カニューレ

体外循環における新たな
血小板一次凝集要素に関する報告
仙台循環器病センター 臨床工学科
前田寿、中村恵子、鈴木信司、早坂啓
Sendai Cardiovascular Center
緒言
●人工肺凝固トラブルにおいて、回収された人工肺に凝固
痕跡が残らない事例が報告されている(血小板一次凝集)
●凝固・凝集の要因や傾向
1)ヘパリン反応
2)寒冷凝集
3)アルカレミア
4)感染症
●新たな血小板一次凝集要素と疑われる結果が得られた
Sendai Cardiovascular Center
対象
●心臓血管外科、一般外科の手術施行患者
●抗血小板剤の服用なし(数日前に停止)
●ワーファリンの服用なし
●ヘパリンを使用していない
対象人数: 18人 (♂11 ♀7)
平均年齢: 66才
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方法 試験手順
サンプル
麻酔導入時(ヘパリン投与前)
EDTA
② ②’
Hepa
(負荷係数5)
(cpb = 5)
30分
15分
5分
① ①’ ①’’ ①’’’ ①’’’’ (コントロール)
45分
60分
圧解除
-700mmHg
③ ③’ ③’’ ③’’’ ③’’’’
加圧
HCO3
④ ④’
(負荷係数0.033)
(cpb = 0.03)
Hepa
⑤ ⑤’
(負荷係数25)
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方法 血小板数比率の算出
●EDTA検体の血小板数を基準(1.0)として、各種負荷検体の
血小板数比率を求めた
●試薬による希釈の影響を排除
血小板数比率 = (Plt i / Ht i ÷ Plt e / Ht e )×100
i = 各種負荷サンプル
e = EDTAサンプル
※EDTAのPlt、Htが時間経過によって変化した場合は中止
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結果 血小板数比率
×100%
×100%
EDTA
Plt数(万)
EDTA
Plt数(万)
5分後
15分後
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結果 血小板減少の発生率
血小板減少発生 = 血小板数比率が0.95以下となった検体
15分での発生率と発生検体での平均比率
発生率
平均比率
p値
ヘパリン5
76 %
0.87
0.03
ヘパリン25
35 %
0.94
0.54
ヘパリン5+HCO3
18 %
0.91
0.81
ヘパリン5+陰圧
72 %
0.70
0.02
p値 = 5分と15分の平均比率の比較
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結果 圧負荷の特性を追及
平均比率
負荷(+)
(-)
(+)
(-)
0.72
0.88
0.80
0.86
●可逆的な特性が確認された
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考察 血小板数減少は
凝集が原因か?破壊が原因か?
PU 大きな血小板が多数
WL or AG 小さな白血球が多数
RL 小さな赤血球が多数
破
壊
戻らない
凝集
100
200
300 fL
●Plt減少検体ではマーカーが表示。白血球、赤血球が増加
●Plt破壊 = 不可逆的変化 ・・・ しかし結果は可逆的
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考察 実際の様子
白血球(リンパ球)?
血小板
EDTA
圧負荷
圧負荷
圧負荷
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考察 –700mmHgは真空
●ローラーポンプ → 潰れたチューブが戻る瞬間
●遠心ポンプ → インペラ
●サクション → 吸引口閉塞
実験は数分の陰圧をかけ続けたもの
実際は瞬間 = 発生率と度合いを低下
人工肺凝固まで至る事例を極めて少なくしている
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結論
●陰圧が血小板一次凝集を生じさせる可能性がある
●その度合いは血小板数の増加に対し加速的に拡大する
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