ロボット制御のソフトウェア: シミュレータ試作 情報理工学部 情報知能学科 H207051 中谷聡太郎 研究の目的 ロボット制御ソフトウェア作成のための シミュレータの作成 →理論的にロボットがどのように行動するかを視 覚的に確認できる そのために 動作のプログラム プランナー を作成する 研究背景 • ロボット開発技術の発展 • K4システムの存在 上記から自律的に行動するロボットを作成し たいと考えた その第一段階として、ソフトウェアを検証する ためのシミュレータを作成することにした K4システムとは • 仮想空間上の自律的エージェントシステムK4(田 中, 2006; 徳永・田中, 2007) • 言語処理部とCG処理部で構成される 入力(命令)を解析 ↓ プランニング (行動計画を立てる) ↓ エージェントに行動させる(CG処理) シミュレータ • 理論的にはロボットがどのように行動するか を表示するもの • 物理的にロボットを動かすのに対して、時間 的にもコスト的にも負担が少ないーロボットを 制御するソフトウェアの妥当性の検証が容易 開発環境 • Processing デザイン・描画に特化された言語 仮想空間上にオブジェクトを配置し、動かすこ とが可能 • Ruby-Processing Rubyで記述したオブジェクトや関数(メソッド) と、Processingによる画像表示プログラムとの 連携が可能 ターゲット(ロボット) • タスク ロボットが現在地から与えられた目的地まで、 障害物を避けて移動 • 共同研究者の可知が作成したロボットの行動 をソフト上で実現・表示する • 現段階において可能な動作は「方向転換」と 「直進」(後進含む)のみ シミュレータの構成 入力:ロボットの現在地,向き,目的地,地図情報 ↓ プランナーにより行動計画を立てる ↓ 行動計画にそって行動できるように 可能な動作を組み合わせる ↓ 出力:ロボットの動き(移動)を表示する プランナー 目的を達成するための行動計画を立てる • 閉じた静的な世界で、かつ障害物があまりな い状況において、ロボットが障害物を避けて 目的地に到達することを目的とする • ロボットが障害物を避けて目的地に辿りつく ためのルートを探索する ロボットは、プランナーが探索したルートをた どって目的地まで移動する プランナーのアルゴリズム G W2 W G S 障害物 このアルゴリズムの採用理由 前提:障害物が少ない閉じた世界で実際のロ ボットを動かす ロボットの動作の検証がやりやすいよう、単純 なアルゴリズムを採用 • 障害物があったときに、なるべくその障害物 に近い位置を通れば移動距離が短くなる • 方向転換の回数が少なければ実際の動作と 理論値との誤差が出にくい 実行画面 G 障害物 S プランナー・シミュレータの評価 • 既存のアルゴリズムと比較すると大きく劣る 点があるー障害物が多い場所や複雑な地形 (迷路など)に対して有効でない • 現時点では上記の問題がプランナーにある ため、シミュレータとしての機能を十分評価で きない 問題点 • 現段階でのアルゴリズムでは、経路探索に失敗 するなど、プランニングがうまく機能しない場合 がある • 世界の情報を予め全て持っておく、というのは、 最終的な目標である「動的な世界でロボットを動 かす」には問題がある 世界の部分的な情報に基づき、動的にプランニ ングして経路探索できるよう、プランナーを改良 する必要がある 経路探索のアルゴリズム(紹介) • ロードマップ法 ロードマップを作成し、経路を探索する • セル分解法 マップを経路を決めやすいセルに分割し、そ れぞれで求めた経路をつなぐ 今後の課題 • 「世界の情報をすべて保持している」段階か ら「ロボット自身が世界の情報を取得する」段 階へ移ったときに、どのようにプランニングさ せるか • プランナー(アルゴリズム)の改良 など 展望 • 実際にロボットを動かして目的地へ「移動」す るだけでなく、K4のエージェントのようにもの を持つ・動かすなど世界に「作用」できるよう にプログラムによる動作の幅を広げる • もっともK4も動的な世界に十分対応できてい るとは言えないので、研究を継続、発展させ ていきたい ありがとうございました 参考 • 田中 暁 .(2010) .複数のエージェントによる協 調行動の研究のためのK4の改良 :エージェントとの自然なコミュニケーションを 目指して.中京大学情報科学研究科修士論文. • 徳永健伸 , 田中穂積. (2007).ロボットにおけ る言語理解. 日本 : 日本音響学会誌63 巻1号, pp. 35–40, 2007.
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