人と
はどういう人か
2
このクラスで問われていること
• 聖書的に霊性とは何か。
• 知性と霊性はどういう関係にあるべきなのか
• パウロのいう霊的である人とはどういう人を
指すのか。
• ヨハネのいう霊的である人とはどういう人を
指すのか。
• 霊性において、行為的なKnowing,Doing
を健全に支えるものは何か。
3
知
性霊
性
習得
体得
4
宣教における基本的要素
霊的要素
知ること
宣教
認識的要素
行うこと
行動的要素
感性的要素
感じること
国民性と霊性
良く歌う
良く捧げる
良く動く
良く祈る
良く知っている
良く批判する
6
日本の社会の現状
• 何故日本の教会だけがアジアにおいて取り
残されたような状況なのか。
• 何故ある教会は活気があり、他の教会は沈
滞しているのか。
• 何故ある教団は成長し、他の教団は衰退す
るのか。
7
• 教会数
210
• 教会数
49
• 礼拝出席
8,700
• 礼拝出席
41,060
• 出席平均
41.4
• 出席平均
837.0
8
日本の教会の現況
• 教会の神学はその時代のニーズに
対応しているかどうか
1) 本質的ニーズ(Real Needs)
2) 即時的ニーズ(Felt Needs)
9
日本の社会の現状
• 教会の儀式・活動は時代の動向
に対応しているか
1) 時代の流れに受動的であるか
2) 時代の流れに積極的であるか
10
伝道牧会における根本的な問い
• “Am I doing right things?”
–正しい「こと」をしているだろうか。
• Am I doing things right?
–「こと」を正しく(うまく)やってい
るだろうか。
11
伝道牧会における根本的な問い
• “Am I doing right things?”
– 正しい「こと」をしているだろうか?
– 目標の設定、優先順位の決定、動機の照査、
人間関係の調整…
– 私は何のために伝道者として生きているの
であろうか?
12
伝道牧会における根本的な問い
• Am I doing things right?
– 「こと」を正しく(うまく)やっているだろうか?
– 効率、能率、効果…の向上
– 礼拝出席者を増加するためにどうすればよ
いだろうか?(その動機は?)
– 間違ったことを効率よく実現する可能性
13
霊性とは(概念的定義)
• 純然たる非物質性,霊的存在を意識した
りそれに反応する人間の基本的特質
• 人々の生活を活かし超感覚的実在に至
るのを助ける態度・信仰・実践
新キリスト教辞典参照
14
霊性とは(概要)
マクグラス『キリスト教の霊性』
• キリスト教霊性
– 概念に終わってはならない経験を伴うもの
– キリスト者の生活が始まり、営まれる道に
関するもの
– 神のリアリティを十分に理解するために必
要なもの
– 神との関係を達成し維持するキリスト教的
活動全体の現れ (p.18)
15
霊性とは(概要)
ジョージ・ガンス
霊性は活きた経験であり、霊的
成長に向かってのキリスト者の信
仰の深みに適用してゆく努力であ
り、その霊的成長と、それにつり
合って増加する見識と喜びへと栄
えてゆく人格の発達である。
16
キリスト教霊性とは(要約)
マクグラス『キリスト教の霊性』
「イエス・キリストとの出会いか
らでた生に関するもの全て」
– キリスト者の生き方が理解される方法
– キリストと共にある関係を育み維持するため
に発展させてきた明白な献身的実践
(p.19)
17
キリスト教霊性とは(要約)
百瀬文晃『キリスト教の神学と霊性』
一人一人のキリスト者が、どの
ようにイエス・キリストの福音を
受容し、その信仰の生き方をどの
様に具体的に実践するか、その具
体的な信仰の営み方、信仰の実現
様式 (p.248)
18
霊性の特質
• 特質
– イエスに似る者,神の御性格に限りなく
似ようとする者(ロマ8:29)
– 御霊の実を結ぶ者(ガラ5:22-23)
– 神を知る知識,神と人への愛において 成
長する者(エペ4:13,15)
– 心が神の国に向かい,また,その実現 に
向かう者(エペソ1:14)
19
霊性の経験
• 経験
– 神を愛する者にキリストが内住
– 神への愛,人への愛に成長・実感・確信
– 罪責からの解放
– 御霊による自由
– イエスをあかしする喜び
– 人への親切、赦し
– 力と愛と慎みの霊の体験
20
パウロの霊性理解
.
