教材ー幼児1 幼児期からの性教育 ~いのちの大切さを伝える性教育~ 厚木保健福祉事務所 保健予防課 富岡順子 子どもに教えたいことは? ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ いのち、生 死 性行為の時期・・・純潔、婚前交渉× 妊娠 ★親が情報源を 性感染症 完全にチェックできる? ★親が性行動を 予防 コントロールできる? トラブルへの対処 ★失敗したら…? 性交経験率 「青少年性行動調査」財団法人 日本性教育協会 A県立高校の状況 あなたはセックスしたことがありますか? 3年女 58.0 25.2 22.8 3年男 29.5 22.4 2年女 8.8 1年女 3.9 1年男 0 19.1 28.9 23.3 10.5 10 1997年 26.3 9.5 4.2 2000年 35.8 14.7 17.0 2年男 2004年 35.6 20 30 % 40 50 60 70 なぜ 今か ら? 思春期・・・今までの積み重ねのかき回し ~自分の色を作り出していく時期 ダメを素直に聞けない 性について親子で急に話せない 性器への関心が強い 自然なものという感覚 偏った情報が入る前に、科学的な情報を のすり込み なにから? 性器の清潔を教える 男の子・・・包皮はむいて洗う、おしっこをさせる 女の子・・・「前から後ろへ」拭く、陰部はきれいに洗う 汚い手では、触らない 「いのち」に触れる体験、話 「誕生」と「死」と両面 からだの名前~働き →自分と結びつけて ところで皆さんは、性器の名称どう言ってますか? TPOを教える 人を不快にさせる、嫌なことは× 人前、場面で「して」「言って」良いことダメなこと ☆からだの名前~働きを教えるポイント 名前は言いやすい表現でOK 必要な場面で言えればよい←慣れ 性器だけ特別扱いしない→からだ全体 遊びながら、指差しながら・・・ さっそく 練習 ☆ 色々な表現 とみおか家でよく使う 女の子の性器・・・♪いんぶんぶ~ん♬ 免疫、抗体・・・体は、バイキンを殺す 薬を作れるんだよ。 セックス・・・つながる 子宮・・・あかちゃんのお部屋 へその緒・・・ホース *その他、性の表現は、後で紹介! ちんちん むいて洗ってますか? P-1 おちんちんの構造 ① 亀(き)頭部(とうぶ) は ② 包皮に 覆われています。 ③ 包皮(ほうひ)口(こう) が 狭いと亀頭部が出ません。 ④ 冠状(かんじょう)溝(こう) まで 簡単にむければ大丈夫です。 ★むける人もむけない人もいます。 ★でもいつかは、必ず、むけるようになります。 「OCHINCHIN」岩室紳也著日本家族計画協会 1999年刊 より ☆清潔 「OCHINCHIN」岩室紳也著日本家族計画協会 1999年刊 より ・ 自分でむいてきれいにできるように練習させましょう。 ・ 自分でできない小さいお子さんは、 親がきれいにしてあげましょう。 • むいた時におしっこの出口が見えれば、OK。 • 亀頭部と包皮がくっついている時は、 お尻ふきやガーゼで少しずつはがしましょう。 • 包皮口を広げたり、癒着をはがす時に、 少し出血する場合があります。 • 無理をすることはありません。清潔にして 包皮をもどしておけば、出血はすぐ止まります。 P-2 P-3 戻らなくなった時のために かんとん包茎に気をつけましょう 包皮をむいたまま亀頭部を出したままにすると、 包皮口が狭いため、包皮がむくんで 戻らなくなることがあります。 包皮をひっくりかえしてして亀頭部を清潔にした後 は、 必ず包皮を戻しておきましょう 予防方法は・・・ とにかく「むいて戻す」をくりかえします。 包皮口は亀頭部がでる時に拡げられます。 回数は多いほど早く広がります。 かんとん包茎の時に包皮を戻すコツ P-4 あせらない! 亀頭部を一分間、思いっきりつまむ 亀頭部を思いっきりつぶすように包皮を戻す これでまず戻ります。 それでも包皮が戻らない時は 1.包皮が戻らないのは狭い包皮口が 引っかかっているため 2.亀頭部は血液が 入っているだけです。 安心してつぶしましょう。 3.引っかかっている包皮口 を確認します。 4.せまいところより先端に近い 皮膚をつかみ戻します。 ☆ いのち~誕生おはなし ゆうです。 「優はどこか ら?」 「カブト虫の死」 よんでください。 ポイント • こどもにわかりやすい表現 • 繰り返し • 機会をとらえる・作る ~質問されたとき、絵本、写真・ビデオを見て、 赤ちゃん(人でも動物、虫でも)を見て ★質問・相談・感想他 めーる [email protected] でんわ 046-224-1111 あ 内)3227 う 厚木保健福祉事務所 別館 月~金 8:30~17:00 ☆ 優は どうやってできたんだろ う??? Y -1 お休み前の時間、 わたる「ママぁ ゆうちゃんのお目目とお鼻は 描いて、お口とほっぺはピンクのクレヨン で塗ったの?」 ママ「ん?」 わ「ママとパパと・・・。