200万都市が有機野菜で 自給できるわけ Ⅳ 持続可能な都市を可能とする仕組み づくり 1、サンフランシスコの都市農業 2、コミュニティ・ソリュージョン 3、コミュニティ医療とまちづくり 06A2100H 谷澤 佑介 1、サンフランシスコの都市農業 失業者たちの自力更生運動 CSO活動が盛んな都市 ex.スラグこと「サンフランシスコ都市農業リーグ」 スラグの本部があるのは他の民間団体とは違い、 環境汚染の激しい場末の工業地帯、それも高速 道路の下のプレハブ スラグとは環境的、経済的に不利な条件に置か れたマイノリティの自力更生運動団体 菜園に様変わりしたゴミ捨て場 ミッションは「エコロジー」「コミュニティ開 発」「社会主義」の3つ ミッションの達成のために都市農業に着目 菜園作りにはボランティアと「サマー・ユー ス・プログラム」 外貨の獲得のための「アーバン・アーブ ル・プログラム」 菜園に様変わりしたゴミ捨て場 雇用対策のもう一つの柱としての環境復 元事業 菜園を活かして食農教育を進める 食べ物と土のつながりが希薄 →全市民に啓発活動(堆肥づくりと園芸 コース) →「コンポスト・ホットライン」 学校菜園プログラム ex.サンフランシスコ・コミュニティ校の「グ リーン・ドリーム・チーム」 コミュニティ住民を元気づける 都市農業 スラグがある地区の住民の識字能力が極 めて低い →「失業対策プログラム」事業 社会福祉活動 スラグが行う都市農業のノウハウはハバナ に学んだもの 2、コミュニティ・ソリューション アメリカやイギリスで着目される コミュニティ アメリカのNPOセクター 企業家精神を持ちながら、利益に左右されず 「公」のために一貫したサービスを提供 イギリス ブレア首相の改革 目指したのは「第三の道」 →福祉のニューディール政策 →自立とパートナーシップとコミュニティ 構造改革の果てに蘇った 空想的社会主義 今、日本は長引く不況のなか規制緩和・構造改 革という言葉ばかりが叫ばれているが、今後の 日本で求められるのは行政や企業を問わず経 済効率性や環境の配慮 →効率性とは一見あい矛盾する環境保全とどう 両立させるのか →持続可能な地域社会を創出するために、市民 と行政と企業はどのようなパートナーシップ関係 を担うべきか 構造改革の果てに蘇った 空想的社会主義 非常に良い題材として、サンフランシスコのNPO やブレアの改革がある ↓ 求められる答え コミュニティレベルで、かつ企業家精神を持った市 民を核として効率性を維持しつつ、行政・企業・ 市民のパートナーシップでコミュニティのセーフ ティネットを再構築し、普通の人が安心して暮ら せるような社会を取り戻す コモンズの悲劇を回避する ソーシャル・キャピタル なぜ、コミュニティが社会問題の解決に有用なの か →ロバート・パットナムの調査と仮説、そして結論 コモンズの悲劇 ギャレット・ハーディンが提唱。コモンズの悲劇を 回避しやすいコミュニティの特色には、「コミュニ ティのメンバー間の相互信頼性が高い」「コミュニ ティとしての社会規範が働く」の2つがある。 コモンズの悲劇を回避する ソーシャル・キャピタル ソーシャル・キャピタル ジェームズ・コールマンが提唱 ↓ 画期的な点 コミュニティにある人々の「関係性」そのものを資 源とみなし、かつその目に見えない住民間の関 係性が、経済を含めた具体的なメリットを生む源 だと出張し、社会と経済とを結びつける考える手 目のツールを提供 権威主義や市場原理では コモンズの悲劇は回避できない 囚人のジレンマ →ゲーム理論におけるコモンズの悲劇とも いうべき状態 個人や社会の問題を解決するには・・・ →「ヒエラルキー・ソリュージョン」でも「マー ケット・ソリュージョン」でもなく、「コミュニ ティ・ソリュージョン」を重視すべき by.