非
神精
物
質
き聖
に霊
従の
順導
質物
対
き聖
に霊
反の
発導
21
パウロの霊性理解
・
御霊に
従う態度
対
御霊に
反する態度
ガラ3:3
ガラ5:13,16-25
Ⅰコリ3:1
ロマ7-8章
22
ヨハネの霊性理解
。
霊
性
• キリストにつながる・とどまる状態
• キリストの言葉にとどまる状態
• キリストの愛にとどまる状態
(ヨハ15:1-10)
23
霊性の形成
物事を
言語化して
思考する人
説教の傾聴
聖書の熟知
霊
性
の
形
成
物事を
イメージ化して
思考する人
深い瞑想
礼拝音楽・祈り
24
霊性の形成
自由主義神学
社会奉仕
教会での交わり
霊
性
の
形
成
福音主義神学
聖い生活
伝道奉仕
25
霊性と神秘主義
マクグラス『キリスト教の霊性』
霊
性
神
秘
主
義
神
霊
秘
性 主
義
26
霊性と神秘神学
マクグラス『キリスト教の霊性』
神秘的統一
信仰の実存的
“Unio
mystica”
関係的側面
神
秘
神
霊 学
J.カルヴァン
教
義
神
学
信仰の知的
弁別的側面
性
27
神学と霊性
神
学
概念的
相
互
作
用
霊
性
実
啓蒙 人格的知識
命題的
キリストにある生き方
践
主義
認識的
知る 悟る 体得する す
る
28
神学と霊性
マクグラス『キリスト教の霊性』
• 神学(Theology- qeo;"+ +
lovgo")
– キリスト教信仰の知的内容を組織的に省察する
学問
– 元来単なる客観的科学ではなく、神と神の物事
(創造物と出来事)についての人格的知識
• 霊性:
– キリスト教信仰の神学的内容を適用した生活
(例) ルカ10:25-37
29
神学と霊性
• 身証神学:
弁証神学、論証神学とは異なり、
身をもって証する行動的な神学
<Doing Theology>(コロ1:24)
30
神学と霊性
観想的神学
神学
生活の神学
でぼ
デボーショナルな態度
身証的神学
31
神学と霊性
• 観想(Contemplation):
神に心を集中することによっ
て直覚的に事物の真相に達
しようとすること
32
神学と霊性
神学するという知的行為が献身、信
頼、従順など、デーボーショナルな
態度で覆い囲まれていなければ、そ
の神学的考察の過程のなかで、モリ
ヤの山の経験をすることは不可能で
ある。「その場所がはるかかなたに
見える」(創22:4)だけで、アドナ
イ・イルエはいつまでも自分の経験
にならないであろう。 (k.k.)
33
神学と霊性
• 神学が知的な営みである以上、霊的な神体験
がなくても、神学者は神について、また、神の
業について適切な説明をすることが出来る。
__○ __X
• その理由は?
• 旧約聖書に「知る」という用語が使われている
が、どの様なときにどの様な意味になるか調
べてみよ。
34
ほとんどの人びとが、正しい生活をする
よりも、知識を得ることを先にする。だか
らこそ、人びとはしばしば迷うのであり、
そのために、ほとんど実を結ばないか、全
く実を結ぶことがないのである…内的な人
間がきちんと整えられて生きているならば、
外の敵を退けるのは容易である。あなたが
一筋に神の霊と共に生きていなければ、あ
なたがあなた自身にとっての最悪の、やっ
かいな敵となる。(トマス・ア・ケンピス)
35
神学の推移
に人
中間
心の
を直
お観
くと
神感
学情
信人
頼間
にの
基理
づ性
くへ
神の
学
神
の
自
言
由
葉
主 客 教 の
義 観 会 神
神 の の 学
学 強 世
調 俗
化
新
正
統
主
義
神
学
聖
書
・
恵
・
信
仰
の
み
の
神
学
福
音
主
義
神
学
聖
霊
体
験
を
強
調
す
る
神
学
ペ
ン
テ
コ
ス
テ
・
カ
リ
ス
マ
神
学
36
霊性:総括的定義
霊的要素
知ること
霊性
認識的要素
行うこと
行動的要素
感性的要素
感じること
霊性(福音主義的定義)
「キリスト者の霊性は、イエスを主
と告白する特性に、心と生活が
どれだけ適合しているかで知ら
れる」
T.R.アルビン
生活を神学すること(高木)
神学を生活すること(北野)
38
霊性-生活の神学
・
弁
証
論
証
身 証
宇田進『今日における「霊性」と教会』 p.16
39
霊性-生活の神学
神学とは神へと生き
ることの学である。
ウイリアム・エイムズ(17世紀の神学者)
40
パウロの身証
私は、あなたがたのために受け
る苦しみを喜びとしています。そ
して、キリストのからだのために、
私の身をもって、キリストの苦し
みの欠けたところを満たしている
のです。キリストのからだとは、
教会のことです。(コロ1:24)
41
生活の神学
神学は、教会の神学であると同時
に、ひとりひとりのキリスト者の実存
をかけたものでなければならない…
ひとりひとりのキリスト者が聖書に
即して考え、生きるとき、そこに「神
学する(doing theology)」姿勢があるの
である。
C.F.
ヴィスロフ、『現代神学小史』p.194
42
霊性形成の3要素
・
...になること
Becoming
霊
性
の
成
熟
...知ること
...であること
Being
Knowing
...すること
Doing
43
生活の神学
『祈りと瞑想と試練が神
学者をつくる。』
ルター
44
このクラスで問われていること
• 聖書的に霊性とは何か。(自分の言葉で説
明せよ。)
• 神学と霊性はどういう関係にあるべきなのか
• パウロのいう霊的である人とはどういう人を
指すのか。
• ヨハネのいう霊的である人とはどういう人を
指すのか。
• 霊性において、行為的なKnowing,Doing
を健全に支えるものは何か。
45