ゆうちゃん作っ てくれてありがとう。ぼくとっても嬉しい よ。ゆうってかわいいよねー。」 ああそういうことか。優はどうやってできたのかなって。 Y-2 マ 「ママの卵とパパの赤ちゃんの種に 『お目目と お鼻はこんな形ほっぺとお口はこんな色』ってか いてあるんだよ。 パパのちんちん君がね。『こちら、赤ちゃんの種 のプレゼントです。届けにきましたよろしくー』って ママの赤ちゃんのトンネルから入って、置いて いっ たの(*1)。で、ママの卵と合体―!ってしてさ、 ママのお腹の中で優になったわけ。」 *1 たくさんお話できるなら・・・ 「種は、おたまじゃくしみたいな形。しっぽがあって 泳ぐんだよ。 とーってもいっぱいいるよ。トンネル はいると「ヨーイドン!」て、赤ちゃんの卵をさがす の。一番早くて、一番つよい種が卵と合体するん だよ。あとの種は皆死んじゃうの。」かな。 わ「ふ~ん。それでできたの。」 Y-3 半分わかったような、わからないような。 マ「赤ちゃんどうやって出てくるか知ってる?」 わ「知ってるよ!ぼくとママと『う~んしょ!』 ってやって出てくるんでしょう?」 マ「そうそう。赤ちゃんのトンネルからね。おまたのところ に出口があるんだよね?」 と私が指差すと、優がすかさず ここ?ここ?・・・と 指をさす。 大好きだもんね、ちっち出るところ。 マ「わたるもね~赤ちゃんの時、かわいかったんだよ。ほ んとうにかわいくって、ママ、ず~っと見てた。」 わ「ありがと。ぼくが赤ちゃんのときかわいかったっ て言ってくれて。今は、かっこいいんだけどね。」 Y-4 ママ、ぼくのお腹の中には赤ちゃんの種ない の?」 マ「まだないよ。中学生のおにいちゃんぐらいにならな いとね。」 わ「え~~っつ!!」とブーイング。 「ゆうは?ゆうのお腹の中に卵は?」 マ「あるよ。まだ赤ちゃん卵だから、ネンネしているけ どね。わたる、まだパパにならなくってもいいでしょ う?」 わ「なりたい!」 マ「そっかぁ。わたるのちんちん君の後ろのところに、 赤ちゃんの種を作る工場はあるんだけどね。 まだちゃっちゃくってさー準備中なんだよね。 Y-5 もーっと工場が大きくなったら、赤ちゃんの種をいっ ぱい作るようになるよ!」 さあ、寝よ!寝よ!ってことで・・・この話はここまでに なった。が、翌日、、、 朝、ウンチをしてトイレから出てきたわたる君。 わ「ママぁ ぼくの工場もうおおきくなったんじゃ ないかなぁ?」 マ「アッハッハッハ(笑)まだちょーっとちいさいよ。」 ちょっとがっかりして、 わ「ぼく、赤ちゃん欲しいんだよ。 パパみたいに、んー!!って、抱っこひもで 抱っこするんだぁ」 Y-6 夜、 わ「ゆうのお腹には卵あるの?」 マ「うん。まだ赤ちゃん卵だから眠っているけどね。」 わ「ママのお腹は?」 マ「あるよ」 わ「パパは?」 マ「あるよ。赤ちゃんの種」 わ「ぼくは?」 マ「まだないなぁ」 わたるは、半べそ顔で わ「どぉして ぼくにも卵があるって言ってく れ ないんだよぉ。ぼくだって欲しいよぉ・・ 」 と言って泣き出した。 このところ、わたるのお気に入りの本は、 「いのちはみえるよ」(及川 和男 作 岩崎書 店) 出産場面があんまりリアルで、笑って聞いている。 読んで3晩目に、わ「ママぁ、赤ちゃん、作るのもい いけど、生れる方がもっといいねぇ」と。 ☆ カブト虫の死 K-1 夏から飼っていたカブト虫がとうとう死んでしまった。 夜寝る前、いつものように虫の世話をはじめた小1の 息子が「カブト虫が動かないんだけど。」とつぶやい た。瞬間、部屋はしんとして時間も止まったよう。息子 の かたまった背中は、少しずつ小刻みに震えはじめ した。 はじめて体験する大切な命の「死」だった。 日ごろから、「生」と「死」については意識的に話して きたが、心に刻むには体験が一番。妹、弟が生れて 疑問を口にしたとき、すかさず命の誕生の話をした。 死については、身近な体験の機会が幸いなことにもな く、やっぱり今ひとつ遠い話のようだった。「死んだら、 もう動かないんだよ。話せない。遊べないのよ」「生き 物は命の長さが決まっている」と様々な場面で話だけ はしていた。 K-2 動かないカブト虫を見て、彼はすぐ「死」とわかった。 「せっかく『カブちゃん』って名前もつけたばかりだった のに」と、泣きながら庭に埋めた。「カブト虫の命の長 さは短いんだよ。でもずっときちんと世話していたか ら、ずいぶん長生きしたよね」と声をかけた。 「ぼくがおじいちゃんになったら、おじいちゃんもおば あちゃんも、ママももう死んでいないの?」「そうだよ。 だから生きてるときに大事にしないとね。」「そうだね。 ぼく大事にする。それからまたカブト虫も飼う」そう 言って眠った。 彼の机の上から、虫かごが消え少しばかり広くなっ た。静かな夜中、ガサガサと動きまわる音が消え、私 もさびしい気持ちになった。
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