金子郁容 コミュニティに根差した 社会改革を進めるキューバ キューバの国の仕組みの変遷 革命後の1960年代、カストロやチェ・ゲバラ 主導の改革 →中央集権的、マネーよりもモラル 1970年代、ソ連からの計画経済方式の導 入 →モラルよりマネー、中央集権体制がより 強まる コミュニティに根差した 社会改革を進めるキューバ 1989年、カストロによる「修正主義」と称した キューバ流ペレストロイカ →再びモラル重視、地方分権化 改革の途中のソ連圏の崩壊、未曾有の経済危 機が国を襲う。国家主導の統制経済を敷く 1994年、現在の国家戦略 cf.ブレア政権やサンフランシスコ コミュニティ医療とまちづくり ボトムアップ型のまちづくり キューバとは驚くほど「ソーシャル・キャピ タル」が凝縮された社会 →育まれたコミュニティ組織を活かしたボト ムアップ型の問題解決方法 首都公園プロジェクト 最も貧しい地区であるポゴロティやハバナ 南部のラ・ヒネラなどのコミュニティの再生 コミュニティをベースとした地域医療 「2000年を目標とした国民の健康増進について の医療ガイドライン」 5つの具体的な戦略に基づ き、福祉・医療システムの転換を試みる →従来までの中央集権的な「福祉国家」の体制を 改め、医師と患者とのパートナーシップにより、 個人の自然治癒力やコミュニティの力を引き出 す「自給的な医療」への転換を図る。 →予防医療の第1線であるファミリードクター コミュニティをベースとした地域医療 ファミリードクター 担当する住民一人ひとりを4タイプに分類 し、健康レベルに応じて往診を行う。希望 があれば基準回数より多く診察も可能であ り、医師の方から診察に出向くこともある。 →健康な人々がそのレベルを落とさないよ うに予防線を張る 高齢化社会へもコミュニティで対応 キューバでも先進国並みに高齢化が進行 そのため、医学教育において「高齢者医 学」が必須科目になったり、ファミリードク ターや内科医が老人ホームで働き、老人 医療の専門性を高める →地域コミュニティの活動が、高齢者への ケアやサービスに役立つという経験を踏ま え、1970年代後半から「老人クラブ」が 次々と誕生 コミュニティの免疫力を高める ファミリードクター キューバの医師の約半分がファミリードク ター ファミリードクターと総合診療所の関係は 密接 総合診療所は、住民向けの医療講習会を 開催したり、所属する医師の技術をスキル アップする役目も果たす。ハーブや鍼治療 などの伝統医療も講習される。 コミュニティの免疫力を高める ファミリードクター 経済危機のもとでも高度な福祉医療水準 を堅持できているのはなぜか →伝統医療を活用することで個人の自然 治癒力を高めることとあわせて、コミュニ ティをベースに住民と密着した予防医療を 前提とし、専門的な需要が増える順に、地 区病院、州病院、国立総合病院へと段階 的に対処する合理的なシステムの存在 医師に求められる コミュニティからの推薦 キューバのヘルスケアが目指すのは、個人の健 康だけでなく、コミュニティ全体の健全さと、さらに その中で暮らす一人ひとりの個人を幸せにする こと 医師において、出身階級や人種による差別は一 切なく、男女差別もない。 →医者になるための個人の負担が一切なく、無 料で医療の教育をうけることができる →収入が少ない家庭の若者でも医師になること ができる。 医師に求められる コミュニティからの推薦 医学部に合格するためには、学力だけで は不十分で、地域コミュニティ組織からの 推薦を受けることが必要。 →日本のシステムが、試験というヒエラル キーと「裏口」というマーケッ・ソリューショ ンだけを医師の選考基準に置く。 →キューバは、コミュニティ・ソリューション を選考過程に加味している。 まとめ 個人的、社会的な問題を解決するには、コミュニ ティ・ソリューションが非常に有効である。 キューバでは、様々な面において地域コミュニ ティを重視しており、良い結果を残している。 →一方日本では、コミュニティ・ソリューション、つ まり人と人とのつながりが希薄と言えるのではな いか。 →コミュニティ・ソリューションをもっと取り入れると 日本の社会も何らかの変化が起こるかもしれな い。
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